自己PRで素直さをアピールするためには?-大手企業選考通過者のES例文付-
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最終更新日:2025年11月14日
1.自己PRの基本知識(意味・強みの種類・自己紹介やガクチカとの違い)
2.自己PRが見つからない人の対処法
3.自己PRの書き方・書く際のポイントを解説
4.自己PRの書き方を文字数別に解説
5.自己PRの書き出しを解説
6.自己PRの締めを解説
7.自己PRのES例文集(強み別)
8.自己PRのES例文集(業界別)
9.面接での自己PRの伝え方
10.面接での自己PRにまつわる頻出質問集
自己PRで「素直さ」はアリ?
自己PRで素直さをアピールするのはアリなのか
「自分の長所は素直さだけど、これって自己PRとして通用するのかな?」
「素直さをアピールすると、他の強みと比べて印象に残らなそうで心配…」
こうした悩みを持つ就活生は多いです。結論から言うと、素直さを自己PRでアピールするのは十分にアリです。
ただし大切なのは、「企業が求める素直さ」の意味を正しく理解し、それを踏まえたうえで自分らしい自己PRを作ること。ここがポイントになってきます。
企業が求める素直さとは

自己PRでよく用いられる「素直さ」ですが、そもそもこの言葉にはどういった意味があるのでしょうか?
『goo国語辞書』で「素直」という言葉を調べてみると、以下のような意味となるようです。
素直の意味
1 ありのままで、飾り気のないさま。素朴。
2 性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま。従順。
3 物の形などが、まっすぐで、ねじ曲がっていないさま。
4 技芸などにくせのないさま。
5 物事が支障なく、すんなり進行するさま。【引用】goo国語辞書(素直)
では、素直という言葉の意味を踏まえ、企業がなぜ「素直な学生」を求めているのかについて考えていきましょう。
上記を見てもらえれば分かる通り、素直という言葉には様々な意味があります。そのため、素直さの定義は企業によって異なり、素直な学生を求める理由も様々ではあるのですが、いずれの企業にも"入社後の成長スピードが速く、活躍する可能性が高いから"という共通点が存在しています。
その理由として、素直な人材が持つ以下の2つの特徴が挙げられます。
- 他人の指摘を受け入れられる
- 環境の変化に柔軟に対応できる
この2つの特徴を踏まえ、企業が求める自己PRにおける素直さについて説明していきます。
企業が求める自己PRにおける素直さ(1):他人の指摘を受け入れられる
1つ目の特徴は、他人の指摘を受け入れられることです。
実際のビジネスシーンにおいては、自分とは年齢・経歴・立場・考え方の異なる様々な人たちと協力し、共通の目標の達成に向けて行動ことが求められます。時には自分とは異なる考え方の人と意見をぶつけ合わせることも必要になり、自分の思い通りに物事が進まないこともあるかもしれません。
とは言え、自分の主張がいつも正しいとは限りません。また、反対意見に耳を傾けることで、これまで思いもつかなかった観点から物事を考えることが可能になり、より良い成果につながる可能性もあります。
特に学生のポテンシャルを重視する新卒採用においては、自己PRにおける素直さとして"先輩や上司から教わったことを吸収して次の業務に活かせる素直さ"が求められると言えるでしょう。
企業が求める自己PRにおける素直さ(2):環境の変化に柔軟に対応できる
2つ目の特徴は、環境の変化に柔軟に対応できることです。
社会人として働く上では、突然の部署異動や転勤の辞令など、自分の働いている環境が変化することが度々起こり得ます。また、仕事で成果を出し続けるためには、市場環境の変化を読み取りながら新たな取り組みに挑戦することが求められます。
特に、テクノロジーによる技術革新やグローバル競争の多極化により市場環境の変化が急速化した近年では、企業側も臨機応変に事業内容を変化させることが求められるようになっています。
そのため、環境の変化を素直に受け入れることのできる人材が以前にも増して求められるようになっており、それは新入社員となる就活生も例外ではありません。
経団連が、経団連全会員企業に対して、「企業の求める人材像」などについてアンケートを実施しました。
そのアンケート結果を見ると、企業が学生に特に期待する資質として、回答企業の約8割が「主体性」「チームワーク」「リーダーシップ」「協調性」を挙げています。そのほかにも、「課題設定・解決能力」「論理的思考能力」「創造力」も上位に並んでいます。
「企業からどのような資質が求められているのか」を正しく認識したうえで、自己PRを考えるようにしましょう。
自己PRで素直さをアピールする際のポイント

