ゼネコンとは?意味やサブコン・マリコンとの違いを解説|企業一覧表も掲載
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最終更新日:2021年09月30日
【建設業界完全版】業界研究から選考対策、スーパーゼネコン5社の特徴までを解説
1.ゼネコンとは?意味やサブコン・マリコンとの違いを解説|企業一覧表も掲載
2.今後の建設業界は海外展開とICTがカギ⁉最新動向・課題を踏まえて解説
3.ゼネコンの仕事内容を職種別に解説【営業・設計・施工管理・設備・研究開発】
4.ゼネコン13社の売上高・平均年収・採用人数ランキング【2021年最新版】
5.スーパーゼネコン5社の違いを事業内容・社風・選考プロセスの観点から解説|鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店
6.建設業界の志望動機の書き方を内定者のES例文をもとに徹底解説!
事業規模の大きさや社会貢献性の高さが魅力的なゼネコン。
しかし、ぼんやりとしたイメージを抱くことは出来ていても、ゼネコンの定義やプロジェクトの流れについて正確に理解している就活生はあまり多くないと思われます。
そこで本記事では、ゼネコンに関する業界研究をゼネコンの定義、サブコン・マリコンとの違い、ゼネコンの企業一覧、ゼネコンにおけるプロジェクトの流れなどの視点から解説していきます。
ゼネコンについて興味があるものの、理解が漠然としている方は、この記事を通じてゼネコンへの理解を深めましょう。
ゼネコンとは
ゼネコンとは、一体どのような企業のことを指すのでしょうか?まず初めにゼネコンの定義について確認していきましょう。
ゼネコンは何の略?
「ゼネコン」という言葉の定義についてですが、厳密な定義は存在せず、general contructor(ゼネラル・コントラクター、総合請負者)の略称から「ゼネコン」と呼ばれています。
上述したコントラクターとは、建設工事分野の請負者のことです。ゼネコンの「general」は、特定の工事を請け負うspecial contructor(スペシャル・コントラクター・専門工事業者)や、元請業者から工事を一部請け負うsubcontructor(サブコントラクター)と区別する意味で使われています。
ゼネコンの意味
続いては、ゼネコンに「general」が使われる理由について更に詳しく説明します。
ゼネコンは「設計」「施工」「研究」の3つを自社内で全て完結させることができ、且つ売上高が大きい企業のことを指します。工務店や建設会社などは、上記の3つの工程を全て自社で行うことはありません。設計から研究まで一括で管理できるからこそ、プロジェクトのリーダー的な立ち位置で引っ張ることが求められています。
欧米などでは、これら3つの工程を全て自社で完結できる企業は大変少なく、日本のゼネコンは稀有な存在だと言えます。
以下、ゼネコンについてポイントをまとめます。
- general contructor(ゼネラル・コントラクター)の略称からゼネコンと呼ばれており、ゼネコンの厳密な言葉の定義は存在しない。
- ゼネコンは「設計」「施工」「研究」を自社内で全て完結でき、且つ売上高が大きい企業のことを指す。
サブコン・マリコンとの違いとは
これまで解説してきたゼネコンと呼ばれる企業群が属する建設業界には、「サブコン」、「マリコン」と呼ばれる別の企業群が存在します。ゼネコンと混合しやすいので、ぜひ本記事を通じてそれぞれの違いを理解していただければと思います。
「サブコン」や「マリコン」について説明する前に、まずは建設業界全体の構図を理解していきましょう。下図は、建設全体の構図を図式化したものです。
建設業界は、上図の構造のような重層下請構造になっています。
この重層下請構造とは、工事全体の総合的な管理監督機能を担う元請(上図のスーパーゼネコンや場合によってはゼネコン)のもと、中間的な管理機能を担う1次下請(上図のゼネコンや場合によってはサブコン)、更に細分化された機能を担う2次下請(上図のサブコンや場合によっては孫請け企業)から形成される構造のことを指します。
上図のスーパーゼネコンとは、売上高が1兆円を超える上位5社のゼネコンのことを一般的に指し、建築・土木ともに日本を代表する建設工事を手掛けています。
上記の5社とは、「大林組」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」「竹中工務店」です。スーパーゼネコン5社の違いを事業内容・社風・選考プロセスの観点から解説|鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の記事では、このスーパーゼネコン5社について社風や、選考対策の観点から分かりやすく比較・分析しているので、ぜひ本記事とあわせてご覧いただければと思います。
サブコンとは
既述しましたが、サブコンとはスーパーゼネコンなどの元請業者から工事を一部請け負う業者のことを指し、subcontructor(サブコントラクター)の略称です。
サブコンは塗装工事や電気設備工事といった専門工事をそれぞれ担っています。
