リース業界の業務内容と特徴とは?ホワイトな働き方や選考難易度についても考察

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最終更新日:2022年03月23日

就活生の皆さんの中には、リース業界に「ホワイト」「難易度が高い」というイメージを抱いている方も少なくないのではないでしょうか。

本記事ではそんなリース業界の業務内容と特徴を踏まえ、上記のイメージについて考察していきます。

皆さんが抱いているイメージが実際に正しいのか、是非確認してみてください。

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リース業界とは

リース業界とは

リース業とは、リース物件を借手に賃貸することにより収益を得る事業のことです。リース業界には、銀行等の金融機関をはじめ、卸売業、小売業、メーカー、運輸、通信、電力、ガスなど様々な業態の企業が参入しており、これらの企業は、自社、またはリース会社を設立してリース事業を行っています。

以下では、リース業界のビジネスモデルやリースの種類、レンタルとの違いなどについて説明しています。

リース業界のビジネスモデル

リース業界のビジネスモデル

上で説明したように、リースとは「リース会社が企業(お客様)に対して機械や設備などを長期間賃貸する」という意味です。

機械や設備などをリースで借りたい場合は、まず企業(お客さま)が対象物件を選定し、リース会社に申請します。リース契約が結ばれた後、メーカー・販売会社から直接物件が納入され、その取引が完了してから、リース料の支払を行います。

このようなリース取引にもいくつか種類があるので、その点について以下でご説明します。

リースの種類

リース取引の種類

【1】ファイナンス・リース

自社で保有していない物件を代わりに購入し、それを貸し出す取引
 

【2】オペレーティング・リース
自社で保有している物件を貸し出す取引

リース取引には2種類の方法があり、それぞれ「ファイナンス・リース」、「オペレーティング・リース」と呼ばれます。

【1】ファイナンス・リースは、言葉通り金融取引におけるリースのことを指します。リース会社が設備を購入し、それを企業に貸与して、購入代金と金利をリース期間中に返済してもらうという形になっています。

特徴として中途解約ができません。この機能は企業側がお金を借りて設備を買っているという点で、銀行の融資と同じような仕組みの金融取引になります。

【2】オペレーティング・リースは、中古市場があり、使用後でも資産価値のあるモノに限定した取引になります。企業は契約期間に応じたリース料を支払い、設備を借り、期間が終了したら返却します。

簡単にいうとレンタルと同じ仕組みです。リース会社は設備を買い取ってもらうか、さらに他の企業にリースするか、中古市場に売却することによって利益を得ています。

企業側からすると、短期間からリース可能なことや解約可能なこと、費用を抑えられる等のメリットが挙げられます。

リース業界の職種と業務内容

リース業界の職種と業務内容

ここでは、具体的にリース会社における職種と業務内容について解説していきます。

まず職種については基本的に「総合職」と「一般職」の2つです。それぞれの違いについては「【一般職と総合職の6つの違いとは】どちらを志望するか悩んだ際の対処法」を参考にしてみてください。

総合職として入社した場合は、大きく分けて【1】リース営業をフロントで展開する部門【2】フロントの営業を戦略的にサポートし事業開発を担う部門【3】農業や環境エネルギーなど特定分野の専門知識を活かした営業を展開する部門の業務があります。

まずは【1】リース営業をフロントで展開する部門に関して、支店営業で実際に働いている方の業務内容を見ていきましょう。

多彩な機能を掛け合わせて新しい提案を。

お客様とのお付き合いは、既存のお客様からの紹介や電話による営業から始まります。初めから明確な課題を持つ企業もあれば、漠然とした要望としか認識してない企業もあります。そのため、私はまず、お客様との会話の中から課題・ニーズをきちんと把握することを心掛けています。そしてその課題に対してMULとして何ができるか検討し、提案します。たとえば「事業資金が必要」という話を聞き、別の機会に「遊休資産がある」と聞けば、当社の中古資産買取サービスを提案します。「海外進出を考えている」と聞けば現地での資産調達や通関業務、物件設置代行などのサポートを紹介します。MULには数多くの機能・サービスがあります。それらを駆使することで常に新しい提案ができ、お客様のビジネスに幅広く貢献することができるのです。

引用:三菱HCキャピタル 社員紹介

支店営業の場合は、企業の課題をヒアリングし、その課題に対して様々なソリューションを提案していくことが主な業務になります。モノを売る営業という側面もありますが、コンサルティング営業とも言えるでしょう。特に、金融業界の営業は商材に明確な違いがないため、いかに課題をクリアにし、それに最適なソリューションを提案できるかが鍵となります。

