【伊藤忠商事のES対策】求める人材を理解して採用レベルの志望動機へ

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最終更新日:2022年02月02日

伊藤忠商事の本選考ES一覧はこちら

伊藤忠商事は近年、三菱商事などと並び総合商社の中でもトップクラスの人気を誇る企業になります。

非財閥系の雄ということで、少し前の採用HPでは「野武士集団」、「一対一では負けない」など他社に比べて独自色の強い企業となっています。

伊藤忠商事のエントリーシートは他社に比べても独特な形式であり、エントリーシートだけでは応募者の人柄がわかりにくいのですが、面接でどんなことを聞きたいかがはっきりとわかる内容になっており、求める人材像とともに面接での質問内容がわかります。

今回も働き方のケースに加えて、エントリーシートからどのような人材が求められているのか解説したいと思います。なお総合商社が求める人材というのは基本的には同じです。下記の他社の解説はぜひ参考にしてください。
こちらは各商社のES対策記事になります。同業ということもあり、働き方・求める人材に大きな違いはないので参考になるでしょう。

参考:三井物産のES解体新書|設問から求める人物像を考察してみた
参考:【内定ES有】丸紅のインターンES(エントリーシート)対策
参考:三菱商事|求める人材と解説付きES

本選考とインターンの締め切り情報

伊藤忠商事の働き方

現在、私は伊藤忠のプライベートブランドタイヤの販売や品質管理、パートナーの開拓を主に担当しています。

商社はビジネスモデル上、メーカーブランドの製品を販売することが多く、メーカーさんが自社でメーカーブランドを販売するようになると、一瞬で販売する商材がなくなるリスクも抱えているということ。メーカーさんとの取引がストップすれば伊藤忠のビジネスそのものがストップしてしまうため、商社自身が自社ブランドを所有し、手がけることには大きな意味があります。

ただ、これは伊藤忠にとっては未知への挑戦。タイヤ製造のノウハウは当然ありませんし、自社ブランド製品として市場に販売する以上は大きな責任が伴います。特にタイヤは安全に関わるものですし、品質管理においては厳格な基準を儲けて慎重に慎重にマネジメントしていかなければなりません。

正直、我々としても慎重に一歩一歩進めているという状況ではありますが、新しいチャレンジングな仕事に携わるというのは楽しいですね。リスクをきちんと把握してマネジメントしながらこのモデルが確立されれば、将来的には商社の新しい可能性を切り開くこともあり得るのではないかと思っています。険しい道のりではありますが、成功を固く信じて、一歩一歩着実に足を進めていきたいと考えています。
商社の仕事は上記にある通り、メーカーの自社ブランドの販売を手がけていましたが、近年では事業投資により、自社でブランドを展開して販売する事業にも手を広げています。
今までに確立されていない商社独自の自社ブランド販売というビジネスモデルを確立できると、メーカーブランドの卸をしている時に比べて利益率が跳ね上がります。
独自ブランドの販売のノウハウはないため、買収したタイヤ関係の事業会社や自社がこれまで取引のあったタイヤの販売先など様々な関係者の協力を得ながらビジネスを成功に導く必要があります。
このような総合商社のビジネスでは下記のような人材が求められると言えます。
①ノウハウや正解のない中で、決断・実行し、成果をあげることのできる人材
②組織や地域など周囲に対して、新しい仕組みやモデルなどの変化や変革を提供することのできる人材
③主体的にリーダーシップを発揮して、組織やチームに働きかけて成果をあげることのできる人材
④価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることのできる人材

伊藤忠商事のES設問

あなたの一番の挑戦は何ですか。(20文字以内)

あなたの一番の失敗は何ですか。(20文字以内)

自分の好きな点は何ですか。(20文字以内)

自分の嫌いな点は何ですか。(20文字以内)

あなたのこだわりを教えて下さい。(20文字以内)

やりがいを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内) 日頃継続して行っている習慣を教えて下さい。(20文字以内)

あなたの人生の目標を教えて下さい。(30文字以内)

ストレスを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)

あなたがリーダーになるために必要なものは何ですか。(20文字以内)

あなたは周囲から何と言われることが多いですか。(30文字以内)

商社を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)

伊藤忠商事を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)

 

