【現役コンサルタントが解説】ケース面接の評価基準と対策まとめ

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最終更新日:2024年10月04日

外資系コンサルティングファームをはじめとした、様々な業界で行われるケース面接ですが、通常の面接と異なる点が多いため、対策に苦労している就活生が多いのではないでしょうか。

ケース面接対策として過去問を解く、友人と練習するなど様々ありますが、まず初めに、面接官が見ているポイントを抑えておくことが必要です。

本記事では、ケース面接の評価基準と対策を分かりやすく解説していきます。

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ケース面接の評価基準は?

ケース面接は、面接官と1対1で行うものやGDの一貫として扱うこともあります。それぞれ形式は異なりますが、ケース面接では、テーマに対して一人一人の能力を評価しているので面接官が見ている点は等しいと言えるでしょう。

以下で、人事がケース面接で見ている3つのポイント「論理的思考力・コミュニケーション能力・思考の柔軟性」を解説しています。

論理的思考力

コンサルティング業界といえばロジカルシンキングと言われるほど、論理的思考力は重視されるポイントになります。初めに「ロジカルシンキング(論理的思考)」の定義を確認しておきましょう。

ロジカルシンキングとは、一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことである。日本語訳として論理思考あるいは論理的思考と置き換えられる。
引用:Wikipedia「ロジカルシンキング」

つまり論理的思考力は、問題を分解して整理し、結論を導き出すための思考法です。これにより、問題の本質や解決策が導きやすくなるだけでなく、課題解決能力や説得力のあるアウトプット能力にも繋がります。

ここで論理的思考力の基本と言われるMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)という概念を抑えておきましょう。MECEは「モレなく、ダブりなく」と訳し、Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取った用語です。

MECEのイメージとしては次のようになります。

論理的思考力を養うには、「コンサル業界の役職とその仕事内容を徹底解説」で紹介している対策本や「就活で使える!ロジカルシンキングを支えるフレームワーク9選」で紹介しているフレームワークが役に立つでしょう。

また、外資コンサル及び広告のキャリアを持つマーケティングの専門家が解説している「思考とは何か|思考の意味と【ビジネス思考法10種類】を解説」もおすすめです。

unistyleにあるコンサルティングファームで出題されたケース面接の過去問も参考になるかと思いますので、以下でご紹介します。

コミュニケーション能力

初めに「コミュニケーション能力」の定義を確認しておきましょう。

コミュニケーション能力とは、人と人の間で意思疎通をとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行う技術または知識のことである。
引用:Wikipedia「コミュニケーション能力」

コンサルティング業界は、あまりコミュニケーション能力を重視されないイメージがあるかも知れません。しかし、コンサルタントとして関わるクライアントから本質的な課題を発見し解決するために、信頼関係を築くことは必要です。

また、企業によっては、1つの案件を自分の担当分野以外の人達とチームを組んだりして協力することがあります。円滑にモノゴトを運ばせるためにも、コミュニケ-ション能力は必要な能力と言えます。

面接・GDなど各選考フローにおいて心がけていたことをお答えください

ケース面接においては、しっかりと面接官と対話を行うことを意識した。こちらが一方的に話すのではなく、前提の確認や途中でもおかしなところはないかなどしっかりと対話を行った。それを行うことで、面接官が理解できない部分が少なくなったり、また自分自身のケースもより良いものになっていったのではないかと思う。

BCG本選考レポート:2019年卒

このBCG本選考レポートからは、面接官としっかり言葉のキャッチボールができるようなコミュニケーション能力が互いの理解を促進し、信頼関係の構築に繋がっていることが読み取れます。

思考の柔軟性

初めに「柔軟性」の定義を確認しておきましょう。

柔軟性とは、その場や状況に応じて行動や機能などを素早く変化して対応することができるような性質のことである。
引用:Weblio「柔軟性」

いくら地頭が良く、優秀な人材であっても人の意見を聞けない人は受け入れられにくいでしょう。ケース面接では、面接官とディスカッション方式で行うものや、グループディスカッションの場合だと、面接官からのフィードバックがあることがあります。

その際、自分の考えと異なる提案や思いもしなかった質問をされることもあります。そういった場合の反応を見て人事は頭の回転の速さや、指摘を素直に受け入れられる素直さを評価しているようです。

思考に柔軟性を出すために、コンサルタントが使うゼロベース思考という思考法をご紹介します。ゼロベース思考とは、今まで持っている前提知識や思い込みを一旦ゼロにして、基礎(ベース)がない白紙の状態から物事を考えることです。

前提知識や思い込みなどの固定概念というのは常にあるものですが、次のように発想転換させて考えてみることができます。

  • 一旦これまでの習慣や常識を疑ってみる
  • 別の視点(消費者・利用者)から考えてみる
  • 目的は何かを確認し、ゴールから考えてみる

このように既存の概念・枠組み・方法などに囚われず物事を考えることで、革新的・創造的なアイデアを思いつきやすくなるのです。

現役コンサルタントによるケース面接の評価と対策

日系コンサルティングファームである株式会社コーポレイト ディレクション(CDI)の現役コンサルタントの方からケース面接の評価点とその対策についてのご寄稿をいただきました。

