面接対策|正しい短所の決め方と企業に響く伝え方
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最終更新日:2023年09月25日
面接とは(面接を課す意味・評価基準・面談との違い)
面接の頻出質問一覧と回答例(志望動機・自己PR・ガクチカなど)
面接の逆質問一覧(考える際のポイント・具体例)
面接で必要なマナー(入退室・身だしなみ・メール・電話)
面接の対策(一次面接・二次面接・最終面接・集団面接・WEB面接・圧迫面接)
面接の練習(練習方法・ポイント)
面接の準備(選考通過に向けた準備・当日に向けた準備)
就職活動において、自分自身の短所を問われることは少なくありません。企業は、短所を通してその学生がそのような人物であるのか、また自己理解がどの程度できているかなど、様々な側面から学生をチェックしようとしています。つまり、「短所を答える」という行為には、その人物の内面に関する情報がそれほど多く包含されていることを意味します。
だからこそ、短所を答える際には非常に注意を払う必要があります。もっと言えば、この質問は面接において合否を分けるかもしれない重要な質問になり得るということです。
そこで本記事では、面接で短所を問う企業側の意図、それを踏まえた上で学生はどのように答えるのが良いかについて考察します。読み進める前に、今一度ご自身で自分の短所は何か、なぜそう答えるのかを考えてみて下さい。自分の回答が企業側の意図を汲み取ったものであるか、読み進めながら考え直す機会にして頂ければ幸いです。
厚生労働省のHPに掲載されている『公正な採用選考の基本』によると、"短所・弱みに関すること"は採用選考時に配慮すべき事項であり、就職差別につながるおそれがある事例に抵触する可能性があります。しかし、就職活動で聞かれやすい質問の一つであるため、本記事ではその対策方法等を解説させていただきます。
【参考】厚生労働省:公正な採用選考の基本
・短所を尋ねる企業の意図とは?
・「短所は長所の裏返しを答えろ!」のウソ
・短所の選び方とは?
(1)意識や努力でカバーできるものを選ぶ
(2)企業の求める人物像からかけ離れるものは避ける
・短所の伝え方とは?
(1)短所を認識したエピソードを盛り込む
(2)改善方法も併せて伝える
・短所の回答例
└優柔不断
└せっかち
└頑固
└飽き性
短所を尋ねる企業の意図とは?
「あなたの短所は何ですか?」
この質問に回答するには、当然ながらまずは質問の意図を抑えておく必要があります。この質問の意図を考えるにあたっては、「あなたの短所は何ですか?」という質問に続いて、どのような深掘りがなされるかを想像しなければなりません。
企業は純粋にあなたの短所を知りたいからこのような質問をしているのではなく、その背景には学生の本音を引き出そうとする企業側の意図があるのです。
この「あなたの短所は何ですか?」という質問と併せて問われることが多いのが、「その短所を改善するために何をしていますか?」、「周囲の人々からあなたはどういう人だと言われることが多いですか?」という2つの質問です。
多くの場合、まず短所を尋ねて学生が答えた短所についてその改善方法について聞かれます。その後に周囲の人々があなた自身についてどのような評価をすることが多いかを問われることになります。
この”短所”に関する質問の一連の流れを抑えると、短所を問う企業側の意図としては大きく以下の4点が考えられます。
(1)職種や社風との適正を判断する(マッチング)
(2)短所を客観的に把握できているか(自己理解)
(3)周囲からどのような人物と思われているか(他者評価)
(4)その短所をどう改善しようとしているか(改善意欲)
短所を尋ねることにより、企業が学生の(1)適正や(2)自己理解度を図っているということは大半の方が予想できたのではないでしょうか。もっとも、短所を問うことで(3)他者評価や(4)改善意欲についてまで窺い知ろうとする企業の意図については考えが及ばなかった方も少なくないと思います。
企業側は学生が面接用の短所を用意してきていることなど想定済みです。企業が行う「あなたの短所は何ですか?」という質問は、ただ学生の短所を知りたいからするのではなく、その質問を皮切りにその学生がどのような考えを持ち行動をしているのかを知るためということを意識しましょう。
