【設問別例文付】エントリーシートの書き方 頻出質問への回答方法を解説

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最終更新日:2025年03月17日

今回の記事では、エントリーシート(ES)での全設問に共通する伝わる書き方と、それらを踏まえた頻出設問の解説と内定者回答を紹介することで、エントリーシート(ES)の書き方を網羅的に伝授します。

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 この記事の監修者 

   若林宏美さん
   
国家資格キャリアコンサルタント
   一般社団法人テツナグ所属

 

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エントリーシート(ES)とは?履歴書との違い

エントリーシートとは、企業に自分の人柄や仕事への熱意をアピールする書類です。質問事項やフォーマットは企業ごとに異なります。

一方、履歴書は、個人情報を記載し、人事データとして保管される公的な書類です。個人の経験や経歴など、記入事項が決まっています。

エントリーシートは選考の参考にするためのものですが、履歴書は入社後も社員データとして保管されることが多くあります。

多くの企業でエントリーシートと履歴書の両方の提出が求められるのは、上記のようにそれぞれの目的が異なるからです。

企業がエントリーシート(ES)で見ている2つの基準

エントリーシート(ES)の2つの評価基準

企業によっては数千数万単位で寄せられるエントリーシート(ES)の中で、採用担当者はどういった基準で「通過・落選」の判断をしているのでしょうか。

大きく分けて文章作成・情報伝達能力企業の求める人物像に合っているか、この2つの基準をもとに企業はエントリーシート(ES)を評価しています。それぞれ順番に説明していきます。

文章作成・情報伝達能力

第一の指標はエントリーシート(ES)の文章作成・情報伝達能力の評価です。

内容が各設問の要求に沿ったものになっているか、自身の経験や考えを他者に背景を含めてわかりやすく伝える能力が問われています。したがって、普段から論理性を求められるビジネスパーソンにとって「理解・納得・共感」しやすいエントリーシート(ES)を作成しましょう。

エントリーシート(ES)においては時系列順に思ったことを綴るものは評価されづらく、ビジネス文章寄りの論理構成が求められると考えられます。

企業の求める人物像に合っているか

第二の評価指標が「企業の求める人物像に合っているか」であり、エントリーシート(ES)の回答内容についての評価といえます。

各業界・企業のビジネスモデルや社風によって、業務で求められる人物像(人柄や能力の志向性)は異なります。エントリーシート(ES)の各設問を通じて、企業は就活生が自社の求める人物像に合っているかをチェックしているのです。

業界や企業ごとに求められる人物像は異なると述べましたが、経団連が行ったアンケート調査では多くの企業から求められる資質や能力が明らかにされています。

特に期待する資質として、回答企業の約8割が「主体性」、「チームワーク・リーダーシップ・協調性」を挙げた。変化の激しい人生100年時代を迎え、「学び続ける力」と回答した企業が4割近い。
特に期待する能力として、「課題設定・解決能力」、「論理的思考力」、「創造力」が上位。いずれも Society 5.0において求められる能力として、産学協議会で産学間で認識が一致したもの。

引用:経団連|採用と大学改革への期待に関するアンケート調査

就活生の人物像を理解するための材料として、就活生のこれまでのエピソードや実績を知るのは有益です。多くの企業がエントリーシート(ES)で問う「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」や「自己PR」は、就活生の過去の経験を通じて人物像を見極めるための設問だといえます。

また、面接ではエントリーシート(ES)に記載された内容をもとに質問されることも多く、面接でより深く就活生について知るための資料としての役割も持っています。

ESでよく聞かれる質問

エントリーシートでよく聞かれる志望動機、自己PR、ガクチカの項目において具体的にどのような質問をされるか紹介します。

エントリーシートや面接でもよく聞かれる項目ですので、あらかじめ答え方を想定しておきましょう。

  • 「志望動機」に関する質問
  • アピール内容に沿ったエピソードを決める
  • フレームワークに沿ってエントリーシート(ES)を書く

「志望動機」に関する質問

志望動機についてよく聞かれる内容は以下の通りです。

求められる強み

・就活の軸について教えてください
・就職活動を行う上で重視していることは何ですか
・同業者の中でも当社を選んだ理由を教えてください
・当社のどこに魅力を感じましたか
・仕事で大切にしたい価値観は何ですか

