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業界研究の真の目的を見失ってはいけない

業界研究の真の目的を見失ってはいけない

掲載開始日:2017年12月12日
最終更新日:2018年12月13日

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就職活動において、本選考のスタートも言える企業の広報活動解禁日。

当日に、ある種儀式的に行われるとも言えるのが、ナビサイトへの登録・企業マイページの開設です。

その際、多くの就活生は「どの企業を受けるか」、もっと前で言えば「どの業界を受けるか」を考えていることでしょう。その答えを出すために、まず学生が取り組もうとする行為が "業界研究" だと思っています。

本記事では、就職活動における業界研究について、その目的・効果・方法などが体系的かつ網羅的に示されています。これさえ読んでおけば、業界研究の全体像については十分把握できる内容だと思っているため、「業界研究って何?」という方から「自分は業界研究は完璧だ」と思っている方まで、改めて理解を深めるきっかけにしていただければと思います。

そもそも、「業界研究」とは?

「業界研究をやっていないからエントリーをする業界を決められない。」

「業界研究が進んでないから志望動機が書けない。」

このような悩みを抱える就活生は、毎年多いように感じています。

しかし、上記のような考えはunistyleとしても疑問に感じる面が多く、就職活動における業界研究の位置付け・目的・方法などを正しく理解している就活生は少ないように感じています。

|業界研究 とは|(検索)

といったワードで検索をかけると、「自分が興味ある業界を見つけるため」「まずは自分の知っている業界を列挙しましょう」といった、業界研究の定義ではなく、その目的や取り組み方といったやや的外れな情報が目立つ印象があります。

unistyleではこれについて、

「業界研究とは、各業界のビジネスモデルを理解し、仕事内容をイメージすることである」

という考え方を取っています。

定義として述べるのであれば、業界研究=業界を研究することです。この「研究する」を具体化したものが、「ビジネスモデル+仕事内容の理解」という形になります。

なお、仕事内容はビジネスモデルによって決定されるため、別々の作業工程ではなく、「ビジネスモデルを理解した結果として仕事内容へのイメージも深まる」という位置づけのもと、両者をまとめて捉えていただければと思います。

業界研究の目的 ー なぜ業界研究をやるべきなのか

「業界研究の目的とは、業界についての知識を深めるためである。」

上記はWebサイトや就活本でよく見られる表現であり、一見まっとうな考え方に思われるかもしれません。

しかし、「知識を深める」のは、それ自体が業界研究の一部であり、目的とは言えません。業界研究は業界研究のためにやるべきものではなく、「内定レベルまで自身の水準を高める」という目的意識を持ちながら取り組むべきだと思っています。

業界で求められる素養 + 自身の適性との合致を考える

先述の通り、業界研究は、その業界のビジネスモデルと仕事内容を理解することから始まります。しかし、「理解」自体に目的があるのではなく、そこからその業界で求められる素養を導くことに第一の目的があります。(図の左側の流れ)

次に自己PRですが、自己PRとは端的に言えばあなたの強みを伝える質問形態です。自己PRはその裏付けとして、自身の生い立ちや具体的なエピソードを用いて説得力を高めていく必要があります。(図の右側の流れ)

例えば、「個人に実績が明確に紐付く環境で成果を上げること」が強みとして、SIer業界の開発職への自己PRとするのは的外れだと考えます。SIerの開発職では企画・営業・保守運用といったスキルや考えの異なるメンバーと協力し、(個人の活躍どうこうよりも)全体としてプロジェクトを成功に導く素質が重要であり、両者の合致には至っていないためです。

この「業界で求められる素養」と「あなたの強み」の合致を伝えることが、効果的な自己PRを作るうえで必要になります。

これより、もう少し先まで目を向けると、業界研究の目的は「企業に評価される自己PRを構築するため」と言い換えることもできると思います。

業界のビジネスモデル + 自らの志の合致を考える

業界研究で理解する業界のビジネスモデルについて、それで実現妥当性がある事業幅には当然限りがあります。(図の左側の流れ)

次に志望動機ですが、「評価される志望動機の書き方|企業が知りたい6つのポイントと内定者回答」にもあるように、志望動機は自分が社会で成し遂げたいことや目標を考えることがその出発点となります。成し遂げたいことは自身の過去の経験から導く必要があります。(図の右側の流れ)

