今後の建設業界は海外展開とICTがカギ⁉最新動向・課題を踏まえて解説

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最終更新日:2021年09月24日

【建設業界完全版】
【建設業界完全版】業界研究から選考対策、スーパーゼネコン5社の特徴までを解説
1.ゼネコンとは?意味やサブコン・マリコンとの違いを解説|企業一覧表も掲載
2.今後の建設業界は海外展開とICTがカギ⁉最新動向・課題を踏まえて解説
3.ゼネコンの仕事内容を職種別に解説【営業・設計・施工管理・設備・研究開発】
4.ゼネコン13社の売上高・平均年収・採用人数ランキング【2021年最新版】
5.スーパーゼネコン5社の違いを事業内容・社風・選考プロセスの観点から解説|鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店
6.建設業界の志望動機の書き方を内定者のES例文をもとに徹底解説!

事業規模の大きさや社会貢献性の高さが魅力的な建設業界。

しかし、ぼんやりとしたイメージを抱くことは出来ていても、「建設業界の動向」や「建設業界が抱えている課題」、「建設業界の今後の動き」について正確に理解している就活生はあまり多くないと思われます。

そこで本記事では、建設業界に関する業界研究を建設業界の動向や市場規模、課題、今後の取り組みなどの視点から解説していきます。

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建設業界の市場規模・動向

建設業界の市場規模・動向

本記事では、まず建設業界の市場規模について確認します。

建設業界の市場規模

まず初めに建設業界の規模を認識していただくために、総務省が発表している資料をもとに全産業のGDPの内訳を業界別にまとめたグラフを作成しましたので、下図をご覧ください。

2018年全産業の実質GDP規模

上図が示しているように、建設業界は様々な業界がある中で全体の5.5%(26.7兆円)を占めており、比較的規模の大きい業界だと言えるでしょう。

他の業界と建設業界を比較して建設業界の規模について理解できたところで、続いては建設業界の成長率や動向について理解を深めていただくため、日本国内の建設投資額の推移を見ていきます。

建設業界の動向

以下は、政府投資・民間投資を区別して日本国内の建設投資額の推移をグラフにまとめたものです。なお政府投資とは、一般的に公共事業を中心とする建設投資のことを指します。

【建設業界】国内建設投資額推移グラフ

近年の建設業界は東日本大震災の復興需要、東京五輪関連の建設需要を背景に好調な推移を見せていました。バブル崩壊、2008年のリーマンショックなど長期にわたり低迷していた建設業界にとって、好景気・好循環期といえる状況でした。

ところが、2020年1月より世界的に広まった新型コロナウイルス感染拡大の影響は、好景気であった建設業界にも及ぼし、東京五輪関連の建設需要もピークを過ぎたことから、2020年の建設投資額は減少しました。

ゼネコンをはじめとする建設業界各社は、この新型コロナウイルス感染拡大による社会変化に対応できるかがカギとなりそうです。

建設業界の課題

建設業界の課題

続いて建設業界が抱える課題について、国土交通省が発表している「建設産業をめぐる現状と課題」をもとに解説していきます。

建設業界が抱えている主な課題は、以下の2点が挙げられます。

  • 次世代の担い手の確保・育成
  • 生産性の向上

以下、一つずつ細かく見ていきます。

次世代の担い手の確保・育成

1点目の「次世代の担い手の確保・育成」についてですが、建設業界では、人手不足と高齢化が深刻な課題となっています。以下のグラフをご覧ください。

建設業界年齢分布グラフ

平成29年時点にて全産業では55歳以上が29.7%占めているのに対し、建設業界では34.1%を占めています。また全産業で29歳以下が16.1%占めているのに対して、建設業界では11.0%占めています。

実数ベースでは、平成28年と平成29年を比較して55歳以上が約3万人増加、29歳以下が約1万人減少しており、建設業就業者全体の人数は、平成9年の985万人をピークとして平成30年には503万人にまで減少している状況となっています。

建設業界は他の業界と比較して若い世代の人数が少なく、高齢化が進んでいる状況にあり、今後人手不足が更に深刻化する可能性があると言えます。

生産性の向上

建設業界が抱える2点目の課題として「生産性の向上」が挙げられます。上述した高齢化と人手不足が深刻化する建設業界において、業界全体の生産性向上は不可欠であり、国土交通省は以下の2点に注力するとしています。

  • 建設工事時期の平準化
  • ICTソリューションの活用

(1)建設工事時期の平準化

生産性向上に向けた1つ目の施策は、建設工事時期の平準化です。

下図のように建設業界では閑散期と繁忙期があり、時期によって建設工事件数に波がある状況となっているため、閑散期に収入が不安定になったり、繁忙期に技術者不足や長時間労働が生まれるといった数多くの弊害が発生してしまっています。

建設工事の月別推移

そのため、国土交通省は担い手3法(公共工事の品質確保の促進に関する法律、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)を改正し、「将来にわたって公共工事の品質確保とその担い手の中長期的な育成・確保」を理念に掲げて解決に向けて取り組んでいます。

(2)ICTソリューションの活用

生産性向上に向けた2つ目の施策は、ICTソリューションの活用です。国土交通省では、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指すとしています。

具体的には、ドローンを用いた測量や3次元データをパソコンで確認するといったICT化が進められています。

鹿島建設は、2018年度に将来の就業者不足への対応と働き方改革を目的として、建築の生産プロセスを変革する「鹿島スマートビジョン」を策定し、「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」をコアコンセプトとして2024年度までに生産性を3割向上することを目標にしています。

具体的には、従来の3次元情報に加えて数量、時間情報、維持管理情報を含めた6次元の情報とし、企画・設計から建物管理まで建築プロセスにおけるデジタル化を促進する動きなどが挙げられます。

建設業界の今後

建設業界の今後

続いて建設業界の今後について説明していきます。建設業界の今後を捉える上で押さえておきたいポイントは以下の3点です。

  • 社会インフラの維持管理・更新コストの増加
  • 海外展開の推進
  • スマートシティへの進出

以下詳しく説明していきます。

社会インフラの維持管理・更新コストの増加

建設業界の今後の動向を考えていくうえで、1点目の「社会インフラの維持管理・更新コストの増加」の観点は外せません。

以下の表は、2018年、2023年、2033年の各年代ごとの建築後50年以上経過すると想定される社会インフラの割合をまとめたものです。

建設後50年以上経過する社会資本の割合

上記の表から読み取れるように、日本の社会インフラは今後老朽化が進行していくと想定されています。

日本は少子高齢化が今後更に加速し、それに伴って新設工事の需要は減少するとされていますが、社会インフラの維持・管理には当然建設業界が関わるので、建設業界の仕事の需要は今後も根強く残ると考えられるでしょう。

海外展開の推進

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スマートシティへの進出

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建設業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

建設業界志望者向けオープンチャットグループ

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最後に

最後に

建設業界の動向は、災害やオリンピックといった社会動向と関連して変化する傾向にあります。

ですので、建設業界の動向のみならず、世の中全体を俯瞰する視野の広さも必要だと言えそうです。本記事が読者の皆さんの業界研究のお役に立てれば幸いです。

unistyleでは建設業界各社についてエントリーシートを中心に選考対策記事を多数掲載していますので、建設業界に興味を持った学生は是非参考にし、更に理解を深めてください。

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