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総合商社とは?歴史・仕事内容・年収などを徹底比較|選考対策付き

総合商社とは?歴史・仕事内容・年収などを徹底比較|選考対策付き

掲載開始日:2019年07月03日
最終更新日:2019年07月18日

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東大・京大・一橋や早慶上位層といったトップクラス学生層に非常に人気の業界である総合商社業界。

まず始めに、総合商社とは複数の商品を扱い、オーガナイザーとしての役割を果たす商社のこと(後に解説します)です。

総合商社と言えば、「エリート」「高給」「グローバルな仕事が出来る」のようなイメージを既に持っている方が多く、就活生にとって人気の業界です。しかしそのビジネスモデルは複雑であり、しっかりとした業界研究を完璧にできている就活生は少ないのではないのでしょうか。

そこで今回は業界研究として、いつ総合商社が誕生しどのような変遷を経てきたのか商社マンの1日のスケジュール総合商社の年収比較5大総合商社のセグメントごとの特徴5大総合商社の社風比較、内定者ESを元にした選考対策まで、総合商社に関する事柄を徹底的に解説していきたいと思います。

unistyleの総力をあげ、過去のunistyleの総合商社に関する記事も参考として多く取り上げています。総合商社を志望する就活生は是非参考にしてみてください。

総合商社とは何か、その起源について

江戸時代末期

日本の商社の起源は、江戸時代末期、坂本龍馬が勝海舟とともに組織した「亀山社中」という海運会社と言われています。「亀山社中」は物資の運搬や貿易の仲介を主な仕事としており、倒幕運動に必要な軍備を手に入れたい薩摩藩と長州藩に向けて外国の軍備品を販売していました。

明治時代

明治時代、日本は富国強兵を掲げて西欧列強に追いつけ追い越せを目標にしていました。商社もその目標に向かって重要な役割を担っていました。具体的には、外国からの資源獲得や市場開拓が主な役割で、これらは同時に国内メーカーの育成や国際競争力の強化につながりました。

戦前と戦後

戦前から複数分野の商品を取り扱っていたのは三井物産と三菱商事の2社のみで、伊藤忠、丸紅、日綿、東綿、日商、岩井、など関西系の各社はいずれも単品を扱う専門商社でした。例えば伊藤忠は繊維のみを扱っていました。戦後すぐに、財閥解体が行われましたが、1954年には三菱商事が、1959年には三井物産が誕生しました。

しかし1960年代後半になると、戦後の混乱も収まり、販売や仕入れのルートも安定し、もはや商社を介入しないほうがコスト削減になると言われ、商社の存在価値が問われる時代に突入しました。

専門商社は、取り扱い商品が単品であるため、その商品の需要に大きく業績が左右されてしまうという現状がありました。そこで、取扱商品を複数化して安定化を図り、従来の専門商社ではなく、総合商社だということを社の内外に印象付ける必要があるという経緯から、総合商社が生まれました。

また、拡大途上にあった日本経済における輸出入の急拡大には大規模な組織力と信用力が必要とされました。総合商社はそこに目をつけ、自ら牽引役を務め、海外躍進のオーガナイザー役を買って出たのです。

つまり総合商社の「総合」はオーガナイザー機能があることを意味するネーミングであり、単に複数商品を扱う商社だということではないと言えます。

一方で、細部に至るニーズを満たす役割を果たすのが専門商社です。 このように総合商社と専門商社は、複数の商品を扱いオーガナイザーの役割を発揮できるかどうかという違いで区別されています。

以上を図に表すと以下のようになります。

総合商社の果たす8つの役割とは

総合商社の役割の分類は多岐に渡りますが、日本貿易協会HPの分類では、総合商社の役割として8つの機能を挙げています。

また、現在の潮流としてグローバル化やIT革命といった大きな環境の変化に対応すべく、機能の高度化、複合化、高付加価値化を模索しています。後述する商社の役割の変遷でもわかるように、商社の機能は、時代のニーズに合わせて日々進化しているのです。

具体的にどのような役割を果たしているのか見ていきましょう。

①商取引機能

受給格差や情報格差を活かした「モノ」や「サービス」の売買、いわゆる商取引を推進する、商社のコア機能です。近年はeマーケットプレイス(電子市場)を設営・運用する事などにより、グローバルな最適調達ならびに販売も模索しています。

②ロジスティック機能(物流機能)