「短所は長所の裏返しを答えろ!」のウソ
面接対策本や就活関連のインターネット記事には、「短所を問われた場合は長所の裏返しを答えよう」という旨のことが書かれていることが少なくありません。
例えば好奇心が強く何にでも興味がある人は、「一つのことが長続きしにくい」ことを短所にするというような具合に、うまく短所をはぐらかすことを推奨する風潮があるように感じます。unistyleでも「短所は短所のままでいい?!面接で短所を聞かれた時の答え方」で、短所の答え方として「長所の裏返しを答える」ことを挙げているのも事実です。
しかし、このような”長所の裏返しを短所とする”ことには賛成しかねます。もちろん、個々人の考え方によってどう回答するかは決定して頂ければ良いと思いますが、長所の裏返しを短所として答えることをおすすめしないのは以下の3つの理由からです。
(1)そもそも質問の答えになっていない
(2)自己理解不足だと捉えられかねない
(3)不誠実な人物であるとの印象を与える可能性がある
それでは、1つずつ見ていきましょう。
まず、1つ目はそもそも質問の答えになっていないからです
企業が学生に対して短所を尋ねる場合、長所についても同様に質問することがほとんどです。つまり、企業は長所と短所を別個のものとして切り分けて考えているのであり、長所とも言い換えることのできる短所や短所とも言い換えることのできる長所を述べるのは、相手方の質問の意図を無視していることになります。したがって、長所と短所はそれぞれ異なった視点から考えるべきでしょう。
前述した例を持ち出すと、好奇心が強い人は、「一つのことが長続きしにくい」ことを短所とするのではなく、「優柔不断で意思決定に時間がかかる」などという具合に、長所と短所に互換性がないものを選ぶべきといえます。
また、短所を問われているにも関わらず長所の裏返しを答える学生が多いことから、面接官から長所の裏返しではない短所を答えて下さいと指定される場合もあるため、長所の裏返しでない短所を考えておくことは面接対策という観点からも重要です。
そして、2つ目は自己理解不足だと捉えられかねないからです。
上記でも述べたように、企業が学生に短所を問う意図の1つに短所を客観的に把握できているか自己理解度を図ることが挙げられます。この意図を踏まえて考えると、長所を短所として言い換えることは単に自己理解が不足しているだけであると受け取られかねません。
確かに長所は短所にもなり得ます。しかし、長所を短所に言い換えるだけでは自分自身を客観視できておらず自己分析が不十分であると判断されるリスクがあります。企業に対して自分の良いところだけを見せることに終始するのではなく、時には自分の不得手なこともさらけ出す必要があります。
3つ目は不誠実な人物であるとの印象を与える可能性があるためです。
短所を問われているにも関わらず長所の裏返しを答えることは、自身の短所と向き合えていないことと同義ともいえます。そのような人物が相手から信頼を勝ち得ることはまずないでしょう。
確かに就職活動においては建前が必要になる場面もあります。しかし、面接においては面接官と学生という立場の違いこそあれど、人と人とのコミュニケーションであるという意識が重要です。本音と建前の使い分けをすること自体を否定はしませんが、本音ベースで話すべき場面があることも事実です。
言葉の綾を利用してうまくやり過ごそうと考えるのではなく、真摯に自分の短所と向き合ってどのように改善を行っているか等、短所を隠すのではなくさらけ出すことであなた自身の積極性や向上心をアピールすることに繋がります。
以上の理由から、長所の裏返しを短所として答えることは賛成しかねます。これらを踏まえた上でそれでも長所の裏返しを短所とするのであれば、それはそれで否定はしません。
ただし、面接においては建前でなく本音ベースで話をすることが重要になる場面が必ずあることも事実です。自分を大きく見せるのではなく等身大の自分を見せることが、これから先実際に働いていくことを考えた場合にはプラスに働くかもしれません。
短所の選び方とは?
