銀行はオワコン?大手信託内定者が伝える将来性・内定獲得のコツ

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最終更新日:2023年10月19日

銀行はオワコン?大手信託内定者が伝える将来性・内定獲得のコツ

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こんにちは、21卒の文系大学生です。

就職活動では信託銀行を第一志望としており、大手信託銀行2社から内定をいただきました。

さて、銀行業界がオワコンとも称される現在、信託銀行ってどうなのか?

メガバンクや地銀の将来性を気にしているが、銀行業界自体には興味があり、選考を受けたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、信託銀行の将来性と私が第一志望から内定を得るために何をしてきたか。私なりに内定者の立場から考えた選考突破ポイントをお伝えします。信託銀行を目指している方はもちろん、銀行業界全般に興味がある方に役立つ内容になっていると思います。

私の大学時代はサークル・アルバイトなどでいずれも「個」としての実力が試される活動が中心でした。その中で、目標を目指してスキルを高めることや、自分の経験を誰かのために活かすことにやりがいを感じたことから、専門性を磨くことで人生に影響を与える仕事に就きたいと考え、これを軸に就職活動を進めていました。

信託とは「信じて託す」という言葉から来ており、お客様との信頼関係を非常に大切にします。よって「一対一で親密な関係を築くのが好き」「誰かのために努力をいとわない」という方は信託銀行が向いているかと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

昨今の金融業界、信託銀行の立ち位置

まずは、金融業界・銀行業界といった広い部分から順番に、信託銀行の立ち位置について説明していきます。

普通銀行と信託銀行の比較

普通銀行が採用人数を年々縮小していたり、オワコンなどと囁かれていることを受け、普通銀行と信託銀行の将来性について比較してみましょう。

普通銀行は低金利に苦しみ、本来の主業務である預金と融資のみでは収益が上がらなくなってきているのが現状です。そのため、海外進出に力を入れたり、FinTechの活用で新しいビジネスを立ち上げるなど、新たな収益源を求め変革の時代と言われています。

FinTech等に力を入れていくのは普通銀行と同様ですが、信託銀行では預金以外にも不動産・遺言・証券代行と多くの事業を手掛け、それだけ収益源の幅が広いことが普通銀行と大きく異なる点です。

そのため、収益が落ちた部門を他部門で補うということができるのが信託銀行の特徴であり、強みです。加えて、高齢化が進む現在、相続に関連した遺言や資産継承のニーズが増えていくでしょう。

お客様の人生、あるいは企業を金融サービスによりサポートするという面では普通銀行と共通しているため、普通銀行志望の学生も併願先として見ておいて損は無い業界と言えます。

一方、大きな収益源の一つである投資信託販売では一件当たりごくわずかな手数料しか得られず、更にインターネット等で手軽に知識を仕入れることが可能なことから、サービス利用者の減少は否めません。信託銀行もいずれは業務見直しが必要と言え、以前のような安泰は望めないでしょう。

不動産志望もライバル?就活市場の信託銀行の立ち位置

このようにメガバンクを始めとした普通銀行と信託銀行の併願というのは想像がつきやすい部分かと思いますが、その他併願先としてはどのような業界があるのでしょうか。

私が就職活動を通した所感では、信託銀行を志望する学生は、金融業界の他に不動産業界と併願している人が多い印象でした。

一見不動産というと、金融からはやや離れた部分に感じられるかもしれません。

「信託銀行」自体は確かに金融業界に位置付けられます。その中でも信託銀行の不動産部門は何十億円とする大規模な不動産を扱っており、社員の方曰く実は不動産市場においてもデベロッパーや不動産仲介会社と並ぶ重要な取引相手とのことです。

よって不動産業界を目指す就活生の併願先となり得ることは抑えておくべきでしょう。

【参考】
現代において不動産と金融は切っても切れない強固な関係を築いており、金融の立場から不動産業に関わることが多くなっています。詳細について詳しく知りたい方はビジネスマップ実例【不動産業界】の記事を併せてご覧ください。

私が信託銀行を第一志望にしたわけ

私は就職活動を始めるまではサークルやアルバイトに打ち込むごく普通の大学生でした。留学や長期インターンシップの経験もありません。そんな私は冒頭でも少しお話しましたが、専門性を磨くことで人生に影響を与える仕事に就きたいと考えていました。

その中で信託銀行を第一志望としたのは、信託銀行ではお客様の人生におけるトータルサポートが可能だからです。

家を買う時には不動産・孫が生まれたら教育資金信託・老後は遺言や事業承継と人生の節目節目に同じ担当者が携わり、提案できる業界は他にありません。それだけお客様と信頼親密な関係を築き、人生のパートナーとなれるのが魅力でした。

より本音ベースの理由としては、これだけ幅広い専門性が磨けたら、自分や身近な人の人生に役立つ知識が身に付くだろうという理由もありました。

併願業界は信託銀行で携われる業務と共通している普通銀行・証券・生保・不動産仲介です。個人営業に従事したかったため、企業営業が中心の業界(金融業界で言うと損保、不動産業界で言うとデベロッパーなど)はあまり見ていませんでした。