そのため、信頼関係を大切にしたい方や、様々な商材を扱い多様なな業界に関わりたいと考えている方には向いていると言えるでしょう。

参考:自己PRで信頼関係構築力をアピールするには?エピソード別ES例文を基に解説
こちらの記事では「信頼関係構築能力」に焦点を当てた自己PRについて解説しています。面接でも信頼関係について問われることもあるかもしれませんので、考えておくと良いでしょう。

次に【2】フロントの営業を戦略的にサポートし事業開発を担う部門に関して、実際に働いている方の業務内容を見ていきましょう。

事業開発部におけるミッションを教えてください。

これまでのSMFLにない新分野の開拓や新しいビジネスの立ち上げに取り組んでいます。入社2年目に事業開発部に異動したのですが、最初の頃は全社的な新分野開発プロジェクトチームの事務局役を任されて経験を積みました。当時、進めていた地方創生や農業といった領域ではすでにビジネスとして動き出しているものもあります。このように事業化までの芽を育てる、0から1を生み出すチャレンジが私のミッションだと思っています。それだけに熱量がいりますが、新しいことに積極的に挑んでいこうという姿勢に共感してSMFLに入社した自分にとってはぴったり。事業開発部ばかりでなく、社内にはチャレンジングな気持ちを持つ若手社員が多く、部門を超えて連携しながら新しいビジネスに挑んでいます。

引用三井住友ファイナンス&リース 社員紹介

次に【3】農業や環境エネルギーなど特定分野の専門知識を活かした営業を展開する部門に関して、実際に働いている方の業務内容を見ていきましょう。

年齢や経験に関係なく挑戦できる

私が所属している環境エネルギー本部の事業開発部は、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーによる発電所を開発しており、私はその中で発電量1,000キロワット以上に及ぶメガソーラーの開発を担当しています。太陽光発電に最適な土地の発掘から、地権者との交渉、設計・施工会社との連携から発電設備の建設など、事業開始に至るまでの一連のプロジェクトをリードしています。投資額は1件当たり数十億円規模にも上るような大型案件ばかりですが、入社1年目から主担当としてプロジェクトを任せていただき、先輩の助けを得ながら無事に成功させることができています。

現在は新しい発電所の開発案件に携わり、全国各地の現場を訪問する日々です。メガソーラー発電所は、必要となる土地が広大で、地権者が数十名に及ぶケースも多々あります。その地権者一人一人と粘り強く交渉を重ね、地道にプロジェクトのスタートを目指しています。さらに不動産や法律、プロジェクトファイナンス、発電技術など多様な専門知識が必要となるため、それらを習得していくことは非常に大変ではありますが、完成したメガソーラー発電所を目の当たりにすると、スケールの大きさや社会的意義のあるビッグプロジェクトに携わっているのだと感じ、やりがいにつながっています。

引用オリックス 社員紹介

続いてはリース業界を代表する特徴2つを取り上げ、さらに業界理解を深めていきます。

リース業界の特徴(1):ホワイトな働き方ができる

リース業界はホワイトな働き方ができる

リース業界は、福利厚生の手厚い金融業界のなかでも特にホワイトな働き方ができるとして就活生から注目されることの多い業界です。

ホワイトの定義は人によって異なりますが、本記事ではホワイトかどうかを判断する指標としてよく用いられる「平均年収・週平均残業時間・有給取得率・3年後定着率・フレックス勤務の有無」を参考に、その真偽を考察していきます。

リース業界各社の平均年収・週平均残業時間・有給取得率

リース業界各社の平均年収・週平均残業時間・有給取得率

※2021年度の各社の資料を参照しunistyleが独自に作成
※平均年収は各社の最新有価証券報告書(2022年2月時点)を参照 

上記の通り、リース業界の平均年収上位4社の有給取得率はいずれも60%を上回っており、メリハリをつけて働けることが分かります。

特に三井住友ファイナンス&リースは上記3つの指標が他社に比べて優れており、福利厚生という観点で見るとリース業界の中でもトップクラスに良いと言えるのではないでしょうか。

また、dodaの調査によると、2021年4月~6月の3カ月間の民間企業の週平均残業時間は20.8時間だと言われています。一方で、国税庁の調査によると給与所得者のうち1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は461万円です。

つまり、平均的な残業時間の枠組みを超えることなく平均年収の倍近い給与を得ることができ、有給も十分に取得できるリース業界はホワイトだと言うことができます。

リース業界は3年後定着率が高い

東洋経済オンラインの「給料が高くて新卒が辞めない会社」トップ200社には、芙蓉総合リースが3年後定着率が94.4パーセントで83位にランクインしているほか、JA三井リース、みずほリース、リコーリースもランクインしており、どの企業も三年後定着率が85%を越えています。