陸・海・空を問わず最適な物流手段を提供しています。また近年は、ITを活用した効率的な物流情報システムの構築に取り組んでいます。

③市場開拓機能

グローバルな市場を開拓するためには、需給動向を正確に把握し分析する必要があります。そこで、総合商社の強みであるグローバルに張り巡らされたネットワークを通じて、世界市場の情報収集・分析を行い、需要と供給をマッチングさせることにより、グローバルな市場開拓を進めています。

④金融機能

商社独自の金融機能を提供し、その深化・拡大を目指しています。例えば、取引先に対する立替与信、債務保証、融資、プロジェクトファイナンス、為替ディーリング、商品ファンド提供、リースサービスなどです。

また、最近は有望ベンチャー企業にリスクマネーを提供し、育成を支援するベンチャーキャピタル機能、あるいはM&Aなど事業買収・合併に関わる諸機能を提供するなど、商社の金融機能は最近の経済環境の変化に合わせ急速に深化・拡大しています。

⑤リスクマネジメント機能

総合商社は、ビジネス活動全般において、永年にわたり蓄積したノウハウや、豊富な経営資源を活用し、ビジネス推進上のさまざまなリスクを最小限に止めるための施策を講じています。

特に途上国の大型事業や新規成長分野でのベンチャー事業など、より高度なリスクマネジメントを求められる事業に対しては、情報力と経験にもとづく多様なノウハウを活かして、適切なパートナーの選択やコンソーシアムの組成、責任分担の適正化、担保の確保、為替取引や先物市場(リスクヘッジ)、各種保険制度の活用などを行い、事業推進に伴うリスクを極小化しています。

⑥事業開発・経営機能

社会・産業の変化のなかで、新たな商品・サービス開発と事業化を育成します。また、様々な分野の事業経験を生かして、川上から川下までのバリューチェーン再構築、既存バリューチェーンの他分野への適用など、産業の変革を支援しています。

⑦情報機能

グローバルなネットワークを通じて、世界各地の政治経済情報、産業・企業情報、先端技術情報、市場・マーケティング情報、地域情報、法律・税務情報など広範多岐にわたる情報を収集・分析し、経営戦略の立案や事業計画の策定、日々のビジネス活動推進などに活用しています。

⑧オーガナイズ機能

前述したように、総合商社が総合たる所以の機能です。大型プロジェクトの推進に際して、商社の持つ機能を組み合わせ、情報収集、企画・立案、パートナーの選定、資金調達、原料・資機材の調達、建設受託、製品販売先の開拓などを包括的に遂行し、プロジェクトを牽引しています。

総合商社の変遷と未来

総合商社の起源と機能については理解していただけたかと思います。では、総合商社の役割は時代を経てどのように移り変わっていったのでしょうか。総合商社の変遷を振り返ることを通じて、商社の未来について考察していきたいと思います。

1950年代

1950年代の総合商社は、輸出拡大という背景に、戦後の経済復興という課題を強く認識していました。そのためには生産技術の導入と海外資源の獲得が必要であり、総合商社は貿易機能を駆使し、取扱品目を多角化することで経営基盤を強化した時代です。

1960年代

1960年代は総合商社の試練の時代となります。なぜなら、メーカーが独自の販売網を構築することになれば、商社が介在できなくなるという商社不要論が展開されたからです。商社はこの課題に対して、より高度な物流ネットワークの構築、海外市場の開拓、高度な情報提供といった機能を追加することで対応しました。

1970年代

1970年代は、日本が高度経済成長を迎えた時代です。総合商社もまたその一翼を担い、国内のエネルギー事情にいかに対応するのかという課題に取り組みました。具体的には、鉱物資源の買い付け・輸入や資源開発事業への参画を行うなど、海外資源開発関連投資を積極化することで売り上げを伸ばしていきました。

1980年代

1980年代の総合商社は二度目の試練の時代を迎えます。1980年代は、2度のオイルショック、貿易摩擦、国内不況などの課題に直面したからです。これらの課題に対して総合商社は、アメリカとの関係改善を打ち出し、輸入品目を拡大させることで対応しました。また、新規事業として先端技術の事業化と金融機関機能を強化することで、収益源を増やし対応しました。