インターンシップ~本選考解禁まで。信託志望者は絶対に参加すべき

次に、就職活動の時系列にそって就活生の関心が高いと思われる部分についてピックアップしていきます。まずはインターン関連の話になります。

インターン+各イベントにも積極参加

信託銀行では、大手2社(三井住友信託銀行・三菱UFJ信託銀行)のサマーインターンに参加しました。三井住友信託銀行は3日間・三菱UFJ信託銀行は5日間で、どちらも業務体験型のグループワークが中心でした。

私の主観ですが、信託銀行は業務が複雑でパンフレットやHPのみの理解には限度があると思います。インターンに参加して業務を具体的にイメージでき、非常に勉強になりました。

そして気になるのがその後ですよね。両社とも金融業界ありがちなスタンプラリー形式で、サマーインターン後もフォローアップの1dayインターンや社員座談会など開催されました。

私は志望度の高さを示すべく、内定者イベントからグループ全体説明会まで、お知らせをいただいたものは全て参加しました。いわゆるスタンプラリーについては意味があるか意見が分かれるところではあります。個人的には志望度の高さを示せるだけでなく、イベントに参加するとそれだけ企業理解が深まるため、信託に限らず行きたい企業ならイベントには積極的に参加すべきと考えます。

インターン参加の印象的な特典としては、三井住友信託銀行はサマーインターン参加者の中で選考を行い、プレミアムインターンという2daysインターンが冬に開催されました。三菱UFJ信託銀行は人事の方がメンターとして付き、模擬面接をしてくださるなどフォローが手厚かった印象があります。

サマーインターンから本選考は始まっている!

インターンに参加した私は、2・3月から始まる早期選考に呼ばれました。ただし、ここで強調しておきたいのは、インターンに参加するだけで満足してはならないということです。

ある企業では、本選考のフロー(早期選考に呼ばれるor呼ばれない・面接の回数等)がインターン参加者の中でも人によって大きく異なっていたことから、インターンでの立ち居振る舞いが少なからず本選考に影響していると感じました。どの企業でも言えることですが、企業とコンタクトを取っている以上、いつどこで見られていてもおかしくないということは肝に銘じておきましょう。

余談ですが、大手信託銀行については両社とも秋・冬のインターンは特に倍率が高いので、早い段階から志望度が高いならば夏に参加しておきたいところです。

本選考~内定まで。選考突破の秘訣とは?

次に、本選考解禁後について説明していきます。

企業×自分・業務×自分を意識

大手信託銀行2社は恐らくほとんどの就活生が併願します。よって、人事からすればもう一方によい人材を取られてしまうことを恐れ、志望度の高さを測ろうとすると予想し、自分の特性と企業を論理的に結びつけることを意識しました。

例えば、スペシャリスト育成志向の企業では、自分が長い間携わった活動の話を通じ、1つの分野を極めていくことが得意と伝えるなどです。

また、信託銀行は「部門が変われば転職と同じ」と言われるほど部門によって業務内容が大きく異なります。そのため当然「どこの部門で働きたいか」という話にはなると予想し、その部門の中で具体的にどんな業務に携わりたいかまで落とし込んで話せるようにしました。

面接で見られていたと感じるポイント

(1)勤勉さ

就職活動で聞かれがちなチームでの役割」も聞かれたことはありましたが、それよりも個人として問題解決にあたり、どのようなプロセスを辿ったかを非常に深堀りされました。

信託銀行の業務は個人として営業成績を上げることが求められ、高度な専門性も合わせて必要となることから、論理的思考力や勉強のための努力を惜しまないかといった点も重視されているのではないかと思います。

学業成績にも全ての面接で触れられたことから、良い評定はアピールポイントになるでしょう。ちなみに社員の方曰く、入社後14個ほどの必須取得資格があることから、勉強は欠かせないようです。

(2)信頼関係構築力

信託銀行はお客様から信頼され、大切な財産を託されることで成り立っているビジネスです。そのため、フィデューシャリー・デューティー(=お客様から信頼され、専門性の高いサービスを提供する人)という言葉を、全社をあげて大切にしていることは、説明会等でもよく言われていました。

面接でも対人関係の問題についてどう対処したかを聞かれ、私の場合はアルバイト先でお客様と真摯に向き合った姿勢が評価されたと考えます。

まずは信頼関係を築いたエピソードの整理や、「自分にとっての信頼とは?」などを自問自答することから始めましょう。

他には、普通銀行や証券でも同じことが言えると思いますが、経済のニュースについて触れられたので、常日頃から世の中にアンテナを張っているかも見られると考えます。個人的には日経電子版や企業HPのニュースリリースは、企業ごとのニュースもチェックできるので非常に活用していました。

信託銀行を目指す人へのFAQ

Q:資格は持っていた方が有利ですか?

