「好きだから」では評価されない!?大手企業内定者の志望動機の作り方とは
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最終更新日:2021年12月27日
製品・サービスが好きだからという理由で応募する就活生は毎年たくさんいます。
その企業を志望することにおいて「好き」という感情は大切ですし、大部分の就活生は「好き」という感情を持って志望していることでしょう。
しかし、その多くの就活生が「好きだから」という志望動機が評価されずに落ちてしまっているように思います。
というのも、好きという志望理由は就活生視点の内容に過ぎす、企業側からしてみれば好きという志望理由だけでは合否を判断する材料にならないためです。
そこで本記事では、就活生がやりがちな「好きだから」という志望動機の大部分が評価されない理由と、「好きだから」という志望動機でも評価される人の具体例について説明したいと思います。
- 本記事の構成
- 「好きだから」という志望動機が評価されないのは「好き」のレベルが低いから
- 「好きだから」という志望動機でも内定する人の具体例
- 志望動機は「好き」だけでなく「向いている」という観点から語れる
- 最後に
「好きだから」という志望動機が評価されないのは「好き」のレベルが低いから
メーカーやBtoCの企業に多い「好きだから」という志望動機の典型例は下記のようなものでしょう。
幼い頃からTVのCMが好きで見てきました。仕事としても大好きなCMを生み出す仕事がしたいと想い、広告代理店を志望しています。
貴社の食品が好きで、毎日欠かさず食べています。この幸せを多くの人に届けたいと思い、貴社を志望しています。
こういった志望動機の多くが評価されないのは、端的に「好き」のレベルが低く、消費者として「好き」のレベルに過ぎないからです。
サービス・製品を楽しむ側としての「好き」と、そのサービス・製品を改良しながら多くの人に提供するための施策を考え、実際に販売していくという仕事には大きな乖離が存在します。
同様に趣味のレベルで「好き」でも物足りないと思われてしまうでしょう。
料理が好きで皆に振る舞うことと、仕事として毎日大量の料理をさばき、その対価としてお金を受け取ることには大きな乖離があります。それでも料理が本当に好きな人は仕事として、時には探求心を持ち、メニューを改善し、辛抱強く根気のいる立ち仕事を続けています。
企業が欲しい人材は、自社のサービス・製品が好きなファンではなく、自社のサービスや製品のファンを増やすことのできる自社の利益に貢献出来る人材です。
消費者として、趣味として「好き」程度のレベルの人材では、自社のファンを増やしてくれる人材としては十分ではないため評価されていないと考えられます。
裏を返せば、「好き」という志望動機で評価されるのは、消費者・趣味レベルの好きでとどまらずに、仕事同様に生産者・提供者としても「好き」というレベルの志望動機です。
「好きだから」という志望動機でも内定する人の具体例
生産者・提供者としてのレベルの「好き」という志望動機で内定した人の具体例には下記のようなものがあります。
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こういった内定者のように、「好き」が高じて、仕事と同じように生産者や提供者の立場で好きなことに関わった経験があれば、「好き」を評価してもらえるでしょう。人気企業であれば、こういったレベルの志望動機でも落ちることがあるぐらい競争は激しいため、前述の消費者・趣味レベルの好きでは評価されません。
もし、好きなことがあり、将来もそれを仕事にしたいと思うのであれば上記の内定者のように、製品やサービスを提供する側に回ることをオススメします。
大きな一歩はいきなり踏み出せなくても、化粧品メーカーに興味があるのであれば化粧品メーカーの販売店でアルバイトをする、最近では化粧品関連のIT企業もあるので、Webサイトから長期インターンができないか問い合わせるなどの方法もあるでしょう。
そういった行動を起こすほど好きなわけではないのであれば、それは消費者・趣味レベルの「好き」と割り切るのも必要なのかもしれません。
志望動機は「好き」だけでなく「向いている」という観点から語れる
ちなみに、志望動機は「好き」という方向性ではなく、その仕事に「向いている」という方向性でも話ができるでしょう。
前述の通り、企業が欲しいのは自社の利益に貢献できる人材であり、自社の仕事を高いレベルでこなしてくれる人材です。そのため、「好き」だけではなく、「向いている」という観点からでも志望動機は語れます。
総合商社や金融など、大半の就活生がそれまでの生活では関わらないような産業の内定者の多くは、この「向いている」という観点からの志望動機を語っています。下記の記事では、志望動機で企業側が本当に知りたいことは何か説明しています。
しっかりと企業側の意図を理解した上で、仕事に「向いている」ことを含めて志望動機で伝えるようにしましょう。具体的な事例については下記の記事で詳しく紹介しています。
仕事をしている人の中には、自分が扱っているサービスや製品にまったく興味はないけど、営業で成績が出ること、マーケティングの施策がはまって数字として反映されること、新規の企画を仲間と作り上げることなど、製品・サービスではない部分に興味を持っている人が数多くいます。
例えば、総合商社で働く人も「自分が扱う製品に興味はないけど、グローバルに様々な仲間・企業を増やしながら規模の大きいビジネスを作っていくのが面白い」という人が多くいます。
「好き」を仕事にしている人は目立ちやすい一方で、「向いている」を仕事にしている人の声がなかなかあがってこないため、「好き」を押し出した志望動機が増えてしまっているのかもしれません。「向いている」を仕事にしている人の声に耳を傾けるのは非常に大事なことだと思います。
最後に
志望動機を書くことにおいて、「好き」という気持ちは大切です。しかし、一度立ち止まって、他の学生よりも「好き」なのかを考えてみましょう。「好き」で働いている人の多くが没頭するレベルで「好き」にのめり込んでいます。
志望動機は、「好き」という方向性ではなく、「向いている」という方向性でも書くことができます。「向いている」で志望動機を書くためには、企業選びの軸の言語化や企業研究が必須です。
本記事の内容を参考にし、"「好きだから」が評価されない理由"を学び、志望動機作成に役立てていただければと思います。
多くの学生が苦労する志望動機について、面接官を納得させるレベルにするための作成方針・フレームワークを学びます。一度理解すればあらゆる業界の企業で使えるため、応用できる幅は広いです。