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メタルワンと伊藤忠丸紅鉄鋼​の事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】

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掲載開始日:2016年11月21日
最終更新日:2016年12月09日
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上位校生から高い人気を誇る業界の1つに、専門商社業界があります。「商社」という点において、生産者と消費者を結ぶ仲介ビジネスに違いはありませんが、総合商社が「ラーメンからミサイルまで」と呼ばれるほどあらゆる商材を扱っているのに対し、専門商社は、機械・鉄鋼・化学品といった特定の商材に特化したビジネスを展開しています。
今回はそんな専門商社業界の中でも、共に総合商社をルーツに持ち、鉄鋼を専門的に取り扱っているメタルワンと伊藤忠丸紅鉄鋼を、その事業内容から社風、選考に至るまで考察していきたいと思います。

専門商社業界の事業内容とビジネスモデル

以前、「三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅5大総合商社の事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】」で紹介したとおり、商社業界のビジネスモデルは大きく2つに分けて説明することができます。すなわち、①「トレーディング」と②「事業投資」です。

①トレーディング
トレーディングとは、顧客企業の製品の輸出入代行や貿易事務を担うことを指し、これが商社の基本的なビジネスとなっています。このビジネスにおいて商社は、顧客企業の製品を海外へ輸出するための仲介役としての機能を保持しています。

しかし、高度経済成長期にメーカーの現地進出が進むにつれ、物流における単なる仲介役としての商社の存在価値は低下していきました。メーカーが商社に支払う口銭料がコスト増につながるということで、メーカーは自社で物流網を構築するようになりました。このように事業環境が厳しくなる中で、商社が見出した活路が次に述べる「事業投資」です。

②事業投資
「事業投資」とは、商社の持つヒト・モノ・カネといった経営資源をある企業に投資し、その企業が行う事業を全面的に育てていくことです。買収した企業の成長や業績好転に伴う利益を取り込んだり、配当金や企業価値向上からの売却などの形で利益を得ることもあります。

また、商社の基本機能であるトレーディングを拡大するために、買収した企業に対して卸を行う場合もあります。

専門商社は、特定の商材に特化したトレーディングと事業投資を展開しており、その分野における豊富な事業ノウハウや顧客基盤を有しています。
とりわけ特定分野における、サプライヤーから顧客に至るまでの「人脈の豊富さ」こそ、専門商社の最大の強みであると言えるでしょう。

事業内容から考える専門商社業界が求める人材

ここでは、そんな専門商社業界が求める人物像を、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を基に考えていきましょう。

メタルワンは、2003年の設立以来、「鉄鋼総合商社」として国内外の鉄鋼流通加工業界をリードしてきました。しかしながら、市場環境は、日々刻々と変化しており、過去の実績や現在のポジションに甘んじているだけでは、今後の成長は望めません。不透明・不確実なグローバル市場において常に最先端を走り続けるには、あらゆる事業分野の変化を先取りし、多様化する市場のニーズに対して適時的確に応えていかなければなりません。

このようなニーズの多様化や時代の変化に対応するためには、高い志を持って、如何なる難題に対しても目的を完遂するまで「やり遂げる」人材が必要です。メタルワングループでは、数多くの「やり遂げる」ことの出来る人材が世界中で活躍しており、新たな仲間を待っています。

引用:メタルワン新卒採用ページ「トップメッセージ」


上述したメタルワンのトップメッセージを要約すると、同社のビジネスでは「多様化する市場ニーズに瞬時に対応する力」が強く求められているといえるでしょう。
以下の「専門商社業界を取り巻く環境」の項目でも紹介しますが、商材の市況価格は刻々と変化し、専門商社の収益性にも大きく影響します。つまり過去の実績に甘んじているだけでは、「不確実性の高いマーケットの流れを読み、売り手と買い手のニーズに対応する」という仲介業としての役割を果たすことができません。
つまり、常に市場の「変化」を先取りし、顧客の要求に柔軟に対応していくことが必要とされている、と考えられます。