私は宅建を取得していましたが、褒められることも多く、プラスに働いたと感じます。

ただし、資格を持っている事実よりも、取ろうとした動機や学生生活と両立して勉強したプロセスが評価されたという印象でした。学業成績に近しい感覚かと思います。

資格を取るならば、業務に携わるにあたり必須の宅建やFPがおすすめですが、あくまでもプラス要因の一つと捉え、SPIの勉強や自己分析などがおろそかにならない範囲内で取り組むべきでしょう。

英語資格についても、入社後定期的にTOEIC受験が課されるそうなので、学生時代に高得点を取っておくに超したことはないでしょう。

Q:メガバンクではない理由はどう答えたらいいですか?

1つ目は、信託銀行にしかない業務(遺言、不動産、証券代行など)をやりたい業務として挙げることです。これらの業務は法律で信託銀行でしか行えないと定められているため、絶対的な理由になります。

2つ目はグループ内の立ち位置について述べることです。現在のメガバンクはグループの川上・信託は川下と例えられます。つまりグループ各社にお客様を繋ぐのがメガバンク・解決まで寄り添うのが信託銀行という形で、グループ内でバトンパスが行われているという意味です。

高い専門性を活かしてお客様と共に課題解決したい・川下の役割を担いたいことを強調するといいでしょう。

Q:OB訪問はした方がいいですか?

OB訪問せずに内定を獲得している人もいるので必須とは言えませんが、した方が良いと思います。

特に三井住友信託銀行はリクルーター面接があるので「聞きたいことはそこで聞けばいいや」と思いがちですが、OB訪問である程度の知識を付けた上でリク面に臨んだ方が、より深い質問をして周りの就活生と差を付けることが可能になります。

身近にOBがいない場合は支店訪問をしてみましょう。

OB訪問のやり方についてはOB訪問やり方大全!OB訪問の目的から時期・質問内容まで徹底解説の記事を併せてご覧ください。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の内容をまとめると、以下の3点がポイントになります。

  • 信託銀行には将来性・存続性が見込まれる分野が複数ある
  • インターンへの参加・当日の実績が本選考に大きく影響する
  • 本選考では、「勤勉さ」「信頼関係構築力」をアピールすべき

