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P&Gの事業・選考・社風・ES通過者の自己PRと志望動機【unistyle企業研究】

掲載開始日:2016年12月14日
最終更新日:2016年12月14日

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P&G・ユニリーバ・ロレアルの事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】」で紹介した通り、外資系消費財メーカー業界は就活生からグローバル志向の学生や、プロフェッショナルな職場環境を求める学生から人気の高い業界です。今回は、その中でも業界一位のP&Gの事業や社風、選考などについて紹介していきたいと思います。

 

セグメント別収益と事業内容

先日unistyle業界研究で紹介しましたが、以下の表がP&Gのセグメント別売上高の割合です。家庭・衣料品と乳幼児用品で売上の半分以上を誇っていますが、実際に細かいセグメントと取り扱う商品について見ていきたいと思います。

 

家庭・衣料品

洗剤系統ではアリエール、ボールド、ダウニーが有名です。企業目的で、世界の消費者の生活を向上させると記載している通り、洗剤の分野でも日々進化を遂げています。2014年に日本市場に導入されたジェルボール(ぷにぷにした袋に入った洗剤)はその最たる一例です。実は、この商品は海外では2001年から導入されていたのですが、日本に導入されるまで13年の年月を要しました。海外と日本で洗濯方式が異なっていたことが、日本での導入を困難にしていたようです。これを日本に導入させて浸透させたのは、P&Gの社員の努力でした。以下の記事を参考にしてみてください。

彼女達の前に現れたのは“日本の洗濯事情”という大きな壁だった。欧米と日本とでは、洗濯習慣があまりにも違っていたのだ。その大きな違いは2つ、「水温」と「洗濯時間」。そのあまりにも大きな違いを、海外のメンバー達はすぐには理解できなかった。開発が思うように進まない。ジェルボールのコア技術の一つがフィルムだ。低水温短時間で洗濯するのが日本の洗濯環境。しかし従来の欧米型フィルムでは溶け残ってしまう。2010年から試作と評価実験が始まったが、フィルムが溶けないという不具合が続く。一時は日本での製品化は厳しいという諦めムードも漂った。

そこで福島さんのチームは、ある作戦を実行する。海外部門のメンバーとともに日本の消費者モニターのご自宅を訪問したのだ。海外メンバーが日本の洗濯事情を理解し、その実情を定量化することが目的だった。実際に消費者が洗濯する様子を見ながら手順や条件を分析し、洗濯条件の違いを解明した。彼らは日本人の洗濯に対する要求レベルの高さ、洗濯に対するこだわりに驚いた。(以下続く)

引用:ぷにぷにの中身には開発者の熱意が詰まっていた!「日本型ジェルボール」開発秘話 

衣料品として有名なブランドにはファブリーズがあります。現在でこそ、「洗えないものを洗う」というコンセプトで爆発的な人気を得て、社会に浸透した商品になっていますが、開発当初は苦労も多かったようです。芳香剤との違いを明らかにするためのブランド戦略、消費者に愛されるためのパッケージデザイン、CMのストーリーなど私達が知らないところの開発秘話が記載されたインタビュー記事を参考にしてみてください。

まず考えたのはコミュニケーション戦略でした。ファブリーズは日本で市場調査を始めた頃、アメリカでは、テスト販売をしている最中でした。現地に視察に行ったところ、アメリカの主婦の方々が、「自宅で、なにか臭うと自ら気がつくのは良いけれど、家に来たお客様やお友達に『なんか臭うわね」』と言われるのはいやだ」ということが分かりました。きっと、この感覚は日本人も似ていると考え、日本のテレビCM作りに活かしました。洗えない布製品が臭っていることに自ら気づき、ファブリーズを使ってみたら臭いが消えました。というストーリーです。

アメリカでテスト販売していた時の商品で、日本の消費者に調査したところ、洗剤の容器が大きく、角張ったデザインだったことから、「大きすぎるし、かわいくないので、人が見るところに置きたくない」と言われたのです。しかしファブリーズは日常的にいろいろなものに使っていただきたいので、目に見えるところに置いてほしい。そのためには小さくしなければならないし、見た目をかわいくしなければならないと気づきました。

