KPMGコンサルティングのインターン選考対策(ES・Webテスト・面接)
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最終更新日:2024年06月24日
就活生に人気のコンサルティング業界。その中の総合系コンサルティングファームの中でBIG4(PwC、EY、KPMG、デロイト)と称され、その一角を担うKPMGコンサルティング。
本記事では、KPMGコンサルティングのインターン選考で課されるWebテスト、エントリーシート、面接のそれぞれについて、対策方法を解説していきます。
- 本記事の構成
- コンサルティング業界とは
- KPMGコンサルティングとは
- KPMGコンサルティングのインターン内容
- KPMGコンサルティングが求める人物像
- KPMGコンサルティングのインターン選考フロー
- KPMGコンサルティングのインターン選考Webテスト対策
- KPMGコンサルティングのインターン選考エントリーシート対策
- KPMGコンサルティングのインターン選考面接対策
- 最後に
コンサルティング業界とは
コンサルティングとは、「企業や各種団体が経営上抱える様々な課題に対して解決策を提示し、その実現を支援する業務」です。
コンサルティングファームはクライアントの様々な情報を分析し、社内システムから経営方向、今後の展開や人事戦略など、多角的な視点に基づき解決策を提示します。
コンサルティングは、企業の課題解決を担うという性格から、病気を診察し、投薬や治療を行う医者に似ていると言われることがあります。しかし、コンサルティングの業務は、企業の課題解決に留まりません。
例えば、新規事業の立ち上げを成功させるなど、企業が目指す姿を共に実現する役割があります。
ユーロモニター、IDC Japan、電通、日本交通公社の調査結果によると、2020年現在、国内のコンサルティング業界の市場規模は約1800億円から3000億円であり、一方アメリカのコンサルティング業界の市場規模は約6兆円から10兆円といわれます。(アビームコンサルティングHP参照)
国内のコンサルティング業界は現在発展を続けており、今後大きな成長が期待される業界といえます。
コンサルティングの対象はサービスにより分類され、業界は以下の5つに大別されます。
■総合系コンサルティングファーム
→デロイト・トーマツ・コンサルティング、KPMGコンサルティング、など
■戦略系コンサルティングファーム
→マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、など
■ITコンサルティングファーム
→アクセンチュア、IBM、など
■シンクタンク系コンサルティングファーム
→野村総合研究所、三菱総合研究所、など
■業界・業務特化型コンサルティングファーム
→マーサー・ジャパン、リンクアンドモチベーション、など
参考:【業界研究|コンサルティング】コンサルティング業界とは何かから選考対策までを解説
今回ご紹介するKPMGコンサルティングは、総合系コンサルティングファームに該当します。
総合系コンサルティングファームとは、金融・製造業界などの産業界から、中央官公庁を筆頭とした、パブリックセクターに至る幅広い業界をビジネスパートナーとしています。また、上流〜下流のオペレーションまでの様々なサービス提供を行います。
一つ一つのプロジェクトに対して半年から1年ほどの期間で企業にアサインし、様々な案件に関わりながらコンサルタントとしてのキャリアを歩みます。そのため最初の数年間は様々な業界、分野のコンサルティングに関わりながら、徐々に自分の強み・専門性を磨きたい分野を突き詰めていくことになるようです。
KPMGコンサルティングとは
KPMGコンサルティングは「KPMGマネジメントコンサルティング株式会社」と「KPMGビジネスアドバイザリー株式会社」を統合し、2014年に設立されたコンサルティング会社です。
まだ設立してまもないことから、若手にも提案を求め、積極的に取り上げるといった組織づくりが特徴です。
また、世界150ヶ国以上に200,000名のコンサルタントを擁しており、海外拠点の数も非常に多いことから、国内外からの最新の知見やデータを学ぶことができます。
KPMGコンサルティングは「監査・税務・アドバイアリー」の3つの分野において、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かしサービス提供を行います。
クライアント企業は、世界各国に子会社等を持つグローバル企業が多いことが特徴とされ、彼らの課題を解決するために国境・国籍を超えたチームを組み、コンサルティングサービスを提供します。
KPMGの選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから
KPMGコンサルティングのインターン内容
以下は22卒向けサマーインターンの概要です。
2020年度サマーインターン詳細
『開催日程』
7/9(木)〜7/17(金)、7/30(木)~8/7(金)、8/20(木)〜8/28(金)、9/3(木)〜9/11(金)
『Web締切』
5/31(日)
『会場』
東京本社
『人数』
各ターム30名程度
『形式』
1.コンサルティングワークに必要な素養に関わる座学
2.ケーススタディ(グループワーク)
3.プレゼンテーション
4.フィードバック
5.社員との交流(昼食、交流会、会食など)
『参加条件』
2022年度に大学または大学院を卒業予定の方(学部・学科不問)