就職活動を始めるまでは微塵もなかった経済の知識が、信託銀行のインターンや企業研究を通じて身に付いたことが一番の収穫だったと思います。

私のように知識を付けることが面白い、もっと深めたいと思った皆さん、是非信託銀行の門を叩いてみてください!この記事が少しでもお役に立つことを願っています。

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︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎【筆者紹介】​佐藤沙弥(さとうさや)京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイトディレクション(CDI)に入社。IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。◆CDIのホームページはこちら(注)パートナー:コンサルタントとしてのキャリアパスの最終点であり、コンサルティングファームの「共同経営者」のポジション。パートナーの仕事は大きく分けて2種類あり、1つは顧客開拓とプロジェクトの受注(=営業)、2つ目は人材育成なども含めたコンサルティングファームそのものの経営全般。 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ニューエリートの構成要件|変化するエリート像と3つの達成要件 ニューエリートの構成要件|変化するエリート像と3つの達成要件 イノベーションが著しい現代社会において、いままでの「働き方」とこれからの「働き方」が変化しつつあります。今回は、そんな移り変わりの早い最中で、「これからの時代をリードする人」の傾向とそうなるためにはどうすれば良いのかと言ったことを今回、「ニューエリートグーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち」から考察します。本記事のアジェンダ▷「スーツを着たエリート」はもう時代遅れ▷「自分が見たい世界」のために働くには▷学び続けるための4つの方法▷決断し続けるためにやるべき3つのこと▷最後に「スーツを着たエリート」はもう時代遅れ「現代の成功者は着る服などにはかまわず、結果だけにフォーカスします。」と著者は述べています。つまり高級なスーツをきて仕事をし、それに対して優越感を感じている人が成功者ではないということです。前述したようなエリート像は、すでに時代遅れになりつつあります。実際日本でも大企業が倒産したり買収されたりしていますし、エリートの必須スキルとも言える外国語能力も、今後自動翻訳によって価値が下がっていくでしょう。人工知能が発達すれば弁護士や医者といった、エリートの代名詞的職業に就いている人でもふるいがかかるはずです。時代の潮目はとっくに変わり始めているのです。「自分が見たい世界」のために働くには現代の日本では、「お金」という資本を使ってビジネスする資本家と、労働によって「お金」という対価を得る労働者がいます。この両者によって成立するのが資本主義です。資本主義社会では、大きな資本を持つ資本家が力を持ち、より多くのサラリーを得る労働者がエリートとされています。そういった「オールドエリート」は、固定化された「地位」みたいなものでした。しかし、お金というものは、もはや人々が価値をやりとりする手段にすぎません。お金を持っていなくても、SNSで多くの人と繋がれば、その繋がりを元にビジネスを起こすことも可能です。現に、大資本から外れたところで、魅力的なビジネスがたくさん生まれています。つまり、すでに資本主義社会は終焉を迎え、ポスト資本主義社会が到来しつつあるということであり、これからの時代をリードする人は、ポスト資本主義社会の世界の仕組みを作る人たちになります。ニューエリート構成要件「ニューエリートグーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち」より引用概ね保守的で変化を好まないオールドエリートに対し、ニューエリートは革新的で変化を積極的に受け入れる傾向があります。彼ら(ニューエリート)の価値観を3点でまとめると以下のような構成になります。1.既存の考え方に縛られない本業以外の分野で自分のやりたいことを見出し、副業としてビジネス化している人や、初心者であることを武器にして常識を壊し、成功を収める人もいますが、ニューエリートは「常識」や「体裁」といった価値観に引っ張られて足を止めることはありません。2.受け取る価値より与える価値を大きくする大半の人たちは「より少なく働いて、より多くの給料を得る」といった、与える価値より受け取る価値を大きくする方に夢中です。しかし、ニューエリートは、逆に受け取る価値より与える価値を大きくすることに夢中になります。3.自分が見たい世界を作るニューエリートは自分が見たい世界を作る、つまり自己実現を達成するために仕事します。そのために、彼らは仕事で自分が出しているアウトプットにプライドを持ち、そしてアウトプットを出すまでのプロセスを楽しんでこなしています。ここでいう「仕事」というものは、ビジネスだけにとどまらず、趣味やボランティア、家事などあらゆる「世界に価値を提供していく行為」を指します。すなわち、ニューエリートの概念では、かつては初めからエリートの圏外だった専業主婦のような人でも、エリートになりうるということです。こうした価値観を保つためには、常に変わり続ける必要があります。なぜなら現状に満足しているだけでは既存の考え方にとらわれてしまいますし、自分が世界に対して与えられる価値も陳腐化してしまいます。そもそも、目の前の世界を「自分が見たい世界」にするためには、現状を変えなければなりません。だから変わり続けなければならないのです。学び続けるための3つの方法仕事に関する専門知識にしろ、趣味にしろ、ボランティアにしろ、学び続けることは難しいものです。「今で精一杯だ」と思う方も多いでしょう。しかし、学び続ける人しかチャンスは掴めません。とはいえ闇雲に何かを学ぼうとしても時間やお金に限界があります。