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清水建設・竹中工務店・鹿島建設・大成建設・大林組の事業・社風・選考比較【unistyle​業界研究】

掲載開始日:2017年01月05日
最終更新日:2017年01月05日

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2020年の東京五輪に向けて、注目が集まっている業界の一つに建設業界があります。最近では、新国立競技場の建設を巡って、大成建設が提示した事業案が、竹中工務店・清水建設・大林組による案を抑えて採用されるなど、建設業界各社の争いは日に日に強まっているように感じられます。
本記事では、そんな建設業界を引っ張っている「スーパーゼネコン」、清水建設・竹中工務店・鹿島建設・大成建設・大林組に関して、その業績や選考に至るまで幅広く考察していきたいと思います。是非業界研究の参考にしてみてください。

ゼネコンの事業内容・ビジネスモデル

一口に建設業界と言っても、工事内容や施工技術の違いなどから様々な業種があります。いわゆるスーパーゼネコンと呼ばれる企業の職種内容を明確に理解している就活生はあまり多くないと感じられますので、まずはその事業領域から理解していきましょう。

建設業法では、工事を「一式工事(2種類)」と「専門工事(26種類)」に分類しています。このうち一式工事、すなわち土木一式工事または建築一式工事を請け負うものを、「総合請負業者(ゼネコン)」、大工工事や左官工事などの専門工事を請け負うものを「専門工事業者(サブコン)」と呼んでいます。皆さんが「建物を建てる」と聞いて、工事現場で働く方を思い浮かべる場合、そうした仕事を実際に行っている方は専門工事業者に当たります。

大林組の新卒採用HPに載っている図を参照すると、各業種の関係図を理解しやすいと思いますので掲載します。

(出典:大林組新卒採用HP)

いわゆる「ゼネコン」と呼ばれる総合建設業の仕事内容を簡単にまとめると、「土木・建築工事を発注者(不動産会社など)から請け負い、企画提案や設計を行った後に、専門工事業者をマネジメントしながら建物を造ること」と言うことができます。

この関係図を理解した上で、ゼネコンの事業内容を見ていきましょう。大きく次の4つに分けて考えることができます。


①建築事業
これが皆さんのイメージする仕事内容に一番近いでしょう。オフィスやマンション、商業施設など、様々な建築物を造り出す事業に当たります。大林組であれば虎ノ門ヒルズや東京スカイツリー、大成建設であればあべのハルカスや東京ミッドタウンなど、ひとたび建設されればたちまち話題となるような建造物を数多く手掛けています。

②土木事業
トンネルやダム、鉄道や高速道路など、人々の生活に無くてはならないインフラ設備を整えるのが土木事業です。皆さんの馴染みのある事業としては、2012年に鹿島建設が手掛けた東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事などがあります。

③開発事業
全国の再開発案件に積極的に取り組み、事業協力者や特定業務代行者として機能します。近年では、大林組や竹中工務店、鹿島建設が、三井不動産の進める日本橋地区の再開発を請け負っています。

④新領域事業
​再生可能エネルギー創出事業やPPP事業(官民協力の形態の一つ)など、新領域の事業拡大を図っています。太陽光発電所の建設などがこの領域に当たります。
 


建設業界を取り巻く環境

ここからは、建設業界を取り巻く状況を見ていきましょう。

2015年10月に国土交通省によって発表された「建設投資見通し」によると、政府・民間を含めた建設投資額(土木・建築)は、1992年度の84兆円をピークに年々減少を続けており、2010年度には41.9兆円と、ピーク時の約50%まで減少しました。11年度に震災復旧需要で増加に転じ、3年連続して増加していましたが、15年度は前年度5.5%減となる見通しとなりました。

実際に、2015年度の国内建設市場について公共投資は減少したものの、製造業を中心とする民間需要の高まりから建設投資全体では底堅さを維持した中で、労務費や資材費の動向が落ち着くなど、市場環境に改善が見られました。

ですが、浮かれてばかりもいられません。上述した震災復興と2020年の東京五輪によって、業界全体として絶好の経営環境にあると考えられがちですが、現場では「仕事はあるけれども人手が足りない」という問題が深刻化しているようです。特に20~30代の建設業就業者数は減少の一途を辿っており、人手不足の解消が、課題となっているようです。

これに対し、政府は本格的に対策を打ち出し始めました。2013年度からは、建設事業従事者の賃金上昇を実現するために公共工事設計労務単価の引き上げを開始し、2016年の改定では、2012年度に比較すると35%もの大幅改善となっています。また新規学卒者の建設業への就職も、幾分底打ちの兆しをみせてはいます。