例えば、「カタチの無い商材を自らの人間力で発信する仕事がしたい」という志を持っている就活生が食品メーカーを志望しているとなったら、業界の志望動機としては大いに妥当性に欠けるでしょう。

この「業界のビジネスモデルで実現妥当性があること」と「自身が成し遂げたいこと」の合致が、志望動機を構築するうえでの前提となります。

これより、業界研究の目的は「企業に評価される志望動機を構築するため」と言い換えることもできると思います。

参考:評価される志望動機の書き方|企業が知りたい6つのポイントと内定者回答

志望動機に関する質問についての解説記事です。企業が志望動機を聞く理由を踏まえながら、論理的で納得感のある志望動機を誰でも作ることができるフレームワークを紹介しています。ぜひご参照ください。

業界研究の具体的方法

次に、上記目的に沿った業界研究のやり方について説明していきます。

業界研究は、それ単体が内定獲得に直結するわけではなく、自己分析を始めとした他の取り組みとの関わりの中で機能していくものだと思っています。

まずは正しい自己分析から企業選びの軸と自身の素質を導くこと

多くの就活生が「業界研究をして興味ある業界を探す」ということをエントリーの出発点としている印象があります。
しかし、「戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法」にあるように、このやり方には、業界の幅が狭まる・一貫性のない業界選択になりがち・自身の経験に基いていない説得力に欠ける志望動機になる、の3点で問題があると考えています。

自己PRの場合でも、経験から導かれた自身の素質を考えないことには、業界・職種で求められる素養との合致を分析することはできません。

詳しくは同記事を参照していただければと思いますが、経験と仕事を結びつけることにこそ、業界研究や自己分析の本質があります。前者を導くのが自己分析であり、後者を導くのが業界研究であることから、両者を並行させながら考えていくことが必要だとわかると思います。

参考:戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法

就職活動の鉄板とも言える 「自己分析」 の目的や方法、内定獲得に向けた活用法を紹介した記事です。文章が少し長いですが、就職活動のスタート時にはもちろん、ES・面接など選考対策としても役に立つので、適宜見返していただければ幸いです。

業界のビジネスモデルの理解

ビジネスモデルの理解とは、端的に言えば「商材とカネの流れを理解すること」を表します。

もう少し具体化すると、①どんな商品・サービスを(what)、②誰に対して(who)、③どのように(how)売り、利益を得ているかを考えることになります。

ここでは食品メーカーを例に挙げて考えます。

①どんな商品・サービスを(what)

企業が提供する商材は、大きくモノ・サービスの2つに大別できます。

メーカーを始めとしたモノを扱う企業の場合、自社の製品に対する愛着が強い人が多い傾向があります。そのため、「モノ」が競争力の源泉となり、モノ作りの根幹となるマーケティングや研究開発といった部署が花形になりやすいことになります。

一方、銀行・コンサル・商社を始めとしたサービスを扱う企業の場合、商品を見せて売り込むのは困難になります。そのため、「ヒト」が競争力の源泉となり、商材を売り込むうえでは営業の力量に左右される面が多くなります。

この2分類を前提として、提供する商材をもう少し具体化して考えていくことになります。

食品メーカーの場合は、一般消費者にとっても馴染みのある商品(モノ)を提供しているため、この項目については研究せずともイメージが付きやすいと思います。味の素や日清製粉のように食品原料を提供する企業もあるなど、企業研究の際はここからもう少し踏み込んで考えていく必要があるでしょう。

例えば、近年では情報技術の普及で消費者が商品の情報を得やすくなったことなどから、ショートセラー商品が食品メーカーでも増加傾向にあり、消費者のトレンドの変化に対応した新商品の開発が求められています。

とは言え、志望動機を考える際に商品への興味を無理に捻り出す必要はありません。モノの扱う企業の場合でも、商品愛を述べるに留まることなく志望動機を考えていく必要があります。

参考:興味がなくても書けるメーカーの志望動機|製品愛以外で語る視点とは

商品に興味がない学生が、メーカーの志望動機を作成する方法を紹介した記事です。「日本の良さを世界に発信したい」「個人に成果が紐づく仕事がしたい」など、実際の社員の働き方に結びつけることができれば、いくらでも志望動機は作成することができます。

②誰に対して(who)