1990年代

1990年代もまた、総合商社にとって試練の時代が続きます。バブルが崩壊し、不良資産の償却という大きな経営課題に直面したからです。これに対して総合商社は事業の選択と集中を行いました。また、海外事業のグローバル展開といった、発展途上国の経済発展を助ける形で事業投資に注力することで影響力を強めました。

2000年代から現在まで

2000年代の総合商社は、「総合事業運営・事業投資会社」としての色合いが強くなってきた時代です。「総合事業運営・事業投資会社」とは、連結子会社化を通じた、多様な製造業・サービス業への進出と事業投資会社化を意味します。

具体的には、市場開拓機能、事業開発機能、リスクマネジメント機能、情報機能、オーガナイズ機能を相互的に活用することで、大きな事業投資を成功させてきました。

総合商社の未来

前述の通り、総合商社は「総合事業運営・事業投資会社」に変わりつつあります。そのため、どのように事業分野、事業会社を選択し投資を行うのか、またそこに有能な人材を送り、経営に参画して大きく育てるかがとても重要になっていくと思われます。更により多くの収入源を確保するために、出来る限り川上から川下までのバリューチェーンで、関連会社をネットワークできるかという点も重要になります。

現代は、IoTやAIの急速な発展やビックデータの活用など第4次産業革命と呼ばれる時代です。そのため、総合商社も時代のニーズに合わせてビジネスモデルを変革していくことが求められるでしょう。

具体的には、三菱商事は中期経営戦略において、「循環型成長モデルとROEの維持向上」を掲げています。これは、成長の芽を発掘し、成長の柱・収益の柱へと事業価値を向上させる一方で、三菱商事による事業価値向上が難しくなった事業は、収益の柱であっても新たな成長の柱候補に入れ替え、循環型の成長モデルを目指すということです。

このことから、総合商社が変化に対して柔軟な姿勢を取っていることがわかります。また、総合商社の変遷からもわかるように、総合商社は時代を超えていくつもの困難に立ち向かい、その役割を柔軟に変化させてきました。総合商社の強みは変化への対応力です。つまり、今までと同様に、今後も時代の変化に対応するために「商い」の形を変化させていくでしょう。

総合商社の仕事内容

それでは、具体的に総合商社で働くとはどういうことなのでしょうか。海外駐在や、高給、激務などのイメージが先行しがちですが、本記事では業務内容、1日のスケジュール、年収比較などを通じて総合商社で働くイメージをよりリアルに感じてもらいたいと思います。

総合商社の業務例(事業投資部)

「事業投資」の部に配属されており、海外にある日系企業との合弁会社の管理業務を担当しています。

現地からの経営情報、現場のオペレーション状況、政府の動き、治安情報、パートナー企業との打合せなど多くのトピックスを整理し、現地サポートや社内外説明などを行っています。

上司と相談しながら必要なアウトプットを整理し、タイムプランを策定しながら種々トピックスをExcelやPower pointに纏めていきます。

社内だけでなくパートナー企業向けにも作成しますので大変気を遣う場面が多い反面、若手でも任せてもらえる部分はあると感じます。
また、このような既存のビジネスだけでなく、新しいビジネスの芽を作っていくためのネットワーキング活動もやっており、面白そうな企業やコミュニティ (スタートアップ系ワーキング活動、行政機関、大学関連等)をリサーチし訪問していくというのも日々の業務として比較的自由に動いています。

日々のアウトプットが経営層に直接インプットされる部署でもあるため(説明資料は若手が作ることが多いので)、緊張感を持ちながらも毎日の取り組みがやりがいと言えます。
最初の頃は勘所が分からず苦労しましたが、最近は手を付け始めたものを如何にポシャらせずに上まであげていくかを考えるようになりました。

参考:若手商社マンが就活生に伝えたい大手総合商社の仕事内容と実態

商社には「トレーディング部門」「事業投資部門」という2つの柱があります。今回は「事業投資部門」の業務内容を参考として取り上げました。

新しいビジネスの芽を作っていくためのネットワーク活動を比較的自由に行えるという点から、商社が常に新たなビジネスチャンスを積極的に模索してることが伺えます。

1日のスケジュール(オフィスワーク編)

07:00 起床
08:00 出社(定時は9時-17時30分)
08:15 メールチェック開始
09:00 メールチェックで電話が必要と思った人に対して電話開始
10:00 社内打ち合わせ(営業報告や新規案件について)
12:00 昼食 同じグループや部の先輩/後輩と外で飯 
13:00 資料作成開始
16:00 他部署と打ち合わせ
17:30 周りのあまり仕事ない方や一般職の方が帰宅開始
18:00 昼間の資料作成の続き
20:00 退社 