ファブリーズには1998年のテスト販売当初から、包括的なエアケア製品としていずれは香りつきなども展開するビジョンがありました。しかし、最初から香りつきのものなどを出していては香りで嫌な臭いをカバーする芳香剤との立ち位置の違いが明確にならず、「洗えないものを洗ってくれる」消臭・除菌のための製品ということが消費者に根付かないだろうと考え、それが浸透するまでは製品ラインナップを拡大しない方針に決めました。「洗えないものを洗う」ファブリーズから「生活空間を包括的にエアケアする」ファブリーズへのブランド拡大は、日本では約5年ほどかけたと思います。

引用:『習慣』と『インサイト』を見いだし「洗えないものを洗う」製品を発売 

 

乳幼児用品

P&Gの乳幼児製品というと、パンパースが非常に有名です。今でこそ日本では紙おむつの世の中ですが、この紙おむつを導入したのはP&Gです。現在では、改良に改良を重ねて肌触りが良く、利便性が高いものになっています。

海外で一足先にヒットしていた赤ちゃん用紙おむつ「パンパース」が、日本で発売されたのは1977年。それまでは布おむつが一般的で、紙おむつもありましたが外出時などに使う特別なものでした。さらっとした肌触りのトップシートやおむつカバー不要といった機能性の高さとリーズナブルな価格の「パンパース」の登場で、紙おむつは一挙に普及。毎日のおむつの洗濯からお母さんたちを解放し、育児革命とさえよばれました。15億円規模だった紙おむつ市場は、発売からわずか2年で100億円を超えるまでに成長し、このうち約9割をパンパースが占めました。

引用:暮らしを変えたーP&Gのイノベーション 赤ちゃん用紙おむつ「パンパース」 

 

美容

パンテーン・H&Sなどのシャンプーがその最たる例です。日本では、パンテーンのCMに有名女優を登用することによってその知名度・人気度を確固たるものにしています。女性はしばしば美容室などに通って、「トリートメント」をすることによって「美」を保ちますが、これを家の風呂のコンディショナーでできるような製品、これがパンテーンです。P&Gの製品開発では、「消費者がボス」という考えのもと、市場に一歩先をゆく商品開発を目指しています。現在では、菜々緒さんという女優がCMを担当しているようです。シャンプーやトリートメント用製品だけでも、消費者のニーズを満たすようにそれぞれ3つのレパートリーがあります。日本においては、資生堂やKOSEなどもシェアを獲得しているので、売上を伸ばすのはそう簡単ではありません。

 

化粧品

化粧品分野で日本で有名なものはSK-Ⅱです。日本では、桃井かおりさん・綾瀬はるかさん・有村架純さんなどの有名女優がPRしているので、ご存知の方も多いかと思います。

 

事業内容から考えるP&Gが求める人材

P&Gといえば、「マーケティング」「リーダーシップ」「成長環境」という言葉が横行しがちですが、あくまで外資系消費財メーカーのうちの一社に過ぎません。つまり、消費者の立場から考えて求められる製品を創り出し、世に送り出すことが会社の基本的なビジネスモデルです。ここで求められる能力について考えてみましょう。P&Gの社員たるもの、こうあるべきというような社員インタビューを引用してみたので、目を通してみてください。(今回は、代表的な職種であるマーケティングに関して紹介します。)

P&Gではナレッジベースのリーダーシップに価値があるとされています。そういうリーダーを中心に、社内に知識が積み重ねられ共有されるので、同じ失敗が二度と繰り返されません。また、リーダーは大きな組織でどれだけ影響力をもてるのか、その為にどんなインスピレーションを周囲に与えることができるかが重要です。知識の積み重ねが、周囲をインスパイアしてチームを引っ張っていくリーダーシップを生むのです。

引用:ブランドからみえるマーケティング戦略 Vol.6 

 

マーケティング部門ではデータの分析力、要は物事を論理的に考えられるかどうかが大きなポイントですね。また、コミュニケーションを通じてアイデアを形にしていかなければならない仕事なので、対人関係が苦手な人は難しいかもしれません。あとはやはりリーダーシップです。
P&Gではリーダーシップに加えてオーナーシップも重視しています。他人がやらないなら自分がやるという気持ちですね。誰かから指示が来ないからできないなどという言い訳は通用しません。結果を出すためには自分が手を動かし、率先して実行していきます。何らかの障壁があっても超えていくための解決策を見いだす人が求められます。

