SIer(エスアイヤー)とは-各種ランキング付きで仕事内容・種類を解説-

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最終更新日:2024年11月11日

本記事ではSIer業界仕事内容、メーカー系やユーザー系などの種類、「やめとけ」と言われる理由などを解説し、売上高・年収が高い大手企業ランキング一覧も紹介します。

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※本記事に掲載している情報は記事執筆時点(2022年11月)の各社の最新資料を基に記載しています。
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SIer(エスアイヤー)とは?SE・SESとの違いも解説​​​​​​

SIer(エスアイヤー)とはまずSIerとは何なのか、そもそもの読み方やSE・SESとの違いなどを解説します。SIerの基本を理解し自分のやりたいことと合致しているか確認しましょう。

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SIer(エスアイヤー)とは

ここでは、そもそもSIerとは何なのかを解説します。

SIerとは何なのかを解説するにあたり、まずはSIの意味を押さえておく必要があるためそちらも解説します。

就活生の皆さんは聞いたことがあるかもしれませんが、SIとは「System Integration(システムインテグレーション)」の略称です。

システムインテグレーションとは、顧客の業務や要望に応じてコンサルティングやソフトウェアの設計、運用、保守に至るまでの様々な仕事を請け負う仕事を指します。

上記のような事業やサービスの開発などを請け負う企業のことを「System Integrator(システムインテグレーター)」または「SIer(エスアイヤー)」と呼びます。

SIerという名称は、SIに「~する者」という意味を持つ「er」を付けた造語です。SIがソフトウェアの開発、運用、保守などの仕事自体を指す言葉であり、その仕事を担う企業が「SIer」と呼ばれることを整理しておきましょう。

SIer(エスアイヤー)とSE・SESとの違いとは?

上記ではSIerとは「System Integrator(システムインテグレーター)」の略称であり、SI(システムインテグレーション)を担う企業のことだと解説しました。

SIerとは何なのか理解ができたかと思いますが、ここではSIerと名前が似ているため間違われやすいSE・SESとの違いについて解説します。

まずSEについてですが、SEとは「システムエンジニア」の略でソフトウェアやシステムを開発する人を指します。

SIerでシステム開発に携わる人がSEとなるので混合しないようにしましょう。

一方SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略称です。システムの開発や運用、保守に携わる点はSIerと同様ですが、ビジネスモデルに違いがあります。

SIerは顧客からシステム開発の案件を受注し開発、運用、保守など一括して行うのに対し、SESはエンジニアが不足している企業に対してエンジニアを派遣する形をとっています。

一般的には、SIerはシステムを導入したことによる成果物に応じた報酬を受け取りますが、SESはエンジニアの労働時間そのものが報酬となるといった違いがあります。

SIer(エスアイヤー)の仕事内容とは

SIer(エスアイヤー)の仕事内容とは

SIerとは何なのか、SE・SESとの違いなど解説してきましたが、ここではSIerの仕事内容について解説します。

SIerとはでも述べた通り、SIerの仕事内容は顧客の業務を把握しコンサルティングからシステムの開発、運用保守を行うなど多岐にわたります。そのためSIerは「システム開発に関するほぼすべての仕事を請け負う」と言えるでしょう。

またSIer企業ごとに得意とするプログラミング言語が異なっていたり、事業の規模や開発にかかる期間もバラバラなため複数のSIer企業が連携して事業を進めることも多いです。

大手SIerが要件定義や設計を行い、実際の開発や運用は下請けのSIerが担う、さらにはハード製品のベンダーや通信会社などのパートナー企業と連携しプロジェクトを進めることも珍しくありません。

まとめると、SIerの仕事とは「事業の全体を統括し、他のSIer企業やパートナーと連携しながらシステムの開発、運営にあたること」と言えるでしょう。

SIer(エスアイヤー)の種類とは

SIer(エスアイヤー)の種類とは

ここまででSIerとはどのような業界なのかある程度整理できたかと思います。しかしSIerは企業の成り立ちや業務内容によっていくつかの種類に分類することができ、SIer業界を志望する上ではそちらも押さえておく必要があると言えます。

以下ではSIerの種類についてそれぞれの特徴や違いを解説します。

  • SIerの種類(1)メーカー系
  • SIerの種類(2)ユーザー系
  • SIerの種類(3)独立系
  • SIerの種類(4)外資系

メーカー系SIer

SIerの中でもパソコンやサーバーなどを製造しているコンピューターメーカーから独立した、または系列の企業は「メーカー系」と呼ばれています。

具体的には「日立製作所」や「富士通」「NEC」、これらのグループ会社などが挙げられます。

メーカー系SIerは親会社の規模が大きいため大規模な案件に携わることができます。また親会社が受注した案件を下請けとして担うこともあるため、販売先に困ることも少ないと考えられます。

