企業選びの軸(就活の軸)の定め方とES(エントリーシート)例文を紹介 -大手企業内定者の回答例13選-
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最終更新日:2024年01月18日
本記事では、そもそも企業選びの軸とは何か、定めることでどのようなメリットがあるのかについての説明を行いながら、実際の内定者の回答をもとに設問として問われた場合の対応を解説していきます。
- 本記事のアウトライン
- そもそも企業選びの軸とは
- 企業選びの軸を定めるメリットとは
- 企業選びの軸を回答するときに意識するポイント
- 【企業選びの軸】大手企業内定者のES(エントリーシート)回答例文
- 業界別の企業選びの軸を紹介
- 最後に
そもそも企業選びの軸とは
上記でも述べているように、「企業選びの軸」とは、多くの企業を見ていく中で受ける企業を選ぶあなたなりの基準のことです。
企業は「企業選びの軸」を聞くことで、「自社と価値観や考え方がマッチするか」「働く上でのモチベーションは何なのか」を知ろうとしています。
「企業選びの軸」に関しては企業のエントリーシートや面接でもよく聞かれるものであり、重要な質問の一つです。
とは言え、企業選びの軸としてどんなものが挙げられるかイメージが湧かないという人のために、unistyleが提唱している「企業選びの軸8つ」をご紹介します。
上記を参考に、自分に取ってどの軸が大切なのかを考えてみましょう。
なお、就活の軸を何にすればいいのか分からないという就活生には就職エージェントneoがオススメです。
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企業選びの軸を定めるメリットとは
企業選びの軸を考える理由の一つに「ES(エントリーシート)の設問や面接の質問で出てくるから」というものがありますが、それ以外にも軸を定めることには多くのメリットがあります。以下にて主なものを挙げています。
- 受ける業界・企業が絞り込める
- 志望動機が書きやすい
- 入社後のミスマッチが起きる可能性を減らせる
- 転職の際に前職を辞める理由を無理なく語れる
それでは上記で紹介した4つのメリットに関し、それぞれ詳しく解説していきます。
企業選びの軸を定めるメリット(1):受ける業界・企業が絞り込める
当然ですが、数多くある選択肢の中から業界や企業を選んでいくわけですから、ある程度の軸や基準がなければいけませんが、消去法という考え方だけでなく、積極的に炙り出していくという考え方もあります。
何か一つ軸を定めることが出来れば、そこから芋づる式にいくつかの業界・企業を選定することが出来ます。
このように、漫然と就活サイトとにらめっこをするのではなく、きちんと軸を明確化しておくことで、探す手間や「なんとなく面白そうだから説明会行ったけど合わなかったな・・・。」といった時間の浪費を避けることが出来ます。
志望動機において「なぜ他の業界(企業)ではなくうちの業界(企業)なのか」を説明する際、比較する上での基準になるものが企業選びの軸であり、他人に伝えられる軸があるからこそ比較とその結果も他人が理解できるものになります。
例えば、「自分自身の考えや行動が価値になる仕事がしたい」という軸を持っている就活生を例に、図にして解説していきます。
企業選びの軸のフレームワーク【1】企業選びの軸
自分自身の考えや行動が価値になる仕事がしたい。
【2】きっかけとなる経験
高校生での文化祭実行委員の経験および大学時代のアルバイト・サークルでのリーダーとしての経験から自分の考えや行動が認められ、一つの企画や提案が形になることにやりがいを感じてきた。仕事でもそのようなやりがいを感じられる仕事がしたいと考えて貴社を志望している。
【3】-1 受けている業界1「コンサルティング業界」
企業が抱える経営課題に対して、純粋に自分自身で考え抜いた解決策を提示するコンサルティング業界の仕事であれば、最も自分の考えや行動が反映されると感じた。総合商社や金融業界だとどうしても自分の関わる領域にのみ限定されるがコンサルティング業界であれば幅広い領域に対して提案が可能だと思う。
【3】-2 受けている業界2「総合商社」
トレードだけでなく事業投資を行い、企業の課題に対して物流面だけでなく、金融・コンサルティングなど多方面から関われることが魅力に感じた。コンサルティング業界や金融では、経営していく課題そのものを自ら解決する立場にはたてず、あくまでアドバイスや資金の融通というものに終わってしまうのに対して、総合商社であれば事業投資と事業経営を通じて主体的に関わることができると感じた。
【3】-3 受けている業界3「銀行」
幅広い業界の企業が抱える資金面に対して多数の金融商品から解決策の提案を行うことが出来る点に魅力を感じた。総合商社では関わることのできる企業が配属により限定されてしまう点に物足りなさを感じ、コンサルティング業界では経営のアドバイスという点でしか関わることができないのに対して、銀行であれば資金を提供している限り、線で関わり続けることができると感じた。