 各企業の求める人物像も、おおむね以上で挙げた強みに言い換えることが可能です。詳しくは以下の記事も参考にしながら、企業研究を進めてみましょう。

「自己PR」に関する質問

自己PRについてよく聞かれる内容は以下の通りです。

求められる強み

・長所を教えてください
・一番の成功体験を教えてください
・あなたのキャッチフレーズは何ですか
・特技は何ですか
・あなたを採用したらどのようなメリットがありますか
・失敗から学んだことはありますか

「ガクチカ」に関する質問

ガクチカについてよく聞かれる内容は以下の通りです。

求められる強み

・学生時代に特に力を入れたことを教えてください
・失敗から学んだことはありますか
・部活動について教えてください
・研究内容
・卒論のテーマ
・所属していたゼミについて教えてください

エントリーシートの頻出質問については、以下の記事も参考にしてみてください。

基本情報の書き方

エントリーシートの基本情報欄(氏名、住所、生年月日等)の記入について解説します。
証明写真や捺印が必要な場合もあるため、事前準備が大切です。記入時の注意点を以下にまとめました。

  • 日付・生年月日の表記:和暦と西暦はどちらかに統一する(指定がない場合)
  • 連絡先の記載:「自宅」と「携帯電話」欄がある場合、両方記載する。携帯電話しかない場合は、携帯電話のみ記載する
  • フレームワークに沿ってエントリーシート(ES)を書く
  • 住所の記載:「〇丁目〇ー〇」ではなく、「〇丁目〇番地〇号」と正式名称で記載する。住所の「〇丁目」は漢数字、番地と号は数字を使うと、ビジネスマナーを知っている印象を与えられる可能性がある(必須ではない)
  • マンション・アパート名の記載:省略せずに記載する
  • 写真撮影時の服装はスーツが一般的。手書きで提出する場合は、証明写真の裏面に「氏名」を書いて貼り付ける。
  • データを提出する際は、企業が指定するファイル形式(例:JPEG、PNG)やデータ容量(例:〇MB以内)を必ず確認し、それに合わせて撮影したデジタルデータを用意して送付する。

また、エントリーシートの学歴欄は新卒就活の場合、中学卒業から書き始め、最終学歴まで入学・卒業年月を記入します。職歴は、正社員・契約社員としての勤務経験がある場合のみ記載しましょう。

【頻出設問別】エントリーシート(ES)の書き方

エントリーシート(ES)の書き方3ステップ

続いて、エントリーシート(ES)の書き方について頻出設問別に解説していきます。頻出設問は下記3つの設問になります。

  • エントリーシート(ES)の書き方:自己PR
  • エントリーシート(ES)の書き方:ガクチカ
  • エントリーシート(ES)の書き方:志望動機

エントリーシート(ES)の書き方:自己PR

企業は就活生の自己PRを通して、自社の求める強み・能力を持っているかや、入社後活躍してくれる人材かどうかを見極めようとしています。

そのため、入社後の再現性を持たせることを意識して、自己PRを書く際は下記ポイントを意識して書く用にしましょう。

自己PRを書く際のポイント・ビジネスモデルを理解する
・企業が求める人物像を理解する

上記ポイントを確認したら、実際に自己PRの作成に移ります。企業へ入社後の活躍イメージを企業へアピールするために下記フレームワークに沿って自己PRを作成しましょう。

自己PRのフレームワーク(1)強み:あなたの強みは?
(2)企業が求める人物像を理解する
(3)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
(4)強みを表す具体的エピソードは?
(5)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
(6)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?