自社のハードウェア、ソフトウェア製品を組み合わせた開発や提案をできる点が特徴と言えるでしょう。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerとは金融や商社、小売り、製造など様々な企業の情報システム部門が子会社、関連会社として独立したSIer企業のことを指します。メーカー系と比較すると親会社がハードウェア関連でない点が違いとして挙げられるでしょう。

具体的な企業としては「野村総合研究所(NRI)」「NTTデータ」「伊藤忠テクノソリューションズ」などがあります。

ユーザー系SIerの業務内容は「内販」と「外販」に分けることができます。「内販」は親会社やグループ会社向けにソリューション提案やシステム開発を行う業務を指します。ユーザー系SIerは企業のシステム部門から独立した企業のため、内販の比率が高い企業が多いと言われています。

「外販」は親会社やグループ会社以外の企業にシステム開発などを行う業務です。グループ内という特定の業界に縛られることなく売り上げを高めることができるため、ユーザー系SIerの多くの企業が外販も行っています。

独立系SIer

メーカー系SIerやユーザー系SIerのように特定の親会社を持たないSIer企業を「独立系SIer」といいます。

独立系SIerは独自の経営スタイルでシステム開発を進めています。親会社やグループ会社の製品に捉われることなく、顧客の要望に合わせてソリューションやシステムの提案ができる点が特徴と言えるでしょう。

具体的な企業としては「大塚商会」や「BIPROGY(旧:日本ユニシス)」などが挙げられます。

外資系SIer

外資系SIerとは外資企業が母体となっているSIer企業です。

外資系SIer企業は母体が世界的に有力な企業のため安定した受注が期待できます。また世界規模のプロジェクトに携わる機会もあると考えられます。

他のSIerと比較すると「能力・成果主義」な社風である場合が多く、実力次第で多くの経験を積めることも特徴の一つでしょう。

具体的な企業としては「IBM」や「日本オラクル」などが挙げられます。

SIer(エスアイヤー)の売上高が高い大手企業ランキング一覧

SIer(エスアイヤー)の売上高が高い企業ランキング一覧

ここまでSIerとはどのような企業なのかを、仕事内容や種類をふまえて解説してきました。

SIerにはいくつかの種類があり、多くの企業が存在することが理解できたかと思います。ここでは数あるSIer企業の中でも売上高の高い企業ランキング一覧を紹介します。

SIerの売上高が高い企業ランキング一覧は以下になります。

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SIer(エスアイヤー)の年収が高い大手企業ランキング一覧

SIer(エスアイヤー)の年収が高い企業ランキング一覧

次にSIer業界の中で平均年収が高い企業ランキング一覧を紹介します。

なお、下記に掲載しているランキングは、上述した「売上高が高い企業ランキング」に掲載した10社限定のランキングになります。

SIerの平均年収が高い企業ランキング一覧は以下の通りです。

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「SIer(エスアイヤー)はやめとけ」と言われる理由とは?真偽や将来性を解説

「SIer(エスアイヤー)はやめとけ」と言われる理由とは

ここまでの解説でSIerとはどのような業界なのか理解できたかと思います。

システム開発全般に関わるSIer業界は多くの就活生が志望すると考えられますが、中には「SIerはやめとけ」といった噂を聞いたことがある就活生もいるのではないでしょうか。

人により企業を選ぶ軸は異なるため「やめておいたほうがいい」と感じる理由もそれぞれかと思いますが、ここでは「SIerはやめとけ」と言われている理由とは何なのか、またその真偽を解説します。

「SIerはやめとけ」は本当?

ここでは「SIerはやめとけ」という噂が本当かを考察します。

結論からお伝えすると、「SIerはやめとけ」という考えは必ずしも正しいとは言い切れません。

SIerが「やめとけ」と言われている理由として、やりがいや将来性、労働環境への不安が挙げられると思います。就活生のみなさんも上記の2点は気になる部分かと思いますが、当然SIer企業すべてが上記の不安に該当するわけではありません。

また、やりがいや将来性に関しては就活生自身のやりたいことやキャリアプランによって左右されるため、一概に「やめとけ」とは言い切れません。以下では「SIerはやめとけ」と言い切れない理由を以下の2点の観点から詳しく解説します。

