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野村総研・NTTデータの比較に見るSIer業界、利益率の野村総研・グローバル案件のNTTデータ【unistyle業界研究】

掲載開始日:2016年07月21日
最終更新日:2016年12月09日

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就職活動において今や理系だけでなく文系学生の志望も多いSIer業界ですが、その中でも日系SIerの大手2社として比較されることも多い野村総研およびNTTデータ。今回はSIerのビジネスモデルから入り、その上で各社の決算説明資料および事業構造を比較し、両者の特徴について就職活動を始めたばかりの方にもわかりやすく紹介したいと思います。合わせて両者の社風や過去の選考状況についてもご紹介します。


◆SIer業界の事業内容、ビジネスモデル


システムインテグレーター(通称SIer)とは、顧客のニーズに沿って社会に必要な「仕組み」をITを使って構築する情報サービス企業のことを指し、それらの企業群を総称してSIer業界と呼びます。

野村グループおよびセブン&アイ・ホールディングスを大口顧客とする野村総研の具体的な案件としては、これを読んでいる方の中でも使ったことがあるかもしれない電子マネーサービス「nanaco」のシステム開発があげられます。

 

政府系の案件に強みを持つNTTデータの具体的な案件としては、日本の国立国会図書館のコンテンツをアーカイブするシステムを構築した実績をもとにバチカン図書館の保有する蔵書の電子化・保存を請け負った例が挙げられます。後述するようにNTTデータはグローバル展開を積極的に進めており、本案件もその一環としてみてとれます。


◆事業内容から考えるSIer業界が求める人材

顧客のシステム構築事業を担うSIerは、お客様の潜在ニーズを顕在化させ、それを自らのチームメンバーとともに解決へと導く仕事がメインの事業となります。もちろん業務においてシステム開発における技術力・知識が必要となることは当たり前ですが、新卒採用の段階ではあまり学生の知識に重きを置いていません。実際、大手SIerの内定者のSEの内定者の半分程度は文系出身の学生で占められています。

さて、SIer業界が求めている人材について業務内容と照らし合わせて考えてみましょう。unistyleの記事で紹介した「企業に伝えるべき5つの強み」に照らし合わせると、特に「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」「4.価値観や立場を異なる人と協力して成果をあげることができる」ことが求められると言えるでしょう。以上の3つの強みをまとめると、

①関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える
②リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
③価値観や立場を異なる人と協力して成果をあげることができる

これら3つの強みが求められることが考えられます。よってSIerを志望する学生であれば、これらの強みが活きたエピソードを「学生時代頑張ったこと」としてアピールすることで、企業にとってふさわしい素質があることを伝えやすくなると考えられます。

また、NTTデータ・野村総合研究所2社について、ESやHPを参考にして企業が求める人物像を紹介した記事があります。各企業の特徴を踏まえた上で両社の求める人材について詳しく解説していますので、そちらも是非参考にして下さい。
 


◆大手2社の決算状況と事業の特徴

 

  野村総研 NTTデータ
売上高(億円) 4,214 16,148
営業利益(億円) 583 1,008
営業利益率 13.83% 6.24%
海外売上高比率 6% 32%

(2015年度各社IR資料より作成)


SIer事業においては売上高、営業利益、営業利益率、海外売上高について意識している企業が多くこれらの数値を比較しています。数値を見ても明らかなように、高収益体制で高い営業利益立を誇る野村総研と売上規模およびグローバル展開で勝るNTTデータという構図になっています。それでは各社の事業の特徴についてそれぞれ見ていきましょう。

◆野村総合研究所:2大顧客を軸に高付加価値なサービスを提供

コンサルティング・ITソリューションを一括して行うことを強みとしているNRI。金融業に対するソリューションを強みとしており、2大顧客として野村證券とセブン&アイホールディングスを抱えています。ソリューションの領域としては証券を始めとする金融業界において特に存在感が強く、業界標準のサービスを多数有していることも特徴のひとつです。

