【NG例文10選】この志望動機ってNGなの!?理由と改善ポイントを解説
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最終更新日:2024年10月04日
企業が志望動機を聞く意図・就活生がアピールすべきポイント
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業界別の志望動機の書き方
職種別の志望動機の書き方
志望動機の例文一覧(インターン)
志望動機の例文一覧(本選考)
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- 本記事の構成
- 企業が志望動機を聞く意図・理由
- 志望動機のNG例一覧
- 志望動機のNG例(1):うんちくだけで実体験がない
- 志望動機のNG例(2):社会に貢献したいというだけ
- 志望動機のNG例(3):会社の魅力ばかりを並べている
- 志望動機のNG例(4):自分の希望だけを並べている
- 志望動機のNG例(5):実体験と志望理由の結びつけ方が強引である
- 志望動機のNG例(6):やりたいことと実際の仕事内容が結びつかない
- 志望動機のNG例(7):離職を前提にしている
- 志望動機のNG例(8):好き好きアピールに終始している
- 志望動機のNG例(9):給与や待遇面ばかりにフォーカスしている
- 志望動機のNG例(10):他の回答との一貫性がない
- 最後に
企業が志望動機を聞く意図・理由
まずは「そもそもなぜ企業は就活生に志望動機を聞くのか」という点について説明していきます。
企業が就活生に対して志望動機を聞く理由は、一般的に以下の2点に大別されます。
- 自社への志望度の高さを知るため
- 自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため
それでは、上記2点に関してそれぞれ詳しく解説していきます。
自社への志望度の高さを知るため
1つ目の理由は、就活生の志望度の高さを知るためです。
仮にどんなに優秀な人材であったとしても、実際に入社してくれなければ意味がありません。企業側からすると、採用活動にかけた時間と労力が無駄になってしまいます。そこで企業は就活生が「内定を出したとしたら本当に来てくれるのか」を知るために、志望動機を聞いてきます。
時には「自社でなければならない理由」を話させるために、他業界・他社との比較を求めることもあります。また時には、「キャリアに対するミスマッチがないか」を確認するために、入社後にやってみたい仕事について聞いてくる場合もあります。
実際、同じスキルを持つ就活生が2人いた場合、面接官は自然と熱意や意欲のある就活生に「一緒に働きたい」と感じるでしょう。また、「熱意や意欲のある人材であれば入社後も仕事に前向きに取り組んでくれそう、長く働いてくれそう」という印象を与えることが出来ると考えられます。
自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため
2つ目の理由は、自社の社風やビジョンとマッチするかを知るため、つまり自社の業務に対する適性を知るためです。
就活生の志望度がいくら高くとも、会社が目指すビジョンと就活生が目指すところが異なっていた場合、入社後にミスマッチを感じてしまい、早期退職になってしまう可能性があります。
それを防ぐため、各社の採用担当は「自社に興味を持つきっかけとなった経験・志望動機の背景にある企業選びの軸が自社の働き方に合ったものであるのか」を確認し、その就活生が「長く会社で働いてくれるか?入社後に活躍することができる人材か?」を見極めています。
一例ではありますが、「個人成績が明確に出るスポーツの世界で切磋琢磨してきたので個人に成果が紐づく働き方をしたい!」という志望動機からは、個人として成果を挙げることが強く求められる証券会社の営業職への適性が感じられます。
志望動機のNG例一覧
企業が志望動機を聞く意図・理由を紹介したところで、続いては志望動機のNG例を紹介していきます。
業界や企業によって志望動機の内容は異なりますが、NGとされる志望動機には一定の傾向があるとされています。
そこで本記事では志望動機のNG例を下記の10パターンに分類し、"例文・NGである理由・改善ポイント"をそれぞれ解説していきます。
- うんちくだけで実体験がない
- 社会に貢献したいというだけ
- 会社の魅力ばかりを並べている
- 自分の希望だけを並べている
- 実体験と志望理由の結びつけ方が強引である
- やりたいことと実際の仕事内容が結びつかない
- 離職を前提にしている
- 好き好きアピールに終始している
- 給与や待遇面ばかりにフォーカスしている
- 他の回答との一貫性がない
志望動機のNG例(1):うんちくだけで実体験がない
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
どれだけ立派にデータを集めて論理が通っていたとしも、上記の例文のように実体験に基づかない志望動機は評価されません。
総合商社やグローバルメーカー等、「日本の存在感を高めたい」という志望動機で内定する就活生は実際には多いのですが、内定している就活生は皆、留学経験や研究への深い関わりなど、実体験をもとに「日本の存在感を高めたい」と語っているがゆえに評価されている場合がほとんどです。
実体験を除いた部分だけを模倣しても選考官から評価されることはありませんので、うんちくだけの志望動機にならないように心掛けましょう。
実体験と紐づけ、志望動機や将来やりたいことに根拠を持たせる!
