【業界研究】石油元売り業界大手3社を徹底比較|ENEOS・出光興産・コスモエネルギーの違いとは
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最終更新日:2024年11月08日
本記事では石油元売り業界(会社)を理解してもらうにあたり、業界を代表する"ENEOS(旧:JXTGエネルギー)・出光興産・コスモエネルギーグループ"の3社を取り上げています。業界全体の特徴から企業比較までを解説しているので参考にしてみてください。
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- 本記事の構成
- 石油元売り業界の事業内容・仕組み・ニュースや今後の動向
石油元売り業界の事業内容
石油元売り業界の仕組み
石油元売り業界のニュースや今後の動向 - 石油元売り業界各社の特徴(強み・社風・組織風土)
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)
出光興産
コスモエネルギーグループ - 石油元売り業界各社の業績比較
- 石油元売り業界各社が求める人材とは
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)
出光興産
コスモエネルギーグループ - 石油元売り業界各社の選考プロセス・選考突破のポイント
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)
出光興産
コスモエネルギーグループ - まとめ
- 石油業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介
石油元売り業界の事業内容・仕組み・ニュースや今後の動向
まずは石油元売り業界を理解してもらうにあたり、以下の3点から業界の概要を紹介していきます。
- 石油元売り業界の事業内容
- 石油元売り業界の仕組み
- 石油元売り業界のニュースや今後の動向
業界全体の概要を理解した上で、各社の企業研究を進めてもらえればと思います。
石油元売り業界の事業内容
石油元売り会社は"石油の輸入・精製・販売"を一貫して行っている会社を指します。
「海外で調達した原油をタンカーで日本まで運び、原油を燃料や化学品へ造り変え、それを消費者へ販売する」という全ての過程を取り扱っています。
現在、日本は石油燃料のほぼ全てを輸入に頼っており、石油元売り会社はまさに日本を支えていると言えます。
しかし、昨今の「原油価格の低下・省エネによる石油需要の減少」など、業界の現状が明るいとは決して言い切ることができません。
そんな中、合併による規模の拡大・再生エネルギーなどといった石油以外へのエネルギー事業への参入など、各社が事業領域の幅を広げていることも業界全体の傾向として言えるでしょう。
石油元売り業界の仕組み
石油はガスや電気と異なり、"加工が可能な資源"です。そのため石油元売り会社では、石油を調達して加工するといった事業が必要不可欠となります。
石油元売り会社の主要事業の一つである「石油販売を行うためのプロセス」は以下のようなものになります。
【1】資源開発:原油採掘・調達
【2】原油調達:外航輸送
【3】石油精製:燃料用石油や潤滑油、石油化学製品の製造
【4】陸・海上物流:内航輸送・陸上輸送
【5】石油販売:ガソリンスタンドなどでの石油販売
この5つの工程を経て、石油が私たちの手元に届きます。その際、石油の開発を行う石油製造技術スタッフ・個人や法人に販売を行う営業販売者といった人々が活躍しています。
また、石油会社では石油を販売するだけではなく、資源を開発して新たな材質を生み出すといった石油資源の活用のための研究も行っています。
さらに最近では、コスモエネルギーグループが石油を使う製品として代表的な車を取り扱った"カーリース事業"を開始しました。
上記は一例に過ぎませんが、石油元売り会社の事業は多岐に渡っており、様々な働き方が可能な業界と言えるでしょう。
石油元売り業界のニュースや今後の動向
石油元売り業界の事業内容・仕組みに加え、業界を取り巻くニュースと今後の動向についても紹介します。
本記事では以下の2つのトピックを取り上げ、それぞれについて考察していきます。
◆海外への参入・事業展開
◆再生可能エネルギーなどの新たなエネルギーの開発・事業拡大
海外への参入・事業展開
石油元売り業界に限らずですが、エネルギー業界全体として国内における競争が過熱したことにより、海外事業に積極的に取り組む企業が増加しています。
「日本の整備されたインフラのシステムを輸出することによる発展途上国の開発事業」がメインとなっているようです。
ここでは一例としてコスモエネルギーグループの実例を紹介します。
