短所は短所のままでいい?!面接で短所を聞かれた時の答え方
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最終更新日:2024年10月23日
「あなたの短所(弱み)は何ですか?」という質問は、面接でよく聞かれる質問の一つであるにも関わらず間違った回答の仕方をしている就活生が毎年多く見受けられます。
本記事では、面接で短所を問う企業側の意図、それを踏まえた上で学生はどのように答えると良いのかについて内定者の回答を交えながら考察します。
厚生労働省のHPに掲載されている『公正な採用選考の基本』によると、"短所・弱みに関すること"は採用選考時に配慮すべき事項であり、就職差別につながるおそれがある事例に抵触する可能性があります。しかし、就職活動で聞かれやすい質問の一つであるため、本記事ではその対策方法等を解説させていただきます。
【参考】厚生労働省:公正な採用選考の基本
なぜ面接官は「短所(弱み)」を聞くのか
面接官は自社にマッチする人材を採用していますが、どのような基準で人材を見極めているのでしょうか。新卒採用はポテンシャル採用であるため、大きく以下の2つに分けることができます。
■自社の社風、文化、職種に合っているか(人柄)
■どのような素養、スキルを有しているか(スキル)
この2つの要素を見極めるために、面接官は短所(弱み)を質問しています。具体的に述べていきます。上述した面接官の意図に照らし合わせると、
■人柄(自社の社風、文化、職種に合っているか)
(1)短所が自社の社風、文化、職種とミスマッチしていないか(マッチング)
■スキル(どのように素養、スキルを有しているか)
(2)自分の短所を客観的に理解できているか(自己理解)
(3)短所をどのように改善しようとしているか(改善意欲)
上記3点を見極めようとしていることがわかります。
より理解していただくためにも、就活生Aさんの回答をもとに実際にどのように答えれば良いかを解説します。
以下が就活生Aさんの回答になります。
(1)短所が自社の社風、文化、職種とミスマッチしていないか(マッチング)
適正が合っているかどうかは、今回の回答だけではわからないと言えます。なぜなら企業の求める人材像によって、適正があるかないか評価が変わるためです。
例えば、責任感が強く一人で何でもこなしていくガッツのある人材を求める企業であればプラスの評価を受けるかもしれません。逆に企業風土として、チームワークを重視している企業であれば、一人で抱え込んでしまう性格はマイナスの評価を受けてしまうかもしれません。
(2)自分の短所を客観的に判断できているか(自己理解)
自己理解がしっかりとできていることがわかります。
自身の能力や素養を客観的に把握し、それを踏まえた上で行動することができる就活生は、企業に入社後も活躍できる可能性が高いと言えます。
とりわけ短所(弱み)においては、基本的に向き合いたくないものですし、誰しもが他人には見せたくないものでしょう。
そのような中で「短所(弱み)を適切に把握し、改善に努めている就活生であれば、入社後も自分に向き合いながら自身の役割を全うしてくれるだろう。」と、面接官も感じやすいと言えるでしょう。
(3)短所をどのように改善しようとしているか(改善意欲)
具体的な改善策の説明が不十分なため、評価としてマイナスになる可能性があります。改善のために取り組んでいることや、今後取り組もうと思っている事を話すことができれば、改善意欲があるというプラスの評価を得ることができます。
上記の具体例を踏まえると、短所を回答する際には、今までの人生において、短所を克服した具体的なエピソードがあればより話しやすいでしょう。また、企業ごとに社風や文化が異なるため、短所がマイナスに作用してしまうかもしれない企業には別の短所を用意したほうがいいかもしれません。
そのため、短所に関して適切な回答をするためには、学生時代に取り組んだ内容を説明する「ガクチカ」やどんな企業なのかを理解するための「企業分析」が必要です。
面接官に短所を聞かれたときどう答えればいいのか
さて、ここからは具体的な回答の仕方に関して述べます。短所に関して聞かれた際には、アプローチが2つあります。
1.長所の裏返しを答える
2.素直に短所をさらけ出す
なんとなく聞いたことがあるかもしれませんが1つずつ解説をします。
1.長所の裏返しを答える
よくある短所の答え方としては「長所の裏返しとしての短所」を答えると 一貫性のある人物であることも示せるうえ、マイナスイメージを伝えることもないため、使いやすいというメリットがあります。多くの内定者がこの手法で実際に内定を得ています。
例えば、この手法で内定者が実際に語った短所としては下記のようなものがあります。
- 「積極的に行動できるという長所の反面、慎重さに欠けて失敗することがある」
- 「完璧主義で、決断や行動が遅くなってしまうことがある」
- 「責任感が強いあまりに頑固なところがある」
- 「おおらかで多くの人と分け隔てなく関わることを意識しているものの、 八方美人的な側面がある」
上記の通り、この手法は短所を語りながらも自己PRを伝えることのできる攻防一体型の答え方になっており、一見完璧な答え方に見えますが、多くの就職活動生がこの手法で自己PRをしようとするため、面接官としても「またか」と思われてしまい、大きな差別化につながらないというデメリットはあります。