志望動機のNG例(2):社会に貢献したいというだけ
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
仕事とは人や社会に貢献する対価としてお金をもらう行動であり、仮に誰かに批判されたとしても、全ての仕事は誰かの役に立っているものと考えられます。
そのため、社会に貢献する仕事では全ての仕事が当てはまってしまい、志望動機としては不適切でしょう。
選考官から評価されるためには、どんな顧客に対しどのように貢献したいのかといった形で、社会貢献をする方法をより具体的に伝える必要があります。
社会に貢献することの具体性、その上でなぜその企業でなければならないのかを述べる!
志望動機のNG例(3):会社の魅力ばかりを並べている
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
選考官が志望動機で知りたいのは、あくまで「向いている仕事は何か、どういったことにやる気があるのか」というあなた自身の中身であり、「どれだけ企業のことを知っているか、どれほど企業に魅力を感じているか」は大きな問題ではありません。
この点を勘違いした就活生の多くが、企業に対して綺麗事を並べることで評価されようとしますが、綺麗事を並べるだけで自身の経験から企業へのつながりを説明できない就活生は逆に評価が下がることもあるでしょう。
重要なのは、自分自身の経験と仕事内容を結びつけ、その企業の仕事に向いていることを説明することだというのを忘れないようにしましょう。
会社の魅力アピールに終始せず、志望度の高さを論理的に伝える!
志望動機のNG例(4):自分の希望だけを並べている
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
実際には上記のような志望動機で内定する就活生もいるため、就活生側も「成長したい」という志望動機でも問題ないと勘違いしがちです。
しかし、彼ら(内定者)は志望動機自体が評価されているというよりも、自己PRやガクチカ(学生時代頑張ったこと)といった素養や過去の実績が評価されているということを理解しておくと、自分がこのような志望動機を伝えるべきかどうか判断がつくでしょう。
「企業から与えて欲しいもの」を並べるだけでは、自身がどのようなことに向いていると考えているのか、どんなことにやる気が出るのかも分からないでしょう。
自身の希望を並べるのではなく、自らが企業に与えられること(=企業があなたを採用する意味)にも意識を向けましょう。
自身の希望に加え、業界/他社比較等を通じて納得感のある志望理由をアピールする!
志望動機のNG例(5):実体験と志望理由の結びつけ方が強引である
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
このような志望動機は、「実体験と志望理由を結びつける」というフレームワークを意識しすぎるあまり、多くの就活生が伝えてしまいがちなものになります。
企業側としては志望度の高さや社風・ビジョンとマッチするかを知りたくて志望動機を聞いているにも関わらず、単に旅行に行っただけの経験でそれを「仕事にしたい!」と言われても、納得感は湧かないでしょう。
また、選考官の立場からしてみれば、「仮に旅行がきっかけでこのような仕事を本当にしたいと思ったのであれば、その後の行動として、研究テーマとして深く調べる、海外ボランティアや海外インターンで現地の状況を知ろうとするなど、追加で何かしらの行動に移すだろう。」と感じるはずです。
実際にこのような志望動機は各業界で蔓延しており、例えば食品メーカーであれば「幼いころから食べることが大好きだから」、広告業界であれば「CMが大好きだから」といったようなものが挙げられます。
これらの志望動機が一概に悪いとは言い切れませんが、自らの主体的な志望動機に基づかない「いつかはやりたいな」レベルの思いで志望動機を述べても共感されることは難しいという点は理解しておきましょう。
実体験と志望理由を結びつけること自体は問題ないが、論理の飛躍をしないよう注意する!
