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企業選びで使える7つの分類軸|BtoB・ゼネラリスト・個人主義?
最終更新日:2023年09月28日
就職活動を始めた時に、一番最初につまずくポイントは「どの企業を受ければいいのかわからない」ということではないでしょうか。
日本には企業が全部で600万社あると言われており、上場企業だけでも4,000社、ナビサイトに掲載されている企業も8,000社超あります。このように膨大な数の企業から自分に合った企業を闇雲に探そうとしてもうまくいきません。
そこで大事になるのが「企業選びの軸」というものです。
今回は、企業選びの軸の定め方として、自分に合った企業の傾向を知るための7つの基準を用いて定めていくやり方をお伝えしたいと思います。
1.7つの基準で企業を分類
膨大なデータから自分に必要なデータを取り出す際に有効なのが、いくつかの基準を用いてデータを分類するということです。
アルバイトを探す際も、自分に合った条件をいくつか抽出した上で探すからこそ簡単に自分の求めているアルバイトが見つかるでしょう。
就職活動で企業を選ぶ際も同じ様に以下に挙げる7つの基準を用いて企業を分類してみましょう。
【企業を分類するための7つの基準】
①BtoCかBtoB
BtoCとはBusiness to Customerの略で、個人向けのビジネスを指します。BtoBとはBusiness to Businessの略で要するに企業や団体などの法人向けのビジネスのことです。
BtoCとBtoBでは求められる能力も働き方も異なります。
BtoCのビジネスの具体例としては、百貨店や家電量販店などの小売店などが代表的です。
このような仕事においては「顧客の感情に訴える力」がより求められる傾向にあります。個人の顧客は論理的に考えて商品を購入するというよりは、「この製品・サービスが欲しい!」という感情によって購入することが多いでしょう。そのため、愛想の良さ・社交性などの顧客の感情に訴えかける力がより求められます。
BtoBビジネスの具体例としては、商社や素材メーカーなどが挙げられます。
このような仕事においては「論理的思考力とプレゼンテーション能力」がより求められる傾向にあります。法人においても担当者は一個人であるため、感情の部分は無視できない要素ではありますが、基本的には会社の利益を優先して、論理的に商品購入の判断をするケースが多いでしょう。
そのため、企業の担当者を説得して動かすためのロジックを準備し、プレゼンで相手に信じてもらうための力がより求められる傾向にあります。
→コンサルティング業界もBtoBビジネスの代表例です。あくまで一例ですが、ビジネスモデルや求められる能力の傾向として、是非ご参考ください。
②モノを扱う仕事かサービスを扱う仕事か
モノを扱う仕事か、サービスを扱う仕事かも大きく働き方は異なります。モノを扱う仕事と言えば、メーカーでしょう。
メーカーの仕事では多くの場合、自社の「モノ」に対する愛着が強い人が多い傾向にあります。
製品の性能やデザインの差が大きく企業の業績を左右することになり、研究開発やマーケティングの部署が花形部署になりやすい業種と言えます。
→モノを扱う仕事の代表例として、自動車を考える方も多いと思います。自動車に限らずモノを扱う事業では近年技術競争が激しく、どのような変革が起きているのか、一例として是非ご覧ください。
一方でサービスを扱う仕事と言えば、金融や広告などが思いつくのではないでしょうか。
サービスを扱う仕事ではモノを扱う仕事とは異なり、実際の商品を見せて販売することができないため、営業する人の手腕がより問われる傾向にあります。
このような仕事においては営業手当や営業の給料が他部署に比べて高いなど、営業に対するインセンティブが強い傾向にあります。
→生命保険業界を解説した記事です。目に見えない商品だからこそ、営業の力が特に問われます。具体的にどのような力が求められるのか、是非ご覧ください。
③既製品を売る仕事かカスタマイズして売る仕事か
製品をどのように販売するかによっても求められる能力は大きく変わります。
既製品の販売であれば、相手の感情や懐に飛び込む力、相手のニーズを察知して商品購入まで多少強引でも導く力が求められます。既製品の販売と言えば、モノであれば車やお菓子、サービスで言えば特定の保険商品の販売などが当たるでしょう。
一方でカスタマイズして販売する仕事で言えば、ITシステムの構築、経営コンサルタントなどの仕事が当たります。このような仕事では顧客が何を求めているのかというニーズを引き出し、ニーズに対する解決策を論理的に考え、実行していく力が求められるでしょう。
④結果の出る期間
αブロガーのちきりん氏が語るように結果が出る期間も非常に重要な要素でしょう。(ちきりん流・就活で失敗しない方法は?)
