【志望動機の書き出しって何が正解?】エントリーシート(ES)例文・NG例付でポイントを解説
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最終更新日:2024年09月18日
企業が志望動機を聞く意図・就活生がアピールすべきポイント
ESにおける志望動機の書き方
面接で志望動機を適切に伝える方法
インターンでの志望動機の伝え方
業界別の志望動機の書き方
職種別の志望動機の書き方
志望動機の例文一覧(インターン)
志望動機の例文一覧(本選考)
自己PRやガクチカ(学生時代頑張ったこと)と並び、エントリーシート(ES)における頻出質問の一つである"志望動機"。
「どんな内容を書くべきか、どのように指定文字数内に収めようか」等、考えを巡らせたことが皆さんあるかと思いますが、意外と悩むのが"書き出し"の部分になります。
事実、この書き出しの部分が定まらなければその後の文章を書き進めることはできず、この書き出しが非常に重要であることは皆さん理解していただけるでしょう。
そこで本記事では、志望動機の書き方の中でもこの「書き出し」を取り上げ、書き出しの重要性・書く際のポイントからES例文・NG例までを解説していきます。
企業が志望動機を聞く意図・理由とは
書き出しについて解説する前に、まずは「そもそもなぜ企業は就活生に志望動機を聞くのか」という点について説明していきます。
企業が就活生に対して志望動機を聞く理由は、一般的に以下の2点に大別されます。
- 自社への志望度の高さを知るため
- 自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため
それでは、上記2点に関してそれぞれ詳しく解説していきます。
自社への志望度の高さを知るため
1つ目の理由は、就活生の志望度の高さを知るためです。
仮にどんなに優秀な人材であったとしても、実際に入社してくれなければ意味がありません。企業側からすると、採用活動にかけた時間と労力が無駄になってしまいます。そこで企業は就活生が「内定を出したとしたら本当に来てくれるのか」を知るために、志望動機を聞いてきます。
時には「自社でなければならない理由」を話させるために、他業界・他社との比較をさせることもあります。また時には、「キャリアに対するミスマッチがないか」を確認するために、入社後にやってみたい仕事について聞いてくる場合もあります。
実際、同じスキルを持つ就活生が2人いた場合、面接官は自然と熱意や意欲のある就活生に「一緒に働きたい」と感じるでしょう。また、「熱意や意欲のある人材であれば入社後も仕事に前向きに取り組んでくれそう、長く働いてくれそう」という印象を与えることが出来ると考えられます。
自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため
2つ目の理由は、自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため、つまり自社の業務に対する適性を知るためです。
就活生の志望度がいくら高くとも、会社が目指すビジョンと就活生が目指すところが異なっていた場合、入社後にミスマッチを感じてしまい、早期退職になってしまう可能性があります。
それを防ぐため、各社の採用担当は「自社に興味を持つきっかけとなった経験・志望動機の背景にある企業選びの軸が自社の働き方に合ったものであるのか」を確認し、その就活生が「長く会社で働いてくれるか?入社後に活躍することができる人材か?」を見極めています。
一例ではありますが、「個人成績が明確に出るスポーツの世界で切磋琢磨してきたので個人に成果が紐づく働き方をしたい!」という志望動機からは、個人として成果を挙げることが強く求められる証券会社の営業職への適性が感じられます。
なぜ志望動機において書き出しは重要なのか?
企業が志望動機を聞く意図・理由は「志望度の高さ・企業の社風やビジョンとのマッチ度を知るため」というのは理解していただけたでしょう。
ではなぜ、志望動機の中でも書き出しの部分が重要になるのでしょうか?