そこでまずは以下の3つを実践するところから始めて見ましょう。1.「インパクト」と「学び」で仕事を選ぶここでいうインパクトとは、同じ時間で生み出す価値を指します。抱えている仕事をこのインパクトの大小と学びの大小で、「インパクト大・学び大」「インパクト大・学び小」「インパクト小・学び大」「インパクト小・学び小」の4つに分類します。そしてそれぞれに以下のように対応していきます。「インパクト大・学び大」…優先的に力を注ぐ。「インパクト大・学び小」…極力人の力を借りて行う。「インパクト小・学び大」…自分への投資だと考えて、一定の割合で行う。「インパクト小・学び小」…アウトソーシング、自動化する。こうして良い意味での仕事の選り好みをすれば、自然と仕事の中で学び続けられるようになります。2.「その道のプロ」に会うためにお金を使うどんな人と接するかは、自分がどんな人間になるかに直結します。そのため自分がプロになりたいと思っている分野のプロとどれだけ多く会って話しているかは、ニューエリートになるための大きなポイントになります。だからもし「その道のプロ」に会うチャンスがあったなら、交通費や飲食費などは厭わず、是が非にでも会いにいくべきです。また会ってからも物怖じせず、その人の価値観や成功の要因、失敗経験やその際に学んだことなどを徹底的に質問すること、それが確実に自分の学びになっていきます。3.「グーグルアラート」と「グーグルトレンド」で情報収集する著者によると、自分が気になるキーワードをグーグルアラートに設定し、関連する最新情報についての通知が毎朝メールで届くように設定するなど、グーグルトレンドで多くの人が関心を寄せているトピックが何かをチェックし、得た情報をもとに詳しそうな人を見つけて「これってどう思うか?」と質問することで、自分で集めた情報が立体的になり、+αの学びを得るとされています。つまり、その+αをもとにさらに詳しい人に話を聞くことができれば、学びの速度は一気に加速します。こうして手に入れた情報をストックし、気になった理由や自分にどういった影響があるのかを考えて学んだ内容が自分ごととなり定着しやすくなります。ここまでの一連の情報収集を習慣化すれば、自ずと学び続けるのが当たり前になっていくでしょう。決断し続けるためにやるべき3つのこと決断しなければ行動につながりません。行動につながらなければ変化はもたらされません。だからこそ変化し続けるニューエリートには、決断し続けることが必要なのです。しかも単に決断をするだけでは不十分で、できるだけ素早く決断を下す必要があります。なぜなら大きな変化のきっかけはいつも偶然にやってくるからです。そのため、きっかけをつかむには決断の速度が求められるのです。決断の速度をあげるには論理ではなく、直感を使います。そうすれば素早く行動につなげられるほか、自分の価値観に近い判断を下すことが可能です。ただしやみくもに直感で判断していては、いつまでたっても「一か八か」の域を出ません。直感的な判断をする場合には、以下の3つのことを実践しましょう。1.自分の決断の間違いを裏付けるエビデンスを探す人間は決断を下した瞬間から、その決断を正当化しようとして自分に都合のいい事実だけを見るようになります。このバイアスによる致命的な決断ミスを防ぐためには、自分の決断の間違いを裏付けるエビデンスを探すのが一番です。もし間違っていたら、すぐに戻って修正すればいいだけです。2.小さな失敗・環境変化で直感を磨く小さな失敗を繰り返して、その都度学びを得ていれば次第に直感が磨かれていきます。また仕事の環境を変えるなどして脳に刺激を与えてやると、これもまた直感を磨いてくれます。3.ポジティブなフィードバックで失敗を修正する直感で決断を下した結果、失敗をしたとします。その際は「何がダメだったんでしょうか」などとネガティブなフィードバックを求めるのではなく、「どうすればもっとうまくできたでしょうか」「次のためにできることを教えてください」といったポジティブなフィードバックを求めるようにしましょう。ポジティブな方が自分もフィードバックを求めやすくなりますし、相手も悪いところを指摘するより気分良くフィードバックができるからです。最後にニューエリートにスタートラインは関係ないここでいう「ニューエリート」という概念は、その人の価値を現在のスタートラインとは無関係に「一定期間での成長度合い」で考えるところです。そのため、自分自身に劣等感を感じている人でも、全員がニューエリートになれる可能性を秘めているということになります。「これまで」のことを振り返ることも大切ですが「これから」について考えることも重要です。まずは行動しましょう。そして「学び続けること」と「決断し続けること」を実践してみると良いでしょう。 6,298 views
「ES添削してください!」と依頼されたときに。聞く側・見る側双方に役に立つ、エントリーシート添削論 「ES添削してください!」と依頼されたときに。聞く側・見る側双方に役に立つ、エントリーシート添削論 こんにちは、18卒就活生です。多くの大学では学年末の試験が終わり、19卒の方はいよいよ本選考解禁へ切り替えようかという時期だと思います。一方で18卒の皆さん、この時期ということもあってか最近19卒の後輩から以下のようなお願いをされることはないでしょうか。後輩:「〇〇さん、ES添削していただけないでしょうか?」そう、就職活動を経験した先輩として、後輩たちがその知見を求めエントリーシートの添削を依頼してくるのです。就職活動中の後輩からの依頼と言えばこれに限らず、「OB訪問っていつ頃からしていましたか?」「自己分析ってどうやればいいですか?」といった質問に答えるのも依頼の一つと言えると思います。しかし、中でもESの添削は、・遭遇可能性として高い依頼の一つである・対応にある程度時間がかかる・何となく適当にやりすごすことが憚られる(エントリーシートを書いたことがない人はまずいないため、「自己分析?そんなのやらなくても大丈夫だよ」といったようにない経験として突き放すことは難しい)以上のような理由から、依頼として来たときに何となく面倒・どう対応すべきか迷ってしまうことも多いものだと考えています。