以下の記事では自己PRの書き方についてより詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。

エントリーシート(ES)の書き方:ガクチカ

企業はガクチカを通して、学生が経験からどのようなことを学んだのかや、自社にマッチする人材なのかを見極めようとしています。

そのため、ガクチカを書く際は下記要素を満たしているか確認しましょう。

ガクチカを書く際のポイント・経験から得た学びに再現性があるか
・「思考力・モチベーションの源泉・人柄」を示すことができているか

また、下記はガクチカを実際に書き始める際のフレームワークになります。下記にステップ沿ってガクチカを作成することで、論理的に伝わりやすいガクチカを作成することができます。

ガクチカのフレームワーク(1)結論(何に取り組んだのか?)
(2)動機(なぜ取り組んだのか?)
(3)目標と困難(どんな目標を掲げ、課題は何だったのか?)
(4)取組みと結果(どう取組み、結果はどうだったのか?)
(5)人柄(どのような性格が活かされたのか?)
(6)学び(何を学び、社会でどう活かすのか?)

ここでは書く際のポイントやフレームワークの紹介のみしておりますが、ガクチカの書き方についてより詳しく知りたい方は下記をご確認ください。

エントリーシート(ES)の書き方:志望動機

企業は志望動機を通じて、自社への志望度の高さや、入社後に長く活躍してくれる人材かを見極めようとしています。

そのため、志望動機を作成する際には下記ポイントを満たす必要があります。

フレームワーク

・その企業でなければいけない理由の整理
・その企業の業務に対する適性を示す

上記を示すことで、企業に対して、入社後も仕事に前向きに取り組んでくれそうという印象を与えることができるでしょう。上記のポイントを踏まえて、志望動機のフレームワークをご紹介します。

フレームワーク

(1)夢・目標・成し遂げたいこと
(2)きっかけとなった経験
(3)企業選びの軸
(4)業界比較
(5)入社後やりたいこと・取り組みたい仕事
(6)同業比較

エントリ ーシート(ES)頻出設問の意図と内定者の回答例

ESE頻出質問と内定者の回答ここからは、エントリーシート(ES)の中でも特に多くの企業で問われる「志望動機」「自己PR」「ガクチカ」のunistyleに寄せられたエントリーシート(ES)回答例を用いて紹介します。

先輩就活生のエントリーシート(ES)をコピーアンドペーストするのは当然NGですが、unistyleに掲載されている回答例には、エントリーシート(ES)の書き方を考える際に有益な情報が含まれています。ぜひ参考にしてみてください。

エントリーシート(ES)の回答方法と内定者回答例:自己PR

【設問】:あなたの自己PRをお書きください。(300字以内)

私は「圧倒的な好奇心と行動力」を持っている人間である。私は様々な事に興味を持ち、興味を持つだけで終わらず必ず実行してきた。これは正しい視点の獲得のために非常に重要な要素である。例として、私はオーストラ...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

参考:文字数別で自己PRの書き方と例文を解説‐100字/200字/400字/500字/600字/800字‐
→内定レベルの自己PRを簡単に完成させる方法について解説しています。7ステップで優れた自己PRを完成させるための方法に加え、文字数別のエントリーシート(ES)例文を紹介しています。

【設問】: これまで「想い」を持って取り組んだ活動についてご記入ください。自己PR500文字*その活動における苦労・工夫した点や成果等も記入してください。(500文字以内)

チーム全体を俯瞰し、課題解決につなげる力があります。
この力を用い、研究室内の他のチームが研究の進行が遅れていた際、メンバー間の仲介役として人間関係の改善に努めました。また、研究目標を提案し、目標達成...
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。

 

エントリーシート(ES)の回答方法と内定者回答例:ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)

【設問】:あなたが学生時代に最も力を注いだことは何ですか?また、その経験の中で一番苦労したことと、それをどう乗り越えたかについて教えてください。(800文字以下)

私が学生時代に最も力を注いだことは、大学のテニス部での活動です。その中で一番苦労したことは、「練習方法改善によるチーム全体のレベルアップ」です。部の目標は、中四国地区の2部リーグから1部リーグへの昇格...
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?きっと人事の方はこう言うでしょう。
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、

【設問】:あなたの学生生活において直面した最も困難なことと、それをどう乗り越えたかについて、具体的なエピソードを基に説明してください。※学業・研究や課外活動等、ご自身が最も力を入れたと自信を持てる取り組みであればどのような内容でも結構です。(全角400文字以内)