上記の図と具体例を見ていただくとイメージしやすいかと思います。一つの企業選びの軸およびそれに基づく経験から、企業選びの軸と経験に当てはまる業界を複数受けていく形になります。
上記の通り、一つ確固とした企業選びの軸と自身の経験があれば、複数業界を受けていくのが簡単なことがわかるかと思います。内定がないうちは上記の受け方で5業界程度は受けるつもりで準備するのがよいでしょう。
企業選びの軸を定めるメリット(2):志望動機が書きやすくなる
unistyleでは志望動機の書き方として以下のフレームワークを推奨しています。
このフレームワークでは、大枠を整理して最後に企業比較という狭い範囲での比較につなげることで、論理的な志望動機を書くことが出来ます。
また上記の通り、説得力のある志望動機を語る上では他業界との比較も重要であり、そのためには軸の策定が必須です。
また、多くの就活生が軸に基づいて多くの業界・企業を受けると思いますが、企業選びの軸をきちんと定めれば、複数の業界・企業であっても志望動機を考えることも難しくありません。
こういった点から、企業選びの軸を定めるのは、実際に企業を選ぶという段階ではもちろん、その次のフェーズの「志望動機を考える」ことにも有用だとわかります。
1.【新卒】就活の志望動機とは?書く時の注意点やテンプレも紹介-例文5選付-
2.【新卒】3ステップで完成!通過率を上げる志望動機の書き方|ES例文付
3.【業界別】志望動機(志望理由)の書き方とアプローチ方法|ES例文付
4.【新卒】就活の面接で聞かれる志望動機にどう答える?人事に刺さる伝え方とは
5.【例文12選】インターンシップの志望動機の書き方を業界・字数別(200字/300字/400字/500字)で解説
企業選びの軸を定めるメリット(3):入社後にミスマッチが起きる可能性を減らすことができる
多くの時間をかけて就職活動をしたのにも関わらず、入社後三年、早ければ半年に辞める人が少なくありません。その理由としては、以下のような調査結果があります。
1.労働条件・休日・休暇の条件がよくなかった:22.2%
2.人間関係がよくなかった:19.6%
3.仕事が自分に合わない:18.8%
4.賃金の条件がよくなかった:18.0%
:
参考:厚生労働省 平成25年若者雇用実態調査の概況
やってみないとわからないこともありますが、人によっては始める前からわかっていたこともあるでしょう。
どれがそれに当たるのかは企業や人によって変わるところですが、こういったデータがある以上、選考の場では伝えなくても、エントリー前や、最終的な進路を決める際には条件面についても軸を設けてキチンと考えなければいけないところでしょう。
企業選びの軸を定めるメリット(4):転職の際に前職を辞める理由を無理なく語れる
企業選びの軸を新卒の就職時にもはっきりさせておくと、転職する際にも質問に答えやすくなります。
転職の面接では「なぜ辞めるのか」というのは頻出の質問ですが、上記の通り企業選びの軸をはっきりさせておくと、以下のような形で整理して話すことができるでしょう。
元々、「自分自身の考えや行動が価値になる仕事がしたい」という思いから新卒では総合商社に入社したものの、実際に事業経営に関わる部署というよりはトレード主体の部署に配属されてしまった。海外に駐在したり子会社に出向しても基本的にはトレードを行う要員としての要素が強そうだったため、転職を考えるようになった。
意外にも社会人になっても企業選びの軸や自分がやりたいことについてしっかりと考えられている人は少ないです。
ですので、新卒の入社時に企業選びの軸に向き合っておくと、入社してからも自分のキャリアを考える指針となり、転職時に業界を変える際も説得力のある話ができるというメリットもあるでしょう。
企業選びの軸を回答する時に意識すべきポイント
ESや面接で「企業選びの軸」について答える時は、下記の4点にお気をつけください。
- 結論ファーストで述べる
- 具体的なエピソードを述べる
- 仕事に絡められるものを述べる
- きっかけとなる経験もセットで述べる
結論ファーストで述べる
「企業選びの軸」だけに当てはまることではありませんが、結論は最初に端的に述べ、その後に背景や理由を話しましょう。
結論を最後に持ってくると、特にESの場合は膨大な量を人事は見ているので、わかりにくいものは読んでもらえない可能性があります。
具体的なエピソードを述べる
企業選びの軸を結論ファーストで述べられていても、具体的なエピソードがない場合、人事もイメージが湧かず、説得力に欠ける文章になってしまいます。
具体的なエピソードを添えることで読み手が頭の中でイメージできるようにしましょう。
仕事に絡められるものを述べる
仕事に絡めることも重要なポイントです。
自分は仕事を通してどんなことをしていたいのか、企業のどの業務との関わりが深いのかなどを書き出してみましょう。それらの内容をまとめることで、自分の業務に対する気持ちは人事に伝わりやすくなります。
きっかけとなる経験もセットで述べる
根拠もなしに企業選びの軸だけを語られても、採用側は評価できません。