業界の中でも屈指の営業利益率を誇ることでも有名であり、企業全体としてサービスに付加価値をつけることに成功しているのだと思われます。

一方で、グローバル展開はNTTデータに比べると遅れをとっていると考えられます。数多くのM&Aにより海外市場を広げているNTTデータに比べ、2015年時点でグローバル関連事業の売上高は総売上高の6%しか占められておらず、海外展開は大きな課題のひとつだと言えます。


◆NTTデータ:グローバル展開を軸に事業規模を急速に拡大中

日本のSIer業界において圧倒的なシェアを誇るNTTデータ。数あるSIerの中でも官公庁や金融業界に強みがあり、業界では国内トップを独走しています。2000年代後半からは、国内市場の成長鈍化を見据え、欧米を中心にM&Aを数多く行い、急速に海外売上高を増やしました。野村総研の海外売上高比率が6%であるのに対して、NTTデータでは積極的なM&Aが功を奏し、海外売上高が28%を占めています。一方で、営業利益率の低さ、特に海外事業における営業利益率が2.4%と低く、利益率の改善はIR資料でも「道半ば」と表現されている通り、今後の課題であるといえます。

◆野村総研・NTTデータの社風・組織風土について

野村総合研究所:顧客第一の「やりきる文化」のもとに、常に挑戦を続ける

どんなに厳しい状況に陥っても、物事の見方を変えることで、プラスに受け止める。「なんとかしてみせる」と臆せずに前に進むことができるのです。そして辛い経験こそが、自分の成長につながると考えるようになりました。NRIの仕事では、常に新しいことへの挑戦が待ち受けています。過去の経験に頼ることも必要ですが、その都度、自分なりの発想で道を切り拓くことが求められます。だからこそ、自分の強みを知っておくことが大切だと考えるようになり、大きな成長のきっかけとなった経験でした。

引用:2017年度 野村総合研究所 新卒採用 社員インタビュー

 

司会:皆さんが仲間にしたい人ってどんな人ですか?

社員1:「これしかやりたくない」というこだわりが強い人より「なんでも来い!」という人がいいですね。実際に周りを見ていても選り好みせず「なんでもかんでもまずはやってみる」という人はどんどん吸収して伸びていっていると思いますね。

社員2:あとは「逃げない人」ですね。「ギブアップ」っていう言葉はNRIにはないので。

社員3:もともとそういう人が多いのか、NRIという会社がそうさせるのか分からないのですが、確かに逃げないですね。逆に言うと「最後までやりぬく」というか「あきらめが悪い」というか(笑)。そういう雰囲気が社内に充満しているので、自然とNRIのDNAのようなものが受け継がれているのかもしれません。

社員4:顧客が「STOP」と言わない限りは、やりきりますよ。それはもう、NRIのプライドですね。顧客との付き合いの中で「はい、我々の仕事はここまでで終わりです、さようなら」というのはないです。


引用:2017年度 野村総合研究所 新卒採用 NRIのDNA(マイページより引用)

新卒採用のHPを見てもわかる通り、野村総合研究所には「やりきる文化」が浸透しているようです。顧客第一の考え方を最も大切にしており、顧客が求めているもの以上をアウトプットするまでは諦めない精神が根付いています。

野村グループの会社であったこともあり、かなりガツガツした体育会系の社風だったようです。「やり切る文化」が浸透しており業務時間なども非常に長かったようですが、現在はワークライフバランスや多様性に重きを置く方針を取っており、女性管理職数の増加・残業時間規制など、以前よりも比較的働きやすい社風になったことを説明会でも話すケースが多くなっているようです。


NTTデータ:NTTの一角としての安定感だけでなく、グループの海外展開の主力という側面も

成長戦略を着実に進め、企業価値を向上していくためには、常に高い目標を掲げて自らの変革を追求するとともに、NTTデータグループのDNAを継承・発展させて地に足のついた取り組みを実践していくことが重要です。DNAを継承・発展させた取り組みとは、日本電信電話公社を母体として生まれた精神をもとに、ITという新しい技術の可能性を制約なく追求すること、そして社会全体の発展に貢献するITインフラの構築に取り組んでいくことです。