コンサルタントに求められる素養からケース課題を扱うGDの評価点まで解説しているので参考にしてみてください。

「解答例が模範解答である」という誤解

コンサルのGDを受けられたことのある方の中には、何を評価しているのか/何が理由で受かったのか・落ちたのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。戦略コンサルの他社さんが同じことを考えているかはわかりませんが、少なくともCDIはGDを通してどういう人を採用したいと思っているかについて、お伝えしたいと思います。

最近では、本やネットでGDの問題や解答例が広く出回るようになってきていますし、学生さん同士の練習会なども開催されています。しかし残念ながら、現役コンサルタントの目から見ると、見当はずれな議論の道筋が示されていることも多い印象です。

一例として、食品などの身近な商品について、「売上を2倍にするには」といったお題でフェルミ推定(注1)のやり方やフレームワークを当てはめた議論の進め方の解説がよく出回っていると思いますが、これは現役コンサルタントからすると非常に不思議な状況です。なぜなら、これではコンサルタントが求めるディスカッション力を測るには不充分だからです。

まずフェルミ推定ですが、コンサルタントとしては当然必要な能力です。しかし、これはディスカッションの前提として定量感を把握する力であり、ディスカッション力そのものではありません。個々人がぱっとできれば良いだけのことです。ディスカッション能力に付随してフェルミ推定の能力を見るという話ならわかりますが、フェルミ推定ができること自体はディスカッションの前提にすぎません。

また、フレームワークもそれ自身が悪いということでは全くありませんが、学生さんで使いこなせることははっきり言って稀です。切り分けて整理して終わりになってしまうことが多い。整理することは起点に過ぎず、そこから先のディスカッションは全く別の能力です。GDの面接をしていて学生さんがSWOTやファイブフォースなどと言い出したら、それ自体が悪いことでは全くありませんが、結果的に極めて微妙な結果に終わることが多いので、私達も身構えてしまいます。

フレームワークは使いどころがわかって初めて効果が出る、あくまで道具のひとつです。私達がフレームワークを使うときは、漏れている要素が無いかのチェックや、クライアントにプレゼンテーションするときにわかりやすい形で見せるときの表現手法として使うことがあります。しかし、ディスカッションの起点として機械的にフレームワークを使うことはしません。

『引用』「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行
 

戦略コンサルタントの本質的な価値は、「認識」を示すこと

実際のプロジェクトでは、仮説を立てては検証し、を繰り返していきます。仮説を立てる能力が「解くべき問いを立てる」力、検証する能力が「解を導く」力です。大事なのは、仮説を立てる能力は検証する能力とは全く異なっており、自分なりの物の見方や認識を示すことが起点になっているということです。急に売上が横ばいになっているグラフを見て、「コンセプトが限界に来ているのではないか」と「認識」するかどうか。

認識するということ、さらにそれを示しクライアントの認識を変えることこそが、コンサルタントの本質的な提供価値だと思います。コンサルタント自身の認識が起点になって初めて戦略の絵を描くことができますし、クライアントの認識を変えることで初めて本当の実行支援があります。実行支援と一口に言っても、常駐でコンサルタントを派遣することだけが実行支援ではありません。クライアントの認識を根底から覆すことに徹底的にコミットし、それによってクライアント自身を動かす。これも立派な実行支援、個人的にはむしろ、これこそが実行支援の本質だと思っています。

解を導く力も当然必要ですが、コンサルタントの能力としては基礎力に近い位置づけです。これが、解を導くことはコンサルタントの提供価値の本質とは少し違うと申し上げた理由です。

『引用』【第3回:現役コンサルタントが語る】解を導くのがコンサルの仕事か?

こちらにあるように、コンサルタントは仮説検証を繰り返し行うことが多いため、仮説を立てる能力(=解くべき問いを立てる力)、検証する能力(=解を導く力)が重視されます。

これを言い換えると、問題を分解して整理し、結論を導き出す力と言えます。上記のケース面接の評価基準は?で説明しているように、このような能力は論理的思考に当たりコンサルタントの素養として必要不可欠であることが分かります。

また、ディスカッションの中で、機械的にフレームワークを使うことなく柔軟性のある切り口を検討し議論を進めることも求められているようです。テーマに対して決められたフレームワークを使えば良いと考えて解き進めると、結果の施策が現実と乖離してしまうことがあるので注意が必要です。

さらに、「クライアントの認識を変えることこそが、コンサルタントの本質的な提供価値だ」とあることから、クライアントの実行支援を行う上で、しっかりお互いの認識を共有し最善の結果を生み出すためにはコミュニケーション能力が必要だと考えられます。

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