一つ目の設問

あなたの一番の挑戦は何ですか。(20文字以内)
伊藤忠商事のエントリーシートは独自のスタイルで20文字〜50文字程度の短い設問に複数答えるというものです。
これも20文字と非常に短いために、学生時代頑張ったことの結論のみが問われていると考えましょう。

面接ではここに書かれた話題のなかからランダムにピックアップされたりもするので、自分の頭の中で予め面接を想定した上で書くようにしましょう。
上記の働き方のケースのように総合商社のビジネスは、今までにないモデルや仕組みを確立することで収益をあげていきます。常に挑戦することが求められるビジネスモデルだからこそ、こういった質問が聞かれるものだと思われます。
たまに「挑戦」と聞いて、「自分のレベルでは到底難しい難関大学への受験を選択したこと」などをあげる人がいますが、あくまで上記で示した総合商社の求める人材に合致していることを示せるエピソードがよいでしょう。そのため、周囲の人と協力して何か問題解決をはかった経験や、周囲の人を説得して新しい仕組みやイベントを提案し、実行した経験などが求められていると考えましょう。

内定者の回答例
 
あなたの一番の挑戦は何ですか。(20文字以内)    
・予備校の営業成績全国1位を目指したこと
・京大で史上初めてファッションショーを開催
・ゼミで海外フィールドワークを行ったこと

二つ目の設問

あなたの一番の失敗は何ですか。(20文字以内)
挑戦する、新しいことにチャレンジするというのは失敗するのが当たり前です。いい挑戦というものには失敗がつきものです。常に挑戦を続けて、失敗をしてその失敗から学んで次に活かしているかどうかが問われています。

ここでも一人で黙々と失敗した経験よりは周囲の人と関わる中で失敗した経験がよいと思われます。
しっかりと反省をし、次に活かすことができているのであれば、自分の未熟さに真摯に向き合った経験がよいと思われます。過去の内定者の中には、リーダーである自分のわがままで組織を崩壊寸前まで導いてしまったことをあげる人もいました。

内定者の回答例 
あなたの一番の失敗は何ですか。(20文字以内) 
・中学生時のサッカー部の部活動
・高校二年時、合唱コンクールの伴奏
・留学しなかったこと

三つ目の設問

自分の好きな点は何ですか。(20文字以内)

これはいわゆる長所や自己PRといった形の質問です。これも上記の通り、総合商社の求める人材を理解した上で、そういった人材であることを伝えることのできる「好きな点」にした方が話がしやすいのではないかと思います。

内定者の回答

自分の好きな点は何ですか。(20文字以内)
・机上の計画を実際に実行できる点。
・目標から絶対にぶれない忍耐力がある点  
・計画を立てて行動すること

四つ目の設問

自分の嫌いな点は何ですか。(20文字以内)
三つ目の質問と対になっています。いわゆる自分の短所となっています。

短所については長所の裏返しとしての短所を述べる方法と、素直に自分の弱みをさらけ出す方法の二つがあります。

個人的には後者の素直に自分の弱みをさらけ出せる人の方が人としては強いと感じています。

下記のコラムは参考にしてください。
短所を聞かれた際のアプローチは主に2つあります。一つが「長所の裏返しと答える」方法、もう一つが「素直に短所をさらけ出す」方法です。本記事ではそれぞれのメリット・デメリットを考察します。
参考:短所は短所のままでいい?!面接で短所を聞かれた時の答え方

内定者の回答

 

自分の嫌いな点は何ですか。(20文字以内)
・大胆さがないこと
・一つの物事に集中し、他がおろそかになる点
・細かい確認を怠る点。

五つ目の設問

あなたのこだわりを教えて下さい。(20文字以内)

これも基本的には総合商社が求める人材であることを伝えるための設問だと考えましょう。

チームや組織の中で意識していることや新しい物事を達成するために意識していることなどを伝えられるとよいでしょう。

自己PRの中の「方法論」の部分を語ることができるとよりよい内容になるでしょう。

 

自分の強みを伝える際のポイントや構成の作り方について書かれています。過去の内定者のESも多く扱いながら解説しています。

参考:あなたの自己PRが嘘っぽく見えないために「方法論」を語るべき

内定者の回答

 