こちらは一言で言えば、「クライアント(顧客)は誰か」を考える項目になります。

クライアントは、大きく法人・個人の2つに大別できます。

法人を顧客とする企業は一般にBtoB(Business to Business)企業と呼ばれ、コンサル・素材メーカーなどが該当します。BtoB企業の場合は、相手方に「自社の利益になる案件だ」と納得させるための、論理的思考力・プレゼンテーション力が特に問われます。

一方、個人を顧客とする企業は一般にBtoC(Business to Customer)企業と呼ばれ、自動車メーカー・不動産販売などが該当します。BtoC企業の場合は、相手方に「この商材を買いたい!」と感情的に思わせるための、相手の懐に訴えかける力が特に問われます。

食品メーカーの場合、商材を直接我々消費者が手に取るためBtoCメーカーであることは間違いありません。しかし、加工食品を製造するための原料の卸売を食品専門商社に依頼したり、消費者の手に届けるために小売店に対して自社製品を売り込んでいくなど、直接の取引相手は法人が中心になります。

小売店の購買担当に「このお菓子はおいしいです!」と担当本人が買いたいと思うような提案をしても販売促進の目的とはズレがあるわけで、そのお菓子を店舗に置くメリットを論理的に説明することが求められるでしょう。

参考:自分にはどんな仕事が向いているのか

世の中の企業を2つの軸で分類し、それぞれの働き方の違いを紹介した記事です。業界のビジネスモデルの違いを把握し、自分のやりたいことを見つける参考にご活用ください。

③どのように(how)

多くの業界・企業では、営業が商材を提供する役割を果たしています。
そのため、営業としての働き方について理解を深めることがこの項目の基本となることが多くなります。

食品メーカーの場合は、以下の記事が参考になると思います。

先述した通り、マーケティングや研究開発といった職種が花形になりやすい食品メーカーにおいては、就職活動でもそれらの部署を志望する学生は多いと思っています。

一方で、新入社員の多くは食品メーカーの場合でも営業に配属されることが多いのが事実であり、個人に成果が紐づくような多くの人がイメージする"営業"としての役割を果たすことになります。

このように、「普段商品を口にするからクライアントも個人」「名の知れた企業が多いから営業も楽勝」というような一消費者としてのイメージではなく、商材とカネの動きをプレーヤー同士の関係性も考慮しつつ深く探ることが求められます。

ちなみにここまでの3項目は、以下の記事にある志望動機の3要素に近しいことが書かれていると思います。このことから、ビジネスモデルの理解と志望動機の構築が密接に関わっていることが読み取れるでしょう。

志望動機というとかなり大雑把な言葉で、言葉の定義が人によって変わってしまいがちです。「志望動機」を分解すると下記の三つの要素に分かれるように思います。


①どのような価値・サービスを提供したいか
②どのような方法で価値・サービスを提供したいか
③得られる対価として何を手に入れたいか

 

参考:志望動機は3つの要素に分けて考えるとわかりやすい

職種の働き方 + 求められる素養を考える

先述の通り、仕事内容から求められる素養を導くことに業界研究の目的の一つがあるため、次に職種ごとに働き方や求められる素養を考えていくことになります。

食品メーカーの場合ですと、

営業・生産管理・マーケティング・研究開発・コーポレート・・・

などといった職種が代表的です。

ここから、文理や自身の専攻分野をもとに配属される可能性がある職種の働き方を考察していきます。

例えば生産管理の仕事では、需要予測や原料の供給量などから工場における生産計画を策定、及びそれに沿った生産が実行されているか管理し、適宜修正を行います。工場側は人材・設備等の関係から生産量には限界があると考える一方、営業側はできるだけ多くの完成品が欲しいという状態もしばしば発生します。

これより食品メーカーの生産管理では、「現場関係者・営業・購買担当といった複数の関係者の利害を調整し、それに対して最適な働きかけができる」素養、もう少し一般化すれば「価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」素養が求められると考えれます。

"素養"と言われると何やら難しく感じるかもしれませんが、unistyleでは企業に伝えるべき強みは大きく分けて5つに分けられると「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」の記事で紹介しています。

結局、総合職では三菱商事であろうと電通であろうとトヨタ自動車であろうと求める人材は類似しており、まずはこの5つのうちどれに当てはまるかを考えれば十分だと思っています。

参考:ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?