引用:ブランドからみえるマーケティング戦略 Vol.6 


上記のインタビュー内容でも述べられている通り、P&Gの社員には周囲を鼓舞し引っ張っていくリーダーシップが重要です。また、メーカーでは営業(セールス)、マーケティング、サプライチェーンなどの異なる立場の人たちが一体となって商品を世に出していきます。さらに、メーカーで働く社員として消費者の動向とニーズを調査しそれに合致する新しいアイデア・商品を生み出していく力も必要です。
上記の能力を備えた人材としてあてはまる学生を「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」に照らし合わせて考えると、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」が必要と言えるのではないでしょうか。

 

社風

外資系企業と聞くと、日系企業と社風が大きく異なるのではないかと感じる学生が多いと思いますが、実際のところどのような雰囲気なのかということを探ってみたいと思います。

P&Gの採用ページでは、Our valueとしてIntegrity(誠意)、Leadership(リーダーシップ)、Ownership(当事者意識)、Passion for winning(熱意)、Trust(信頼)が挙げられています。この内容だけみると、P&Gの社員が共通して目指す社員像は日本企業のものと大きく変わりません。日本企業と異なるのは、「働き方」です。

日本のP&Gでは、22カ国の国籍の社員が働き、総合職の37%を女性が占めています。多様性に富んだ社員の個性を尊重し、能力を100%生かすことが、P&G独自の「ダイバーシティ」への取り組みです。私たちにとってダイバーシティを推進することは具体的にどのような意味があるのでしょうか?

引用:Procter&Gamble About P&G OUR BEST BREAKTHROUGHS COME FROM VALUING DIFFERENT PERSPECTIVES. 

22ヵ国の国籍、40%弱の社員が女性(総合職)という環境は日系企業とは現在の大きく異なります。以下はP&G女性社員に対するインタビュー記事ですので、少し長いですがご参照ください。P&Gでは女性社員が多いのはもちろんのこと、女性を多く役員に登用していることでも有名です。特に、今回は女性のキャリアアップと職場復帰にフォーカスしてまとめてみたいと思います。

世界的な消費材ブランドP&G社は、役員の47%が女性だ。男性が多いとされる製造現場でも、国内に3つある工場のうち2つは、女性が工場長を務めているという。多くの女性が、子供を育てながらキャリアアップして、ごく自然に活躍しているP&Gから学べることは何か。グローバルチームのマネージャーとして営業を統括する森藤智子さんに、P&Gでのキャリアと働きかたを聞いた。

得意先の営業を経て、森藤さんは、入社7年目で本社で営業企画として、看板ブランドのセールスプランを担当することになる。

「担当ブランドのセールスプランと売上の責任を全て持つことになりました。私の場合は、台所洗剤の『ジョイ』や布用消臭剤の『ファブリーズ』を担当して、年間のビジネスやセールスプランを企画しました」

「チームリーダーや、大先輩の男性の方から『このプランは、ああだ、こうだ』と、厳しいご指導やご鞭撻があって……。仕事はすごくきつかったですが、そういう経験をしたことで、キャリアに対する希望というか、野心やコミットメントのようなものが、徐々に育まれていきました」

森藤さんは「若くして会社のリーダーたちと一緒に責任ある仕事をさせていただいたことで、キャリアアップに対する意識が芽生えていった」と当時を振り返る。

入社8年目で、森藤さんは同僚と結婚。その3年後、長男の出産を機に、育児休業(育休)を取得した。P&Gでは、職場に復帰することを前提に、育休前に上司と「復帰後、どうするか」を話し合うという。

「上司とは、『帰ってきたときに、どうしたいか』を話し合いました。P&Gでは、産育休を取得する前の実績が、復帰するときの評価になります。ですから、育休によって評価が上がることないですが、下がることはありません。ただ『ストップする』だけなので、休むことに関して、キャリアの不安はなかったですね」

