坂本龍馬から始まった?就活に役立つ総合商社の歴史を解説
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最終更新日:2022年02月03日
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7.【業界研究】総合商社の最新動向まとめ
東大・京大・一橋や早慶上位層といったトップクラスの学生層に非常に人気の業界である総合商社業界。
総合商社と言えば、「エリート」「高給」「グローバルな仕事が出来る」のようなイメージを持っている方が多く、就活生にとって人気の業界です。
そこで今回は業界研究や面接対策として、いつ総合商社が誕生しどのような困難を乗り越えてきたのかを解説していきたいと思います。
この記事を通じて
「総合商社は今までに〇〇な困難を乗り越えてきたと思います。私は〇〇の困難を乗り越えて〇〇を学びました。今後も〇〇のような困難に立ち向かっていくであろう総合商社で、〇〇の経験から学んだ〇〇な強みを活かし貴社に貢献していきたいと思います。」
といったような発言をできるようになり、面接を突破していきましょう。
・総合商社とは何か、その歴史と起源について
・総合商社が立ち向かった困難の歴史と未来
・総合商社の歴史という知識を就活でどのように活かすのか
・総合商社の歴史まとめ
・総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介
総合商社とは何か、その歴史と起源について
江戸時代末期
日本の商社の起源は、江戸時代末期、坂本龍馬が勝海舟とともに組織した「亀山社中」という海運会社と言われています。「亀山社中」は物資の運搬や貿易の仲介を主な仕事としており、倒幕運動に必要な軍備を手に入れたい薩摩藩と長州藩に向けて外国の軍備品を販売していました。
明治時代
明治時代、日本は富国強兵を掲げて西欧列強に追いつけ追い越せを目標にしていました。商社もその目標に向かって重要な役割を担っていました。具体的には、外国からの資源獲得や市場開拓が主な役割で、これらは同時に国内メーカーの育成や国際競争力の強化につながりました。
戦前と戦後
戦前から複数分野の商品を取り扱っていたのは三井物産と三菱商事の2社のみで、伊藤忠商事、丸紅、日綿、東綿、日商、岩井、など関西系の各社はいずれも単品を扱う専門商社でした。例えば伊藤忠商事は繊維のみを扱っていました。戦後すぐに、財閥解体が行われましたが、1954年には三菱商事が、1959年には三井物産が誕生しました。
しかし1960年代後半になると、戦後の混乱も収まり、販売や仕入れのルートも安定し、もはや商社を介入しないほうがコスト削減になると言われ、商社の存在価値が問われる時代に突入しました。
専門商社は、取り扱い商品が単品であるため、その商品の需要に大きく業績が左右されてしまうという現状がありました。そこで、取扱商品を複数化して安定化を図り、従来の専門商社ではなく、総合商社だということを社の内外に印象付ける必要があるという経緯から、総合商社が生まれました。
また、拡大途上にあった日本経済における輸出入の急拡大には大規模な組織力と信用力が必要とされました。総合商社はそこに目をつけ、自ら牽引役を務め、海外躍進のオーガナイザー役を買って出たのです。
つまり総合商社の「総合」はオーガナイザー機能があることを意味するネーミングであり、単に複数商品を扱う商社だということではないと言えます。
一方で、細部に至るニーズを満たす役割を果たすのが専門商社です。 このように総合商社と専門商社は、複数の商品を扱いオーガナイザーの役割を発揮できるかどうかという違いで区別されています。
以上を図に表すと以下のようになります。
総合商社が立ち向かった困難の歴史と未来
戦後、総合商社の役割は時代を経てどのように移り変わっていったのでしょうか。
続いては総合商社の変遷を振り返りながら、商社の未来について考察していきたいと思います。
1950年代:戦後の経済復興
1950年代の総合商社は、輸出拡大という背景に、戦後の経済復興という課題を強く認識していました。そのため生産技術の導入と海外資源の獲得が必要であり、総合商社は貿易機能を駆使し、取扱品目を多角化することで経営基盤を強化した時代です。
1960年代:商社不要論
1960年代は総合商社の試練の時代となります。なぜなら、メーカーが独自の販売網を構築することになれば、商社が介在できなくなるという商社不要論が展開されたからです。商社はこの課題に対して、より高度な物流ネットワークの構築、海外市場の開拓、高度な情報提供といった機能を追加することで対応しました。
1970年代:高度経済成長
1970年代は、日本が高度経済成長を迎えた時代です。総合商社は、高まった国内のエネルギー需要にいかに対応するのかという課題に取り組み、高度経済成長の一翼を担いました。具体的には、鉱物資源の買い付け・輸入や資源開発事業への参画を行うなど、海外資源開発関連投資を積極化することで売り上げを伸ばしていきました。
1980年代:オイルショックと貿易摩擦
1980年代の総合商社は2度目の試練の時代を迎えます。1980年代は、2度のオイルショック、貿易摩擦、国内不況などの課題に直面したからです。これらの課題に対して総合商社は、アメリカとの関係改善を打ち出し、輸入品目を拡大させることで対応しました。また、新規事業として先端技術の事業化と金融機関機能を強化することで、収益源を増やし対応しました。
1990年代:バブル崩壊
1990年代もまた、総合商社にとって試練の時代が続きます。バブルが崩壊し、不良資産の償却という大きな経営課題に直面したからです。これに対して総合商社は事業の選択と集中を行いました。また、海外事業のグローバル展開といった、発展途上国の経済発展を助ける形で事業投資に注力することで影響力を強めました。
2000年代から現在まで:失われた20年
2000年代の総合商社は、「総合事業運営・事業投資会社」としての色合いが強くなってきた時代です。「総合事業運営・事業投資会社」とは、連結子会社化を通じた、多様な製造業・サービス業への進出と事業投資会社化を意味します。