あなたのこだわりを教えて下さい。(20文字以内)
・実現可能性にこだわらない目標設定。
・創造は男のロマンだと確信している
・日々の生活を楽しむこと

六つ目の設問

やりがいを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)
これは志望動機の中でも企業選びのポイントや重視することに近い質問であると言えます。

やりがいを感じるときを通じて総合商社のビジネスでもやりがいを感じることが出来るかどうかという点が問われています。

上記の働き方のケースに基づくと下記のようなことにやりがいを感じる人は総合商社の仕事でもやりがいを感じることができると言えます。
①ノウハウや正解のない中で、自ら決断し成果を上げること
②組織や地域など周囲に対して、新しい仕組みやモデルなどの変化や変革を提供すること
③主体的にリーダーシップを発揮して、組織やチームに働きかけて成果をあげること
④価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげること
このように考えると自己PR=志望動機であるというのがよくわかると思います。
自己PR:過去にこういう経験をしてやりがいを感じてきた⇒志望動機:自己PRで話したやりがいを感じられると思った○○業界で働きたい
志望動機というと、給与がいい・ブランドや知名度があるなど、企業のいいところを並べることだと思ってしまいがちですが、上記のようにどういったやりがいを感じたいかに注目して話ができると評価される可能性が高いでしょう。
内定者の回答
やりがいを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)
・自分の努力が結果につながった時
・未知のもの、誰もやったことのないことに挑戦している時
・ 組織で、前例のない新しいことに取り組んでいる際の過程。

七つ目の設問

日頃、心がけていることを教えて下さい。(20文字以内)

元メジャーリーガーの松井秀喜氏も下記の言葉を恩師から送られたというエピソードがあります。

 

心が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。
このように人の日々の週間というのはその人の性格を規定するものであると言えます。どのような行動を行っているのかを通してその人の性格やキャラクターを把握したいと考えているものと思われます。

内定者の回答
日頃、心がけていることを教えて下さい。(20文字以内)    
・目的意識、問題意識を持って行動すること。
・相手の価値観を理解しようとすること
・色々な立場から考えること

八つ目の設問

どのような人生を歩みたいとお考えですか。(30文字以内)(30文字以内)

これは【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説の中の成し遂げたいことに相当するものです。もちろんここも総合商社のビジネスモデルや求める人材に結びついている必要があります。

たまに「幸せな家族を築くこと」ということを書く内定者もいますが、基本的には仕事を通しての目標を書いた方が無難であると思われます。

もちろん「敢えて外す」という他者との差別化戦略もありますが、あまりうまくいかないことが多いように過去の内定者をみていると感じています。

内定者の回答

 

どのような人生を歩みたいとお考えですか。(30文字以内)
・常にわくわくしていられる人
・一年に一回、何か新しいことをやり遂げたと言える人生にしたい
・いつまでも前例のないような仕事に没頭していたい。

九個目の設問

ストレスを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)

あなたがどのようなことにストレスを感じるのかということを通して、あなたの性格や志向性について知りたいものと思われます。

ストレスが、理想的な状態と現実の状態の乖離から生まれるとすると、どのようなことに対して理想を抱くのかまたどのような状態にあったのか、もしそのストレスが解消されているのであればどのように行動したのかを聞くことができると言えます。
 

例えば、「周囲の期待に応えることができなかった経験⇒多大なストレスを感じた⇒周囲の期待に応えるための行動」という話ができれば、困難と困難を乗り越えた経験として扱うことができます。

ここでも総合商社がどのような人材を求めているのかはある程度意識しておくと書く内容も自ずと見えてくると思います。

内定者の回答
ストレスを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)    
・自分の自信があった部分が、相手に通用しない・認められない時。
・自分のふがいない行動で他人に迷惑をかけたとき
・批判しかない人と話すとき

十個目の設問

あなたがリーダーになるために必要なものは何ですか。(20文字以内)

リーダーとして不足していると自覚しているものを端的に答えましょう。

就職活動というと自分を完璧超人のように振る舞うのが普通になってしまい、こういった質問に対する準備ができていないケースが散見されます。

自分の弱さを理解した上で何が必要か冷静に考えることができるというのは大事なことでしょう。
 

下記の旭化成の内定者の自己PRは自分にあるものとないものを冷静に見ながら自己PRしているよい例なので参考にしてください。

内定者の回答

 