〜中略〜

帰国後、森藤さんは仕事に復帰するが、その後約2年半に渡り、夫の単身赴任を経験する。小さい子供を育てながら、どのように働いていたのか。

「日本に戻って来たときには、子供が3歳半くらいのときで、主に私が子供の面倒を見ていたので、7時か、延長して8時には保育園に迎えに行ってきました。ベビーシッターさんにお願いしたり、近所の仲の良いママ友に、たまに面倒を見てもらったりしたことはありました」

グローバルに事業展開するP&Gらしい時間や場所にしばられない柔軟な勤務制度が、森藤さんの仕事と子育てをサポートした。

フレックス制度を導入しているP&Gでは、勤務時間は、1日単位ではなく、1カ月単位で調整している。長時間働いた日の翌日は、やるべきことを終わっているなら、1〜2時間で帰ったり、アメリカとの深夜会議や前後の予定などに合わせて、自分で勤務時間を決めることができる。家からPCでウェブ会議に参加するケースも多いという。

「営業職は、『直行直帰』型の在宅勤務なので、基本的には家で仕事をしています。先に子供を寝かせてから、夜10時にアメリカとウェブ会議することも結構ありました。働き方と時間は非常に柔軟です。平日も在宅で仕事をするので、役所や銀行に行くのに困ったことはありません」

引用:「休職後、マネージャーに昇進しました」女性役員47%、P&Gの働きかた 

上記でも述べられているとおり、女性でも若いうちから大きな仕事を任せられることが大きなポイントとして挙げられます。インタビューに答えている女性社員の方は、入社7年目で担当ブランドのセールスプラン・全売上に関して業務を一任されています。

また、職場での産休・結婚相手の海外赴任による休職に関しても、P&Gは柔軟な対応で社員の復職を支援しているようです。

その他、海外支社との積極的な人材交流や、職種別採用によるダイバーシティ拡大などバックグラウンドが全く異なる社員一人ひとりを尊重し、全ての社員が各分野で最大限の力を発揮できる職場づくりを心がけているようです。

 

書類通過者のES解説

今回は「事業内容から考えるP&Gが求める人材」と同様に、代表的な職種であるマーケティング職に関してのES解説に焦点を絞っていこうと思います。まずは、エントリーシートの質問内容から確認していきたいと思います。

①第一志望職種への志望理由(200字以内)

②あなたが、解決したい課題や問題について、重要な関連性のある情報(データや事実など)を見出し、その課題や問題の根源をつきとめ、解決策を提案した結果、望ましい成果を挙げた経験について述べてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

③あなたがグループの中でリーダシップをとって、方向性を示し、グループメンバーから協力を得て優れた結果を出した経験について説明してください。(全角半角問わず500字から700字程度)

④あなたが、これまでに著しい結果(学校、コミュニティー、仕事などを含む)を出したときのことを教えてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

⑤あなたの周りで起こった変化によって、いつもより柔軟になる事が必要になった時のことを述べてください。その時の状況を説明し、あなたがどのように対処したのか教えてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

⑥あなたが、異なる背景、経歴又は考えを持っている人々と、建設的な関係を築き上げ、よりよい結果を得た例をあげてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

参考:P&G エントリーシート(17)

以上のように、基本的に500〜700字程度と制限文字数が非常に長い質問が続きます。この中で、伝えるべきポイントを盛り込んでいくことは決して難しいことではありません。しかし、文字数が多いがゆえに文章をまとめて、理解しやすい構成に整えることは難しく、可能ならばご両親やOBOGなどに添削のお願いができると良いでしょう。では、早速見ていきたいと思います。

①では、部門別採用なので希望職種を問うた後にその職種への志望理由を聞いています。職種について理解が進まないという方は、P&G採用ページの「VOICE OF STAFF」や「P&G・ユニリーバ・ロレアルの事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】」を参考にして確認して見てください。

②では、所謂「学生時代に頑張ったこと」に関して特定の質問条件を出して聞かれています。(ⅰ)課題や解決したいこと、(ⅱ)それに関するデータ、(ⅲ)根源の追求、(ⅳ)提案と結果の要素に分解してESを確認します。

