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P&G・ユニリーバ・ロレアルの事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】

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掲載開始日:2016年11月25日
最終更新日:2016年12月09日
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今回は、外資系メーカーとして圧倒的な人気を誇る上記の三社に関して比較・分析をしてみたいと思います。外資系消費財メーカーとはいっても、扱う商品は非常に幅広く、一般消費者のイメージと実際は異なる場合も多々あります。

例えば、レノアやファブリーズのイメージが強いP&Gは日系洗剤メーカーであるかのような錯覚を受けますが、世界的にも有名なパンテーンやH&Sなどのシャンプーやブラウンという電動シェーバーも手がけています。さらにユニリーバはこうした日用品に留まらず、リプトンやベン&ジェリーなどの食品分野にも触手を伸ばしています。(ロレアルは皆さんのイメージ通りかもわかりませんが、女性用のケア用品を数多く製造しています。)


外資系消費財メーカーの事業内容、ビジネスモデル

メーカーなので、基本的には自分たちの会社の製品を売ることで利益を出しています。実際に消費者のもとに届けるのは小売店ですが、一般大衆向けの商品を製造しているという観点で考えればB to Cのビジネスモデルに則っています。

これらの外資系メーカーでは、「事務系総合職」とひとくくりにされる日系企業の採用形態とは異なり、部門ごとの採用を行っています。また、それぞれが各分野のプロフェッショナルとして仕事を請け負い、会社というチームの売上に貢献しています。

それらは主に、
①営業(セールス、カスタマー・ディベロップメント)
②経理・財務(ファイナンス)
③消費者・市場戦略(Costomer & Market Knowledge、サプライチェーン)
④人事(ヒューマン・リソーシス)
⑤IT(デジタル、Information System Technology)
⑥マーケティング
⑦R&D(研究開発)

に分かれています。それぞれの仕事内容についてじっくり考えてみたいと思います。商品が製造されて、消費者に渡るまでの具体的な流れは、【1】マーケティング【2】R&D【3】消費者・市場戦略【4】営業という流れです。その中でファイナンス部門、IT部門、人事部門等が顧客の要望に応え、更に効率的に利益を出せるように社内外の調整を行うというイメージです。


①営業

外資系消費財メーカーにおける営業とはどのような仕事をするのでしょうか。営業とは、卸店・小売店との協力、市場やショッパー(購買者)に対する理解を通じてブランド戦略を店頭で実現することを請け負う仕事です。具体的に述べると、自社の製品を取り扱って頂く店舗に売り込む中で、「どうすればもっと売れるか」を考える仕事です。

例えば、ドラッグストアやスーパーの店頭でそれぞれのプロモーション企画を考える仕事があります。(あくまで店先だけで、商品自体のPRは別部門)他には、予定売上高と実際の売上高にギャップがある場合などにその差を埋めるための戦略を練ることもあります。

いかに顧客目線・小売店目線で商品を扱ってもらえるようにするか、ということを考えながら利益を出すことは難しく、営業としての腕の見せ所です。以下はP&Gの営業担当者が実際の業務イメージについて語ったインタビューの抜粋です。

P&Gと得意先との共通のゴールを達成するために、まずはショッパーを理解しビジネス伸長の機会がどこにあるか分析し、その上で具体的なアクションプランを立案、実行しレビューしていくというプロセスを回しています。提案力に深みを持たせるために、各カテゴリー専任の営業チームだけでなく、ファイナンスやマーケティングなど他ファンクションのスペシャリストを加えた「カスタマーチーム」によるアプローチで他社と差別化した強みを発揮しています。

引用:P&G 採用ページ VOICE OF STAFF Sales 

話の内容は抽象的ですが、顧客目線に立った上で、同社の別部門の社員とチームを組んでより説得力のある営業を行うことがあるようです。

②経理・財務

外資系メーカーというと、消費者戦略・マーケティング分野の人気が先行しがちでこうしたバックオフィスでの仕事にはあまり目が行かない学生も多いかと思います。実際に消費財メーカーにおけるファイナンスのプロフェッショナルがどのような仕事をするのか考えてみたいと思います。