こうしたことをまとめると、専門商社業界で働く人材には、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」や「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」といった素質が求められていると考えられるでしょう。

専門商社業界を取り巻く環境

この記事ではメタルワンと伊藤忠丸紅鉄鋼を取り上げていますので、両社が共通して取り扱っている「鋼材」を例に、リーマンショック前後から現在に至るおよそ10年間の、専門商社業界の状況を確認してみましょう。

結論から言えば、鉄鋼の価格が下落すると、生産メーカーだけでなく、それを扱う卸売業も収益面で影響を受けるため、鋼材価格はメタルワンや伊藤忠丸紅鉄鋼といった専門商社の業績に大きな影響を与えます。
つまり、あらゆる商材を「広く浅く」取り扱う総合商社に対し、特定の商材を「狭く深く」扱う専門商社は、この「狭く深い」ビジネス展開による影響を受けやすい業界であるといえるでしょう。


​(出典:WWW.TRADING ECONOMICS. COM)


上述した「鋼材価格」と「専門商社の業績」の関係を念頭に置いて、上図を参照してみましょう。これは、2008年から2016年11月の「鉄鋼の世界市況価格」を表したものです。(単位はUSドル/1トン)
これを見ると、2008年と2015年前後で、鉄鋼の価格が大きく下落している状況を読み取ることができます。

まず2008年に関して、この急落は9月に発生した「リーマンショック」による影響を如実に表しています。リーマンショックのような大不況が到来すると、世界中の消費や設備投資意欲が減退しますので、それに伴い鉄鋼の需要は大きく減少します。この図では、2008年に1トンあたり1,265ドルだった鉄鋼価格が、リーマンショック後は300ドルまで急落した様子が伺えます。

また2015年前後では、「中国の経済停滞」が鉄鋼価格に大きな影響を与えています。近年、中国の経済成長率には陰りがみられるようになり、鉄鋼の最大消費国の一つにおける経済停滞は、世界全体の鉄鋼需要量減少と鋼材価格下落を招きました。
しかしもう一点、理解しておくべき点があります。それは同国による、「安い鋼材の海外輸出」です。不況に伴い、国内の鉄鋼需要が減退した中国では、国内鉄鋼メーカー各社の収益性が圧迫されるようになりました。そこで鉄鋼メーカー各社は、国外にこの安価な鉄鋼を輸出するようになりました。実際に、2015年の同国鉄鋼輸出量は過去最高の規模となりましたが、この安価な鉄鋼の大量輸出が、市況価格の下落を招き、国内外の鉄鋼業に大きな影響を与えています。実際に2016年の3月には、世界の鋼材価格が1トンあたり90ドルまで下落し、リーマンショック前のおよそ1/14の水準となりました。

以上をまとめると、2016年3月時点では、海外においては、中国経済の成長減速による「鋼材消費量の伸び悩み」と「過剰生産による需給ギャップ」が継続し、世界的に鋼材価格は下落基調で推移していました。国内においても、消費税増税の影響が長引き、設備投資関連が盛り上がりに欠けた他、軽自動車税の引き上げによる自動車の国内販売回復の遅れ、個人消費の低迷により、内需は総じて停滞しました。


メタルワン・伊藤忠丸紅鉄鋼の業績比較・分析

ここでは両社の決算情報を基に、同社の業績比較を行っていきます。


(表1)


(表2)


上記の(表1)では売上高、(表2)では営業利益の比較を行っています。
両表から、「専門商社業界を取り巻く環境」で紹介した鋼材価格が、両社の業績に密接に関係していることが改めて見て取れます。すなわち、2008年のリーマンショックや近年の中国の停滞は、鉄鋼材を扱う両専門商社の業績にも大きな影響を与えています。
売上高では、10年以上に渡ってメタルワンが伊藤忠丸紅鉄鋼を圧倒的に上回っていましたが、2015年度の決算ではその差が50億円と縮まってきており、2016年度の決算では逆転が見られるかもしれません。
また営業利益に関しては、2011年度から伊藤忠丸紅鉄鋼がメタルワンを上回っており、若干ながら営業費のコントロールに強みを持っている様子が見て取れます。