中高生向けプログラミング体験教室のオンライン化でのあり方を改革したことです。
受講生150人にコロナ禍で対面と同等の満足度と成功体験を届けることが目的でしたが、ビデオ通話開催のため、対面と比べて細やか...
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように、学生の人気というものは年々変遷していきます。自分が将来成し遂げたいことはなんであって、そこに対して自分が就職活動で持つべき企業選びの軸はどこにあるのかを考えた。
また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。

 

エントリーシート(ES)の回答方法と内定者回答例:志望動機

【設問】:弊社エントリーの理由

貴社であれば、「プロセスインフォマティクス」で材料製造技術を進展させ、革新的な材料を創出できると考え、志望しました。その理由は2点あります。1つ目はプロセスインフォマティクスに関する高い技術力があるこ...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

【設問】 :志望動機(200字)

他者貢献の実感が私の活力の源泉であり、金融という側面から幅広い提案ができる銀行を志望する。中でも貴行の強固な顧客基盤とグループ総合力により、多様な顧客に対して規模や業種を越えた提案によって顧客の成長を...
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
参考:企業選びの軸(就活の軸)の定め方とES(エントリーシート)例文を紹介 -大手企業内定者の回答例13選-
→企業選びの軸に自身の経験を紐付けることの重要性を述べると共に、実際の内定者の企業選びの軸も紹介していますので是非参考にしてみて下さい。

エントリーシート(ES)を書く際の注意点

エントリーシート(ES)の書き方:書く際の注意点

エントリーシート(ES)を通じて企業側が何をチェックしているかが分かったと思います。では次に、実際にエントリーシート(ES)を書く際にはどのような点に気を付ければ良いのかについて解説していきます。

以下に、エントリーシート(ES)で論理的な文章を書くために最低限押さえておくべき注意点をまとめます。

  • ポイントを絞って書くこと
  • 結論ファーストで書くこと
  • 入社後の活躍がイメージできるように書くこと
  • 空白や空欄を作らないこと
  • 文章のマナーや誤字脱字に気を付けること

エントリーシート(ES)の注意点(1):ポイントを絞って書くこと

就活生の中には「企業にアピールしたい内容やエピソードがたくさんある!」という方もいるかもしれません。しかし、エントリーシート(ES)の中にそれらをすべて盛り込むと、何が伝えたいメッセージなのかが分かりにくくなってしまいます。

エントリーシート(ES)で求められているのは「自分の経験や考えを他者に背景を含めてわかりやすく伝える」ことです。数百字の文字制限のあるエントリーシート(ES)ではアピールポイントやエピソードを絞り込み、それについて深く論じる方が企業側に伝わりやすくなるでしょう。

エントリーシート(ES)の注意点(2):結論ファーストで書くこと

エントリーシート(ES)の文章を論理的で伝わりやすいものにするためのポイントとして、「結論を最初に述べること」も意識しましょう。最初に「結論=問いに対する答え」を明示することで、それ以降の内容を結論に対する根拠や説明として読むことができるようになり、読みやすい文章構成になります。

以下の良い例・悪い例の比較を見ると、「学習塾のアルバイトを頑張った。」という結論を最初に述べることで格段に読みやすくなることがわかると思います。

良い例・悪い例のイメージ

参考:
自己PRの書き出しで押さえるポイントは4つ!ー例文8選付きで解説ー
【志望動機の書き出しって何が正解?】エントリーシート(ES)例文・NG例付でポイントを解説

→エントリーシート(ES)では各設問への回答=結論を端的に書くことが求められます。こちらの参考記事では、自己PRと志望動機でエントリーシート(ES)の書き出しを書く際のポイントなどを、実際のエントリーシート(ES)を交えて解説しています。

エントリーシート(ES)の注意点(3):入社後の活躍がイメージできるように書くこと

企業が求めているのは入社後にその企業で活躍し、利益を上げてくれる人材です。したがって選考ではその就活生が入社後に活躍できそうかという観点でチェックしています。そのためエントリーシート(ES)においても、入社後の活躍がイメージできるように書くことが求められます。

そのためには、自身のアピールポイントに再現性がある(どんな環境でも強みや人柄を発揮できる)ことをエントリーシート(ES)で示す必要があります。先ほどの「悪い例・良い例の比較」の良い例のように、エピソードを通じて学んだことや、強みを発揮するために意識していることを述べると、再現性をアピールすることができます。