建設工事全体のマネジメントについては、スーパーゼネコンやゼネコンの現場監督が行い、サブコンの現場監督が自社の職人の施工管理を行います。
マリコンとは
マリコンとは、marine contructor(マリン・コントラクター)の略称です。マリコンは、ゼネコンの中でも海洋土木を専門に取り扱うゼネコンのことを指します。
防波堤などの沿岸の護岸、海底工事・海底トンネル工事などを得意とし、高い専門性を持っています。日本のマリコンは世界的に見ても評価が高く、国内だけでなく海外の工事を受注することもあります。
また海洋土木には起重機船や深層混合処理船、浚渫船(しゅんせつせん)をはじめとする大型の専門船や専門的な技術が多数必要になります。そのため、陸上での土木を主力とするゼネコンの参入は難しい状況となっています。
東洋建設株式会社|東洋建設講座
建設業界の企業一覧(ゼネコン・サブコン・マリコン)
既述したように、建設業界は重層下請構造になっていることから業界全体の全体観を掴むことが少し難しいと思われます。
そこで、建設業界を階層別にまとめた図を作成しました。頭の中をクリアにするためにぜひご覧いただければと思います。
また、下図に掲載されている企業の企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)のリンクも掲載しているので、そちらも併せてご覧ください。
尚、下図の「準大手ゼネコン」とは、売上高が3000億円を超え、スーパーゼネコンに次ぐ規模を誇るゼネコンのことを一般的に指します。
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ゼネコンにおけるプロジェクトの流れ
続いてゼネコンへの理解を更に深めていただくため、ゼネコンにおける一般的なプロジェクトの流れについて説明していきます。
一般的なプロジェクトの流れは、以下の通りです。
これから各プロセスについて説明していきます。
営業・企画提案
まず初めに行うのは、営業・企画提案です。
ゼネコンにおけるプロジェクトの大きな特徴は、既に完成しているモノを顧客に購入してもらうのではなく、請負契約を締結した後に工事が始まる「単品受注生産」方式である点です。
上記の請負契約とは、請負人(ゼネコン)が仕事を完成させることをクライアントに約束し、その結果に対して報酬が支払われる形式の契約です。
請負契約を獲得することが、全てのプロジェクトの起点であり、請負契約獲得のためにクライアントからの信頼を得る営業活動が展開されることになります。プロジェクトは一件当たり数千万円から数十億円、ときには数百億円規模になります。
またこの段階で建築構想の情報収集や、受注可能性の検討についても行われます。
設計・積算
請負契約締結後の次のステップは、設計・積算です。
ここで言う設計とは、クライアントのニーズを的確にキャッチしたうえで、技術やアイデアを駆使し、それを実際に図面上に落とし込んでいく仕事のことです。
また、上記の積算とは建設業界特有の仕事であり、設計図や仕様書から材料、建設に関わる人件費や諸費用を計算したうえで、建造物を建設するために必要な全体の工事費の見積もりを算出する仕事です。
クライアントの要望通りに工事を進めると、予算を超えてしまうことがあり、予算内で建造物を完成させるためには、様々な方法やアイデアが求められることもあります。「単品受注生産」である建設工事においては極めて重要な仕事です。
設計・積算の担当者は、営業担当とともに様々なアプローチで提案活動を展開し、クライアントに理解・納得されると、晴れて受注となります。
着工・施工
設計と予算が決まって契約が締結されると、着工・施工の段階に移行します。着工とは工事を開始することを指す言葉で、施工とは工事を行うことを指す言葉です。
施工の現場では作業所長を中心としてプロジェクト実現に適した施工体制を組織し、施工の最前線においてはQCDSEという言葉のもと、作業に取り掛かります。
このQCDSEとは、Quality(品質) 、Cost(費用)、Delivery(工期)、Safety(安全) 、Environment(環境)それぞれの頭文字を取った施工管理においてよく使われる言葉です。
竣工・引渡し
施工が終了し、官庁や顧客の検査を全てクリアすれば完成となります。この工事が終わることを竣工と言います。
そして完成した建造物はクライアントへ引き渡されます。
プロジェクトに関わった全ての関係者にとって、この竣工・引渡しが最も仕事の喜びややりがいを実感する瞬間です。
アフターサービス
クライアントへ建物を引渡した後も、ゼネコンは継続的な保守・管理を行うとともに、施設環境の運営計画を立て、長期的に建物の品質を保証していきます。
以上が、ゼネコンの一般的なプロジェクトの流れです。
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最後に
いかがでしたでしょうか。ゼネコンは他の業界とは異なり、企業群が複数形成されていたり、建設業界特有の言葉や職種が多数存在するだけに、正確な理解が難しいと言えます。
unistyleではゼネコン各社についてエントリーシートを中心に選考対策記事を多数掲載していますので、ゼネコンに興味を持った学生は是非参考にし、更に理解を深めてください。