企業選びの軸は「過去にこんなことをしてきて、こんなことに喜びや楽しみを感じる自分だからこそ、これを大事にしたい」といった、きっかけとなる経験もセットで伝えた方が採用側に共感されやすいかと思います。
【企業選びの軸】大手企業内定者のES回答例文13選
それでは、以下で大手企業内定者の企業選びの軸を紹介していきます。
例文ごとにポイントの解説も掲載していますので、「どのような点が評価されるポイントなのか(どのような点を改善するべきなのか)」を確認してみてください。
- 【アクセンチュア内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:論理的思考を磨ける
- 【野村不動産内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:やりたいことが実現できる
- 【三井不動産レジデンシャル内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:能力を発揮して、成長できる
- 【三菱UFJ信託銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:支える仕事と環境
- 【三菱UFJ信託銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:目の前の人を幸せにできる
- 【AGC内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:早く成長できる
- 【三井化学内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:技術力で強い日本を世界に発信できる
- 【商船三井内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:多様な人とチームで取り組める
- 【新生銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:お客様と長期的な信頼関係を築き、社会や人に貢献できる
- 【アビームコンサルティング内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:努力した人が最大限力を発揮できる
- 【三井住友銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:直接顧客と関わる中で価値を提供できる・他者や顧客の成長に貢献できる
- 【みずほフィナンシャルグループ内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:自らが主体となって、多くの人々の挑戦を支える仕事
- 【野村不動産内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:「社会貢献」を行い、「目標」を達成できる
【アクセンチュア内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:論理的思考を磨ける
あなたが会社選びで最も重視していることと、その理由をご記入ください。(全角800文字以内)
私は●●大学でドイツ思想を教えている父の下で育ち、論理的に思考することを小さいときから学んだ。例えば父から叱られるときも、冷静になぜ自分の行いが悪かったのか分析させられ、これからはどうすべきなのかということを考えさせられた。
そして私が大きくなっても、口答えが感情的なものであれば理由になっていないと一蹴された。そのせいで、父をどうすれば言い負かすことができるかということを考えるようになり、自然と論理的に考え抜くということを学んだ。
そして、論理的に考えたことを人に伝えると説得しやすいということを実感するようになった。それは大学の研究においても同じで、直感ではなくなぜそう考えるのかということをしっかり述べた方が、論文でも高い評価を得るということを感じた。いくら良いアウトプットでも、その過程がアイデアベースでは説得力に欠けるのである。分析をもとに、仮説を立て、それを実行し、その結果を考察するという流れの大切さを日々感じている。
これらの過程を経て、私は論理的に考え抜くことこそが、人生において一番必要なことであると考えている。この、論理的思考を磨くことができ、またそれが大切にされる風土があるのはどのような業界かということを私なりに考えた。
そこで浮かび上がったのが、顧客を常に論理的に納得させることができなければならないコンサルタントという仕事である。自分の人間としての成長の実現と会社へ与えることができる価値を最大限にすることができるこの業界で、勝負していきたいと考えている。そして、その業界の中でも、できるだけ規模の大きい、環境の整った会社に入りたい。
引用:【アクセンチュア内定者】本選考エントリーシート
この内定者は、教授である父親の影響で幼い頃から論理性を重んじるようになったとのことです。生い立ちによってその人の価値観が形成されていくというのは採用側としても納得感があるでしょう。また、自分の価値観が大切にされる業界を、ビジネスモデルから推測している点も筋がよいと感じます。