エントリーシート(ES)の注意点(4):空白や空欄を作らないこと

エントリーシート(ES)の各設問には300字以内や400字以内といった規定字数が設けられていることが一般的です。エントリーシート(ES)作成の際には、こうした規定字数の少なくとも9割以上は埋めるようにしましょう。

設問の規定字数は、企業側が就活生にどの程度詳細で具体的な内容を求めているかを示しているといえます。そのため、規定字数に対してあまりに字数が少ない場合、エントリーシート(ES)の内容が企業側が求めている情報量に届いていないということになります。

また、空白が多いと企業に「この就活生は志望度が低い」と判断されかねません。自由記述欄なども空欄にはせず、どの設問も空白を減らすように心がけましょう。

エントリーシート(ES)の注意点(5):文章のマナーや誤字脱字に気を付けること

こんなことは当たり前だと感じるかもしれませんが、重要なポイントの一つです。

エントリーシート(ES)でのマナーとして、社会人に求められる言葉遣いで書くことが挙げられます。例えば、「僕」や「俺」ではなく「私」という一人称を使うなど、ビジネスシーンではそれに見合った言葉遣いが存在します。

また、エントリーシート(ES)を作成していると、「てにをは」がおかしくなったり漢字の変換ミスがあったりと、意外にも誤字脱字が多くなってしまいがちです。しかし、エントリーシート(ES)の段階からこういったミスが多いと「注意力がない」「仕事への取り組みが雑なのではないか」といった悪印象を与えることになってしまいます。

これらのミスは見直しや他者からの添削などの手間をかければ簡単に直せます。逆に言えば、そうしたミスが多いと「この就活生はエントリーシート(ES)の見直しの時間を惜しんでいて、志望度が高くないのだな。」と思われるリスクもあります。競争率の高い選考序盤こそ、こうしたマナーやミスに気を付けてエントリーシート(ES)作成をしましょう。

ESを提出する前に確認すること

ES(エントリーシート)が完成したら、提出する前に以下の項目を確認しましょう。

もし、当てはまるものがあれば、提出前に修正しておきます。
先輩や、社会人などの第三者に客観的な視点でチェックしてもらうのもよいでしょう。

  • 誤字脱字がないか確認する
  • 話し言葉になっていないか確認する
  • 文字は統一されているか(です、ます調/である調)
  • 結論ファーストの書き方になっているか
  • 指定文字数の9割以上を記入しているか
  • 読みやすくかけているかどうか(改行の位置や、手書きの場合は丁寧にかけているかどうか)

エントリーシート(ES)の悪い例と良い例

ESの良い例と悪い例ここでは、エントリーシート(ES)における「悪い例・良い例」を紹介します。

今回は、「三菱商事の20卒本選考:ES選考通過者のES」を良い例として取り上げます。また、良い例をもとに筆者が「悪い例」を作成しました。

悪い例と良い例

【設問】:周囲と協力して、困難な状況に立ち向かった経験について、教えてください。 その過程であなた自身の意志・決断で行動した点も含め、具体的に記してください。(400文字)

50人規模の将棋部の副部長として新入部員の退部率を減少させた事です。小学1年生から将棋を始め、大学でも部活動に所属しており、大学3年生からは副部長に就任しました。そこで、副部長就任時に新入部員の退部率が毎年多い事を課題と捉え、解決する事を決意しました。部への参加率が低い部員と退部者数名にヒアリングを行い、参加率低迷の原因を追求しました。上記を踏まえ、解決策として1実力を伸ばす仕組み、2実力を実証できる仕組みを考案し、部員に呼びかけたのですが、解決には至りませんでした。そこで、部員のモチベーションを考慮しつつ、数十人と1対1で対話をし、課題解決の必要性を強く訴えました。そして、結果的に退部率を減少させることに繋がりました。部員と真摯に向き合ったから私だからこそ解決する事が出来ました。