1日のスケジュール(海外出張編)

06:00 起床@バンコク市内
07:00 タイ支店の現地タイ人スタッフとホテルロビーで合流、クルマで出発
09:00 顧客A到着、打ち合わせ / 商談開始
10:00 移動開始 / 車内で仕事、電話
11:30 顧客B到着、ランチ+打ち合わせ
13:00 移動開始 / 車内で仕事、電話
14:00 ラムチャバン港到着、在庫棚卸、港湾業者と最近の貨物動向について情報交換
15:00 移動開始 / 車内で仕事、電話
17:00 バンコクにあるタイ支店へ到着、現地日本人駐在員と合流
19:00 日系企業社長+若手と会食
21:00 2軒目
23:00 3軒目(若手のみ)
25:00 ホテルへ帰着

商社マンのスケジュールは、オフィスワークと海外出張でかなり異なります。意外にもオフィスワークでは、資料作成に費やす時間がかなりあるようです。海外出張では、朝早くから現地の顧客と商談を重ね、夜遅くまで飲み会を重ねているようです。

また、スケジュールは個人差があると思いますので、あくまで参考程度にしてただければと思います。

また、商社マンのビジネスをよりリアルに理解できるようにインタビュー記事をまとめておきましたので是非参考にしてみて下さい。

世界で戦う三菱商事の「強さの秘密」(COURRIER JAPAN)
少し過去に書かれた記事となりますが、商社のビジネスをエピソード調で綴られており、業務の具体を想起しやすいものとなっています。海外で働く上で「個人として」大切にしていることが書かれているため、一つの価値観を知るという意味では有益な情報を得られるのではないでしょうか。
「多残業体質」から脱却し、効率的な働き方を実現する「朝型勤務」(日本の人事部)
伊藤忠商事の「健康経営」について取り上げ、今回は「朝型勤務」導入の背景と制度の概要や効果についてフォーカスしています。就活生の間では総合商社は何かと残業時間の多さについて不安視される業界ですが、この記事を読むことで「働き方改革」への注力度合が理解できると思います。

商社マンの年収

三菱商事を筆頭に総合商社の年収は1000万円以上とかなりの高水準であることがわかります。残業時間は30時間後半から40時間前半で、時給換算にすれば6000〜7000円と魅力的な数字です。

それぞれの総合商社の特徴とは

商社マンのリアルについて理解が深まったところで、それぞれの総合商社の特徴について解説していきたいと思います。また今回は、5大商事とも言われる三井物産、住友商事、伊藤忠商事、三菱商事、丸紅の5つについてそれぞれ考察していきたいと思います。

総合商社各社売上高

総合商社の2019年度売上高は上記のようになっており、業界1位は三菱商事で16.1兆円を計上しており、業界1位の売上高を誇っています。

三菱商事:バランス型

三菱商事は上記のセグメントからも分かるようにバランスのよいポートフォリオを構築しています。その中でも特に生活産業において強みを有しており、資源価格変動の影響を受けにくいポートフォリオへの改善を目指す三菱商事において、今後も同社を引っ張っていく存在であるといえるでしょう。

また、デジタル化の急速な進展により加速度的に市場が拡大している「サービス」の分野は、巨大な顧客基盤を有する強力なプレイヤーがひしめき合う領域です。

以上を踏まえて、三菱商事は「サービス分野に参入すべきか否かを見極める」3年間にすると発表しています。

伊藤忠商事:繊維・食料に強み

伊藤忠商事は繊維・食料品に強みを持っています。ファッションだと「ポール・スミス」「OUTDOOR」「EDWIN」、飲食だと「プリマハム」「エビアン」「Family Mart」など聞き覚えのある商品を取り扱っています。

また中期経営計画において、「新たな商社像」を目指すとし、「第8カンパニーの新設」と「人材活性化策の推進」に取り組むと発表しています。

「第8カンパニー」とは、ビジネス資産や人材に関連するビジネスで、純利益300億円程度の規模となる新組織となるようです。詳細については、随時発表予定とのことです。

また具体的な人材活性化策の推進とは、「優秀社員の抜擢登用」「人事の若返り推進」「注力分野への人材の再配置」を実施するようです。

丸紅:電力・穀物に圧倒的な強み

丸紅は電力とプラント事業において圧倒的な強み持っています。穀物取扱量が国内No.1となっており、食料分野に非常に力をいれています。さらに、電力の発電容量は国内企業No.1です。電力を今後の中核事業の1つとして設定しており、今後も重点的に投資していくと思われます。