結論から言うと"文章全体を論理的にし、採用担当から見て分かりやすい志望動機にするため"というのが回答になります。
各社の採用担当は1日に何百枚ものエントリーシート(ES)に目を通すという場合も珍しくなく、各設問の回答を一つ一つじっくり見ている暇がない場合もあります。
その際、まず最初に目に留まるのが各回答の一文目、つまり書き出しの部分になります。
「結論→理由→具体例→結論」という文章構成のフレームワークを聞いたことがある就活生もいるかと思いますが、この書き出しの部分は結論(1つ目)に該当します。
つまり、この結論(書き出し)の部分が定まっていなければ、その後に続く理由や具体例といった部分に一貫性が生じなくなってしまうのです。
文章全体に一貫性を持たせ、論理的な文章にするために書き出しは重要だと言えるでしょう。
志望動機の書き出しを書く際に押さえておくべきポイント
書き出しの重要性は理解していただけたと思いますので、続いては実際に志望動機の書き出しを書く際に押さえておくべきポイントを紹介していきます。
志望動機の書き出しを書く際に押さえておくべきポイントは以下の2点に大別されます。ここからは具体例を用いて各ポイントを解説していきます。
- 結論(志望理由)を簡潔且つ具体的に伝える
- 文末は必ず言い切る
結論(志望理由)を簡潔且つ具体的に伝える
ポイントの1つ目は「結論(志望理由)を簡潔且つ具体的に伝える」ということです。
上記の『なぜ志望動機において書き出しは重要なのか?』の項でも紹介しましたが、志望動機の書き出しには「志望動機の文章全体を論理的にするため」という役割があります。
そのため、結論(書き出し)を簡潔且つ具体的に伝えることで、文章全体を論理的で一貫性のある文章にすることができます。
簡潔且つ具体的に伝えることの重要性を示す例として、同一企業のESを書いているAさんとBさんの志望動機を下記に掲載しています。
【Aさん】
貴社を志望する理由は◯つあります。(書き出し)→それは~~と~~です。(具体例)→具体例の説明に続く
【Bさん】
◆私は学生時代に◯◯といった活動に取り組んでおり、その経験を通じて△△という思いが芽生え、将来は□□に携わりたいと考え、貴社を志望します。(書き出し)→具体例の説明に続く
AさんとBさんの志望動機を比較し、皆さんはどちらの志望動機が分かりやすいと感じたでしょうか?
おそらく多くの就活生がAさんの例を選ぶのではないかと思います。
今回はやや極端な例を取り上げましたが、上記の例からも分かるように、志望動機における書き出しは簡潔且つ具体的に伝える必要があります。
もし自分自身の志望動機の書き出しが冗長になっていると感じたのであれば、本記事の内容を参考にして修正に努めてもらえればと思います。
文末は必ず言い切る
ポイントの2つ目は「文末は必ず言い切る」ということです。
その理由としては、"言い切り表現を用いることで文字数を削減することができるため"です。
大抵の場合、各社のエントリーシート(ES)には文字数の制限があり、「残り数文字をどうやって削減しようか…」と頭を悩ませた経験のある就活生も多いことでしょう。
その際、「貴社の志望理由は○○だと考えています。」といった表現を用いるよりも、「貴社の志望理由は○○です。」という表現を用いたほうが6文字程度の文字数を削減することができ、その分他の要素を詰め込むことができます。
文末表現を言い切るか言い切らないかの違いだけでも十分に不要な文字数を削減することができますので、こういった細部まで気をつけた上で志望動機を作成するようにしましょう。
エントリーシート(ES)における志望動機の基本的な書き方
書き出しを書く際に押さえておくべきポイントは理解していただけたかと思いますので、続いては志望動機の一連の書き方について紹介していきます。
基本的な書き方に際し、本記事では志望動機を書く際のフレームワークを用いて説明していきます。
志望動機で伝えるべきことは基本的に以下の6点になります。これらを全てを押さえることで、選考官も納得の志望動機を伝えることができるでしょう。
よくある志望動機の作成パターンとして、(6)同業比較から考え始めてしまうことが挙げられますが、狭い視点から1社1社考えることは難しく、論理性に欠けるケースも多いです。
良い志望動機の書き方をダメな例から学ぶ -悪い例文から考える志望動機の要点-
→狭い視点で書いてしまった志望動機をはじめ、一見すると良いものに見えますが選考官が見ると疑問点が多い志望動機のパターンについて解説した記事です。