2.素直に短所をさらけ出す
もう一つの答え方として「素直に自分の短所を伝える」という方法もあります。個人的にはこちらの方法で伝える方が評価が高くなると感じていますし、多くの面接官もこちらの手法を好むでしょう。
自分の欠点に向き合い、素直に伝えられる人には芯の強さを感じます。
素直に短所を伝える際には、(1)短所⇒(2)短所による失敗経験⇒(3)意識の変化・改善策⇒(4)自己PRのエピソードなど現在へのつながりといった流れで語ることで、マイナスイメージだけでなく、あなたの良さがより伝わるので意識してみて下さい。
上記の流れを意識すると、以下のような文章構成になります。
(1)短所
自己中心的でわがままなところがある。
(2)短所による失敗経験
中学生の頃、◯◯部で部長として初めて人の上に立った際に、自分のしたいことを優先しすぎて、周囲との人間関係が悪化し、チームとしての機能が下がる経験をした。
(3)意識の変化・改善策
だからこそ、高校以降はなるべく自分を抑えて全体を見て足りない部分を補うこと、自分がしたいことと周りがしたいことをすりあわせることを強く意識するようになった。
(4)自己PRのエピソードなど現在へのつながり
今でも自己中心的でわがままな自分を自覚しながら周囲とのすりあわせに最も神経を使っている。
以下の記事で、上記の2パターンで長所・短所を分析し内定を勝ち得た就活生の多くの回答事例が企業ごとに掲載されていますので是非参考にしてみて下さい。
内定者の短所の回答例
以下で内定者の回答例を紹介します。短所について考える際に参考にしてみてください。
SMBC日興證券内定者の回答(短所)
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三菱UFJ信託銀行内定者の回答(短所)
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三井化学内定者の回答①(短所)
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三井化学内定者の回答②(短所)
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伊藤忠商事内定者の回答(短所)
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豊田通商内定者の回答例(短所)
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デロイトトーマツコンサルティング内定者の回答(短所)
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PwCコンサルティング合同会社・PwCアドバイザリー合同会社内定者の回答(短所)
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集英社内定者の回答例(短所)
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凸版印刷内定者の回答(短所)
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アサヒビール内定者の回答(短所)
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明治内定者の回答(短所)
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これだけはだめ!短所を聞かれた時のNGワード集
これまでの話でお分かりのとおり、短所に関する質問に対して短所を言うだけでは意味がありません。短所が見方を変えれば長所になったり、短所から、あなた自身が取るべき行動まで説明する必要があります。
つまり、以下のような返答では面接官の望む答えになっていないので注意してください。
「短所はありません」系
これでは、短所があってもいいと思っている面接官に対して、答えになっていません。また、長所の裏返しであるという回答をする際には、注意が必要です。答え方しだいで長所を摩り替えているだけという印象をあたえることがあるので気をつけましょう。
マナーや常識と思われることについて
「遅刻癖がある」「納期を守らない」など社会人として最低限必要な資質について短所とするのは控えましょう。あなた自身が面接官だったら一緒に働きたくないはずです。
変えることが難しい特徴
実は盲点だったりするのがこの類です。「優柔不断である」というのは、性格の問題です。もし、この性格を直したくても、子供のころからの性格だったりするとなかなか直せないか可能性があります。
面接官もその点を理解しているため、その短所を本当に改善できるだろうかと疑問に思うかもしれません。
もし、その短所を短所でなくなったエピソードだったり、これから直せるビジョンが見えない場合、俗に言う、ポータブルスキル(マネジメント能力や課題解決力、リーダーシップなど)を短所にするほうが具体的なキャリア像も見えるため面接官にPRできるでしょう。
最後に
面接官に短所を聞かれた時の対処法は理解できたでしょうか。面接官の質問の意図を理解することで、面接官が求める答えをアウトプットできるでしょう。内定者の回答例も参考にしつつ面接に取り組んでみてください。