また人事においても、電力・プラント事業拡大に注力した柿木副社長が社長に昇格するなど電力・プラント事業部は花形とされているようです。

また中期経営戦略において、既存事業に5000億円、新規事業に2000億円を投資し財務基盤のさらなる強化を目指すと発表しています。

具体的な新規事業では「次世代金融サービス事業」「スペシャリティ・ライフサイエンス分野」などを挙げています。

三井物産:資源分野に強み

三井物産は、資源分野に強みを持っています。しかし、資源分野は資源価格の影響を直接受けてしまう市況産業であるというデメリットもあり、2016年度には赤字を形状してしまったという過去もあります。

それを教訓として、三菱商事と同様に非資源分野に注力する方針を発表しています。具体的には、非資源分野での2020年までに当期利益2,000億円(現在1700億円)を目指すと発表しています。

また、モビリティとヘルスケアの分野を中心に次の収益基盤確率に向けた取組を加速させています。具体的には、「東南アジアでの病院インフラ事業拡大」「ロシア新薬ニーズの取組」「欧州を起点とした商用車電動化への取組」などが挙げられます。

住友商事:メディアと不動産に強み

住友商事はメディアと不動産に強みを持っています。メディア・生活関連事業の純利益は866億円にのぼり、全体の純利益3,085億円の内の29%を占めました。

また、事業投資に積極的な方針を示しています。2020年3月期までに計2,000億円を国内外で不動産事業に投資する計画であり、東京都内で中規模なビル開発に再参入、また物流施設やマンションを増やすという方針を打ち出しています。

さらに、中期経営計画では今後3年間で1兆3,000億円の投資を表明しており、その内の3,000億円はヘルスケアや社会インフラなどの新規事業です。

総合商社の社風比較

三菱商事:「組織」のつながりを重視する財閥系商社

三菱は明治初期に土佐藩が設立した海運会社の経営を岩崎弥太郎が引き受けたのが出発点。

鉱業や造船業などに手を広げ、官営事業の払い下げで拡大した分野が多い。

4代目社長・岩崎小弥太は「われわれは、国から極めて重要な任務を任されているとも言える」と話した。

〈中略〉

「日本の15大財閥」(平凡社新書)の著者・菊地浩之氏は「戦前、三菱は造船や鉱業が中心、住友は素材産業が中心だった。どちらも製造業で、技術と社員教育を重視していた。

三菱はスタンドプレーよりも、地道に着実に組織人に徹することを求めた。

〈中略〉

三菱では3代目社長・久弥が権限を銀行部、造船部、営業部などに委譲。大きな方向性だけを示して各論は部下に任せる手法を採り、これが「組織の三菱」の基盤となった。

引用:朝日学情ナビ

三菱グループの社風をイメージするようにと聞かれると、多くの人が「組織の三菱」という言葉を思い浮かべるのではないでしょうか。

かつて造船や鉱業を強みとしていた三菱商事は、組織の利益に貢献できるような人材を育成していたようです。

また3代目社長の岩崎久弥は、大きな事業の方向性を示した後は、各々の部署に権限を委譲することで、事業を推進するスピードを上げてきたことがわかります。

社長という「個」ではなく、部署単位の「組織」として利益を出すことを目指してきた文化が、戦前から今に至るまで受け継がれてきたことが伺えます。

三井物産:「個」の成長を再優先に重んじる自由闊達な雰囲気

私の体験に照らしてお話しすれば、入社3年目に語学研修生としてポンと台湾に放り出されたり、プラント建設の事業を進めるためにいきなりスマトラの奥地の製油所に派遣されたりといった具合に、部下を信頼し、若手にどんどん仕事を任せて、その仕事を通じて成長させるという考え方が組織の隅々にまで浸透していることは、三井物産の誇るべき伝統・文化の一つではないかと思います。