(1)意識や努力でカバーできるものを選ぶ
短所を選ぶ際には、自分の意識や努力次第で変えることができるものを選ぶべきです。あなた自身がどれだけ努力しても変わらないものは短所ではありません。当然ながら、身体的特徴や家庭環境などは短所になり得ません。
短所を答える場合は、自分の言動の傾向や癖といった内面的要素の中から選びましょう。例えば、物事を決めるときに優柔不断でなかなか決められない、せっかちで確認がおろそかになる等、普段生活していて注意している点などをそのまま短所とすれば良いかと思います。
もっとも、ここで注意すべきは相手方の信頼や信用を著しく損なうものは控えるということです。わざわざ言うまでもないと思いますが、ルールを守らない、うそをつく、時間を守れないなど、社会人として致命的ともいえる短所は避けた方が無難でしょう。
(2)企業の求める人物像からかけ離れるものは避ける
多くの企業が求める人物像を採用ページなどで公開しています。面接官のチェック項目には学生がその企業が求める資質を兼ね備えているかどうかがほぼ間違いなく含まれています。そのため、その人物像から大きく外れるような短所は控えたほうが無難といえます。
もっとも、ここも本音と建前をどう使いこなすかの問題です。企業の求める人物像にすり寄せなくとも面接を通過することもありますし、企業の求める人物像に寄せることが正解だとも思ってはいません。この点については各人で判断して頂ければ良いかと思います。
ただ、企業が求める人物像を提示している以上、それとかけ離れる短所をわざわざ面接の場で言う必要があるとも思いません。例えば、企業が「挑戦心を持ち、何事にもチャレンジすることができる人物」を求める人物像として示している場合に、「保守的で新しいことに取り組むことを躊躇してしまう」ことを短所として挙げる必要性は感じません。
企業の求める人物像に寄せるべきとは言いませんが、かといってそこからかけ離れた短所を述べるのも選考通過の確率を下げるだけです。どのような短所を伝えるかは、企業によって柔軟に変えていくと良いでしょう。
短所の伝え方とは?
(1)短所を認識したエピソードを盛り込む
短所を問われたからといって短所だけを答えるのではなく、なぜそれを短所と感じたのかを具体的なエピソードを交えて伝える必要があります。面接官から「一言であなたの短所を教えて下さい」と言われた場合はエピソードまで盛り込む必要はありませんが、その場合は「なぜそれを短所と思うのですか?」という質問がなされることになります。
unistyleでは、自己PRに関して自分の強みを述べた上で具体的なエピソードを書くべきと述べていますが短所についても同じです。
実際にどのようなときにそれを短所と感じたのかを盛り込みましょう。ただ何となく短所と感じているだけでは、説得力はありません。自身の経験に基づいてこそ、その短所が作られたものでなく、本当にその学生が認識している短所であると信憑性が出てきます。
(2)改善方法も併せて伝える
短所を伝える際にもっとも重要な点と言っても過言ではありません。上記で示したように、企業が短所を問う意図の1つに学生の「改善意欲」をみることが挙げられます。
短所は誰にでもあり、それ自体が悪い訳ではありません。問題は短所を把握しておきながら改善しない姿勢です。短所を改善する姿勢をアピールするためにも、今現在どのように短所の改善を図っているかを併せて伝えることは有効です。
なぜその短所を改善する必要があるのか、短所の改善のためにどのようなことを意識し、実際に実践しているのかについてもよく考えておく必要があります。
短所の回答例
ここでは、実際に短所の具体例を提示していきたいと思います。なるべく多くの方に当てはまりそうな短所を4つピックアップしたので、これから短所を考えるという方は参考にして下さい。
優柔不断
せっかち
頑固
飽き性
最後に
何を短所として伝えるか、それをどのように伝えるかは面接において非常に重要な点です。ここまで、短所を問う企業側の意図から、選び方や答え方までを示してきましたが、面接でどのように話すかは皆さん自身で決定して頂ければ良いよ思っています。
繰り返しにはなりますが、本音と建前をうまく使いこなすことも時には重要です。自分の納得の行く回答ができるよう事前によく考えておきましょう。
以下に面接対策に関する記事を掲載しています。ぜひご覧ください。