他にも三菱HCキャピタルでは、月平均残業時間は18.3時間、年平均有給取得日数は12.6日となっています。

このことからもリース業界は比較的余裕を持った働き方ができることがわかるでしょう。

フレックス勤務などにより余裕をもって働くことができる

JA三井リースでは社員のとある一日を公開しています。

JA三井リース社員のとある一日のスケジュール

上記の通り、社員の実際の一日のスケジュールを見ると出勤と退勤時間はフレックスになっているようです。

また、JA三井リースに限らず、リース業界にはフレックス勤務を導入している企業が多数存在します。

フレックス勤務を導入しているリース企業

・オリックス

・三井住友ファイナンス&リース

・三菱HCキャピタル

・みずほリース

・JA三井リース

・リコーリース

・NTTファイナンス

・NECキャピタルソリューション 

・日産フィナンシャルサービス

※上記の通り、リース業界の大手企業ではフレックス勤務を導入している企業が多く存在しますが、unistyleの調査した範囲内でのみ掲載しています。上記以外の企業には当てはまらない可能性があるため、志望している企業のフレックス勤務の有無についてはご自身で一次情報をご確認ください。

また、リース業界の各社では福利厚生が充実しています。一例として東京センチュリーでは、介護休業、介護休暇、短時間勤務、育児休暇、借上住宅制度などが整備されており、社員の方が安心して働ける仕組みが充実しているといえるでしょう。

モチベーション高く仕事に取り組める会社であり続ける。

東京センチュリーでは、ワークライフバランスが取れたキャリアが送れるよう、社員一人ひとりを柔軟にサポートしています。
心身共に健康で、モチベーション高く仕事に取り組めるよう、これからも働きやすい環境を整えていきたいと考えています。

【引用】東京センチュリーHP『福利厚生』

このように、余裕をもって働くことのできるリース業界は就活生の印象通り、働きやすい業界であると言えるでしょう。

リース業界の特徴:採用倍率が高く、狭き門

リース業界は採用倍率が高く、狭き門

福利厚生が厚く、働きやすいと言われているリース業界では、例年就活生からの募集が殺到します。しかしながらリース業界は募集人数が少なく、とても狭き門になっていることをご存じでしょうか。

ここでは、リース業界各社の採用人数を同じ金融業界に属する大手銀行と比較してみます。

リース業界と銀行業界売上高上位4社の採用人数比較

リース業界と銀行業界の採用人数比較

【参照】就活四季報2021

上記の図は、リース業界の大手企業と銀行業界の大手企業の採用人数を比較したものです。

応募人数までは分からないものの、リース業界は他の金融業界企業と比べてかなり採用人数が少ないことが分かるでしょう。

ちなみに、採用実績を公開している三井住友ファイナンス&リースの2021年度採用実績のうち総合職は52名でした。また、採用倍率は男性が38.2倍、女性が55.3倍だと公開されています。

あくまでも一例ではありますが、業界比較を通じて、リース業界の採用人数は金融業界他社よりも著しく少なく、「狭き門」になっていることがわかります。

また、リース業界は少人数の採用枠に対して多くの就活生が応募するため、選考では志望度に関する質問の重要度が高くなっています。

unistyleに掲載されているみずほリースの下記選考レポートを見ても、志望度の高さが重要視されていることが読み取れます。

面接・GDなど各選考フローにおいて心がけていたことをお答えください。(100文字以上)

 

・志望度に関する質問をされた時は、しっかり笑顔で第一志望だと答え、その理由も数個用意しておくこと。
・面接官の質問の意図を考えて、回答すること。
・一次面接から最終面接まで、面接官から見た自分のイメージに一貫性を持たせること。

【引用】みずほリース2021年度本選考レポート

そのため、志望度の高さをアピールし、入念な対策をして選考に挑むことが必要となるでしょう。

面接の対策に関する記事は以下からチェックできますので、こちらの記事も参考に面接対策に努めてみてください。

まとめ

リース業界業務内容まとめ

本記事では、リース業界の業務内容や特徴について解説しました。

リース業界のイメージとしてよく言われている「ホワイト」であるがゆえに「選考の難易度が高い」ということは事実であり、内定を勝ち取るためには念入りに準備をする必要があると言えるでしょう。

下記に掲載している記事も参考にし、リース業界への理解を深めてもらえればと思います。

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