『待遇』
・日当支給
・交通費支給
・首都圏以外の方の宿泊費等は応相談
はじめに基礎研修を行い、ケーススタディに必要なスキルセットを身につけます。
研修後は、社員の指導の下、企業の抱える経営課題をテーマとしたケーススタディに取り組み、現状分析から課題の抽出、解決策の立案までの業務を体験します。
インターンシップ期間中は、第一線で活躍するコンサルタントがプロの目線でアドバイスやレビューをします。
最終プレゼンテーションでは、パートナー陣からの厳しいフィードバックがなされます。
また、メンターやアドバイザーである複数のコンサルタントからのサポートが得られます。
以下では20卒のサマーインターン選考レポートをご紹介します。参考程度にご覧ください。
KPMGコンサルティングが求める人物像
KPMGコンサルティングの求める人物像についてKPMGコンサルティングの採用HPでは下記のように述べています。
新卒の方に向けて
KPMGコンサルティングは、ポテンシャル採用が主の新卒においても厳選採用を徹底しています。スキルや専門性もさることながら、最も重視するのは1人の人間としての“人間力”です。それは、年齢の離れた経営層クラスの方とも臆せず対話できるコミュニケーション力や、失敗しても人のせいにせずチャレンジを続けるタフネス、常に新しいことを貪欲に吸収しようとする好奇心などです。
引用:KPMGコンサルティング採用HP
ここに書かれていることだけだとイメージを掴みづらいと思うので、KPMGコンサルティングの社員のインタビューやコンサルティングの仕事内容と絡めてより詳しく考察してみましょう。
まず、HPで述べられているポテンシャル採用という言葉、最近良く耳にするのではないでしょうか。企業がどのような点を見てポテンシャル採用を行っているのか見てみましょう。
ポテンシャルとは、本来資質や可能性を含めた能力のことを指します。今できることという現在のスキルよりも、これから発揮されるであろう潜在的能力も含めて重視するのがポテンシャル採用です。
この採用形態が盛んになっている理由の1つに、中途で経験者を集めようとしてもなかなか集まらないことがあげられ、企業が未経験の若手を育てるつもりで採用しようとしています。
経験やスキルを重視しないとはいえ、すぐにでも外に出せる人材と考えられているため、組織に適応し、行動できるといった点を企業は見ています。社会人としてのマナーやコミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。
参考:ポテンシャル採用とは?企業は応募者のどんなところを見ている?
KPMGコンサルティングのHPではポテンシャル採用の中でも、コミュニケーション能力や、チャレンジし続ける事ができるタフネス、新しいことを吸収しようとする好奇心といった”人間力”を重視すると述べています。
コンサルタントとして、企業の課題や経営者の悩みに向き合う中で難しい壁にぶつかることは予想されます。そういった壁を乗り越えるためにも、クライアントとコミュニケーションを取り、企業が抱える本質的な課題を見抜くことが重要になります。
その課題に対して、どの解決策が良いのかを自分で考え続けられるか、相手の話を素直に聞き入れ、何事にも前向きに取り組む姿勢を持てているか、といったところも重視されます。
更に、激務と言われる組織で困難なことに向かい続けて行くためには、人から選ばれる人になりたい、お金が欲しいといった自分なりの強い原動力を兼ね揃えておく必要もありそうです。
上記の人物像を元に、ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?で述べられている企業が求める人材に当てはめてみると、次の2つに当てはめられると考えます。
関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
しっかりと相手とコミュニケーションを取り、クライアントも見えていなかった課題を発見し、それに対する解決策を提示することはコンサルタントとして仕事をしていく上で最も必要不可欠なものだと言えます。
今までにない仕組みや企画を提案し、価値観や立場の異なる人と協力して成果を上げることができる
上記同様、これまでに行った事がある施策を提案しても、意味はありません。クライアントはもちろんのこと、自社の仲間も納得のいく施策を提案し、協力を得て実現させる必要があります。また、KPMGコンサルティングは、国内外・国籍、またクライアントの業態も含め様々な立場で、異なる価値観を持つ人と仕事をすることが基本となるので、この素養は必要と言えるでしょう。
KPMGコンサルティングのインターン選考フロー
下記は22卒向けサマーインターンの選考フローです。
▼
書類選考
▼
一次面接(ケース面接・英語面接を含む)
▼
インターン参加
▼
最終面接
参加人数・参加者層
上述したように、参加人数は1回につき30人程度と限りがあるため、早めの応募を推奨します。
集まる学生層としては、東大・京大・早慶の学生が中心のようです。
KPMGコンサルティングのインターン選考Webテスト対策
テスト形式
KPMGコンサルティングのWebテストは玉手箱方式で出題されます。
科目は言語、計数、英語、性格検査となっており、各科目ごとに様々なパターンがあります。
・論理的読解/GAB形式 (32問/15分または52問/25分)
・趣旨判定/IMAGES形式 (32問/10分)
・趣旨把握 (10問/12分)
・四則逆算 (50問/9分)
・図表読取 (29問/15分または40問/35分)