③も同様、(ⅰ)グループの中でのリーダーシップの種類、(ⅱ)示した方向性、(ⅲ)協力を得た過程、(ⅳ)出した結果に因数分解して分析したいと思います。

④では、人生において最も頑張ったこと(複数でも可)について聞いています。

⑤では、多様性にあふれる会社において発揮すべき柔軟性という素養に関して、学生が資質を持ち合わせているかということを問うています。

⑥では、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」でも挙げられている、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」を問われています。

では、早速解説に移行します。まず①について考えます。

①第一志望職種への志望理由(200字以内)

MKTを志望する理由は2つある。1つめは消費者を相手にするMKTの仕事が、私の塾講師として常に顧客の問題点を探し、それを解決することで価値を提供し続けた経験を最も活かすことができると考えたからだ。2つめは世界最高のマーケティング技術を学ぶ中でリーダーシップと戦略的思考を身に着けることができ、挑戦的な環境身を置くことで「世界で戦えるビジネスリーダーとなる」という私の目標を達成できると感じたからだ。(199)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】
マーケティングの仕事を簡単に述べると、「ブランドを開発して育てる仕事」です。顧客目線に立って、より良い商品開発をリードするという意味では塾講師での生徒目線で教えた経験が活きるともいえるでしょう。その一方で、2つめの理由に関しては何が言いたいのかが朧げにしか伝わってきません。「リーダーシップと戦略的思考」や「挑戦的な環境」がどのようなものなのか、面接の場でしっかり答えられれば評価されるでしょう。

次に②についてです。

②あなたが、解決したい課題や問題について、重要な関連性のある情報(データや事実など)を見出し、その課題や問題の根源をつきとめ、解決策を提案した結果、望ましい成果を挙げた経験について述べてください。(全角半角問わず500字から700字程度)


個別指導塾において運営体制を構築し、生徒の退塾率を大幅に減少させ、売上を地区1位にしたことだ。リーダー講師として教室運営に関わるようになった際、売上低迷に危機感を持ち、解決に挑戦した。私はデータ分析と教室の観察という視点から原因を探した。過去10年分のデータ分析の結果、6年前から売上が減少し続けていたが退塾率は7年前から増加し続けていたことが分かり、これが原因であると考えた。そこで私は日々の教室を観察、退塾率が高い原因を1「業務を少数の講師のみで行い非効率的で、質が低く、トラブルが発生していたこと」2「講師間で意識の高さに差があり、教室全体で生徒をケアする体制になっておらず、顧客満足度が低かったこと」の2つであると結論付けた。1を改善するため、教室運営体制を構築、チーム制の効率的な業務体制を実現して業務の質を向上させ、2を改善するため、教室スタッフとセッションを行い、全員で共通のビジョンを持ち、教室全体で生徒のケアを行う体制の構築に挑戦した。運営に関わっていた講師に協力を求め、体制の草案を作成、教室長に提案、採用された。セッションではビジョンを共有するとともに、効率的な運営を実現するためには全講師の意識を高めて協力体制を作る必要があると考え、運営に参加することで彼らに利益があること、一人一人の能力を認め、期待していることを伝えた。この改革の結果、各チームが業務に特化するようになり、効率的で質の高い業務が実現しトラブルが減少、共通のビジョンと高い意識を持つようになり、教室全体で生徒のケアをするようになったことで顧客満足度が向上、退塾率が減少し、売上は千葉埼玉東京地区1位になった。(700)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】
(ⅰ)課題や解決したいこと、(ⅱ)それに関するデータ、(ⅲ)根源の追求、(ⅳ)提案と結果に分けると、(ⅰ)は「売上低迷」、(ⅱ)は「データ分析と教室の観察」から退塾率が高い原因を割り出したエピソード、(ⅲ)は2つの大きな原因を除去するための解決策と分析できます。筆者は、ESの中で課題・原因・解決策を明快に見出し、チームを巻き込んでいます。チームでの課題解決において留意した点(一人ひとりの協力が必要と見込んで期待している旨を伝えたなど)も、述べられていて評価できます。(ⅳ)提案と結果においても、課題解決策を全講師に提案、結果として売上が地区一位となるとしっかり記載されています。また、こうしたESは結果から書いていくのがセオリーですが、それも踏襲出来ています。もしよければ、「内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク」を参考にして文章を構成してみてください。