1日〜数週間単位の、短期間ですぐに結果が出るのはITサービスや銀行の営業の仕事で、日単位で様々な数値(KPI)を管理する必要があります。
投資銀行で言えば、為替や債権のトレードの部門が当たります。このような仕事では日々ストイックに自分に課した目標を着々と達成できるかが問われるでしょう。
数ヶ月単位のある程度、中期的な期間で結果が出る仕事としては、経営コンサルタントや比較的小規模なシステム開発の受注案件、投資銀行におけるM&A提案などが挙げられるでしょう。
このような仕事では、考えながらも行動に移すバランスが求められます。
数年単位のある程度、長期的な期間で結果が出る仕事としては、総合商社の投資案件、電力や鉄道などのインフラ事業、不動産ディベロッパーによる開発事業、理系分野の研究開発などが挙げられます。
これらの仕事においては、長期的な視点や最終ゴールに向けて行動し続ける粘り強さが求められる傾向にあるでしょう。
⑤変化の激しい業界か変化の少ない業界か
業界における変化の激しさも仕事を選ぶ上では大事な観点でしょう。
変化の激しい業界の代表格と言えばITサービスの業界であり、数年前まで流行していたmixiのようなサービスが一気に廃れてしまうことが頻繁に起こります。またBtoCメーカーも一年に何度も新商品が発表されるなど競争と変化の激しい業界であると言えます。
このような業界においては変化に柔軟に対応する姿勢や自ら変化を起こしていくチャレンジ精神が最も問われるでしょう。
⑥一人で取り組む仕事かチームで取り組む仕事か
どんな仕事も一人ではなく、チームで取り組むという考え方もあるので、一人一人の結果の積み重ねの仕事なのか、足りないピースを補い合いながらする仕事なのかといった観点の方が正しいかもしれません。
スポーツでは、卓球の団体戦など一人でもスポーツとして成立するスポーツが前者であり、サッカー、野球、アメフトなど一人では成り立たないスポーツが後者にあたります。
一人一人の結果の積み重ねの仕事と言えば、不動産のセールス、銀行や証券会社の営業などが当たります。このような仕事においては一人で結果を背負う責任感、ストイックさなどが求められるでしょう。
一方で足りないピースを補いあいながらする仕事としては、総合商社の仕事や不動産ディベロッパー、広告代理店の仕事などが当たるでしょう。
これらの仕事はチームとして動くことで初めて機能します。広告代理店で言えば、営業だけでも、クリエイターだけでもまったく仕事にはならないでしょう。このような仕事では、チームをまとめるリーダーシップや協調性などチームに貢献する能力が求められる傾向にあります。
⑦スペシャリストかゼネラリストか
スペシャリストを志向するのか、ゼネラリストを志向するのかも非常に大事なポイントになります。
企業へ総合職で入社するというのは基本的にはゼネラリストを志向することになりますが、職種別採用などを実施している企業ではスペシャリストを求めています。
スペシャリストを志向する上ではそれなりのバックグラウンドが必要になるでしょう。例えば、財務のスペシャリストを志向するのであれば理系で勉強していた、簿記や公認会計士試験を目指していたなどの経験に裏打ちされていなければ説得力としては弱くなるでしょう。
またエンジニアや研究職としての就職を目指す人もスペシャリストを志向すると言えます。これらの人もプログラミングスキルや理系出身など何らかのバックグラウンドをゼネラリスト以上に求められるでしょう。
⑧その他
今回は私自身が重要だと思う7つの基準について話をさせていただきましたが、それ以外にも基準については考えられるでしょう。
例えば「勤務地」なども地元に愛着のある人や海外に強いこだわりを持つ人にとっては重要な要素になるでしょう。このように7つの基準以外にも企業を選ぶ視点は様々です。
まずは上記7つの基準を理解しながらも自分なりの基準について考えるようにして下さい。
2.7つの基準に対して優先順位をつける
上記7つの基準の中には、自分にとって重要ではない基準もあったのではないでしょうか。