筆者は就職活動中に9社の内定を獲得しています。内定先の業界も電力・人材・建築・IT・メーカー(化学・機械など)を始め比較的幅広いと思っています。当然依頼する後輩側は添削の質を気にして「就活が得意(そう)な人に添削してもらいたい」と考えるため、内定数が多い筆者は変な期待感をもたれつつ対応に追われているといった形です。それもあってか、今では本選考で書いたエントリーシートよりも、後輩から送られてきたエントリーシートの方が多いぐらい添削をこなしてきました。本記事は「エントリーシートの添削」をテーマに書かれていますが、いわゆる「添削のやり方」といったテクニック的な話だけでなく、添削してもらう側にもタメになる情報が盛り込まれています。そもそも、なぜ後輩はエントリシートの添削を依頼してくるのか結論、エントリーシートには正解がないためです。と言ってしまうと、若干語弊があるかもしれません。(企業に評価されればそれが結果的に「正解」だという捉え方もあると思っています)正確に言えば、エントリーシートの絶対的な正解は誰にもわからないためです。例えば、大学受験で"添削"の対象と言えば、国語の論述や各教科の記述式問題が典型かと思います。こういった問題は、「模範解答通りに書かなければ不正解」とも言えず、「これしかない」という絶対的な正解がないことが添削の機会が増える一因になります。エントリーシートの場合もこれに近しいことが言え、あくまで人事というヒトが判断する以上、「これを出せば絶対に通る」という正解はありません。その可能性を高めるために、添削という一つの方法が存在します。絶対的な正解がわからないのは添削する側も同じなわけですが、自身の就職活動結果が良ければエントリシートの添削の質も高い(だろう)と考えるため、そういった先輩に依頼が殺到することになります。(「添削レベルが高い先輩ほど添削料も高い」といった経済学で言う"価格差別"はまず起こらない世界だからです)エントリーシートを添削する効果はどこにあるのか?そのままですが、エントリーシートを添削する効果はエントリーシートの精度が高まることです。この"精度向上"には大きく分けて以下の2つの意味が込められていると考えています。添削効果1:エントリーシート自体の通過率の向上当然ですが、エントリーシートの完成度が高ければエントリシートの通過可能性は高まります。評価されるかもわからないエントリーシートについて自分一人であれこれ考えこむよりは、自分より"正解"を知っているであろう人に見せてしまって、第三者目線からのフィードバックを貰う方がよっぽど賢明な判断でしょう。添削効果2:通過後の面接に向けた思考整理の手助けエントリーシートは、言ってしまえば面接時に話すネタの「頭出し」です。エントリーシートの時点で論理的な内容が書けているということは、面接の際に話す内容の論理構造も整理できているということです。参考:上記のエントリーシート記事にあるように、企業は基本的にエントリーシートで書いた内容をベースに面接を進めていきます。そのため、エントリーシートは「通過すればそれで終わり」ではなく、その後の面接内容(何なら入社後にまで)にも影響を及ぼすという意識は常に持つべきだと思っています。特に高学歴層を始めとしたいわゆるハイスペックの学生については、スクリーニングとしてエントリーシートはほとんど内容を見られずに通過ということも企業によってはあり得ます。(京都大学でQuadrilingualの友人からは、某損害保険企業のエントリーシートを締切4分前に「いい保険を売りたいです!」という志望動機で提出したところ通過したという話も聞いたことがあります。)その一方で、多くの添削のやり取りはエントリーシート通過のためだけのエントリーシート添削になっており、面接を優位に進めるという視点に欠けている印象があります。添削効果を高めるためには目的意識を共有すべきこのように、大きく分けても効果が複数ある以上、「何のためのエントリーシート添削なのか」については添削する側/してもらう側の双方で事前に共有しておくべきです。例えば、「何となく自己PRを見てください」より「〇〇社のインターン選考を突破するための自己PR添削をお願いします」と伝えた方が、添削する側は方針が立てやすく、してもらう側も有益な情報が得やすいでしょう。選考に関わる添削を依頼する際は、・企業名はどこか・インターンのエントリーシートなのか、本選考のそれなのか・エントリーシート通過後のフローはどうなっているかについては最低限明記したうえでお願いするようにしましょう。また、設問文は「自己PR」のように省略するのではなく、「あなたの強みは何ですか?また、それを当社のインターンでどう活かすことができると考えますか?(全角300文字以内)」のように、企業から出された設問文を字数も含めてそのまま引用するようにしましょう。これに基づき添削する側は・「〇社なら〜という素養が求められるからこれでは評価されないだろう」・「文字数が少ないから頭出しを意識した回答に仕上げる方が重要だろう」・「エントリーシートのみの選考ならばより内容自体が重視されるだろう」といった仮説を設定し、相手方の目的に沿った対応ができるとより質の高い添削に繋がるでしょう。具体的なエントリーシートの添削の仕方目的意識を共有し依頼が出されたら、次に実際に添削を行うことになります。ここではエントリーシートの最頻出質問の一つ、学生時代頑張ったことを例にとって説明していきます。【添削する側のチェックポイント】フレームワークに沿い文言を項目分け▼誤字・脱字・表現の間違いを確認する▼理由付けしながら問題箇所を指摘する▼改善した文章をあくまで例として示す手順1:学生時代頑張ったことのフレームワークの項目ごとに分類する学生時代頑張ったことはunistyleの人気記事「」に沿って項目ごとに解説をしていくとまとまりのある内容に仕上げられます。まずは受け取ったエントリーシートをフレームワークの各項目に沿って分類しましょう。あなたが学生時代に一番頑張ったことはなんですか。