③あなたがグループの中でリーダシップをとって、方向性を示し、グループメンバーから協力を得て優れた結果を出した経験について説明してください。(全角半角問わず500字から700字程度)

ベンチャー企業のインターンにおいてチーム優勝、個人MVPを受賞したことだ。インターンのテーマは「3年間で10億円の売上を達成できる新規事業を考える」というものだった。事前に自己紹介のスライドの提出を求められたため、私はこのインターンの目標として「MVP受賞」「チーム優勝」の2つをスライドに記載、自己紹介で宣言した。事業立案に取り組む際、私は事業を考えるよりも前に、チーム内で目標を設定しようと提案した。私たちは目標として「優勝」そのために約束として1「マイナスの言葉を吐かない」2「常に目標を意識する」の2点を設定した。それから新規事業の企画に取り組んだ。議論がやみくもになりそうだったため、私は「テーマを満たす条件」「条件を満たす可能性のある事業アイデアを出す」「実際に満たせるのかを調査、分析しP/Lを作成する」の流れで議論することを提案し、採用された。この方向性で議論した結果、十分な市場規模が見込めること、同様のサイトがほぼ存在しないことから「趣味を始めたい人が始めてから、上達するまでをサポートする総合サイト」というアイデアを採用した。しかし中間発表ではメンターから多くの疑問や指摘を受け、チーム内にネガティブなムードが漂ったが、最初の約束事をもう一度チームで確認し、改善に努めた。最終的には「続けるという持続性に目を付けた面白いビジネス」であるとしてチーム順位で5チーム中の1位になることができただけでなく「高い目標設定をし、先の見えない厳しい状況の中でも前向きな発言をして、チームを盛り上げ、質の高い最終成果物を作成した」と評価をいただきMVPを受賞、目標を達成することができた。(699)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】

(ⅰ)グループの中でのリーダーシップの種類、(ⅱ)示した方向性、(ⅲ)協力を得た過程、(ⅳ)出した結果に分けて考えてみます。(ⅰ)に関しては、率先して目標を決めるとともに、議論の流れを方向づけてチームを盛り上げたことが要素として挙げられます。(ⅱ)に関して、上でも述べましたが筆者は主体的に議論の流れを方向づけており、条件を満たしています。(ⅲ)協力を得た過程に関しては、少し弱いです。というのも、「ルール作成、最初の約束事をチームで確認」などは、皆が納得した状態で協力してるとも聞こえますが、独りよがりな行動とも取れます。もう少し、周囲の信頼を勝ち取った過程などについて述べられれば良いと思います。(ⅳ)出した結果に関してはMVP、プレゼン優勝と、インターンの規模にもよりますが、良いです。

続いて④です。

④あなたが、これまでに著しい結果(学校、コミュニティー、仕事などを含む)を出したときのことを教えてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