志望動機のNG例(6):やりたいことと実際の仕事内容が結びつかない
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
自分自身の主体的な行動に結びついた志望動機ではありますが、大前提企業は営利組織であり、社会貢献のために事業をしている訳ではありません。この志望動機では、利益を創出するために事業をしているという前提を忘れてしまっているように見て取れます。
実際に「社会貢献がしたい」という志望動機はよく見かけますが、もしこういった思いをアピールしたいのであれば、志望企業にどのように貢献できるかといった観点も忘れずにアピールするようにしましょう。
将来の夢ややりたいことをアピールするだけに留まらず、なぜその企業を志望するのかという観点を具体的に盛り込む!
志望動機のNG例(7):離職を前提にしている
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
当然と言えば当然ですが、多くの企業は"自社でより長く働いてくれる人材"を求めています。
そういった前提において、(やや大げさな表現にはなりますが)会社を起業の踏み台にするかのように受け取れる志望動機では、企業側も良い印象を受けないでしょう。
働き方が多様化している昨今、「起業を目指すことは大歓迎!」といった会社もない訳ではありませんが、大半の企業は"より長くより活躍してくれる人材"を求めていることはまず間違いありません。
起業について話すこと自体がNGという訳ではないが、業界や企業を適切に見極め、起業を目指しているのになぜその企業を志望しているのかを明確に伝える!
志望動機のNG例(8):好き好きアピールに終始している
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
消費財メーカーや広告業界などの志望動機でありがちなのですが、志望動機というよりも会社の好きなところアピール合戦になってしまう就活生は意外と少なくありません。
本記事の冒頭でもご紹介しましたが、大前提企業側は「志望度の高さや社風・ビジョンとマッチするか」を知るために志望動機を聞いています。
そのため、上述した例文のような志望動機では企業側が就活生を評価することができません。
企業のことを好きという気持ちをアピールすること自体は問題ありませんが、下記の記事に記載しているフレームワーク等も参考にしながら、論理的な志望動機を伝えることを心掛けましょう。
企業のことが好きだという思いや理由に終始せず、原体験や将来取り組みたいことなどと関連付けながら志望度をアピールする!
志望動機のNG例(9):給与や待遇面ばかりにフォーカスしている
実際のNG例文
NGである理由と改善ポイント
企業の中で魅力に感じた部分を述べること自体は問題ありませんが、給与や制度のことだけを取り上げるのはNGです。
流石に「同業他社に比べて給与が高いからです」などといった志望動機を述べる就活生はいないと思いますが、上記の例文も志望動機において必要な要素が抜けている点は否めません。
"企業選びの軸や価値観とマッチしていること・自身が活躍できる素養"なども追記し、選考官に納得感をもってもらえるような志望動機を目指しましょう。
給与や待遇面に留まらず、論理的な構成を意識し、選考官が納得感を感じる志望動機を心掛ける!
志望動機のNG例(10):他の回答との一貫性がない
実際のNG例文
企業選びの軸を教えてください。
【就活生】
自身がプレイヤーとなって事業を先導できること、語学力を活かせる環境があることの2つです。
弊社(銀行)の志望動機を教えてください。
【就活生】
お金という側面から様々な企業の成長を手助けし、地域創生に貢献できるからです。その中でも御社は、顧客ファーストの社風、そして数ある銀行の中でもより地域に根差している点が強く惹かれました。多くのステークホルダーから信頼される銀行員を目指し、会社と地域双方の発展に貢献したいです。
NGである理由と改善ポイント
やや極端な例を掲載しましたが、企業選びの軸と志望動機(企業の特徴)が乖離していることが見て取れるかと思います。
実際問題、こういったような志望動機と他の回答に一貫性が見られない場合は少なくありません。
自己分析を疎かにして企業に合わせたような志望動機を考えてしまった場合、仮に志望動機に関する回答を万全に準備したとしても他の回答との一貫性の部分で論理破綻してしまう可能性が高くなりますので、面接に臨む際はこのポイントに注意しましょう。
企業選びの軸や将来の夢、キャリアビジョンなど、志望動機との一貫性が担保されているか(論理破綻を起こしていないか)を確認する!
最後に
本記事では"志望動機のNG例とその理由、そして改善ポイント"を紹介しました。
自身の作成した志望動機がNG例に該当していないか、是非確認してみてください。
また、本記事に掲載している内容は「例文・NGである理由・改善ポイント」を全てセットで確認することで理解が深まるものとなっています。
例文を確認しただけで満足せず、"なぜこの例文がNGなのか(=NGである理由)"や"どうすれば魅力的な志望動機になるのか(=改善ポイント)"を必ず確認し、自身の志望動機作成に役立ててください。