フレームワークに沿って志望動機を作成することで、"論理性を担保しつつ、企業ごとに志望動機を考える労力を削減すること"も可能です。
大手企業内定者の志望動機の書き出しに関するES例文
書き出しを含めた志望動機の基本的な書き方は理解していただけたかと思いますので、続いては志望動機のES例文を紹介します。
本記事では「書き出しの切り口」を4つ取り上げ、大手企業内定者の志望動機を紹介していきます。
- 書き出しに関するES例文(1):業務内容
- 書き出しに関するES例文(2):理念・社風
- 書き出しに関するES例文(3):スキル
- 書き出しに関するES例文(4):キャリアプラン
- 書き出しに関するES例文(5):応募企業に思い入れがある
書き出しに関するES例文(1):業務内容
博報堂への志望動機を記述してください。(400文字以下)
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書き出しに関するES例文(2):理念・社風
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書き出しに関するES例文(3):スキル
野村證券への志望動機を記述してください。(300文字以下)
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書き出しに関するES例文(4):キャリアプラン
志望動機
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書き出しに関するES例文(5):応募企業に思い入れがある
オリエンタルランド(総合職)の志望動機を教えてください。(200字以内)
【引用】オリエンタルランド24卒内定者ES
書き出しに、志望企業に対する内定者の思い入れが記載されており、選考官の目に留まるような志望動機となっています。
ありきたりな文章ではなく、自身の企業に対する思い入れとそれを裏付けるエピソードを記載することで、単純な思いだけでなく選考官から納得・共感を得やすくなると考えられます。
書き出しの切り口を「伝えたいこと別」にピックアップして例文を紹介しましたが、unistyleには各業界に特化した志望動機対策記事が存在します。
各業界に特化した志望動機対策記事は下記の記事から全てご覧いただけますので、下記の記事から自身の志望業界を選択し、志望動機対策に努めてもらえればと思います。
志望動機における書き出しのNG例
大手企業内定者のES例文(志望動機)を紹介しましたので、最後に書き出しのNG例を説明します。
NG例を説明するに際し、以下でとある架空のメーカーの志望動機を掲載しました。
NG例(1)
上記のESを読み、どこがNGポイントなのか理解することができたでしょうか?
NGポイントは以下の2点になります。
- 結論が書き出しではなく、文章の後半に記載されている
- 一文が冗長すぎる
結論が書き出しではなく、文章の後半に記載されている
ひと目見て分かる通り、志望動機にも関わらず志望理由(結論)が文章の後半に記載されています。
『書き出しを書く際に押さえておくべきポイント』でも説明した通り、書き出しは"結論(志望理由)を簡潔且つ具体的に伝える"必要があります。
上記例のように結論が文章の後半に記載してあると、文章全体にまとまりがなく、肝心の志望理由があいまいになってしまいますので、結論は文章の冒頭(書き出し)に記載するようにしましょう。
一文が冗長すぎる
こちらは書き出し部分に限定したNGポイントではありませんが、一文が冗長であり、非常に読みづらい印象を受ける方が多かったのではないかと思います。
「一文は短くすればするほど良い」という訳ではありませんが、一般的に、文章の短さは読みやすさ(読み手の理解しやすさ)に紐づくと言われています。
書き出し部分の『私が貴社を志望するに至ったのは、学生時代のゼミ活動でマーケティングを学び、ビジネスプランコンテンストで関東大会に出場した経験からです。』という箇所など、読み手(選考官)の読みやすさを考慮し、もう少し一文を短くするべきでしょう。
こちらの例文はとある架空のメーカーの志望動機を一例として取り上げて説明しましたが、上記のNGポイントは全ての志望動機に通ずる内容となりますので、志望動機を作成する際は気をつけてもらえればと思います。
NG例(2)
また、ゼミではリーダーとして5人のチームをまとめ、発言しやすい雰囲気づくりを大切にしていました。このような経験から貴社の商品開発に貢献したいと思います。