個別指導塾の講師として担当した女子生徒が推薦獲得という目標を達成した後もさらに契約延長を勝ち取り、以降塾で目標達成後も生徒のサポートをするスタイルを確立、他塾にはできないサービスを実現したことだ。彼女はまじめで意欲のある生徒だったが、部活が非常に忙しく、塾での週2回の授業以外あまり学習時間を確保することができなかった。そこで私は彼女の少ない時間でも学習時間を確保することができるように課題の量や内容を調節し、保護者とこまめに連絡を取り合うことで学習のサポートをした。忙しい中も少しでも勉強するようにしてきたことで、部活引退後はスムーズに勉強習慣を身に着けることができ、週2回の授業以外にも毎日自習室で勉強するようになった。11月に推薦を獲得したことで進路が決定したが、私は電話で話した際、保護者が入学後に彼女が大学の勉強についていけるのかということに不安を抱いていることを察知し、3者面談を行った。彼女達は当初他の多くの顧客と同様に推薦獲得と同時に退塾する予定だったが、私は面談で保護者も生徒も大学入学後の勉強に不安を抱いていることを確信し、それ解消するためにまだ授業を担当させてほしいと訴えた。すると「推薦獲得という当初の目標達成に加え、私達のことをよく考えていて不安を取り除こうとしていることが伝わった」と保護者と生徒の双方から高い評価をいただき、高校卒業まで契約を延長していただいた。最終的に彼女は大学のクラス分けの英語試験で最高のクラスに入ることができた。私はこの経験から顧客の潜在ニーズを満たすためには相手を観察し、期待以上のソリューションを提供することが重要であると学んだ。(693)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】
所謂、学生時代に頑張ったことを自由に記述せよという質問です。これも、質問②や③と似ているようで少し違います。同じ内容を記載するわけにはいかないので、自分でそれぞれ質問に合ったエピソードをチョイスしてみてください。「内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク」に沿ってこれを考えてみると、①結論⇒②動機⇒③目標と困難⇒④取組と結果⇒⑤人柄⇒⑥学びの順で記載できるとよいと言えます。実際に確認してみましょう。①(結果)は「塾で目標達成後も生徒のサポートをするスタイルを確立、他塾にはできないサービスを実現した」ことで、②(動機)は「彼女はまじめで意欲のある生徒だったが、部活が非常に忙しく、塾での週2回の授業以外あまり学習時間を確保することができなかった」状況を変えたかったこと、③(困難)は「11月に推薦を獲得したことで進路が決定したが、私は電話で話した際、保護者が入学後に彼女が大学の勉強についていけるのかということに不安を抱いていることを察知し、3者面談を行った」こと、そして④(結果として)「保護者と生徒の双方から高い評価をいただき、高校卒業まで契約を延長していただいた」という流れです。⑤の人柄のポイントは明記されていないが、エピソードからも筆者が顧客の隠れたニーズを汲み取るために、熱意・誠意を持って対応できる人物であることをよく示しています。最後に、⑥(学び)として「顧客の潜在ニーズを満たすためには相手を観察し、期待以上のソリューションを提供することが重要である」ことを得たと語っています。文章の構成としては非常に高いクオリティを持っていると言えるのではないでしょうか。

次に今度は⑤です。

⑤あなたの周りで起こった変化によって、いつもより柔軟になる事が必要になった時のことを述べてください。その時の状況を説明し、あなたがどのように対処したのか教えてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

高校2年生になるときに、所属していたテニス部のキャプテンになったときのことだ。部活自体は決して強豪チームではなく、顧問の先生はテニスの経験がほとんどないことに加え、先輩たちも引退してしまい、練習計画や練習試合の設定なども行わなければならなかった。私はこれまでリーダーとして集団を率いた経験がなく、右も左もわからない状態であった。そこで私はあらゆることを吸収する姿勢で引退した先輩や時には他校の顧問の先生などに何度も相談し、自分のやるべきことを確認し、行動した。練習計画は部員たちの賛同が得られなければ効果が薄いと考え、部員たちと議論をして決めていった。しかし大学受験の準備が始まりつつあったこともあり、勉強時間を確保したい、予備校がある、18時までには帰りたいなどの意見が出て衝突が起こった。私は異なる意見を持つ部員をまとめるために、「週3回以上でフル練習参加が義務だが参加日は選択制、休み理由は共有する」という案を出し、さらに「県大会出場」という目標を共通にしたことで徐々にうまくいくようになっていった。また、指導者不在の環境では団体戦のメンバー選びもしなければならなかったため、部員からの不満が出ないように、選考基準を説明し、疑問があれば一対一で徹底的に話し合った。練習試合は親しい他校の部員を通じて申し込み、その高校の顧問の先生に他の高校を紹介してもらい、月に1度は行うようにした。このような努力を続けていった結果、団体戦で県大会出場を果たした。私はこの経験からリーダーのポジションにつくときは常に結果を出すことを意識し、チームメンバーと共通のビジョンを持って取り組むことが重要であると学んだ。(700)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】
この質問では自分が味わったことのない何かに遭遇した際に、いかに柔軟性を発揮したのかということを問われています。筆者はリーダー経験が全く無いときに高校テニス部のキャプテンに任命されて、苦労したエピソードについて述べています。これも上と同様にフレームワークに沿って考えるとより良い答えが作れそうです。具体的には②(キャプテンになった理由)を述べた上で、その苦労を述べるとより良いです。③目標・困難、④取組・結果、⑤人柄、⑥学びに関しては非常によく記述されています。メンバーとの衝突と、その解決策の提案と県大会出場の達成の流れはよく理解できます。