引用:NTTデータ代表取締役 からのメッセージ

NTTデータは、旧電電公社(NTTグループ)のうち、システム開発を担当していた事業部が独立して出来た会社です。その流れで、現在でも官公庁向けのシステム開発を担っており、これまでも数多くの日本規模のプロジェクトを手がけてきました。また、代表取締役のメッセージからもわかる通り、NTTグループからの分社により誕生したことから、社会・公共分野に対するITインフラの発展をの強みの分野としています。

また、NTTデータはNTTグループにおいて、NTTコミュニケーションズと同様に海外展開を積極的に行っている企業という一面もあります。業界の中でも最大手の企業としてこれまでも成長を続けてきており、「伝統と安定を重要視した日系企業」というイメージ通りの企業ではありましたが、前述したとおり2000年代後半から積極的に海外展開に踏み出しており、新しい流れが見受けられます。現在ではNTTデータの海外売上高は28%にも成長しており、着実にグローバル企業としての成長を進めています。


◆各社の選考について

野村総合研究所:コンサルとエンジニアを別々に採用

-選考プロセス(エンジニア職)-

エントリーシート&テストセンター→一次面接(個人)→二次面接(個人)→最終面接(個人)&GD

参考:野村総合研究所 本選考情報(AE)

野村総合研究所は、経営コンサルタントとITソリューションエンジニアの大きく2つに分けて採用を行っています。採用数は全体で300人程度ではあるものの、経営コンサルタントの採用はそのうちのごく一部です(30~50人程度と思われます)。総合職での倍率はおよそ20倍前後であり、狭き門ではあります。

経営コンサルティング部門で内定を勝ち取った学生はかなり優秀な学生が多く、学歴もほぼ早慶以上のみの学生で占められているようです。一方、アプリケーションエンジニア・テクニカルエンジニアはMARCH〜東大まで幅広い層の学生がいます。

他社と比較して考えられる特徴としては、営業職採用を行っていない所です。OB訪問などを通して話を聞くところによると、社内で何年か経験を積んだ社員の中から、公募を通して営業職人材を補充しているようです。おそらく「しっかりと技術力を持った営業が最適なソリューションを提供するべきである」という考えがあるからこその制度だと思われます。

面接の質問では学生時代の活動や志望動機について問う質問だけでなく、「SIerの工程について説明して下さい」、「NRIのAEとTEの違いは説明できますか?」など、業務内容にも深く関わる質問もされるようなので、業務内容の理解はしっかりする必要があります。


NTTデータ:面接では志望動機の深掘りがメイン

-選考プロセス(一般応募)-

エントリーシート&webテスト→一次面接(GD+集団面接)→二次面接(個人)→最終面接(個人)

参考:NTTデータ 本選考情報

NTTデータは採用について大学や学科との繋がりが非常に強く、学科・専攻ごとに枠が設けられています。採用人数500〜600名程度のうち、半分程度が推薦応募で決まるようです。また、大学によって選考プロセスが変わるようなので、注意したほうが良いでしょう。

募集している職種は①SE(システムエンジニア)、②営業、③R&D(研究開発)、④ファシリティ・マネジメント(建築系、電力系)⑤本社スタッフ(財務、法務、人事など)と5つに分かれており、ES提出の段階で職種を決める必要があります。内定者の文理比率は半々程度であり、学部卒の学生も活躍しているようです。内定者の学歴は早慶・旧帝大などの難関校出身者が5割以上を占めています。

実際の面接での質問はオーソドックスな物がメインで、その中でも「何故業界の中でもNTTデータなのか」を深掘りされるようです。何故SIer業界を志望しているのか、そして何故その中でもNTTデータを志望するのかについてはしっかりと自分の経験と照らし合わせて志望動機を考えるべきでしょう。


◆まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はSIer業界の中でも学生人気の高いNTTデータと野村総合研究所について、様々な視点で特徴について紹介させていただきました。これらの特徴を抑えることは企業分析において重要であり、またそれを通して「どの企業が自分に最も適しているか」を知る近道になると思われます。

企業規模や年収だけではなく、企業の社風や事業のポートフォリオなど、細部までしっかりと比較することで皆さんの本当入りたい企業が明らかになってくると思います。是非この記事がみなさんの就職活動の助けになれば幸いです。

 

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photo by OnePoint Services

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