あなたがリーダーになるために必要なものは何ですか。(20文字以内)    
・行動力、大胆さ
・知力・体力の限りを尽くした行動
・仲間のエネルギーを同じ方向に整える能力

十一個目の設問

あなたは周囲から何と言われることが多いですか。(30文字以内)

これは定番の質問で、トヨタ自動車を含め多くの企業で聞かれる質問です。「【自己PR】面接で必ず聞かれる9の質問と回答ポイントを解説」でも説明した通り、以下の三つの齟齬がないかを見極めようとしています。

①あなたの外見から感じるイメージ
②あなたの自己PRや話す内容
③周囲からの評価
周囲の人の評価と自己評価、および見た目や外見からの雰囲気の三つが一致していないと面接官に違和感を与えることになるということを意識した上で何を書けばよいのか考えてみてください。

内定者の回答
あなたは周囲から何と言われることが多いですか。(30文字以内)
・全体のバランスを大事にしている。誰に対しても壁を作らない。
・誠実、不屈の精神の持ち主、ファッションにひたすら熱い
・効率よく行動する

十二個目の設問

商社を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)

一般的な志望動機ですが、「やりがい」に関する質問と「目標」に関する質問の延長として商社があることを示せると一貫性があるでしょう。下記のような流れで説明するイメージです。

 

学生時代の経験から〜〜といったことにやりがいを感じる
⇒そのため〜〜というやりがいを感じながら○○を長期的に達成したい
⇒総合商社であれば〜〜というやりがいを感じられ、また長期的な○○という目標の達成が可能
このように一貫性がある内容で話すことができれば、志望動機も伝わりやすくなるでしょう。
総合商社のやりがいに基づくと下記のような内定者の例があげられます。
学生時代の経験から周囲の人と協力して自らの提案を形にしていくことにやりがいを感じた
⇒将来的には後世に残るような仕組みやビジネスを自ら生み出したい
⇒衛星放送への投資、海外の穀物への投資など様々な新しいビジネスに挑戦してきた商社であれば上記のやりがいを感じながら長期的な目標が達成できると思っている
内定者の回答
商社を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)
・若手の時から積極的に働くことができるため
・私は、人と人の間に入り込むことで新たな価値を生みだすことのできる人間になりたいため、商社を志望する。
・様々な関係者をまとめ、自分の行動・アイデアを武器に、後世に残るようなビジネスを生み出したいため。

十三個目の設問

伊藤忠商事を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)

総合商社の中でもなぜ伊藤忠商事かという質問です。

 

この質問に対していろいろまじめに調べて答えようとする人が多いのですが、アプローチとしては①業界内のポジションから語る、②社風・企業理念から語る、③働く人から語るの三つのアプローチが基本になります。下記のコラムは参考にしてください。

 

「なぜうちの会社を志望するのか」という質問に困ってしまう就活生は多数いると思います。その質問に対して簡単に答えるアプローチ方法をご紹介します。

参考:【例文付】なぜその会社なの?志望動機の伝え方・企業選びの軸の定め方を解説

内定者の回答

 

伊藤忠商事を志望する理由を教えてください。(50文字 )
・日本の旗を振って世界と勝負できる会社でありながら、常に変化と挑戦を忘れない姿勢に共感したから。
・挑戦を続けてきた「高邁な志を持つ社風」というイメージがあり、その社風と自分の性格が共通しているからだ
・自身の力が試される商社という環境において世の中の経済活動の最適化に貢献したいから。

最後に

伊藤忠商事のエントリーシートは独特で、面接でどのような質問がされるのかよくわかります。
13個の質問の中には他の企業ではなかなか聞かれない質問もあったと思いますので、面接前のチェックにも使えると言えます。ぜひ様々な企業にエントリーしてほしいと思います。
尚、下記では総合商社内定者の伊藤忠商事のエントリーシートについて解説していますので合わせてお読みください。
伊藤忠商事の内定者のESを解説しています。実際に評価された回答をみることで、評価されやすい傾向がわかると思います。
参考:伊藤忠商事の内定者ES解説!選考通過のエントリーシートの共通項
こちらの記事では伊藤忠商事の選考フロー別対策について記載しています。ES以外の対策方法も載っているので、是非ご覧になって下さい。
参考:【伊藤忠商事】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで
伊藤忠商事の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

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