化学業界とは?化学メーカーの種類や企業一覧を踏まえて解説!
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最終更新日:2024年11月14日
1.化学業界とは?化学メーカーの種類や企業一覧を踏まえて解説!
2.化学メーカーに将来性はない⁉化学業界の課題や今後の動向をもとに解説
3.化学メーカーはホワイト⁈営業や研究開発などの職種別の仕事内容と共に解説
4.化学メーカーの売上高・年収ランキング|各社の強みも解説【2021年最新版】
5.化学メーカー大手4社(三菱ケミカル・住友化学・信越化学工業・三井化学)の違いを解説!各社の強み・社風・選考プロセスを比較
6.化学メーカーの志望動機の書き方を内定者ES例文をもとに徹底解説!
様々な業界を支えており、社会貢献性の高さが魅力的な化学メーカー。
しかし、ぼんやりとしたイメージを抱くことは出来ていても、化学メーカーの事業内容や化学メーカーの種類について正確に理解している就活生はあまり多くないと思われます。
そこで本記事では、化学メーカーに関する業界研究を化学メーカーとはそもそもどのような企業のことなのか、化学メーカーの種類、化学メーカーの企業一覧の視点から解説していきます。
化学メーカーについて興味があるものの、理解が漠然としている方は、この記事を通じて化学メーカーへの理解を深めましょう。
化学メーカーとは
化学メーカーとは、一体どのような企業を指すのでしょうか?まず初めに化学メーカーの事業内容について確認していきましょう。
化学メーカーとは、一言で言うと化学反応を利用して製品を生み出す企業のことを指します。つまり化学メーカーは、化学製品を生み出す企業とも言えるでしょう。ここで言う化学製品とは、樹脂やゴム、合成繊維の総称です。
化学メーカーは、石油や天然ガス由来の物質を合成や重合を繰り返して製品にしていきます。様々な化学製品の出発原料になる最重要製品が「エチレン」です。エチレンの生産動向は、化学業界全体の活気を見るための指標になります。
化学産業には、他産業に材料を供給する上流の事業から、一般的に最終製品と呼ばれるものを製造する下流の事業まで多様な事業があり、化学メーカーの事業内容は企業によって異なります。「上流・中流(基礎化学品や中間製品)」と「下流(最終製品)」の2種類に大別することができます。
本記事においては、化学産業を日本標準産業分類の「製造業」に含まれる「化学工業」として取り扱います。その概要は以下のようになります。
●化学肥料製造業
●無機化学工業製品製造業
●有機化学工業製品製造業
上流・中流に該当する企業
●三菱ケミカルホールディングス
●住友化学
●信越化学工業
●JSRなど
●油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業
●医薬品・化粧品製造業
●その他の化学工業(農薬、香料など)
●消費財メーカー(P&Gや花王など)
上記の各製造業の詳しい説明については後ほど説明します。以下、化学メーカーについてポイントをまとめます。
- 化学メーカーとは、化学反応を利用して製品を生み出す企業のこと。
- 化学産業には多様な事業があり、化学メーカーの事業内容についても企業によって異なる。
化学メーカーの種類
これまで解説してきた化学メーカーは、上図のように「上流・中流」と「下流」の大きく2種類に大別することができ、また更に6つに細かく分けることができます。本記事を通じてそれぞれの違いを理解し、頭の中を整理していただければと思います。
また化学メーカーは、様々な職種が存在しており、正確な理解が難しいです。化学メーカーはホワイト⁈営業や研究開発などの職種別の仕事内容と共に解説の記事では、化学メーカーの職種・仕事内容について社員インタビューを掲載しながら分かりやすく解説していますので、本記事と併せてご覧いただければと思います。
既述した化学メーカーの種類について、再掲します。
これから各製造業について、身近な製品を取り上げながら説明していきます。
化学肥料工業製造業
化学肥料工業製造業の製品は、その名の通り化学肥料です。化学肥料工業製造業には、窒素質・りん酸質肥料製造業などが存在します。
丈夫な植物を育てるためには栄養が必要ですが、最も土壌中で不足しやすく、その施用が経済的に大きな効果をもたらすのは肥料三要素と呼ばれる窒素、リン、カリウムであり、窒素質・りん酸質肥料製造業が存在するのはこのためです。
