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「やりたいこと」ができなくてもうちの会社に入社したいのかという意地悪な質問に対する二通りの答え方
最終更新日:2018年02月16日
就職活動も終盤になり、最終面接付近になると「やりたいことがあるのはよくわかるし、学生時代の裏打ちされた経験もあるのはわかったけど、人事とか経理に配属される可能性もあるし、君がやりたいことができない可能性もある。それでもうちの会社に入社したいの?」という意地悪な、但し企業からするともっともな疑問を聞いて来るケースが増えるでしょう。
さてこの質問にはどうやって答えるべきでしょうか?何も考えずに、入りたいと媚を売って「やりたいことができなくても入社したいです!」と入りたい気持ちを前面に出しても評価はされないでしょう。
この質問で企業は「企業に対する志望度」と「やりたいことに対するあなたの覚悟」の二つを見ているものと思われます。企業の意図から考えると、二つの答え方があると考えられます。
1.「それでも入りたい」という優等生的な回答
一つはある意味優等生的な、多くの就職活動生が「これが答えだ!」と思ってしまいそうな下記のような回答です。これはこれで悪い回答ではないと言えます。上記の企業の意図でいうところの「企業に対する志望度」をアピールすることができます。
【模範解答例:総合商社志望者】
「やりたいことができない部署に配属されることになっても貴社に入社したいと考えています。理由としては、①自分がやりたいと思ったビジネスに間接的に関わりながらサポートが可能であること、②自分がやりたいと思っていたことが別の形で配属部署で実現できないか考えることができるということ、③万が一どうしても自分の手でやりたいと考えるようになったら、部署異動という手段もあることの三つが挙げられます。」
このような回答は多くの内定者がしているだろうし、悪い回答ではないでしょう。但し、「やりたいことに対するあなたの覚悟」については示すことができず、「なんだ、こいつはやっぱりやりたいことを実現したいんじゃなくて、安定安心の大企業でサラリーマンをやりたいんだろうな」と思われるリスクもはらんでいます。
その意味では、周囲の多くの内定者が語っていることから大きな減点もないかわりに、大きな加点も見込めないというのがこの回答だと言えるでしょう。
2.「やりたいことができないなら他社に行きます」という突っぱねる回答
一方で、「やりたいことに対するあなたの覚悟」を示すという意味では、やりたいことができないなら御社の内定はいりませんと、強気に突っぱねるという回答もありえます。下記の様な回答が模範的な例と言えるでしょう。
【模範解答例:総合商社志望(既にベンチャー企業に内定しているケース)】
「学生時代の経験からも申し上げた通り、新たな仕組みを生み出したいという軸から企業を見ており、それが出来る企業に入るというのが私の就職活動の大前提となっています。総合商社の営業部門であれば、川上から川下までの広範なネットワークを用いた仕組みづくりが出来ることが魅力であると考え、第一志望と考えておりましたが、経理や人事などの営業部門でない部署に配属されてしまうようであれば、既に内定をいただいているIT系ベンチャー企業に進むことが自分のキャリアビジョンに合致していると考えています。」
かなり生意気な発言で、こんなこと言ったら絶対に落とされると考えてしまう就活生も多いかと思いますが、上記の回答は「やりたいことに対するあなたの覚悟」を強く示すことができています。更に実際に内定をもらっているという点から他社の評価は高いということを暗に示すことができています。
この回答については、「生意気だ、うちの会社の志望度も高くないし、合わなそうだから落としてしまおう」という大きな減点をもらう可能性をはらみながらも、「ここまで覚悟があり、なおかつ既に他社でも評価されている人材を流出させてしまうのは惜しい」と大きな加点をもらう可能性もあり、ハイリスクハイリターンな回答であると言えます。
3.面接の回答に正解はない
上記の通り、どちらの質問にもいいところ悪いところがあります。無難な回答を取るのか、ハイリスクハイリターンの回答を取るのかはこれまでの面接官とのやり取りの感触、自分自身のキャラクターから考えて、取れるリスクと得たいリターンを考えた上で、自分の頭で判断するべき問題でしょう。
交渉を優位に進めるという意味では早めに自分の企業選びの軸、やりたいことに合致する業界から内定をもらって、自分の価値を高く見せるカードを本命企業の前にもっておくべきでしょう。その意味では多くの4月1日以後に面接が行われる企業を本命として考えている学生は、早めに就職活動を始めて内定を得るべきだと思っています。
4.絶対にやってはいけないこと
最もやってはいけないことは、思考停止をして、上記の「優等生的な回答」で自分自身を固めてしまおうということです。
自分がどういう考えを持っているのか、面接官の質問に対して、どんな回答が可能なのか、選択肢ごとのメリットとデメリットは何か、その選択肢からどれを選ぶのかということを自分で考え、自分で考えてもわからない時は人に聞いてみるというプロセスが重要になります。こういった思考のプロセスの連続は就職活動とビジネスは非常に似ています。どの選択肢を選ぶのが正解かわからない中で自分なりに仮説をたてて考えて、リスクを取るということに慣れて欲しいと思います。
自分で考えることを放棄して、人がいいと言っている回答を繰り返す「就活マシーン」にだけはならないように注意してもらえればうれしいです。
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