とうとう最後になりますが、⑥です。

⑥あなたが、異なる背景、経歴又は考えを持っている人々と、建設的な関係を築き上げ、よりよい結果を得た例をあげてください。(全角半角問わず500字から700字程度)

大学1年生の時にホームステイでアメリカのUCRへの短期留学で、地元リバーサイドの地域活性化のための施策を考えるというプログラムに参加したときのことだ。チームのメンバーは中国人、台湾人、ロシア人、イタリア人で年齢も15~25歳とばらばらだった。共通言語は英語だが、英語を母国語とするメンバーは一人もおらず、コミュニケーションにおいても苦労が絶えなかった。外国に行くのすら初めての自分にとっては、文化も言語も異なるメンバーでチーム活動を行うのは初めての経験であり不安だったが、話し合いをするうちに彼らも自分と同じように英語に自信がないことを感じた。それならば拙い英語でも自分から積極的に関わっていくことでメンバーの発言を促し、チームとしてプロジェクトに取り組めるようにしようと考えた。積極的に発言をし、目標を明確にして議論の方向性を示すと徐々にメンバーも発言をするようになっていった。しかし今度は全く譲らない者や、議論とは関係ないことばかり言うなど、自分の意見を強く言うようになったことで新たな問題が発生した。そこで私は各自の意見のいいところを褒めあう機会を設け、それらをもとにプロジェクトを進めていくことを提案したことで、うまくいくようになった。最終的に作り上げたプレゼンテーションとレポートで最高のA評価を得ることができた。この短期留学終了後もメンバーたちとはいまだにSNSやメールを用いて連絡を取り合っており、持続的で建設的な関係を築くことができたと確信している。私はこの経験から異なる背景を持つ人たちとかかわる際は、相手の考えていることを理解しようとし、積極的に自分から働きかけていくこと重要だと学んだ。(699)

引用:P&G エントリーシート(17)

【解説】
ここでもまたフレームワークが登場します。以下の「内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク」を参照してみてください。先の質問と同様に①結論⇒②動機⇒③目標と困難⇒④取組と結果⇒⑤人柄⇒⑥学びの順で考えてみましょう。①(結論)は留学先にて地域活性化案に関するプログラムに参加して最終プレゼン・レポートで最高評価をもらったことで、これに関するエピソードです。こちらも上の質問への回答同様に②(動機)が抜けていますが、③(困難)異国の地でのチームメイト国籍・年齢の相違による意見の不一致を、④(取組)話し合いをするうちに彼らも自分と同じように英語に自信がないことを感じたゆえ、拙い英語でも自分から積極的に関わっていくことでメンバーの発言を促したことによって、結果を残したと述べている。そして最後に学びに関しても述べられていて、良いです。


P&Gの選考について

最後に、P&Gの本選考プロセスに関して言及しようと思います。

-選考プロセス(総合職)-

Webテスト⇨筆記試験⇨職種別セミナー⇨エントリーシート⇨一次面接⇨二次面接⇨インターンシップ⇨最終面接

参考:P&G 本選考情報(CBD) 

外資系消費財メーカーは職種別採用を実施しており、P&Gもその例に漏れません。会場で行われる筆記試験の点数に応じて、自分が応募できる職種の選択範囲が決まると言われているので、ある程度対策してから臨む必要があります。特に、この業界(P&G、ユニリーバ)のテストでは、cab形式の出題があるようなので対策が必要です。更に、上でも解説しましたが、エントリーシートは相当長文で分量も多いために時間を要します。早めに準備しておくことを心がけておくといいかもしれません。また、大きな特徴としてジョブによる選考があることが挙げられますが、ここではまる三日間自分を見られるので、自分を偽っていても必ず見抜かれてしまいます。ありのままの自分で臨むとよいでしょう。


最後に

いかがでしたか。
今回は外資系消費財メーカーの雄である、P&Gの事業・選考・社風・ES通過者の自己PRと志望動機について解説してきました。外資系企業といえど、日本支社で働く社員の大半は日本人です。面接やインターンを通じた選考に関しても、日系企業と大きく異なることはないとも言えるので、「色々な業界を知る」という意味でも挑戦してみてはいかがでしょうか。

photo by sakura Ishihara

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