400文字以上600文字以下①結論サークルにおける、1年生の退会率改善です。②動機私自身も中学以来の親友が退会してしまい、悲しい思いをしました。その時の悲しみをほかの人に味わって欲しくないという想いから、改善に取り組みはじめました。③目標と困難所属する150人規模のバレーボールサークルでは、毎年70人近くの新入生が入会するものの、50%が1年以内に退会してしまうという問題がありました。④取組みと結果改善するにあたり、まず、退会した複数の同期に理由を尋ねました。すると、「交流機会が少なく馴染めなかった」という共通の意見が浮かび上がりました。そこで、企画を行うことにより、交流機会を増やすことにしました。企画は6人程度でドライブや旅行などに出掛けるという内容で、年50回行いました。企画にあたり、以下の3点を工夫しました。第一に、ニーズを上回る内容にすることです。期待以上の内容にすることで満足度を高めることを狙いました。第二に、後輩を平等に誘うことです。後輩が不平不満を感じないようにしました。そして第三に、周りに企画主催のアドバイスを行うことです。どのように計画を立てるかなどのやり方を教えることで、周りの協力を仰ぎました。これらの工夫の結果、退会率は25%に半減しました。⑤人柄(記述なし)⑥学びこの経験から、人の信頼を得るためには、約束を必ず守ること、レスポンスを早くすること、相手のニーズを上回る提案をすることの3点が重要であると学びました。上記エントリーシートの原文は「こちら」このように項目分けすることで、一目見るだけでも、・解決への取組みの描写の説明に終始してしまっている(④が長い)・字数が多い割には、③目標設定や⑤人柄など触れるべき内容が不足していると何となくの添削方針が掴めると思います。手順2:誤字・表現に問題がないか確認する次に、内容面ではなく、誤字や日本語の表現として不適切な箇所がないかを確認しましょう。自分で書いた文章のミスには、案外自分では読み返しても気づかないものです。表現の誇張や誤解が生じるような文面を発見次第指摘しましょう。手順3:エントリーシートの内容自体に問題がある点について指摘する次に、読んでいて「このまま提出したら評価を落とすだろう」と考えた箇所について項目ごとに指摘を加えます。例えば、先ほどのエントリーシートの場合は以下のような指摘が考えられるでしょう。②動機私自身も中学以来の親友が退会してしまい、悲しい思いをしました。その時の悲しみをほかの人に味わって欲しくないという想いから、改善に取り組みはじめました。【解説】以下の記事に習って、過去の経験から価値観に基づく動機を述べようとしている方針は問題ないでしょう。一方で、「悲しい」という表現では、価値観の醸成というよりは単なる感想を述べているのに過ぎず、考えが浅いという印象を抱かれてしまうかもしれません。参考:③目標と困難所属する150人規模のバレーボールサークルでは、毎年70人近くの新入生が入会するものの、50%が1年以内に退会してしまうという問題がありました。【解説】交流機会を増やす企画を実現する際の障壁については述べる必要があるでしょう。「馴染めない」という不満を持つ人たち同士で年間50回も遠出に行く企画が困難なしに実現したとは到底思えません。⑥学びこの経験から、人の信頼を得るためには、約束を必ず守ること、レスポンスを早くすること、相手のニーズを上回る提案をすることの3点が重要であると学びました。【解説】「約束を守る」は、経験から学ばずとも社会人としては守って当たり前の行為であり、「社会に出てから活かせる学び」とは言えません(逆に「それまで約束は守らなくていいと考えていたのか?」と見られ評価を落としてしまう可能性もあるでしょう)。レスポンスの早さもいわゆる報・連・相の一貫として、早いに越したことがないのは学ばずともわかるはずです。そもそも、この経験のどこでレスポンスの早さを意識したのかが示されておらず、取組みと学びとの間に整合性が感じられない点も問題でしょう。手順4:面接に向けて考えておくべき内容について事前に深掘りする次に、上記「添削効果2」に沿って面接に向けて考えておくべき点・想定される深掘りについて指摘を加えていきます。④取組みと結果改善するにあたり、まず、退会した複数の同期に理由を尋ねました。すると、「交流機会が少なく馴染めなかった」という共通の意見が浮かび上がりました。(中略)。第一に、ニーズを上回る内容にすることです。期待以上の内容にすることで満足度を高めることを狙いました。(後略)【解説】この場合の相手の「ニーズ」とは何でしょうか。「馴染みたい」というニーズに対して「ニーズ以上により馴染めるようにしました」では採用側に共感されず、面接では説明が必要な点だと考えます。(友人は「誰と」馴染めていなかったのか・「馴染んでいる」とはどういう状態か・なぜ「馴染みたい」と考えたのかその裏にある潜在ニーズは何かetc...)また、採用側が知りたい工夫とは、「相手のニーズを上回る」という狙いではなく「相手の期待感を上回るために具体的にどう働きかけたか」というあなた自身の考えと行動です。(なぜ普段のバレーボールの活動ではなくわざわざ遠出という形を選んだのか・少人数でドライブや旅行をしただけでサークルに馴染めるのかetc...)また、こういった思考は添削以上にやはり実際に口頭でアウトプットすることで深まる点もあると考えます。そのため、時間のかかる添削のやり取りを重ねるぐらいならば、出来れば一度対面やSkype等で話して考えを深めておきたいところでしょう。(想定される深掘りを列挙したとしても、それについて機械的に答えを暗記しておけばおくかぐらいの浅い考えの就活生は案外多いものです)深い思考をしようというと、机に向かって考える時間を増やそうとする人が多いのですが、逆です。人、出来れば厳しくアドバイスしてくれる社会人にあって自分の考えを伝えてダメだしを食らった方が100倍手っ取り早いでしょう。参考:改善した文章を示せるとより親切な添削になるエントリーシートを書いた経験が少なく、評価される内容がわかっていない場合、「ここを直せ」と言われても「じゃあどう直せばいいんだよ」と改善の方向性がわからない人もそれなりにいると思っています。