人気企業内定者が共通してアピールしていた、企業が求めている5つの「強み」を紹介した記事です。有名企業内定者の回答の紹介もしていますので、参考にご活用ください。

業界ごとの繋がりから業界比較をする

一般に、一つの仕事といってもそこには数多くのプレーヤーが関わっており、ビジネスモデルを考えるうえではそれらの関係者も考慮する必要があると思っています。

食料メーカーの場合、食品原料メーカー・総合商社・食品専門商社なども食に関わるビジネスに携わっています。これらを「「なぜうちの業界?」|業界研究の重要性」の記事にあるようにメリット / デメリットを中立的な立場で考えていけるといいでしょう。

他にも営業に焦点を当てれば、「①生命・生活にとって不可欠な商材を、③個人に成果が紐づく環境で営業活動により消費者に届ける」という面で、製薬会社のMRや生活消費財メーカーの営業でも近しいことが言えるでしょう。

この場合、MRとは②クライアントが小売店の販売担当ではなく医師である、生活消費財メーカーとは②外食産業はクライアントにはならない、という点でそれぞれ違いがあります。

これらを自己分析から導いた企業選びの軸や自身の強みと関連付けて、憧れというより、向いていること・やりたい/興味があることとの合致を伝えられるようにしましょう。

参考:「なぜうちの業界?」|業界研究の重要性

志望企業の理由を語る上では、志望業界に対する憧れを羅列するだけでなく、「他業界ではダメな理由」も語れなければなりません。業界比較のための具体的なステップや、内定者の業界比較例を掲載しているので、参考にご活用ください。

業界研究で用いられる媒体・イベントについて

業界研究ではその手段として何かしらのツールがしばしば紹介されています。

ここでは、その代表例をいくつか紹介していきます。

unistyleを活用する

unistyleでは業界研究に関する記事がいくつも掲載されています。

「日本のプレゼンスを高める仕事がしたい」「新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい」といった代表的な企業選びの軸に当てはまる業界はどこかなど、上記の方法を進めるにあたって参考となる記事も多いと思っているので、適宜参照して業界研究に役立てていただければと思います。

参考:7つの「企業選びの軸」|軸に合った業界を知る

unistyleでは企業を選ぶ軸は大きく分けて7つに分類されると考えています。この記事では、7つの軸についての紹介と、各軸ごとにどのような業界を受けるとよいのかを簡単にまとめています。
参考:これで業界研究は攻略|総合商社って結局何しているの?
   業界研究|金融業界って実際何してるの?
unistyleでは業界ごとの研究記事を掲載しています。今後も様々な業界研究の記事が追加されますので、ぜひご覧になって下さい。

書籍を読んで理解を深める

業界研究の書籍と聞いて多くの方が一番に浮かぶのは四季報・業界地図でしょう。

四季報は企業の概要をざっと知るうえでは参考になると思いますが、従業員数・平均3年後離職率・売上高といった数値を見たところで、それが内定獲得に結びつくわけではありません。

業界ごとにどのような企業が存在するかを知るうえで活用できる面も多いと思われますが、企業の存在認知だけで各ビジネスにどのように携わっているかの理解が深まりにくい点・掲載企業が網羅性に欠ける点ではやや不十分な印象があります。

こういった書籍はそれを読み漁る自分に満足することなく、業界・企業を知る参考程度と考えてもらえればと思います。

合同説明会・企業説明会に参加する

四季報・業界地図と並んで挙げられる業界研究の手段が合同説明会だと思います。

冒頭で述べたマイページ開設と同様、広報活動解禁日にイベント会場で何千もの就活生がスーツ姿で参加する姿は、もはや就職活動の風物詩とも言える気がします。

合同説明会は興味がある業界を見つけるという点では機能するでしょうが、そもそも興味のきっかけを合同説明会に求めようとする姿勢自体に疑問を感じます。以下の記事にもあるように、まず受ける企業を探すという姿勢は論理的に問題がある志望動機を生み出しがちだと考えています。

「志望動機」の正しいアプローチは消去法?【解説付き例文】」の記事でも述べたように、多くの就活生がやっているような「就職したい企業を決める→その企業の志望動機を考える」というやり方には問題が多いと思っています。

 

参考:戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法

企業の個別説明会の場合でも同様で、以下の記事の通りその費用対効果や宣伝活動の面で効果に疑問を感じることも多いと思っています。

OB訪問で社員から話を聞いてみる

OB訪問というとその社員が属する企業への志望度アピールや、働く人の観点から同業比較をする手段として使われるなど、企業研究の側面が強いものだと認識されがちですが、業界研究の一つとしても効果があると思います。