引用:BUSSANJIN(代表取締役社長)
常に新しい分野に挑戦し、時代のさきがけとなる事業をダイナミックに創造します。

「自由闊達」の風土を活かし、会社と個人の能力を最大限に発揮します。

自己研鑽と自己実現を通じて、創造力とバランス感覚溢れる人材を育成します。

引用:三井物産 経営理念

「人の三井」。就職活動をしたことがない人でも、一度はこのフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか。

実際に社長メッセージや経営理念にも記載がある通り、三井物産では自由闊達な文化を活かし、社員一人ひとりの「個性」を強く伸ばすことを目指していることがわかります。

また総合商社には珍しく、ICT事業本部という部署も存在し、コンピューター等の情報通信技術を活かした次世代のビジネス創造に積極的な姿勢が見て取れます。

住友商事:過去の教訓から学んだ「信用」の文化

「経営理念」に掲げているように、住友商事グループの社会的使命は、健全な事業活動を通じて、株主、取引先、地域社会の人々、そして社員も含め、世界中の人々の経済的・精神的な豊かさと夢を実現することであると考えています。

また、個々人の人格を尊重し、「住友の事業精神」の真髄である「信用を重んじ確実を旨とする」という経営姿勢を貫き、一人一人の主体性、創造性が発揮され、改革と革新が不断に生み出されるような企業文化を大切にしています。

引用:経営理念

三菱、三井と並んで財閥系商社の一角を占める住友商事。財閥としての歴史は400年以上昔まで遡ります。

そんな同社に浸透しているのが「信用」の文化です。1996年、当時の非鉄金属部長が、市場での不正行為により、3000億円という巨額の損失を会社にもたらしました。

その後同社は、国内外の捜査当局に協力しながら、世間からの失墜した信用を取り戻すため、新たな経営理念と行動指針を制定し、それが今日の住友商事の事業指針となっています。

この「信用」を重んじながら、住友商事は2019年に迎える創立100周年とその後の発展を目指しています。

伊藤忠商事:悲願の業界No.1を達成した「野武士集団」

伊藤忠商事の強さ、それは卓越した「個人の力」にあります。

「野武士集団」とよく評されるように、豊かな個性を持った人の集まりであること、自由闊達な風土を持った組織であること、「個の力」が強いことを意識しました。

社員一人ひとりが、ビジネスの現場で、マーケットが求めている商品やサービスをお届けし、広く社会に豊かさを提供し続けること、また「商うこと」の先に広がる豊かさを提供していくことが、社会に存続を許され続けるためには不可欠です。

これらはまさに、創業者である伊藤忠兵衛をはじめとする近江商人の経営哲学である「三方よし (売り手よし、買い手よし、世間よし)」と一致する持続的発展の道筋であり、当社が果たすべき「使命」です。

引用:コーポレートメッセージ

非資源分野を武器に、2015年度には遂に総合商社ナンバーワンの純利益を叩きだした伊藤忠商事。同社には、創業者である伊藤忠兵衛が残した「三方よし」の精神が根付いており、商売に関わる者だけでなく、広く社会に関わる者が豊かさを享受できるようなビジネスを追求する、という野心を持った社員が数多く在籍するようです。

「野武士集団」という言葉が示すとおり、総合商社の中でも最も勢い、ガツガツした印象を持つ人が多い企業です。

丸紅:「若手だからやってみろ」が魅力のチャレンジャー

人数は決して多くない会社なので、若手も戦力の一端を担い、活躍してもらわなければならないことからも、丸紅には若手に任せるカルチャーがあります。

加えて、これからのデジタルの時代におけるイノベーションは、若い人の新しい発想や挑戦する力が不可欠となってきますから、今まで以上に若手への期待が高まっていると言えます。

引用:丸紅新卒採用HP 人事部長メッセージ

伊藤忠商事の創業者、伊藤忠兵衛が創設したもう一つの総合商社が丸紅です。丸紅の最大の魅力は、「若手の裁量権の大きさ」だと言えるでしょう。

他社に比べて社員数が少ない分、若手の挑戦を極めて重視し、「若手だけどやってみろ」ではなく、「若手だからこそやってみろ」の精神が根付いているようです。

総合商社の選考対策

総合商社に対する理解からその業務内容まで解説してきましたが、「どうやったら総合商社に入れるの」という疑問を浮かべている方も多いと思われます。そこで、選考対策として「総合商社が求める人物像」を三菱商事の過去のESの設問と合格者ESの考察を通じて紐解いていきましょう。