      上記のエントリーシート(ES)は論理的な文章であり、一見すると良いエントリーシート(ES)のように見えますが、"落ちる可能性が高い文章"の一例となっています。

「では一体、何が良くて何が悪かったのか」、悪い点・良い点を説明する前に良い例をご覧ください。

【設問】:周囲と協力して、困難な状況に立ち向かった経験について、教えてください。 その過程であなた自身の意志・決断で行動した点も含め、具体的に記してください。(400文字)

50人規模の将棋部の副部長として新入部員の退部率を40%減少させた事です。小学1年生から将棋を始め、大学でも部活動に所属したのですが、同期が入部1年目に退部していく姿を何度も目撃し、退部に対して強い問題意識を持ちました。そこで、副部長就任時に新入部員の退部率が毎年約50%である事を課題と捉え、解決する事を決意しました。部への参加率が低い部員と退部者数名にヒアリングを行い、参加率低迷の原因を追求しました。上記を踏まえ、解決策として1実力を伸ばす仕組み、2実力を実証できる仕組みを考案し、部員に呼びかけたのですが、当事者意識の欠落から協力を得る事は容易ではありませんでした。そこで、部員のモチベーションを考慮しつつ、数十人と1対1で対話をし、課題解決の必要性を強く訴えました。結果、協力を十分に得る事が出来、退部率40%減を実現しました。部員と真摯に向き合ったから私だからこそ解決する事が出来ました。


選考通過者ES:20卒 三菱商事 総合職

いかがでしょうか。悪い例と良い例で全く同じエピソードを用いていますが、文章の「具体性・精度」は大きく異なります。

それでは、まずは「悪い例」の文章の中でも"良い点(修正する必要のないポイント)"を紹介します。

良い点(修正する必要のないポイント)

(1)「結論→現状/課題→解決策→結果」という流れに沿っている
(2)「課題に対する解決策」が論理的である

続いて"悪い点(修正する必要のあるポイント)"を紹介します。

悪い点(修正する必要のあるポイント)

(1)課題や結果が「定量的」でない
(2)「考え・行動」が抽象的すぎる

修正点(1):課題や結果が「定量的」でない

悪い例と良い例を比較してみると、「退部率を減少させた→退部率を40%減少させた」、「新入部員の退部率が毎年多い→新入部員の退部率が毎年約50%である」、「退部率を減少させることに繋がりました→退部率40%減を実現しました」など、良い例の方が非常に"定量的"であることが分かります。

採用担当者は第三者ですし、ひと目で「活動内容・結果」を理解する上で、"定量的な表現"を用いることは非常に有効です。

エントリーシート(ES)で「現状・課題・結果」などを書く際には、出来る限り定量的な表現を用いて書くように心掛けましょう。

修正点(2):「考え・行動」が抽象的すぎる

悪い例と良い例を比較してみると、「大学3年生からは副部長に就任しました→同期が入部1年目に退部していく姿を何度も目撃し、退部に対して強い問題意識を持ちました」、「解決には至りませんでした→当事者意識の欠落から協力を得る事は容易ではありませんでした」など、良い例の方が非常に"具体的"であることが分かります。

エントリーシート(ES)では基本的に文字数が限られてはいますが、その中でできる限り具体的に書くことは重要です。

単純な「考え・行動」の説明だけでなく、「なぜ?・どのように?」という観点を踏まえた文章を書くことができると、より具体的なエントリーシート(ES)にすることができます。

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【設問別】エントリーシート(ES)の書き方と例文

設問別のES対策

上記では人気企業のエントリーシート(ES)を業界別に紹介しましたので、続いては設問別に紹介していきます。

エントリーシートを書く時は、それぞれの設問に応じたフレームワークを用いると採用担当者にも伝わりやすくなります。 設問とあわせて活用できるフレームワークについて解説します。

エントリーシート(ES)の設問を47個に分類し、各設問に特化した書き方や例文を掲載していますので、是非参考にしてみてください。

志望動機に関する設問 

企業は内定を出したら本当に入社するかどうか、もし入社しても社風やビジョンがマッチしていなければ、長く働いてもらえないのではないかと懸念しています。

上記の点を意識して志望動機を書くようにしましょう。志望動機は、フレームワークに従って書くとわかりやすく相手に伝わりやすい内容になります。

志望動機を書く時は、以下の記事を参考にしてみてください。

自己PRに関する設問

企業は、採用するにあたり、自社で活かせそうな強みや就活生の人柄についてもチェックしています。

自己PR見て、自社で活躍してもらえるかどうか、どのような考えを持つ人物なのかを見ています。 自己PRを書く時は、上記のフレームワークを使い、書くようにするとよいでしょう。