具体的には、市場開拓機能、事業開発機能、リスクマネジメント機能、情報機能、オーガナイズ機能を横断的に活用することで、大きな事業投資を成功させてきました。
総合商社の未来
前述の通り、総合商社は「総合事業運営・事業投資会社」に変わりつつあります。そのため、どのように事業分野、事業会社を選択し投資を行うのか、またそこに有能な人材を送り、経営に参画して大きく育てるかがとても重要になっていくと思われます。更により多くの収入源を確保するために、出来る限り川上から川下までのバリューチェーンで、関連会社をネットワークできるかという点も重要になります。
現代は、IoTやAIの急速な発展やビックデータの活用など第4次産業革命と呼ばれる時代です。そのため、総合商社も時代のニーズに合わせてビジネスモデルを変革していくことが求められるでしょう。
具体的には、三菱商事は中期経営戦略において、「循環型成長モデルとROEの維持向上」を掲げています。これは、成長の芽を発掘し、成長の柱・収益の柱へと事業価値を向上させる一方で、三菱商事による事業価値向上が難しくなった事業は、収益の柱であっても新たな成長の柱候補に入れ替え、循環型の成長モデルを目指すということです。
このことから、総合商社が変化に対して柔軟な姿勢を取っていることがわかります。また、総合商社の変遷からもわかるように、総合商社は時代を超えていくつもの困難に立ち向かい、その役割を柔軟に変化させてきました。総合商社の強みは変化への対応力です。つまり、今までと同様に、今後も時代の変化に対応するために「商い」の形を変化させていくでしょう。
さらに詳しい総合商社の最新情報が知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
各社の決算資料やIR情報をもとに、"7大総合商社各社の2019年度第2四半期決算"をまとめてあります。
「各社の得意領域はどこなのか?、全体の利益はどのように構成されているのか?」という観点を理解することで"志望度のアピール"をしていきましょう。
総合商社の歴史という知識を就活でどのように活かすのか
総合商社が時代を経るごとにどのような困難を乗り越え、どのような役割を果たしてきたのか理解できたことと思います。
それでは、その知識をどのように面接で活かせばいいのでしょうか。以下のチェックリストを参考にし、自分なりの志望動機や自己PRを考えて見て下さい。
- 総合商社の果たしてきた役割の変遷を「成し遂げたいこと」に活かす
- 総合商社の乗り越えてきた困難を「自己PR」に活かす
- 総合商社の未来についてを「なぜ〇〇商事なのか」に活かす
総合商社の果たしてきた役割の変遷を「成し遂げたいこと」に活かす
総合商社の果たしてきた役割を考察すると、時代超えて日本という国の発展に深く貢献してきたということがわかります。
明治維新や富国強兵の裏には総合商社という存在があったのです。また、戦後の日本高度成長にも総合商社は大きく貢献しました。
このように総合商社は企業の利益という枠を超えて、日本という国に対して大きな価値を生み出しています。
ここから、就活生のみなさんは総合商社で成し遂げたいことについて考えることができます。
例えば、「私は日本の〇〇という点に問題意識を持っており、〇〇という問題を貴社の〇〇というビジネスを通じて解決し、日本をより発展させていきたいと考えています。」というフレームに当てはめてみて、自分なりの志望動機を考えてみてはどうでしょうか。
これはあくまでフレームの一例ですので、参考程度に活用して下さい。
また、志望動機を考える際には以下の記事も平行して参考にして見て下さい。
総合商社が乗り越えてきた困難を「自己PR」に活かす
総合商社はこれまでに、敗戦、オイルショック、バブル崩壊、オイルショックなど多くの困難に立ち向かい、ビジネスモデルをトランスフォームすることで乗り越えてきました。
ここから総合商社という業界は、困難を乗り越えるために挑戦し続ける人材を欲していると考えることができます。
他業界と比べて相対的に体育会系の印象が強いのはこういった背景はあるのかもしれません。
この情報から、就活生のみなさんは自分が挑戦し乗り越えた困難とそこで発揮した強みを総合商社のどのような部分で活かされるか説明できるようになるといいでしょう。
例えば、「総合商社は今までに〇〇な困難を乗り越えてきたと思います。私は〇〇の困難を乗り越えて〇〇を学びました。今後も〇〇のような困難に立ち向かっていくであろう総合商社で、〇〇の経験から学んだ〇〇な強みを活かし貴社に貢献していきたいと思います。」というフレームに当てはめてみて、自分なりの自己PRを考えてみましょう。
またこのフレームもあくまで一例にすぎませんので、参考程度にしてください。
また自己PRの書き方については以下の記事でより細かく解説してあります。ぜひ活用してみてください。
総合商社の未来についてを「なぜ〇〇商事なのか」に活かす
三菱商事は、「循環型成長モデルとROEの維持向上」を掲げ、ビジネスモデルのトランスフォームに取り組んでいます。
どの事業から撤退し、どの事業に注力するのかといった点は各々の総合商社によって異なります。
それぞれの総合商社のセグメントごとの特徴を理解することで、なぜ〇〇商事なのかという問いに答えれるようになりましょう。
五大総合商社の特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
総合商社の歴史まとめ
いかがだったでしょうか。総合商社の歴史についての理解と就活での活かし方について参考にしてもらえたでしょうか。
さらに総合商社について知りたいという方や選考を受ける方などはより詳しく総合商社について知る必要があるでしょう。
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また、以下に"総合商社志望者向けに厳選したunistyleの記事"を記載しましたので、こちらも併せてご覧ください。
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