NGポイントは以下の2点になります。
- アピールしたいポイントが何か伝わらない
- 自分の経験が志望動機に繋がらない
アピールしたいポイントが何か伝わらない
志望動機には、何をアピールしたいのかを精査し、具体的に描く必要があります。
例文では、書きたい要素がつまり過ぎていて、何をアピールしたいのかが埋もれてしまっています。
応募先の企業で活かせる長所や経験、能力に絞り込み、企業に合う人物ということをアピールしましょう。入社後にどのような活躍をしてくれるのかが伝わる志望動機を書くようにすることがポイントです。
自分の経験が志望動機に繋がらない
自分の経験がなぜ、志望動機につながったのか、どんな仕事に自分の経験が活かせるかを考え直し、一貫性のある内容にしましょう。
NG例(3)
実際に働いてみると、戦略を立てて制作したWEB広告が集客につながるマーケティングの楽しさがわかり、この業種で働きたいと思うようになりました。 インターンシップでWEB制作会社で働いた経験を生かして御社のマーケティング戦略部で働きたいと思い志望しました。
NGポイントは以下の2点になります。
- どこにでもいえるような志望動機になっている
- 自身の経験ではなくマーケティングに対するイメージを伝えている
どこにでもいえるような志望動機になっている
企業がどのような点で自社を選んだのかが伝わりにくい志望動機になっています。
どこにでもいえるような志望動機だと、企業研究をしていない自社で無くてもいいのではないかと思われてしまいます。
エントリーシートを書くのは大変ですが、どこの企業にも使いまわせる志望動機だと、自社でなくても良いと判断されてしまいます。志望動機では、なぜその企業に惹かれて、どれだけ志望度が高いのかが伝わるようにしましょう。
自身の経験ではなくマーケティングに対するイメージを伝えている
マーケティングに関する知識や取り組んだ経験があるなら、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
せっかくインターンシップでの経験があるのに、具体的なエピソードはなくイメージだけを書いていては自身の身に着けた能力や強みがアピールできません。
結果につながらなくても努力した点や、実務に関連しそうな経験や身に着けた知識などを書きアピールすることが大切です
NG例(4)
また、会社の説明会でも丁寧に接していただき、貴社の人を大切にするという社風を感じたことも志望理由の一つです。将来は、ワークライフバランスを大切にして、人材の育成に携わる仕事をしたいと思い志望しました。
NGポイントは以下の2点になります。
- 自身の希望やスキルアップしか考えていない
- 会社の魅力のみを伝えていて自身の人柄や強みが伝わらない
自身の希望やスキルアップしか考えていない
志望動機に、企業の福利厚生の良さや条件面だけを書いてしまうと、仕事に対する意欲が低いのではないかと考えられてしまう可能性があります。
企業は、自社に長く貢献してくれる人材を探しています。
福利厚生や条件面ばかりを記載していると、せっかく採用しても他にもっとよい条件の企業があればすぐに転職してしまうのではないかと考えてしまいます。
会社の魅力のみを伝えていて自身の人柄や強みが伝わらない
企業は、志望動機からもキャリアビジョンや人柄、強みを判断しています。
志望動機で、企業の良さや福利厚生ばかりを伝えていたら、アピールできるポイントや人柄を伝える機会を逃してしまいます。
志望動機の書き出しでは、仕事や会社への熱意が伝わるように福利厚生や勤務条件以外の部分を強調するようにしましょう。
志望動機書き出しのNG例について解説しましたが、志望動機のNG例について更に確認したい方は下記の記事を参考になさってください。
まとめ
本記事では、志望動機における書き出しについて解説してきました。
書き出しは志望動機を書く際にまず最初に書き始める部分であり、採用担当が最初に目を留める部分でもあります。
書き出しの重要性やポイントを理解した上で志望動機を作成し、志望企業の選考突破を目指していただければと思います。
企業が志望動機を聞く意図・就活生がアピールすべきポイント
ESにおける志望動機の書き方
面接で志望動機を適切に伝える方法
インターンでの志望動機の伝え方
業界別の志望動機の書き方
職種別の志望動機の書き方
志望動機の例文一覧(インターン)
志望動機の例文一覧(本選考)
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