・表推測 (20問/20分または35問/35分)
・論理的読解/GAB形式 (24問/10分)
・長文読解/IMAGES形式 (24問/10分)
この中から企業毎に各科目1形式ずつ選択されて出題される形になります。そのため、1つの形式の問題が最後まで続いて出題されることになります。つまり、もし計数で最初に表推測の問題が出たとすれば、その後も最後まで表推測の問題しか出ないという形になります。
対策方法
玉手箱のテストは問題形式が一定であるため、対策はしやすいと思います。
玉手箱を攻略するために最も必要となるのは素早く正確に解くことです。問題集を購入し、演習を繰り返すことを推奨します。
【玉手箱の完全対策】言語・計数・英語の例題や最新出題企業を掲載
【SPI対策まとめ】これで完璧!初心者~上級者別SPIテストセンター対策を解説
【TG-WEB対策】問題例・従来型(旧型)と新型の特徴などを解説
【GAB/C-GAB/Web-GABとは?|問題と対策を解説】総合商社も採用するテストセンター
KPMGコンサルティングのインターン選考エントリーシート対策
KPMGコンサルティングのエントリーシート設問
下記は22卒サマーインターンで課されるエントリーシートの設問です。
(2)KPMGコンサルティングを志望する理由をご記入ください。(400字)
(3)自己PR(何かご自身でやり遂げた経験を具体的にご記入ください。)(400字)
では、3つの設問に関してそれぞれ詳しく確認していきましょう。
求められる素養を踏まえたエントリーシート回答方針考察
まず、基本的なところにはなりますが、ESを書くにあたり重要なことは読みやすさです。
KPMGコンサルティングの設問は400字とある程度制限されているので、まとまりのある文章を作る必要があります。簡潔かつ論理的に書くことで読みやすい文章を作成できるので、意識して見てください。
(1)では、業界を志望する動機を問われています。志望動機を書く際に伝えるべきことは、次の6つです。
また、以下の記事でも、志望動機の書き方やフレームワークを解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
この設問では”コンサルティング業界を志望する理由”を聞かれているので、図の(1)成し遂げたいこと、(2)きっかけとなる経験を書きましょう。具体例も入れて書くとよりわかりやすい文章を作成することができます。
下記がこれらを踏まえたインターン選考のES通過者の回答です。
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(2)では”コンサルティング業界の中でもKPMGコンサルティングを志望する理由”を答えます。そのため、先程のフレームワークの図の③企業選びの軸④業界比較⑤取り組みたい仕事⑥同業比較を簡潔に述べましょう。しっかりと業界研究を行い、他社比較も行った上で、将来から逆算したキャリア観、成りたい姿のために今どうあるべきかを論理的に書きましょう。
下記がそれらを踏まえた回答になります。
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(3)では自己PRです。企業は自己PRから企業に貢献できる能力があるかどうかを知りたいと思っています。
自己PR文を書く際には、次のフレームワークに参考にしてください。
また、以下の記事で、自己PRの書き方やフレームワークを解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
この設問も400字と限られているので、強みと具体的なエピソードと強みの活かし方を書きましょう。
これらを全て踏まえて書くと、次のような回答になります。
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これらを参考に、自分自身の事をしっかり伝えられるよう、分かりやすく論理的に書いてみてください。
KPMGコンサルティングのインターン選考面接対策
- エントリーシートを掘り下げて考える
- 論理的に説明する
KPMGコンサルティングのインターンの選考フローには、エントリーシートとWebテストのみしか課されない年もありました。しかし22卒向けサマーインターン選考では面接が課されます。
前述の通り、22卒向けサマーインターンでは、インターン参加前の一次面接、参加後の最終面接の二回、面接が行われます。過去のインターン参加者のレポートからは、具体的な質問内容や形式については不明でした。
しかし、一次面接の前にエントリーシートが課されていることから、一次面接ではエントリーシートの深堀りをされる可能性が高いと考えられます。
また一般的にコンサルティング業界の面接では、論理的思考力が重視される傾向があります。
インターン選考では、志望動機や学生時代頑張ったことを順序立てて簡潔に答えていくこと、また、「コンサルは地味だが頑張れるか」といった質問に対しても前向きに答えられると評価されるようです。
面接対策については以下の記事で解説されています。ご参照ください。
最後に
今回は就活生に人気なコンサルティング業界の中でも、BIG4と称されその一角を担うKPMGコンサルティングのインターン選考突破対策について解説しました。
多くの就活生がエントリーする業界ということもあり、選考基準のボーダーラインが高くなることが予想されます。
今回の記事で企業やインターンのことを理解して、しっかりと対策を行い、インターンに挑戦していただければと思います。