ファイナンスの部門では、経営者の視点に立って収益性の高い分野で持続的にサービスを提供するにはどうしたらいいかということを考えます。新規事業への参入や、伸び悩んでいる事業からの撤退、M&Aの戦略等もこのセクションが計画していくことがしばしばあります。そもそも、企業が利益をあげられなければ株主に還元できず、投資を得られないのでこの分野のスペシャリストがいることは企業にとって欠かせない存在です。

以下、社員によるインタビューで仕事内容を確認してみましょう。

年間の売上予測を立て、それに基づいた新製品発売の最終的なプランの作成・新プランの作成・既存のプランの見直しなどを、営業やマーケティング、PSなど他部署と協働して行っています。F&Aは全てのプランや戦略を数字に落とし込み、やるべきかやらないべきかを判断し、また過去のプランの結果の分析などを行い、そこからの成功・失敗を次に繋げていくことを考えることが主な役割です。

引用:P&G 採用ページ VOICE OF STAFF

この社員の方が仰るように、経理のスペシャリストとはいえ、他分野に携わる社員のことも理解しながら協業でプロジェクトに取り組みます。部門別採用とはいえ、他分野に渡る職種を理解することは不可欠で、場合によっては部門を跨いで働くこともあるようです。

③消費者・市場戦略

市場戦略というと、マーケティングのようなイメージを持ちがちですが、マーケティングとは大きく異なります。実際にこの分野で挑む仕事は、販売実績や競売動向から顧客のニーズを汲み取り、製品の需要予測・供給予測を立てることです。その中で、製品の製造管理・品質管理を行いつつ、資材や材料の購入も担っています。

つまり、製品の川上から川下までの全ての分野に管理者として携わり、売上の向上を目指すというイメージです。マーケティングや営業など様々な分野の人間の意見を取り入れつつ、売上を伸ばします。

以下のユニリーバのyoutubeサイトでの職種紹介を参考にしてみてください。

④人事

人事のスペシャリストと聞いてもピンとこないひとが多いでしょう。採用のスペシャリストでしょうか。いえ、それだけではありません。社員や、会社に関わる人間(インターンシップ等)を一流のグローバルビジネスリーダーとして育て上げるための組織です。

また、こうした多国籍にわたるビジネスリーダーが共に働きやすい環境を作り、取り入れることを目指しています。以下はP&G の人事職のトップによるインタビューの抜粋です。

日本の採用責任者をしています。現職責における、最重要課題は以下3つです。
1)  日本で最も優秀な学生の中で、P&Gジャパンが「世界で通用するビジネスリーダー」へと成長できる、最速のキャリア経験が得られる職場であると認識してもらえるよう、長期的に企業ブランドを高めること。
2)  毎年、組織が求める人材を、必要なタイミングに、必要な数だけ採用すること。その実現のために十分な採用戦略を策定し、必要な社員とお金の投資を経営陣から得た上で実行すること。
3)  日本の新入社員が入社初日から、他のアジアにおいて採用された新入社員と十分な競争力も持てるために必要な、育成プログラムを策定し、実行すること。

引用:P&G採用ページ・VOICE OF STAFF

⑤IT

この分野は未だに未発達な部分が多く、これからの世の中で最も伸びる分野であるとも言われています。こうしたメーカーでITを導入した場合、例えばインターネットを駆使した販売網が拡大したり、情報を上手く消費者に伝えることによって売上が伸びたりするかもしれません。

拡大できるヒントはどこに潜んでいるのかわかりませんが、その領域は日々拡大し続けているようです。以下はP&GのITが職種の社員インタビューの抜粋です。

1) ITのインフラの管理・運営および、2) 従業員が使用するデジタルツールの導入等を行っています。具体的には、新社屋の移転時にはITインフラの構築(ネットワークや電話)、すでに運営しているP&Gのオフィスや工場のITインフラの管理、問題解決、従業員の生産性を高めるために、電話会議システム等の新しいデジタルツールの導入などをしたりしています。

引用:P&G採用ページ・VOICE OF STAFF

⑥マーケティング

外資系メーカーの花形職種であるマーケティングですが、その仕事は主にブランドを創ること、経営することです。消費者の生活を考え、その目線から満足・喜びを得られる商品を提供するのが最大の狙いです。

ブランドの立ち上げに関しては、消費者の理解・消費者インタビューに基づく商品コンセプトの決定・売行予測等を立てていきます。ブランドの運営においては、消費者のニーズ・トレンドをいち早く察知し、事業を最大限に展開するための消費者イベント、PRプログラムなどを立案・実施しています。