今後は人手不足の解消を図りつつ、人口減少に伴う国内市場の停滞を考慮し、海外展開を視野に入れた経営が求められていると考えられます。


事業内容から考えるゼネコンが求める人材

ここからは、そんな建設業界に求められると考えられる力を、大成建設の新卒採用HPと、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を参照しながら考えていきたいと思います。

当社は1873年の創業以来、140余年の歴史を重ねてきました。そこに私たちが新しい歴史を積み重ねるべく、昨年は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムである新国立競技場整備事業の優先交渉権者に選定されました。また、リニア中央新幹線のトンネル工事の中で、高度な技術が要求される南アルプストンネル工事(山梨工区)の施工を他工区に先駆けて着手するなど、確実に歩みを進めています。《中略》

建設業には、働くやりがいと苦労、それに、ものづくりの素晴らしさが詰まっています。ひとりではできないことを、技術系や事務系を問わず、皆の知恵と技術を集めて成し遂げる達成感を感じながら、建造物という形に表現していく過程で、私たち自身も成長していくことができる魅力のある仕事です。私たちが手掛ける「地図に残る仕事。」は、お客様の想いとともに、私たちの「建設」への使命感と誇りと、笑顔も涙も全てを詰め込んで、後世に残していく仕事なのです。

時代とともに新たな社会的課題が生まれます。また、人々の価値観はこれから益々多様化していくことでしょう。そのような中でも常に高い目標を掲げ、次世代に向かって熱い想いを持って、私たちと共にものづくりをしたいと思う皆さんとお会いできることを楽しみにしています。


引用:大成建設新卒採用ホームページ「トップメッセージ」


上述のトップメッセージを要約すると、ゼネコン業界で働く上では、他部署や他業界と協力し合いながら、新しい建造物を世に生み出していく力が強く求められているようです。

以上のことをまとめると、建設業界には、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」や「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」、「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」といった素質が求められると考えられます。

各社の業績比較と分析ならびに各社の社風・風土

ここでは、各社の決算情報資料から、売上高比較を行います。2015年度の連結売上高が高い順番に載せています。

※建設事業とは、土木事業+建築事業のことを指します。
※大林組の開発事業の数値は、決算資料に則って不動産事業の業績を掲載しました。
※竹中工務店は、2015年1月〜12月の会計期間における業績を掲載しています。(他社は2015年4月〜2016年3月。)

2015年度の連結決算では、大林組が業界首位に立つ結果となりました。しかし上位社の間に大きな差は見られず、外部環境の変化によって業界順位も変動しやすい業界であると考えられます。就活生の皆さんは、単に「業界1位だから」といった理由で企業を選ばずに、OB・OG訪問や説明会等への参加を通じて、真に行きたい企業を探すように心がけましょう。


①清水建設
2015年度連結売上高では、僅差で業界3位となった清水建設。
同社は、2010年に公表した長期ビジョン「Smart Vision 2010」において、「スマートソリューション・カンパニー」を目指す意向を掲げました。

このビジョンを遂行するため同社は、建設事業の競争力強化と共に、「ストックマネジメント事業(投資開発や竣工後の施設運営管理サービスなど)」、「グローバル事業」、「サステナビリティ事業(環境・エネルギー分野での成長)」の3つを次世代の収益基盤とするようです。


②竹中工務店
業績ではスーパーゼネコン最下位ながら、長期的な社会価値向上に重きを置いているのが竹中工務店です。
これを可能にするのが、スーパーゼネコン内で唯一の「非上場企業」であるという事実です。

建築主や建物に関わる人たちの想いの実現を何よりも大切に考え、新たな建築物を世に生み出しています。それらの姿勢を貫くために、株式を公開しない非上場での経営を行っています。


③鹿島建設
業界2位に位置し、積極果敢に挑戦する「進取の精神」を掲げている同社。
今後は、国内市場に満足せず、積極的な海外展開を視野に入れた経営を進めていくようです。

東京五輪後の2020年以降にも存続する企業であるために、「高利益体質の構築」や鹿島道路や大興物産などと協力した「グループ一体の事業戦略」を中期経営計画において掲げました。


④大成建設
開発事業に圧倒的な強みを持っているのが、大成建設です。
2015年には、2020年東京五輪のメインスタジアムである新国立競技場整備事業の優先交渉権者に選定され、またリニア中央新幹線のトンネル工事の中で、高度な技術が要求される南アルプストンネル工事の施工を他工区に先駆けて着手するなど、確実に歩みを進めているようです。