コスモエネルギーグループは海外における今後のビジネスチャンス拡大を見据え、海外製油所への技術提供による海外事業展開を実施。自社の技術・ノウハウを技術サポートプログラムとして構築し、新規事業としてすでに展開を始めている。コスモエネルギーグループが長年培ってきた技術・ノウハウは、世界に認められるのか。
コスモエネルギーグループでは、製油所への情報提供を行うことで海外の事業展開を行っています。
日本のエネルギー業界の技術への信頼が厚いからこそ実現し得る取り組みだと言えます。
再生可能エネルギーなどの新たなエネルギーの開発・事業拡大
地球温暖化や大規模事故の影響により、世間から「よりクリーンなエネルギーを」という声が高まっており、石油元売り業界もそれは例外ではありません。
実際にこのような声を受け、エネルギー業界全体として「CO2排出量の少ないエネルギー・環境保全」についての研究が活発に行われています。
ここでは一例として出光興産の実例を紹介します。石油元売り会社ではありながらも、石油以外の様々なエネルギー事業に取り組んでいることが読み取れます。
再生可能エネルギーと出光
再生可能エネルギーとは、「太陽光」「地熱」「風力」「バイオマス」といった自然の力を利用して作る電力のこと。温室効果ガスを排出しない環境にやさしいエネルギーとして、いま世界中で注目されています。
当社は、SDGsの実現に向けて、みなさんの暮らしにクリーンなエネルギーを安定的にお届けできるよう、日本国内、そして世界各地でさまざまな再生可能エネルギー事業を行っています。
出光興産は上記4つの再生可能エネルギー事業に取り組み、「地産地消型エネルギー事業の推進・世界中の再生可能エネルギー発電事業への積極的な参加」を進めているようです。
上記で紹介した以外にも石油元売り業界各社で特色のある再生可能エネルギー事業に取り組んでいることから、新規エネルギー事業は業界全体のトレンドと言え、今後もその需要・供給は拡大していくことが予想されます。
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石油元売り業界各社の特徴(強み・社風・組織風土)
続いては、石油元売り業界各社の特徴を解説します。
強み・社風・組織風土といった側面から解説していますので、各社でどのような違いがあるのかという観点も踏まえて確認してもらえればと思います。
【ENEOS(旧:JXTGエネルギー)】長年の伝統と圧倒的な規模感を軸に事業を展開。スピード感と挑戦心を兼ね備えている企業。
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【出光興産】2019年の経営統合を機に新規事業・次世代エネルギーにも注力。多様性のある文化を持ち、先進的な取り組みを推し進めている企業。
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【コスモエネルギーグループ】CSR経営を推進し、地球環境や社会との調和・共生を図る。環境と顧客双方に寄り添い、新たな価値の創造を目指す企業。
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石油元売り業界各社の業績比較
ここでは、各社の「2020年3月期決算短信」をもとに業績・企業規模を紹介します。
以下、2019年度(2019/4~2020/3)の各社の業績になります。
※()内の%表示は対前期増減率となっています。
新型コロナウイルス等の影響もあり、2019年度の業績に関しては全体的に落ち込んではいますが、それでも各社ともかなりの事業規模を誇っていることが読み取れます。
特に業界首位のENEOS(旧:JXTGエネルギー)はグループ全体としての売上高が10兆円を超えています。国内企業の中で年間売上高が10兆円を超えている企業は10社程度しか存在せず、エネルギー業界に限らずとも「日本を代表する企業」と言えるでしょう。
JXTGホールディングス:2020年3月期 決算短信
出光興産:2020年3月期 決算短信
コスモエネルギーホールディングス:2020年3月期 決算短信
※ENEOS(旧:JXTGエネルギー)はIFRS基準(国際会計基準)、出光興産とコスモエネルギーグループは日本基準を用いています。
石油元売り業界各社が求める人材とは
続いては石油元売り業界各社の「求める人材」について紹介します。
同一業界内での比較である以上、企業間で求める人材が大きく乖離するという訳ではありませんが、各社の事業領域・経営方針によって求める人材は異なります。
「自身の志望している企業はどのような人材を求めているのか?それはなぜなのか?」という観点を踏まえて確認してもらえればと思います。