例えば、とあるシャンプーを扱うとすると、その商品価値を最大限のものにし、顧客に満足していただくためにはそのように宣伝・PRしていけば良いかを考える仕事です。もちろん、CM・web広告などに携わる部分もあります。また、消費者のニーズやトレンドを捉えるというのは、「商品を売る」という一連の流れの中の初動に当たる部分なので、責任感は重大です。

入社1年目にプロジェクトリーダーとして担当した、「パンパースのはじめての肌へのいちばん」という新ブランドの新発売です。ターゲット消費者を設定し、何度も消費者インタビューを行い、ブランド名、パッケージデザインやコンセプトの策定からマーケティングプランの作成、売り上げ規模の予測までを、入社5年目から10年目までの外国人を含む何人もの他部署のチームメンバーをまとめるリーダーとして行いました。

引用:P&G採用ページ・VOICE OF STAFF

以下の記事は、実際のマーケティング職の仕事内容の一部を紹介しています。

プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)ジャパンは、柔軟剤「レノアハピネス」の世界観を体験できる高さ4メートルで人が入れる球状のドームを全国で順次設置するイベントを始めた。ドームに入り約30センチ近づくと、柔軟剤の香りが出る。至近距離で香りをより感じられるという商品設計を知ってもらうのが狙いだ。
アジア市場の柔軟剤事業を統括する木葉慎介ブランドディレクターは「使う本人だけでなく、家族や恋人などとの関係を考えた商品」と語る。理想的な香りの強さが持続するよう、香り成分のバランスを調整した。「日本人が好む、強すぎない香りにこだわった」と木葉氏。

引用:P&Gブランドディレクター木葉慎介氏―柔軟剤の世界観、ドーム内で体験、強すぎない香りアピール(ニュースの主役)

P&Gでは消費者を新たに取り込むために、家族・恋人なども視野に含めつつ新しい戦略を考えたようです。マーケティング職では、流動的な現代で顧客に愛され続けるための方策を練り出すことが求められるのかもしれません。


⑦R&D

マーケティング等に携わる社員が集めた消費者情報を、製品開発をする技術チームに伝える架け橋となる社員・実際に製品を開発する社員が主です。

実際に開発する中では、新しい技術・デザイン・化学品を活用する部門がそれぞれあり、各々の特性・専門によって環境が細分化されています。基本的には理系職なので、理系の人間が多いです。

まずは新しいテクノロジーを作り出すという、今までに誰もやったことがないことを実現しなければならないことです。近道や道しるべなどなく、仮説と検証を繰り返しながら、自分で道を切り開いていかなければなりません。どのような仮説を立てるか、それをどう検証するか、得られた結果が正しいかを吟味しながら少しずつ前進しなければなりません。時には振り出しに戻らなくてはならないときもあります。自分が抱えている疑問や問題を様々な人に相談し、社内・社外を問わず、経験豊富な研究者たちにアドバイスをもらうことで解決しています。

引用:P&G採用ページ

研究開発というだけあって、新たな試みにチャレンジすることが多くて困難な分やりがいは大きいようです。


事業内容から考える外資系消費財メーカーが求める人材

P&G、ユニリーバ、ロレアルなどの外資系消費財メーカーに務めると、勤務先が日本であっても海外の人間と共に仕事をする機会は非常に多いうえ、トレーニー制度などもあります。したがって、全く異なる価値観を持つ人間と、信頼関係を築きながら協力して成果を出す力が求められていると言えます。

更に、特に外資系の企業では、若いうちから個人の能力に応じて大きな仕事を任され、関係者をマネジメントしなければならない場面がしばしばあることが予想されます。ここからも、リーダーシップを発揮して周囲との協力のもとプロジェクトを成功に導く力が求められていると言えます。(これらを達成するには、個の能力が不可欠です。)

unistyleの記事で紹介した「企業に伝えるべき5つの強み」であれば、特に「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」「4.価値観や立場を異なる人と協力して成果をあげることができる」ことが求められると言えるでしょう。


大手のセグメント別売上高比較と分析

では、外資系消費財メーカー三社の売上高を比較してみたいと思います。以下は合計の世界全国での売上高を比較したグラフです。見ていただいて分かる通り、P&G、ユニリーバに比べてロレアルの売上高が低いです。これは、ロレアルは基本的に女性用のケア用品を中心に製造しているため、二社と比較して事業領域を特化させていることに影響を受けています。