先ほど説明した自己PRの基本的な書き方(フレームワーク)を踏まえ、続いては自己PRで素直さをアピールする際のポイントを紹介します。
自己PRで素直さという強みをアピールする際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 自分の素直さを象徴するエピソードを伝える
- 「素直さという強みを活かして何ができるのか」を具体的に述べる
- 主体性を損なわない伝え方をする
自己PRで素直さをアピールする際のポイント(1):自分の素直さを象徴するエピソードを伝える
1つ目は、"自分の素直さを象徴するエピソードを伝えること"です。
単に「私の強みは素直なところです。」と伝えても、どのように素直なのかが伝わりませんし、信憑性に欠ける回答となってしまいます。
そのため、自己PRを書く際は、就活生の素直な性格が伝わる過去のエピソードを用意しましょう。
例えば以下のように
というエピソードを伝えたら、素直さという強みにより信憑性が増します。
自己PRで素直さをアピールする際のポイント(2):「素直さという強みを活かして何ができるのか」を具体的に述べる
2つ目は、"「素直さという強みを活かして何ができるのか」を具体的に述べること"です。
「リーダーシップ・信頼関係構築能力」といった自身の具体的な行動と結び付けることのできる強みと異なり、「素直さ」は行動を起こす前提となる心構えのようなものであり、何か特別なことができる強みではありません。
自己PRとは、就活生が企業に対して「自分が入社後に活躍できる人材であること」を伝えるための場面です。ただ「素直さ」をアピールしただけの自己PRでは、具体期な行動や実績との繋がりが薄いため、選考官に「入社後に活躍しそう」・「仕事ができそう」といったイメージを与えることが難しいと言えます。
そのため、自己PRで素直さをアピールする際にはただ素直であることを伝えるのではなく「素直さを活かして何ができるのか」を考える必要があります。
1. 個人として努力し、成果をあげることができる
2. 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
3. リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
4. 価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
5. 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる
【参考】ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?
上記は、人気企業内定者が共通してアピールしていた5つの強みです。素直さを自己PRでアピールするのであれば、上記のような"具体的な行動や成果に繋がるような強みと組み合わせるべき"でしょう。
例えば、「素直さ」と「価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」を組み合わせると、「素直に物事に取り組む姿勢で、どのような人とも仲良くなることができる」と言い換えることができます。
自己PRで素直さをアピールする際のポイント(3):主体性を損なわない伝え方をすること
3つ目は、"主体性を損なわない伝え方をすること"です。
選考官に「素直さを活かして何ができるのか」を伝えるためには、その根拠として「素直さを活かして行動したことで実績に繋げた経験」を伝える必要があります。
しかしながら、素直さをアピールした自己PRには受け身な印象を与えやすいという特徴があります。特に「相手の指摘を受けて自身の行動を改めた」といった立場や考え方の異なる他者との関係性における素直さをアピールする際には、どうしても受け身な印象が強くなってしまいます。
主体性を損なわずに素直さを伝えるためには、相手の指摘や自分の現状を受け止めた上で自分が何を考え、どのように行動を改めたのかについて詳細に述べることでオリジナリティを押し出していきましょう。
エントリーシート(ES)における自己PRの基本的な書き方

企業が求める素直さについて紹介しましたので、続いては自己PR全体の書き方について解説していきます。
自己PRを書く際は、基本的に以下のフレームワークに沿って書くことで論理的な自己PRにすることができます。

上記の図に記載してあるように、自己PRを書く際にはまず最初に"結論(書き出し)"を簡潔に述べ、その結論の根拠となるエピソードを伝えます。
エピソードを述べる際には「どのような努力や工夫をし、どんな結果を出すことができたか」という選考官が最も知りたい部分まで書くようにしましょう。
そして最後には、自分の強み(長所)を通して企業にどう貢献できるのかをアピールします。このような流れで自己PRを書き終わったら、必ず添削をするようにしましょう。
自己PRの基本的な書き方に関しては以下の記事で詳細に解説していますので、各フレームワークのポイントを確認したい就活生はこちらの記事もご覧ください。
【経験別】自己PRで素直さという強みをアピールしたES例文8選
ここからは、「素直さという強みをアピールして選考を通過した就活生のES例文」を紹介します。
本記事では、8つのES例文を掲載しています。
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(1):部活動編①
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(2):部活動編②
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(3):学業編
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(4):留学編
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(5):サークル編
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(6):アルバイト編
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(7):アルバイト・インターンシップ編
- 素直さをアピールした自己PRのES例文(8):研究編
素直さをアピールした自己PRのES例文(1):部活動編①
最も大切にしていることは素直さである。このきっかけとして高校生の野球部のキャプテンの経験がある。具体的にはキャプテンとしてチームの勝率を上げるという目標に固執しすぎていたため、周りの意見を聞かず、全て...場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
素直さをアピールした自己PRのES例文(2):部活動編②
私は「素直さ」を最も大切にしている。目標達成が困難な場面も人の意見から謙虚に学び、努力の継続を心がけている。これは大学時代のボルダリング部で特に表れた。当部活動では、部内大会2回の成績で関西大会出場者...○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
素直さをアピールした自己PRのES例文(3):学業編
ゼミ活動でチームのリーダーを務め、ビジネス案を立案したことです。取り組み始めた頃はモチベーションが無いメンバーがおり、場の雰囲気も良くありませんでした。目標であった◯◯◯◯◯◯◯◯◯に出場するための質...それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
オリエンタルランドの企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら
素直さをアピールした自己PRのES例文(4):留学編
「素直さが学びの一番の近道」という価値観です。分からない・疑問に思うことは、ごまかさず、すぐに聞いて解決するようにしています。ロンドン大学へ短期留学に行った時、周りの留学生の英語力や積極性に圧倒され、...また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。 かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
素直さをアピールした自己PRのES例文(5):サークル編
ダンスサークルの仲間からは素直さが特徴だと言われます。私の所属するサークルでは、年5回の定期公演に向けて日々練習しています。公演本番は最善の状態を観客に見てもらいたいという思いがあり、練習中は積...
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
素直さをアピールした自己PRのES例文(6):アルバイト編
年齢問わず、他者の言葉を素直に聞き入れる素直さがあります。 大学2年生で飲食店のアルバイトを始めた頃、周りは私よりアルバイト歴の長い年下の先輩ばかりでした。中途半端な時期に入ってきた私にどう接するべき...○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
素直さをアピールした自己PRのES例文(7):アルバイト・インターンシップ編
素直さと人のために本気になれる性格を強みとする。私は素直な心を持ち、常に謙虚な姿勢を貫き、新しいことを貪欲に吸収する。他者に対しては、多種多様な意見や考えを広く受け入れる寛容さも兼ね備える。派遣アル...
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
素直さをアピールした自己PRのES例文(8):研究編
私の強みは「素直さ」と「聞き上手」だ。「素直さ」は研究活動を通して磨かれた。分からないことが多い研究で、教授や先輩の話を素直に吸収することを大切にしている。自分の考えに固執するのではなく、話を吸収して...また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。 かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
ネットワンシステムズの企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら
自己PRで素直さを言い換えるなら?