農林水産省|肥料をめぐる事情
有機化学工業製造業
有機化学工業で生み出される製品は、一言で言うと有機化合物です。この有機化合物とは、「炭素が原子結合の中心となる物質の総称」を指します。
この有機化学工業製造業には、石油化学工業などが含まれています。この石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料として様々な生産工程を経て、合成樹脂、合成繊維原料、合成ゴムなど多種多様な化学製品を製造する産業です。石油化学製品は日常生活のあらゆる分野に使われ、私たちの生活向上に大いに貢献しています。
とりわけ日本の産業が自動車、コンピュータ、電子・電気機器など高度組立産業を中心に世界的に高く評価されているのは、優れた品質と機能を持った石油化学製品が重要な役割を果しているからだと考えられます。
具体的な製品としては、プラスチックや合成ゴムなどが該当します。
一例ですが、信越化学工業は塩化ビニル樹脂のシェア世界1位を誇っており、半導体シリコンなども同じく世界1位を獲得しています。
無機化学工業製造業
無機化学工業で生み出される製品は、有機化合物とは反対に無機化合物です。この無機化合物とは、有機化合物以外の全ての化合物を指します。
この無機化学工業製造業は、ソーダ工業が代表的です。このソーダ工業とは、よく口にする飲み物のソーダではなく、塩を原料に幅広い産業分野の原料・副原料、反応剤などに使われる化学薬品を製造する工業で、基礎素材産業の一つです。
ソーダ工業で生まれる化学製品は、様々な産業分野で直接的または間接的に使用され、私たちの生活に欠かせない各種製品を作るうえで役立っています。
このため、ソーダ工業の発展の度合いがその国の経済活動や産業発展の一つの目安になるとも言われ、国民生活の向上と産業活動の発展に重要な役割を果たしています。
一例ですが、東ソーは苛性ソーダの国内シェア率1位となっています。
油脂化学工業製品、石けん、合成洗剤、界面活性剤、塗料製造業
油脂化学工業製品、石けん、合成洗剤、界面活性剤、塗料製造業での製品は油脂製品です。この油脂製品は「食用加工油脂」、「油脂化成品」、及び「洗剤・石鹸」の三つに大別されます。
食用加工油脂と洗剤・石けんは、私たちの普段の生活の場で使われることが多いです。
それに対し、油脂化成品は原料や添加物として塗料、ゴム・プラスチックをはじめ、紙・パルプ、鉄鋼・機械金属、鉱業、農業など非常に多くの産業で役立っています。
油脂工業会館|油脂産業のご案内
医薬品・化粧品製造業
医薬品・化粧品製造業での製品は、その名の通り医薬品や化粧品です。
具体的には、香水などの仕上用・皮膚用化粧品、歯磨き粉などの歯磨・化粧用調整品が挙げられます。
ちなみに、化粧品の2019年の国内メーカーシェアは資生堂が13.2%でトップ、花王が 12.1%で第2位となっています。
その他製造業
その他製造業には上記の区分に該当しない製造業が含まれ、多数の製品が存在します。
具体的には、火薬類、農薬、香料、ゼラチン・接着剤などのほか、これらにも分類されない化学工業製品が該当します。
一例ですが、香料の国内シェア1位は高砂香料工業で全体の約3割を占め、2位に長谷川香料で約2割を占めています。
化学メーカーの企業一覧
既述したように、化学メーカーは事業内容の幅が広く、各社によって事業内容が異なることから業界全体の全体観を掴むことが少し難しいと思われます。
そこで化学メーカーを「上流・中流」、「下流」別にまとめた図を作成しました。頭の中をクリアにするためにぜひご覧いただければと思います。
また、下図に掲載されている企業の企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)のリンクも掲載しているので、そちらも併せてご覧ください。
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最後に
いかがでしたでしょうか。化学メーカーは他の業界とは異なり、商材の区分が複雑であったり、各企業によっても企業の特徴や特徴が大きく異なるだけに、正確な理解が難しいと言えます。
unistyleでは化学メーカー各社についてエントリーシートを中心に選考対策記事を多数掲載していますので、化学メーカーに興味を持った学生は是非参考にし、更に理解を深めてください。