【大学の勉強ばかりしても就活で評価されにくい理由】インプット重視の学生とアウトプット重視のビジネス
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最終更新日:2019年12月04日
今回は学生側の問題点の中でも、「努力の方向性」の問題について少し詳しく見ていきたいと思います。
多くの学生が「インプット志向」に陥ってしまうため、就職活動で評価されていないという現実についてご説明したいと思います。
多くのいわゆる"真面目な"学生が、学業成績があまり企業の採用選考において評価されないことを不満に思っているようです。
逆に、サークル活動などに専念して授業自体はあまり真面目でない学生に限っていいところに内定することに対して強い不公平感を感じているとの話を聞きます。
恐らくこれは、"真面目"といわれる学生側が、企業が何を評価基準にしているのかわかっていないために不公平感を感じているものだと思っています。
就職活動における評価基準はアウトプットとその過程
多くの企業は採用活動において、「アウトプットとその過程」を評価基準にしています。
企業がそのような評価基準を持っているにも関わらず、上記"真面目な学生"は、学業成績という「インプット」を評価してほしいと主張するがために両者にずれが生じています。
例えば、大学の勉強で例えるのであれば、教科書や論文を読むことがインプットで、実際にゼミ生と協力して論文を作成するのがアウトプットにあたります。スポーツで例えれば、練習がインプットで試合がアウトプットにあたります。
学校の成績とは典型的なインプットであり、どれだけインプットができたかを評価する仕組みです。
学業成績を上げるために必死に頑張ってきたという学生に、「何のためにそんなに必死に勉強したのか」と聞いても明確な答えが返ってくることは少なく、アウトプット目標がないことが多いです。
ビジネスはアウトプットの世界
ビジネスは完全なるアウトプットの世界です。何かを勉強してインプットしたとしても、それが何らかのアウトプット(得てして利益であることが多いのですが)につながらなければまったく評価されません。
アウトプット目標を定めて、それに向けてインプットさせるというのが企業の基本的な考え方です。中国でのビジネスのために中国語が必要になれば、すぐさま中国語の研修を開始します。
中国語の勉強が目的ではなく、中国で利益を上げることがここでのアウトプット目標にあたります。
アウトプットはリスクを伴う大変な行為です。インプットであれば、誰にも邪魔されず、誰にも迷惑をかけることなく一人で完結させることができますが、アウトプットはその性質上、必ず他者との関わりが発生します。
ビジネスが完全なアウトプットの世界だからこそ、企業は学生が学生時代にどのようなアウトプットをしてきたのか、どのようなアウトプット目標を定めたのか、アウトプットの過程においてどのようなことを考えたのか、などのアウトプットとその過程を評価したいと考えています。
就職活動で見られるインプット志向の悲劇
大学生の多くがこれまでインプットの世界で生きてきました。アウトプット目標のないまま、勉強というインプットを繰り返し、どれだけインプットができたかを図る試験で評価されてきました。
そのためか、中々インプット志向から抜け出せず、インプットを続ければ成果がでると勘違いしてしまっています。
就職活動におけるインプットと言えば、自己分析・業界研究、就活テクニックの習得で、アウトプットと言えば、OB訪問で自分の意見を述べる、エントリーシートを書いて添削してもらう、模擬を含めた面接を受けるなどです。
学生の就職活動においてどちらが重視されているかは一目瞭然ですね。
学生の多くが、とにかく業界研究、とにかく自己分析と、闇雲なインプットに膨大な時間をかけてしまいます。こういった学生は、努力(インプット)をしていれば、成果に結びつくと考えてしまっています。
ネット環境の発達した現代社会においては、様々な就職ノウハウやテクニックが溢れています。
こういった学生はノウハウやテクニックを学び、自己分析や業界研究をしていれば、受かると信じています。残念ながらそういったノウハウやテクニックなどのインプットに走る学生の成果は芳しくありません。
アウトプットのためのインプットを常に心がける
就職活動は最終的に、自己PRと志望動機の二つをエントリーシート及び面接でうまくアウトプットできるようにすることで内定が得られます。
常にその最終的なアウトプットをイメージした上で、これらの就活テクニックを習得する、OB訪問で先輩の話を聞くなどのインプットを繰り返してもらいたいと思います。
今回のまとめ
本記事のまとめは以下の通りとなります。
- 就職活動で評価しているのはインプットではなくアウトプットとその過程
- 多くの学生がインプット重視、アウトプット軽視
- 常に最終的なアウトプットを意識しながらインプットすることを心がける