本記事では自己PRにおける素直さについて解説してきましたが、ここまで読んでみて以下のような疑問・悩みが浮かんだ就活生もいるのではないでしょうか。
「素直さだと他の就活生と被りそうだから、何か別の言葉に言い換えたい!」
「素直さだと何だかしっくりこず、もっと適当な言葉がある気がするんだよな…」
そんな就活生に向け、素直さと類似した言い換え言葉を下記にまとめてみました。必ずしも言い換える必要はありませんが、上記のような悩み・疑問を持っている方は参考にしてみてください。
- 相手の意見を受け入れることができる
- 裏表がない
- 吸収力がある
面接で自己PRを伝える際のポイント
フレームワークに沿って伝える
自己PRを論理的に伝えるためのフレームワークと、フレームワークの各要素におけるポイントについて解説していきます。
- 強み:あなたの強みは?
- 強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
- 強みを表す具体的エピソードは?
- 強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
- 強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
企業側は自己PRを通じて「自社の求める強み・能力を持っているか」を見極めようとしています。
それに際して重要なことが"就活生がどんな強み・能力を持っていて、その強み・能力を企業で活かせることができるのか"というものです。
企業側は就活生の自己PRを聞くことにより、「この就活生はこんな強み・アピールポイントを持っていて、この場面でこのように活かしたのか。それであればうちではこのように活躍してくれるだろうな。」といった風に読み取ることができます。
強みの根拠となるエピソードを複数用意する
面接にて複数のエピソードについて言及することができれば、あなたの「強み」が一定の再現性を伴っていること(=あなたが様々なシーンでその強みを発揮していること)を示すことができるため、自己PR全体の説得力をさらに高めることができます。
一つ一つのエピソードのインパクトが弱いと感じる場合には、エピソードを複数用意することであなたの「強み」に再現性があること、入社後にもその強みを発揮できることをアピールしてみましょう。
時間を意識する
指定された時間内に収めることは大切です。事実、企業によって1分/3分/5分などと指定される時間は異なります。そのため、予めそれぞれの制限時間に合わせた自己PRを作成しておくようにしましょう。
目安となりますが、1分で話せる文字数は300文字程度と言われています。また先程も述べましたが企業によって制限時間は異なるため、事前準備として制限時間を1分、3分、5分と想定し、300文字、900文字、1500文字程度のの自己PRを作成しておくと、どんな状況でも落ち着いて自己PRを伝えることができるので、ぜひ試してみてください。
時間指定がない場合は、1分~1分半くらいで伝えるようにしましょう。時間制限がないからといって長々と話してしまうと、「話しをまとめられない人だな」「結局何をアピールしたいんだろう」などといったマイナス印象を面接官に持たれてしまう可能性があります。
まとめ

本記事では自己PRにおける素直さについて解説してきました。
改めてになりますが、自己PRは「自身が入社後に活躍できる人材であること」を示す必要があります。
自己PRで素直さをアピールし、志望企業の選考突破、ひいては内定獲得を目指してもらえればと思います。