仕事内容から求められる素養を考えるうえでは、やはり実際に働く社員に話を聞くことが一番でしょう。その際、「〇〇さんの✕✕という話が印象に残った」という個別企業の話だけでなく、複数の業界の社員から話を聞くことで業界比較へと繋げることもできます。

もちろん、同業他社の社員やグループ他社の社員から話を聞くことで同業比較ができるという側面もOB訪問にはありますので、自分が何のためにする訪問なのか、目的意識をはっきりと持ったうえで行うよう心がけましょう。

参考:内定者経験|NTT志望者がグループ他社の社員にもOB訪問をすべき理由

NTTグループ各社の社員にOB訪問をした学生が、グループ他社の企業の社員にOB訪問をすることのメリットを説明した記事です。誰に対してOB訪問をするにしても、目的意識を持つことが大切になります。

正しい業界研究を行うメリット・効果

ここまで紹介した目的意識・方法に沿って業界分析を行うと、就職活動の選考の場ではもちろん、その先のキャリアにまで効果があると考えています。

興味のある・受ける業界が広がる

僕も就職活動では商社や金融系はそこそこ相性がよくて、リクルートとか広告代理店は全然駄目だった。どんなに志望していて業界研究しても結局合う、合わないというどうしようもない要素で就職活動の結果は決まってしまうから複数の業界をリスクヘッジで受けることはかなり大事だと思うんだよね。

 

参考:@happytarou0228 Twitter

unistyle創業者樋口が述べているように、就職活動では「相性」と呼ばれる要素が内定を獲得するうえでは大事になってきます。特に日系企業の場合「どれだけ優秀か」という指標だけでなく、「自社に合う人材か」という観点で就活生を評価するため、このような相性の良し悪しが生まれるのだと考えられます。

自身の企業選びの軸をベースとした業界研究では、それに当てはまる業界が複数生まれつつ分析することになるため、「絶対にこの業界しか受けない」というような感情だけが先行した非論理的な志望動機となることを避けられます。

「この企業でしか通用しない選考対策」というものはまず存在しません。以下の記事も参考に、無内定のリスクヘッジという意味も含め、特に一社内定を獲得するまでは是非幅広い業界に目を向けていただければと思います。

参考:業界を絞れば内定する確率が本当に上がるのか?

「業界や企業を絞って選考を受けたほうが内定する確率が上がる」という話は本当なのか考察した記事です。その根拠としてよく挙げられる、「業界研究・企業研究をしっかりできる」ことや「特定の企業の選考対策を入念に行える」といったメリットについて検証していきます。

志望動機に深みが出る(深掘りに対応できる)

業界研究はこの業界比較のためと言っても過言ではありません。仕事・働き方の本質を見極め、自分なりの判断基準で業界を比較することが重要です。そのためにも様々な業界の内定者がどのような基準で企業を選び、どのように比較したのか知るのは有効です。

 

参考:「なぜうちの業界?」|業界研究の重要性

先ほどのメリットとも関連しますが、幅広く業界を見ることは志望動機に深みを持たせることにも繋がります。

志望動機の重要な要素の一つとして、「なぜ他の業界ではなくてこの業界なのか」という項目が挙げられます。業界ごとの繋がりを考慮しながら業界比較をしていくことは、志望動機の精度を高めるうえでは極めて重要になります。

先ほどの食品メーカーの場合でも「食に携わりたいから食品メーカーしか受けていない」と述べるのは志望度の高さというよりは考えの浅さを示しているようなものであり、「食品原料メーカー・各商社も受けている結果として食品メーカーの志望度が高い」と述べる方が納得感のある志望動機だと言えます。

また、憧れベースではなく関係する各業界の良し悪しをフラットに比較することにより、変に媚びを売らずとも企業選びの軸に基づいた評価の高い志望動機を構築することに繋がります。

参考:無闇に「第一志望」と答えるのは危険!面接で答えづらい質問と回答

志望業界に対する憧れが強いあまりに、志望企業にしか当てはまらない論理の志望動機を無理に作成してしまう学生が多くみられます。この記事では、採用担当者に評価される上でも、自分に合った仕事を選ぶ意味でも役に立つ、「御社じゃなくても良いんです」という論理の志望動機の作り方を紹介します。