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)は、"変化に挑戦する人材"を求めています。
電力の自由化など、石油元売り業界を含めたエネルギー業界は全体的に変化の真っ只中にあり、その変化にどう対応してくかといった課題は業界のリーディングカンパニーであるENEOS(旧:JXTGエネルギー)も同様であるようです。
また、22卒向け新卒採用サイトのトップメッセージには以下のような内容が掲載されていました。
変化が求められる時代には、未来に向けて挑戦する人材が必要です。たとえば新たな事業を探索する。デジタルトランスフォーメーションを推し進める。ENEOSをグローバルブランドにするために世界を舞台に活躍する。挑戦とは変化を恐れず、新たな価値を生み出し、今日の、そして未来の課題解決に取り組むことです。変革への挑戦のないところに明るい未来はありません。
また個人として成長したいという向上心も重要です。現状に満足せず、一人ひとりが研鑽に努め自己実現する。その個々人の成長が企業の発展につながると私は考えていますし、会社は社員の成長をサポートしていきます。
新しい挑戦には過去の経験が必ずしも役に立つとは限りません。むしろ大きな変革を成し遂げるには意欲と情熱こそが必要です。ENEOSには改革に必要な多くのアセットがあります。長年にわたりさまざまな事業を通して積み重ねてきた資産や信頼、チームとして力を発揮するチーム力。若い人達にはこれらを思う存分活用して、改革を推し進めていただきたい。
ENEOSは2020年6月にグループ体制を変更し、改革に向けて挑戦する人材に大きく権限を委譲する環境を整備しました。もし社会に新しい価値を提供したいと考え、向上心をもってチャレンジしようと思うなら、ENEOSはその場を提供すると約束します。
圧倒的な事業基盤を誇る業界のリーディングカンパニー「ENEOS(旧:JXTGエネルギー)」は、"その基盤を崩さず、その上で新たなことに挑戦していける人材"を求めているようです。
出光興産
出光興産は、"多様性のある人材"を求めているようです。
後に紹介する選考プロセス・選考突破のポイントでも解説していますが、出光興産は選考の中でも「人柄・個性」を見極めるような質問を多く課されるようです。
上記でも述べたように、実際に出光興産は石油元売り業界の中でも新たな事業・エネルギーに注力している企業であるため、そういった事業方針を含めて多様性のある人材を求めているのでしょう。
また、21卒向け新卒採用サイトの採用担当メッセージには以下のような内容が掲載されていましたので、こちらもあわせて確認してもらえればと思います。
私たちは、「自ら高い目標に挑戦し、自己を成長させる人」、「異なる考えを尊重し、活かしながら新たな価値をともに創ることができる人」、そして「サステイナブルな環境・社会に貢献できる人」とともに、新たな歴史を創っていきたいと考えています。
コスモエネルギーグループ
コスモエネルギーグループは21卒向け新卒採用サイトにおいて、求める人材を以下のように掲げています。
意志が強く、挑戦・実行できる人材
責任をもち、社会的責任を果たせる人
周囲の信頼を得て巻き込んでいける人
1つ目の「挑戦」というキーワードは他2社でも述べられていたため、今回は2つ目と3つ目に注目していきます。
2つ目に掲げられている「社会的責任」という言葉、これはコスモエネルギーグループが力を入れて取り組んでいるCSR活動に起因するものと言えるでしょう。
企業・環境・顧客など、様々なステークホルダーに対して責任を持って行動できる人材を求めていることが読み取れます。
3つ目に掲げられている「信頼」という言葉も2つ目に関連するものですが、信頼を得ることが「社内外問わず人を巻き込み、大きな目標の達成・責任を果たす」ことに繋がると言え、コスモエネルギーグループはこれらの素養を持った人材を求めているのではないでしょうか。
石油元売り業界各社の選考プロセス・選考突破のポイント
ここでは、unistyleに寄稿された選考レポートをもとに"石油元売り業界大手3社の選考プロセス"をご紹介します。
技術系と事務系に分け、選考突破のポイントについても掲載していますので、自身の該当する職種に関する内容を確認してもらえればと思います。
ENEOS(旧:JXTGエネルギー)の選考プロセス・選考突破のポイント
【技術系】選考プロセス
↓
一次面接(技術マッチング面談)※結果は翌日電話にて通知
↓
二次面接(人事面接)※結果は翌日電話にて通知
↓
→最終面接(結果は二日後に電話にて通知)
参考:【内定】ENEOS(旧:JXTGエネルギー)の21卒本選考レポート(技術系総合職)
技術系総合職では計3回の面接が課され、その中で志望度・相性などを見極められるようです。