  • 適性を見極めればやりがいを感じることができるため
  • 福利厚生が充実している企業も少なくないため

適性によりやりがいが感じられる場合は充分あるため、「やめとけ」とは言い切れない

「SIerはやめとけ」と言われる理由の一つに、やりがいが感じられないという理由があると思います。具体的には「プログラミングをやりたかったが関わることができない」などのケースが多いでしょう。

しかし、自身のやりたいこととSIer企業の業務内容を理解した上で入社する企業を決めれば、十分やりがいを感じることができるはずです。

というのも、「プログラミングをやりたかったができていない」という悩みはSIerのビジネスモデルを理解せずに入社してしまった可能性が高いと考えられるためです。

SIerの仕事内容とはでも解説しましたが、SIerはすべての企業がプログラミングに関わるわけではなく大手SIerやメーカー系SIerの親会社などは上流過程、子会社や下請けのSIer企業が下流工程つまりプログラミングなどを担います。

そのため、「プログラミングがやりたい」と考えている就活生は中堅のSIerや独立系SIerを目指すとやりがいを感じることができる可能性が高くなると考えられます。

反対に「顧客と密に関わり案件を受注したい」という就活生はメーカー系SIerや大手SIerを目指すと良いと言えるでしょう。

福利厚生が充実している企業も多いため、「やめとけ」とは言い切れない

SIerはブラックといった噂も聞いたことがあるかもしれませんが、当然すべてのSIer企業が当てはまるわけではありません。

反対に近年はSIer業界全体が働き方改革に取り組み、福利厚生も充実していると考えられます。

一例としてSIer大手の富士通、野村総合研究所(NRI)、TISの平均残業時間を見てみましょう。

富士通 23.4時間(2021年度)
野村総合研究所(NRI) 33.5時間(2020年度)
TIS 21.7時間(2020年度)

野村総合研究所(NRI)の平均残業時間は2014年度が33.0時間、2018年度が21.5時間となっています。TIS、富士通も同様に2019年ごろまでは残業時間が減少傾向にありましたが、近年は若干増加しています。

理由としてはコロナウイルス感染拡大によるDXの普及が考えられますが、数年前と比較するとSIer企業は残業が多いとはいえなくなってきているのではないでしょうか。

厚生労働省が発表している産業別時間外労働時間の調査を見てみると、各産業の時間外労働時間は以下のようになっています。

製造業 15.9時間(2014年度)→13.9時間(2021年度)
金融業 12.0時間(2014年度)→11.7時間(2021年度)
運輸業 25.0時間(2014年度)→22.3時間(2021年度)
情報通信業 18.7時間(2014年度)→15.6時間(2021年度)

SIerが含まれる情報通信業の時間外労働時間は他と比較すると若干多いと感じるかもしれませんが、2014年から2021年にかけて最も時間外労働時間を削減しており、働き方改革が進んでいると言えるのではないでしょうか。

実際にNEC、SCSKといった企業では以下のような施策も行っています。

NEC

●Smart Work2.0
オフィスのフリーアドレス化や社内外の人が利用できる共創空間を従来の8倍にすることで、社員の自律的な働き方を支援する制度。

SCSK

●どこでもWORK
「いつでもどこでも働ける環境」を目指しす制度。自宅やサテライトオフィスでの勤務を推進する「リモートワーク」、リモートワークの阻害要因となる紙を削減する「ペーパーダイエット」、フレックスアドレス制や多様な働き方スペースの導入などオフィスのあり方を変える「フレキシブルオフィス」の3つの施策を一体として展開している。

他にもSIer企業各社で働き方改革が行われており、福利厚生が整っている企業が多い印象を受けます。 「SIerはやめとけ」とは言えない環境になっているのではないでしょうか。

もちろん、「福利厚生が充実していたり働き方か企画が進んでいるのは大手だからじゃないの?」という疑問を持たれる就活生もいるかと思いますが、労働環境の改善に取り組んでいる企業が存在するのは事実です。

全体事象だけを見て「SIer業界はブラック」と決めつけるのではなく、各社のHPを見たり実際にOB訪問をするなどし、自身の志望している企業の労働環境はどうなっているのかを見極めるようにしましょう。

まとめ

SIerとは まとめ

本記事ではSIer業界とはどのような業界なのか、仕事内容や種類などの観点から解説し、売上高と年収が高い企業ランキング一覧も紹介しました。

就活を始める前は「SIer」という言葉に馴染みがなかったかもしれませんが、本記事を通じて理解が深まったのではないでしょうか。

SIer業界は多くの就活生が志望する業界と考えられるため、業界研究、企業研究を徹底するようにしましょう。

unistyleでは以下にもITやSIer業界についての記事を掲載しています。こちらも参考に今後の就職活動にお役立てください。

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