各社の社風について

以下では、各社の社風についてみていきたいと思います。

・メタルワン:グローバルNo.1鉄鋼商社への挑戦
2003年、三菱商事と双日による50%ずつの出資により設立されたのがメタルワンです。設立以来、国内の専門商社としてはトップの売上高を誇ってきました。
扱う商材や相手に応じて、第一営業本部、第二営業本部、第三営業本部、線材特殊鋼・ステンレス本部という4つの営業部署を設置しており、自動車や船舶、インフラ業などに向けて、多様な鋼材商品を取り扱っています。

2015年に定めた中長期経営計画では、2020年のあり姿として「グローバルNo.1の鉄鋼総合商社」を掲げ、2015年度〜2020年度までを2年ごとに「変える年」、「駆けのぼる年」、「勝ち残る年」と位置付けました。
市況環境は依然厳しいですが、トレーディングを起点とした事業投資を推し進めることで、日本やNAFTA、中国やインドを重点領域としたビジネス展開を推進していくようです。


・伊藤忠丸紅鉄鋼:三方よしのグローカリゼーション強化
その名の通り、2001年、伊藤忠商事の鉄鋼部門と丸紅の鉄鋼製品部門が統合して誕生したのが伊藤忠丸紅鉄鋼です。
伊藤忠商事も丸紅も、伊藤忠兵衛を創業者とする会社で、商いに対する理念には共通するものがあります。その原点は「三方よし」、すなわち「売手によし、買手によし、世間によし」という思想であり、伊藤忠丸紅鉄鋼の企業理念は、メーカー、需要家、そして企業としての社会的責任、その3つの新しい関係を創造していくことです。

鋼材第一本部、鋼材第二本部、鋼材第三本部、自動車鋼材本部、鋼管本部という5つの営業本部で多様な鋼材商品を扱っている同社は、「Build Your Future」というスローガンを掲げた中長期計画において、グローバルな展開に加え、地域ごとの連携を強化したローカルビジネスを強化するという「グローカリゼーション」を推進していく目標を掲げています。


各社の選考について

ここでは、各社の選考に関して紹介していきます。メタルワンに関してはunistyleに選考情報の掲載がありませんので、詳細に関しては伊藤忠丸紅鉄鋼のみとさせていただきます。

・メタルワン
総合職と一般職に分けた採用が行われており、総合職は例年25名程度採用されているようです。

・伊藤忠丸紅鉄鋼
基幹系(営業、企画、マーケティング等)と事務スタッフに分けた採用が行われており、基幹系は例年25名程度採用されています。
選考フローは以下のようになっています。

【総合職】
エントリーシート・筆記試験→一次面接(集団)→二次面接(個人)→最終面接(集団)

参考:伊藤忠丸紅鉄鋼 本選考情報(4)(総合職)


3回の面接は一貫して40〜50分ほどの長さで行われるようで、質問内容としては「学生時代頑張ったこと」、「志望理由」などオーソドックスなものがほとんどのようです。
また「総合商社やメタルワンとの違い」など、業界研究の度合いを図られることもあるそうですので、以下の記事を参考にして、万全な状態で面接に臨むようにしましょう。


最後に

本記事では、メタルワン・伊藤忠丸紅鉄鋼という専門商社を代表する2社を紹介させていただきました。総合商社の出資によって誕生したという点においては共通している両社ですが、理念や社風、人材戦略に多少なりとも違いがあることでしょう。是非、OB・OG訪問や説明会への積極的な参加、徹底的な自己分析を通じて、自分のやりたいことや行きたい企業を探していただければと思います。

 

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