 

次に、P&Gとユニリーバのセグメント別売上高を比較してみます。(ロレアルはポートフォリオが異なるので別途)


P&Gで扱っている、美容・化粧品・健康用品はいわゆるパーソナルケア用品です。同社は、個人・家族向けの消費財に注力しており、その中でも乳幼児用品で大きく売上を伸ばしていることがよくわかります。一方ユニリーバを見てみます。P&Gは消費財に関して、日本の中でもトップを走り続けているリーディングカンパニーです。有名な製品では、アリエール・ボールド・パンテーン・H&S・SKⅡなど日本人が愛用するヒット商品を次々に生み出してきました。

ユニリーバは食品分野、アイスで有名なBEN&JERRYや、MAGNUMなど店舗経営分野で大きく売上を伸ばしており、食品分野で大きな強みを持っています。海外で展開するKNORRは、日本展開を味の素に任せていますが、その知名度は世界随一です。また、圧倒的な知名度を誇る紅茶ブランドであるリプトンもユニリーバのブランドです。

ロレアルに関しては、売上のうちの95%以上がシャンプー、ボディーソープ、スキンケア製品などのケア製品の類です。そして、売上のほとんどは欧州、米国、環太平洋アジア圏のようです。

各社の選考について

外資系消費財メーカーは、就活生たちの間でよく話題にのぼる人気業界ですが、その採用人数は非常に少ないです。採用の段階で部門別採用を実施しており、各部門2,3名前後の採用人数と言われています。(採用人数がゼロの年もあります)

P&G

-選考プロセス-

Webテスト⇨筆記試験⇨職種別セミナー(Webテスト・筆記試験で受けられる職種が決まる)⇨エントリーシート(筆記試験から約1か月猶予がある。締切の2週間後に電話にて結果連絡)⇨一次面接(面接の2日後にメールにて結果連絡)⇨二次面接(面接の翌日にメールにてインターン参加の連絡)⇨インターンシップ(3日間、場所は東京本社、3日後に電話とメールで結果連絡)⇨最終面接(翌日に電話で結果連絡)

参考:P&G 本選考情報(CBD) 

P&Gに限らないことですが、外資系メーカーは選考時期が早い一方で、選考自体は長いです。特にP&Gでは、面接途中で3日間のジョブ選考が入るので日系企業とはプロセスが異なります。

ユニリーバ

-選考プロセス-

webエントリーシート(一部職種でアイデアシート)⇨webテスト(複数回)⇨複数回面接+ジョブ選考

参考:2016シーズン 【第8回 ユニリーバ・ジャパン】
ユニリーバ・ジャパン/どれだけ考えて行動したかが大事 身の丈以上の仕事で成長を!

ユニリーバでは、グローバルスタンダードでの選考プロセスが統一されており、情報は非公開になっていますので、詳しい内容を記載することはできませんが、中には英語での面接もあるようです。

ロレアル

-選考プロセス-

ES、学力試験→一次面接→ワークショップ→2次面接→最終面接(いずれも即日~一週間以内)

参考:日本ロレアル 本選考情報(3)(マーケティング職)

ロレアルは化粧品が主なので、女性が多く採用試験を受けるイメージかもしれませんが、男性で受ける就活生も多くいるようです。

外資系消費財メーカーでは、自社でのオリジナルweb・筆記試験を採用しているので、SPIとは別の対策が必要になってきます。頭のパズルやIQテスト的な側面の問題も多く出るようなのでGAB、CABなどの試験対策も必要となってくるでしょう。ですが、外資とはいえ実際の面接官は日本オフィスの日本人であることが多いようなので、オーソドックスな面接対策をしておくことも重要です。また、「ジョブ」という形で他の就活生との共同作業による選考もあるので、グループディスカッション対策記事を一緒に読んでおくと良いかもしれません。「グループディスカッションの評価基準とは」など参考にしてみてください。

おわりに

外資系消費財メーカーというと、難関企業であるというイメージがつきまとってしまい受けることを尻込みしてしまう就活生も多いですが、「自分に合う企業」を見つけるためには様々な企業や職種について調べて受けてみることも大事です。

 

photo by inspiwrit

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