総合商社が求める人材は「リーダー」と「挑戦心」

【三菱商事ES設問】
(1)これまでの学生生活の中で挙げた実績・経験を4つあげてください(それぞれ50字以内)

(2)あなたがリーダーシップを発揮した経験の中で,最もインパクトの大きなものについて教えてください。またその活動の中で関係者とどのように信頼関係を築いたのかという点も含めて,具体的に記述してください(前の設問から選ぶ)(400字以内)

(3)自分の殻を破って成長したと思う経験のうち,最も困難を伴ったものについて,途中でチャレンジをあきらめなかった理由も含めて具体的に記述してください(上の中から選ぶ)(400字以内)

(4)三菱商事の中期経営戦略2018を踏まえて,商事だからこそ実現できると考えるあなたの夢や目標を教えてください(250字以内)

(5)あなたらしさが最も現れている写真を添付し、その説明を記述してください(それぞれ100字以内)

総合商社はいくつもの困難を乗り越え、ビジネスモデルを変化させながら現在まで進化してきました。その歴史からも分かるように、総合商社が求めている人物像は「リーダシップ」「挑戦心」だと考えられます。

ES設問を見てみると(2)でリーダーシップ(3)で挑戦心(4)で志望動機が問われています。また、他者と信頼関係を構築することができる人物が求められています。

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またunistyleでは、それぞれの総合商社のインターン選考対策記事を掲載しています。以下にまとめておきますので、ぜひ参考にしてみてください。

さらに詳しく総合商社の求める人物像など採用に関する情報を知りたい方は、以下に「総合商社に入社するまで学生時代をどう過ごしてきたのか」「総合商社の内定を取るためには」などが分かるインタビュー記事をまとめておきますので、参考してみて下さい。

三菱商事社員が語る!三菱商事に内定が取れる人は正直どんな人か(シュシュッと就活!!)
インタビュアーの方と三菱商事社員が比較的友好関係がある前提の取材記事になるため、内容は赤裸々に感じます。入社できる人を「平凡ではない人」と表現しているところからも、一般的な採用HPには書かれていないような内容だと見受けられます。全7回の大作になりますので、コツコツ読み進めてもらえればと思います。
学生時代の過ごし方2017(2)三菱商事の笹野由梨香さん(日経カレッジカフェ)
総合商社の内定者が現在の業務内容や今後のキャリアに加え、学生時代にどのような経験を積みながら過ごしていたかをインタビュー形式で綴った記事です。サークル、アルバイト、留学それぞれの経験について詳しく書かれているため、これからの学生生活の使い方を再考するにあたって非常に参考になるのではないでしょうか。
「忖度」しない経営人材を育成 三菱商事社長(NIKKEI STYLE)
三菱商事社長が今後求める人材像について語った記事です。「経営人材を育てることが、会社の役割だ」と同社長は主張しており、「経営人材の必要性」「リーダーの素質」についてフォーカスしています。採用HP以上に求められる素養が具体的に述べられているため、自己PRの際の参考にすることができるでしょう。
「その企業の熱量は、ホンモノか」 伊藤忠商事が語るOB・OG訪問でわかること(ビズリーチ・キャンパス)
伊藤忠商事の採用担当者がOB・OG訪問に託す想いや採用時に重視することなどを率直に語っている記事です。「食わず嫌いをしないでほしい。あなたたちはまだまだ“井の中の蛙”です」「世界を広く捉え直す機会にしてほしい」など、総合商社内定に必須のOB・OG訪問の重要性について深く言及していますので、まだ上手くOB・OG訪問を使いこなせていない方は必見の記事です。
内定を出したい学生はどんな学生? 住友商事人事担当者に聞く(早稲田ウィークリー)
早大生応援Webマガジンの早稲田ウィークリーが住友商事の人事に「内定をどんな学生」に出したいかという率直なインタビューをしている記事です。面接官がどのように面接で学生を判断していくかが、わかりやすく綴られており、住友商事志望者以外の方にもおすすめできる記事となっています。

最後に

総合商社の起源から始まり、総合商社の業界研究について詳しく解説してきました、就活生の総合商社に対する理解が少しでも深まったのであればunistyleの中の筆者としては幸いです。

また、さらに総合商社について興味を持った方向けに、以下unistyleで掲載してるコラム記事をまとめました。就活生のみなさんにとって示唆に富む記事となっていますので是非参考にしてみて下さい。

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