内定後・入社後にも役立つ

業界研究は何も内定獲得の手段として機能するだけでなく、内定後やその先の入社後にも効果を発揮すると考えています。

ビジネスモデルから正しい仕事理解を導くことは、まずは入社後のミスマッチを無くすことに繋がるでしょう。先ほどの食品メーカーの例のように「名の知れた企業だから営業でもまったり」「直接消費者と向き合って提案をしていく」のような誤った認識のまま入社してしまうと、仕事へのモチベーションが高まらず学生・企業双方にとってのデメリットが大きくなると考えられます(もちろん企業はそのような仕事理解に欠ける学生を見極めて落とそうと選考を行っていますが、その見極めにも限界があると思っています)。

また、実際にビジネスをする際にも、幅広いプレーヤーの仕事を理解することで、相手の懐にも飛び込みやすくなり、仕事の成果に結びつけやすいというメリットも想定されます。

業界研究を行う際の注意点

ここでは、実際に業界研究を行ううえで注意すべきこと・意識しておくべきことについて触れていきます。

業界研究の目的を見失わないこと

unistyleでも、業界研究で重要なのはOB訪問などを通して現場社員の「働き方」を知り、自身の経験や価値観と照らして適性の有無を考えることだと伝えています。売上・利益・投資基準などの表面的な企業情報の収集に終始してしまう学生が多いのは非常にもったいないと感じます。

 

参考:書評:『新卒採用基準: 面接官はここを見ている』

業界研究は何も企業の情報を知ることが目的なのではなく、そこから求められる素養や自身のスペックとの合致を考えることに真の目的があります。

しかし、それを見失ってしまうと「業界を知るための業界研究」、すなわち「業界研究のための業界研究」に陥ってしまうため注意が必要です。

企業はその業界や企業への「知識」を要求しているのではなく、そういった知識は入社してからでもいくらでも身につけることができます。それよりも、入社して「将来ウチで活躍しそうな人材か」というある種の期待感が重要であり、それを示すためのあくまで手段として業界研究があるという位置づけを理解していただければと思います。

業界研究自体に時間をかけすぎない

上記と関連して、業界研究が完璧=内定ということにはならないため、業界研究それ自体に時間をかけすぎるのは適策でないと思っています。

具体的方法の項目で説明した通り、何を・誰に・どうやってに基づくビジネスモデルと、そこから決定される働き方についてイメージが出来たらそれで十分だと思っています。

もちろん、選考が進んで最終面接に近づいていくと、本当に内定を出したら自社に来てくれるか志望度の高さを問うために、企業知識も含めた様々な切り口から志望動機を聞いてくることもあるのは事実です。このことから、フラットに述べる志望動機が評価されるかは企業によると言ってしまえばそれまでですが、第一志望と述べなければ内定は絶対に出ないというわけはありません。

完璧な業界研究を追い求めるよりは、上記要素を満たしたら企業の選考を受けてみようぐらいのフットワークの軽さが大切なのではないでしょうか。

参考:面接での「第一志望か?」という問いで嘘をつかずに高評価を得る答え方

大手企業を志望する学生向けに、自分自身がどの程度のレベルの企業に行くことができるのかについて、目安になるであろう二つの指標をご紹介します。あくまでも目安に過ぎませんが、参考程度にご活用ください。

業界研究をしたらそのアウトプットも忘れない

自己分析・業界研究自体は就職活動における典型的なインプットの取り組みです。
それを実際に評価されるものにする、もしくは評価される内容かどうかを確かめるうえでは、アウトプットの取り組みも欠かせません。

具体的には、まずはやはりそれを反映させたエントリーシートを添削してもらう、実際に企業の選考に出して通過の有無を確かめることが挙げられるでしょう。

また、OB訪問で自分の意見や考えを伝えることも有効的なアウトプットだと思います。自身が成し遂げたいことは本当にその業界・企業で実現妥当性が高いものか、自分が仕事内容から必要と考えた素養は本当にその業界・企業で求められる内容かなど、実際に働いている社員に確かめることで得られるものも多いと思っています。

最後に

業界研究は自己分析と並んでそれ自体が目的のような言説が蔓延しており、ある種の自分探し・夢探しのようなものと捉えて正しい効果を得られていない就活生が多いように感じています。

ただの業界探しに終始することなく、ビジネスモデル・仕事理解の観点をしっかりと持ちながら、内定獲得へ結びつく業界分析を心がけていってください。

photo by Andi Sidwell

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