自己PRでは、まず初めに自身の強みを一言で伝え、その強みがある具体的なエピソードを書きましょう。 エピソードや結果には、第三者にもイメージがしやすいように数字などを用いて書くようにします。

最後は、自己PRで伝えてきた長所をどのような業務に活かせるのかを書いて締めくくります。

自己PRを書く時は、以下の記事を参考にしてみてください。

ガクチカ(学生時代頑張ったこと)に関する設問 

企業はガクチカのエピソードを通して、就活生がどのような困難を乗り越えてきたかを知ることで、仕事に対しての向き合い方や入社後に活躍が期待できるかを見ています。

また、エピソードを通して、就活生がどのような人間性や価値観を持っているかを判断する材料にもしています。

ガクチカを書く時は、まず初めに何をがんばったのか結論を伝え、なぜそれを実践したのか理由を書きます。 次に、目標や課題などを伝え、どのような取り組みをしたかを書きましょう。 具体的なエピソードを伝えたら、どのような結果につながったのかを書き、最後はガクチカを通して学んだことで文章を締めくくります。

ガクチカ(学生時代頑張ったこと)を書く時は、以下の記事を参考にしてみてください。

大学や学業に関する設問

パーソナルな設問

経歴に関する設問

その他設問 

【業界・企業別】エントリーシート(ES)の書き方と例文

大手企業内定者のES

続いては、人気業界・企業のエントリーシート(ES)と業界ごとの対策記事を紹介していきます。

総合商社

コンサル・シンクタンク業界

広告業界

テレビ業界

銀行業界

保険業界

食品業界

不動産業界

自動車業界

電機業界

証券業界

化粧品・消費財業界

インフラ(交通・生活)業界

通信業界

製薬業界

人材業界

建設業界

エントリーシート(ES)の書き方に関するQ&A

エントリーシート(ES)の書き方に関するQ&A

最後に、エントリーシート(ES)の書き方に関して、就活生が抱くことの多い悩みに回答していきます。

エントリーシート(ES)は何割埋めればいい?

指定文字数の9割以上を埋めることを目指しましょう。記述欄に余白が多いと、志望度が低いと思われてしまいかねません。志望意欲をアピールするのであれば、指定文字数になるべく近い文字数で書くことが理想的です。

しかし、冗長な文章にならないよう気を付ける必要があります。上記の通り、企業はエントリーシート(ES)を読むことで、就活生の文章作成・情報伝達能力を評価しようとしています。そのため、文字数稼ぎのために必要のない言葉を後から足すことはやめましょう。

学業、アルバイト、インターン、部活、サークルなどの中でどのエピソードが有利?

結論から言うと、どのエピソードが有利ということはありません。なぜなら、企業が知りたいのはその就活生が企業の求める人物像に合っているかどうかだからです。そこで大事になるのは、エピソード自体の内容ではなく、エピソードから見える就活生の人柄です。

エントリーシート(ES)を書く上では、エピソードの大きさではなく、エピソードの中でどんな困難があり、それに対してどのような行動をとり、結果どうなったかというプロセスを具体的に伝えることを意識しましょう。

最後に

エントリーシート(ES)の書き方まとめ

ここまで、エントリーシート(ES)についての重要な考え方や具体的な例について伝えてきました。内容をまとめると、以下の3点を意識することが重要となります。

  • 企業の求める人物像に沿ってアピール内容を作成する
  • 自分と似た背景を持つ先輩のエントリーシート(ES)実例を適切に活用する
  • 設問の意図を汲み取って回答する

また、unistyleには多くの先輩就活生によるインターン・本選考レポートや、実際に選考を通過したエントリーシート(ES)回答が多数掲載されています。こうした情報やノウハウも役立てていただけると幸いです。

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