また、unistyleに寄稿されている選考レポートを見てみると、どのレポートでも共通で「そこまで突拍子のある質問はなく、ESや一般的な質問の深堀りがメインだった。雰囲気も比較的和やかだった。」という内容を見受けました。
とは言え、質問の深堀りに関してはかなりされるようなので、深堀りされてもスムーズに回答することができるよう準備しておきましょう。
【事務系】選考プロセス
↓
ウェブテスト(エントリーシートと同時)
↓
リクルーター面談(電話でアポ取り、実施後2週間で次回案内)
↓
リクルーター面談(実施後2週間で結果通知)
↓
面接(実施後翌日に結果通知)
↓
面接(当日連絡)
↓
内定
参考:【内定】ENEOS(旧:JXTGエネルギー)の20卒本選考レポート(事務系総合職)
事務系総合職では複数回のリクルーター面談が課され、このリクルーター面談が実質的な面接の場となるようです。
また、unistyleに寄稿されている選考レポートによると、志望動機がかなり重要視されるようです。
「なぜENEOSなのか?入社してどんなことに取り組みたいのか?」などといった質問に対し、明確な志望動機やキャリアプランを語れるようにすることが、選考突破のポイントとなるのではないでしょうか。
出光興産
【技術系】選考プロセス
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0.5次面接(合格メールは1日後)
↓
一次面接(合格電話即日)
↓
二次面接(合格電話即日)
↓
三次面接(合格電話即日)
参考:【内定】出光興産の21卒本選考レポート(技術系総合職)
unistyleに寄稿されている選考レポートによると、出光興産の面接では「志望度・人柄」が特に重視されるようです。
また、過去の失敗経験や自身の弱みについて聞かれる場合もあるようで、様々な種類の質問を通じて人柄を見極められるということが読み取ることができます。
嘘などをついて自身を大きく見せようとせずにありのままの自分をアピールし、その上で明確な志望動機を語ることができれば、内定に一歩近づくのではないでしょうか。
【事務系】選考プロセス
↓
動画選考+WEBテスト(1週間程度してメールにて結果連絡)
↓
二次面接(面接後30分して電話にて結果連絡)
↓
最終面接(3~5日してメールにて結果連絡)
参考:【内定】出光興産の21卒本選考レポート(事務系総合職)
技術系総合職と同様、志望度の高さが重要視されるようです。
unistyleに寄稿されている選考レポートによると、「ENEOSと出光興産ではどちらの志望度が高いか?」といった踏み込んだ質問を課されたといった内容もあります。
複数回課される面接の中で、一貫性を持ちながら具体的な志望動機を語れるように準備しておきましょう。
コスモエネルギーグループ
【事務系】選考プロセス
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説明会参加
↓
(ESのフォーマット配布)
↓
グルディス(GD)+一次面接(受験後7日後にメールで結果連絡)
↓
2次面接(受験後14日後にメールで結果連絡)
↓
3次面接(受験後10日後に電話で結果連絡・最終の案内)
↓
最終面接(当日の夕方に電話で連絡)
参考:コスモエネルギーグループの本選考レポート(事務系総合職)
上記2社と同様に複数回の面接が課され、その中で志望度や人柄を見極められるようです。
unistyleに寄稿されている選考レポートによると、「面接は比較的穏やかな雰囲気だった」という記述があるため、自分を無理に偽ったりすのではなく、フランクな会話の中で素の自分を出すことが選考突破の一つのポイントとなるかもしれません。
また、志望度を問われた際に論理的な回答ができるよう、コスモレポート(アニュアルレポート)等のIR資料を通じて企業理解を深めておくことも重要となるでしょう。
まとめ
本記事では、業界の大手3社を比較しながら石油元売り業界について解説してきました。
次世代エネルギーに関する取り組み、業界大手の経営統合など、石油元売り業界は変革期にあるといっても過言ではありません。
また、石油などのエネルギーは私たちの生活から切っても切り離すことのできないモノであるため、各社の果たす役割はますます大きくなっていくことでしょう。
本記事が皆さんの業界・企業研究、そして選考対策の役に立ったのであれば幸いです。
石油元売り業界各社の企業研究ページ
出光興産の企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら
コスモエネルギーグループの企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら
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