「自由闊達」な風土を活かし、今後も海外進出や都市開発に注力していくようです。


⑤大林組
2015年度の連結決算において、業界1位となる1兆7,700億円を記録した同社。
「2050年エレベーターで宇宙へ」を目標に抱げ、宇宙エレベーターの建設を目指すなど、ユニークな事業にも挑戦しているようです。

2015年に公表した「Evolution 2015」では、新たな収益源を創出する目的で「新領域事業」を掲げ、新たな再生可能エネルギー発電事業の創出を中心に、収益基盤の多様化を図っていく意向を示しました。


各社の選考について

ここからは各社の総合職事務系に関して、選考情報を紹介していきます。竹中工務店に関しては、unistyleに本選考情報の掲載が無かったため、ここでは他の4社の選考状況を見ていきましょう。

①清水建設
清水建設では例年、理系で200名ほど、文系では30名ほどの採用を行っています。

ES提出→座談会形式の面接(集団@支社)→現場見学会→二次面接(集団@支社)→一次面接(集団@本社)→最終面接(個人@本社)

参考:本選考情報 (総合職事務系)

ESを提出するとリクルーターがつき、OB訪問の手配や面接練習まで幅広く相談に乗っていただけるようです。

本社での面接までに、支社での2回の面接を乗り越える必要があるようです。

全4回の面接は一貫して志望動機や自己分析などの、オーソドックスな質問がほとんどのようですが、ストレス耐性を測るために圧迫気味で面接が進むことが多いようです。
また「スーパーゼネコン5社の違いを述べよ」といった業界研究の深さを問われる質問もあるようですので、以下の記事を参考に、しっかりと面接対策を行いましょう。


②竹中工務店
竹中工務店は近年採用人数を増やしており、2015年4月には理系170名、文系で約30名の採用を行いました。


③鹿島建設
鹿島建設も採用人数を増やしており、2015年4月には理系約150名、文系約30名の採用を行いました。

ES提出→一次面接(個人)→二次面接(個人)→最終面接(個人)

参考:鹿島建設 本選考情報(事務系)

全ての面接が20分〜30分の個人面接で行われ、また鹿島建設同様、全体としては厳かな雰囲気で行われます。
質問項目は志望動機や自己PR、キャリアパスなどのオーソドックスなものから、「日本企業が新卒にこだわって採用を行う事についてどう考えるか 」、「社会人として働くこととなった場合、責任感、チャレンジ精神、高い倫理観のどれを重視したいか」といった、その場で意見を求められる質問も投げかけられるようで、自分の意見を焦らずしっかりと述べることが評価に繋がるようです。


④大成建設
2016年4月には総合職で約270名、専任職で20名の採用を行うなど、特に総合職での採用人数を近年大幅に増やしています。

ES→筆記試験→リクルーター面談3回→人事面接(個人)→最終面接(個人)

参考:大成建設 本選考情報

リクルーター面談を通じて、志望動機や自己PRのブラッシュアップを行ってもらえるようで、2回目の面談後に人事に推薦するように告げられるようですので、それまでにしっかりと自分をアピールしましょう。

人事面接や最終面接は、15分〜25分ほどの個人面談となっており、現場の仕事理解から自己分析に関する質問まで幅広くなされるようです。臨機応変に応える力があるかどうかを見られているようだと感じた学生もいるようですので、雰囲気に飲まれず、自分の言葉で意見を伝えましょう。企業に対する熱意をしっかりと伝えることも忘れないでおきましょう。


⑤大林組
例年、文系では40人、理系では230名ほどの採用を行っているようで、徐々に採用人数を増やしているようです。

ES→一次面接+筆記試験(集団)→筆記試験(テストセンター)→二次面接(集団)→最終面接(集団)

参考:大林組 本選考情報

一貫して集団面接が行われ、時間も一次面接では45分、二次は60分、最終は90分と、比較的長いものとなっています。

「学校・学部・学科名、学生時代に勉強してきたこと、学業以外に力を入れてきたこと、建設業を志望した理由、大林組を志望した理由、現在の就職活動の状況」の6点について3分で話す、という独特のスタイルがどの面接でも取り入れられており、熱意を持って簡潔に応えることが求められていると考えられます。

最後に

いかがだったでしょうか。今回はスーパーゼネコン5社を紹介させていただきました。各社の収益規模に大きな差がない分、社風や人などで会社を選ぶことも必要になるように思われます。OB・OG訪問や座談会、リクルーター面談を通じて、可能な限り多くの社員の方と会い、雰囲気の違いをしっかりと掴んでから本選考に臨むよう意識するといいのではないでしょうか。

photo by Andreas Brændhaugen

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