例えば大学の文系学部を卒業して総合商社に入社した筆者の場合、重要だった基準は、①BtoBの企業であること、②サービスを扱う企業であること、③カスタマイズして売る仕事であることの三つの基準が非常に重要な要素でした。
①については起業することも視野に入れていたため、ファーストキャリアとしては企業同士のビジネスの進め方を学びたいという思いが強かったこと、できるだけ規模の大きいビジネスに関わりたいと考えていたというのが理由です。
②については、モノを扱う企業では商品設計など仕事の根幹に関わるには理系出身の技術者である必要があると考えたためです。できるだけ自分の考えというものが根幹に関わることができる仕事としてサービスを扱う企業を優先して考えました。
③については②同様に、仕事の根幹に関わる上では、既に出来上がったサービスを販売するのではなく、顧客ごとに製品をカスタマイズして販売する仕事がしたいと考えていたためです。
④〜⑦の基準については、私にとってはそこまで重要ではなく、できるだけチームで進める仕事の方がいいかなぐらいのイメージでした。
上記の条件に見合う業界が、「商社」、「金融」、「コンサル」、「広告代理店」といった企業向けにカスタマイズサービスを展開する企業でした。
ある程度の当たりをつけた上で、今度はこれらの業界の比較を行って、さらにその後に業界内の企業の比較を行うという考え方で就職活動は進めてきました。
業界比較及び業界内の企業比較については下記のリンクをご参照下さい。
業界比較がしっかり出来ている学生はあまり多くないように感じます。そのため業界比較がしっかりできているとアドバンテージになるでしょう。
参考:「なぜうちの業界?」|業界研究の重要性
「なぜうちの会社を志望するのか」という質問に困ってしまう就活生は多数いると思います。その質問に対して簡単に答えるアプローチ方法をご紹介します。
参考:【例文付】なぜその会社なの?志望動機の伝え方・企業選びの軸の定め方を解説
3.7つの基準の優先順位=「企業選びの軸」の確立の仕方
よく言われる「企業選びの軸」とは、どんな業界に興味があるのかを上記7つの基準+αを用いて明確に説明するためのものです。
「企業選びの軸」についてはESでも面接ではよく聞かれる質問になりますので是非今のうちから意識しておきましょう。
さて、ではこの7つの基準の優先順位及び企業選びの軸はどのように確立していけばいいのでしょうか?
様々な方法が考えられますが、一番して欲しいのは、様々な内定者、社会人の「企業選びの軸」について触れて、自分なりの考えを深めるということです。
上記では、私なりの優先順位を示しましたが、同様に様々な人のESや実際の話に触れる中で、自分ならどうかというものを考える中で確立していくようにしましょう。
もちろん企業選びの軸については就職活動をしながら、仕事をしながらどんどん変化していくものだと思っています。重要なのは、様々な情報に触れた上で自分なりの深い考えを確立しているかどうかです。
是非、足や手を思いっきり使って様々な人の「企業選びの軸」に触れてみて下さい。
最後に
いかがでしたでしょうか?
少しでも世の中にある企業がどんな特性を持っているのか理解していただければうれしいです。
企業を選んでいく際には、この軸について意識しながら広く浅く業界研究をすることが大切です。
是非、様々な考えに触れながら自分ならどのように考えるのか自問自答し、その考えをアウトプットする中で自分なりの企業選びの軸を確立して欲しいと思います。
unistyleオススメ関連コンテンツ
→企業選びの軸とは何か、定めることにどのようなメリットがあるのかを解説しています。
→企業選びの軸として多くの就活生が挙げる7つの軸についての紹介と、各軸ごとにどのような業界を受けるとよいのかを簡単にまとめています。
→企業選びの軸は、志望動機に欠かせない要素です。企業選びの軸が志望動機の中でどのような役割を果たすのか、以下の記事にて解説をしています。
ESについてより詳細に知りたいという方は、こちらをご覧ください。
自己PRに関する設問
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