一方で、この就活生のいう「論理的思考」とは具体的にどのようものを指し示すのか曖昧な印象を受けます。よく「論理的」という言葉を使う就活生がいますが、当人がその意味を正確に理解しているのかが不明です。ここでいう「論理的思考」とはどのようなものなのか、またコンサルタントとして求められる「論理的思考」とはどのようなものなのか、をより具体化させる必要があるといえます。
就職活動では、ビックワードを多様する学生が散見されますが、多義的な言葉を使用する場合はその意味内容を落とし込んで使うように心掛けましょう。
【野村不動産内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:やりたいことが実現できる
就職する会社を決める上での軸を教えて下さい。(300文字以内)
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【三井不動産レジデンシャル内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:能力を発揮して、成長できる
あなたが企業を選ぶための指針を記入してください。
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【三菱UFJ信託銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:支える仕事と環境
あなたが就職する企業を選ぶ際に大切に考えているゆずれないことと当社で実現したい働き方を記入してください。(400文字以内)
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【三菱UFJ信託銀行内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:目の前の人を幸せにできる
あなたが就職する企業を選ぶ際に大切に考えているゆずれないことと当社で実現したい働き方を記入してください。(400文字以内)
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【AGC内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:早く成長できる
1.就職活動において、企業を選ぶ際に最も重視していることを教えてください。
2.就職活動において、企業を選ぶ際に2番目に重視していることを教えてください。
3.就職活動において、企業を選ぶ際に3番目に重視していることを教えてください。
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【三井化学内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:技術力で強い日本を世界に発信できる
あなたが就職活動において大切にしていることや、企業選びのポイントを教えてください。 (200文字以内)
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【商船三井内定者のES(エントリーシート)例文】企業選びの軸:多様な人とチームで取り組める
企業選びのポイント(150文字)
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【新生銀行内定者のES例文】企業選びの軸:お客様と長期的な信頼関係を築き、社会や人に貢献できる
就職先を選ぶ基準(400文字以下)
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業界別の企業選びの軸を紹介
ここまで様々な企業選びの軸をみてきました。以下では業界別の企業選びの軸を紹介しています。自分が行きたい業界の内定者がどのような企業選びの軸を持っていたのか参考にしてみてください。
また、企業選びの軸がすでに定まっている人は自分と同じような企業選びの軸を持っている人がどのような業界を見ていたか参考にし、志望業界を広げてみましょう。
下記の関連記事も参考にし、自身の企業選びの軸を探してみてください。
日本のプレゼンスを向上させたい学生が受けるべき業界4選|内定者志望動機付き
発展途上国支援をしたい就活生必見!国際協力に関われる業界4選
異なる価値観を持った人とチームで働きたい学生が受けるべき業界4選
【やりたい仕事別|受けるべき業界ナビ】提案・課題解決編
「新規事業を生みだす仕事がしたい」就活生へ|受けるべき業界 3選
最後に
企業選びの軸は「過去にこんなことをしてきて、こんなことに喜びや楽しみを感じる自分だからこそ、これを大事にしたい」といったアプローチで伝えた方が採用側に共感されやすいと思います。
いずれにしても、軸を定めることで自分の望む進路を定められればと思います。
下記に掲載した関連記事等も参考にしていただきながら、自身の企業選びの軸を定めてみてください。