そのため、修正プランを添削する側が提示することで、改善の方向性を感じ取ることができるでしょう。(もちろん、提示された側はそのまま貰った文章を出せばOKと思考停止に陥るようでは意味がありません)以下、筆者が実際に添削したことがあるエントリーシートを基に説明します。※①〜⑥の番号は先ほどの「フレームワーク」の、①結論→②動機→③目標と困難→④取組みと結果→⑤人柄→⑥学びにそれぞれ対応します。※今回は指定文字数が200文字程度と比較的少なく、人柄について別設問で述べる機会があったため⑤人柄については割愛して考えます。【添削前の内容】[①私は〇〇という団体の代表を務め、その中でも新入生勧誘活動]に力を入れました。[④事前に勧誘活動の具体的な方策や自分の意思を示すことで仲間との意思疎通や仲間からの信頼を得る]ことができました。そして、[③大学でも〇〇を続ける人は少なく厳しい状況]の中、「軽く運動をしたい」という層を重視して様々な場所でのジョギングを開催しました。その結果、[④例年の約〇〇倍の〇〇人の新入生を集められ]ました。このエントリーシートは、一言で表せば「経験描写しかしていない」点に問題があると思われます。特に、②動機(代表という立場からなぜ新歓に力を入れたの?)⑥学び(新歓活動から学んだことは?)について一切書かれていないため、伝えるべき項目について網羅されていない点が大きな問題でしょう。また、③〇〇(競技名)を続ける人が少ないという困難に対して、④仲間との信頼関係構築という取組みは、その活動に携わっていない採用側が初めてみた場合理解に苦しむ可能性が想定されます。しかし、まだエントリーシートを書いた経験が少ないこの方に、「動機と学びも書いて」と言うだけでは「じゃあどう書けばいいんですか」状態で難しく感じてしまうと思われます。①結論所属する〇〇での新歓活動です。②動機高校部活動で部長として実現した団体の一体感を再び体感したく注力しました。③目標と困難当初は非競技者の定着率が低く、競技志向の部員との意欲差で整然としない状況でした。④取組みと結果そこで私は〇〇での練習のみが中心活動である点を問題と考え、大学周辺の名所を案内しジョギングで廻る先例のない企画を提案しました。結果、非競技者の学期末定着率が〇〇%増加し、⑥学び状況に応じた柔軟な考え方の重要性を学びました。このようにフレームワークに沿った改善策を示すことで、実際に修正する際の方針を伝えやすいでしょう。この改善例ともとの文面を比較して示すことで、添削者の解説自体も捗ると思います。添削してもらう側の心構え上記添削の方法については添削する側のノウハウの話ですが、添削してもらう側も「書いた内容を伝えて返信を待っていればOK」と考えているようではいけません。添削の質は何も添削者の力量だけで決定されるのではなく、添削依頼を出す側の姿勢というのもけっこう重要だったりします。添削する側にメリットはないことを認識すべしOB訪問を受けたからといって、お給料が増えるわけでもなければ、誰かに褒め称えられるわけでもなく、ただただ時間だけが奪われます。参考:こちらの記事ではOB訪問では基本的にOB側にメリットがない旨を説明しましたが、エントリーシート添削でも近しいこと言えます。「1企業あたり添削料1000円ね」といった契約を結ばない限り、添削する側には全くメリットがありません。就職活動を終えている以上、添削の経験が自身の就職活動で活かされるということもまずありません。「就活経験した先輩でしょ」「4年生なんて授業なくて暇でしょ」のような態度で依頼してくる後輩もそれなりにいるのですが、エントリーシートの添削は、断りにくい割には正直けっこう面倒くさいものだと思っています。添削して貰って当然だろうという姿勢で依頼されると、添削する側も正直まあまあやる気が削がれます。OB訪問のようにお礼メールを送るわけではありませんが、その後もアドバイスを求めたいと考えるのであれば、最低限の感謝の気持ちを伝えることが一つのマナーなのではないかと思っています。「何を聞きたいのか」を明確にすべしこちらは目的意識の項目でほとんど触れた内容です。ただ単にエントリーシート作成能力を高めるための添削と、〇〇社の選考を突破するための添削では、添削する側の添削方針は大きく異なります。・なぜ、何のために添削を依頼したのか・特にどういった点を重点的に見て欲しいのか最低限この2つについては文面と同じく添削者に伝えるようにしましょう。逆に、「ESの書き方を教えてください。」のような抽象度が高くインプットの即面が強い質問はナンセンスです。エントリーシートの書き方自体は、unistyleの記事を見れば理解できるものであり、「その知識を使って書いたものが評価されるか」というもう一段高いアウトプットのために添削があるという位置付けは認識しておくべきでしょう。まずは字数を気にせずに詳細に記述すべしほとんどの企業ではエントリーシートに字数制限・行数制限がかかっています。しかし、添削文を送る際はまずは字数を無視して詳細な記述を心掛けてもいいと思っています。文章を書く際には削るより足す方が簡単だったりもするのですが、・文字数稼ぎとして余計な表現を生み出しがち・特に伝えたい箇所がどこなのか見落としがちといった理由からまずは多く書いて後から削る方がいいと考えます。また、送る文字数を増やせばそれだけ添削側に指摘する切り口のヒントを与えることになり、精度の高い添削が返ってくる可能性も高まると推測できます。おまけ:ノーベネフィットの添削を避けたい添削者へOB訪問・エントリーシート共に共通しているのが、依頼される側の方が立場上先輩であるのがほとんどだという点です。先輩である以上、OB訪問で学生に奢らせるOBがいないように、"添削料"を後輩から搾取することに抵抗がある人は多いと思っています。私自身、「後輩からの頼みは断れないないけど多少の対価は欲しい」ぐらいには考えていました。その際私が取った策は、「unistyleに後輩の友人を会員登録させる」という方法です。(何だかステマみたいな記述で恐縮ですが)unistyleでは、自分の紹介経由で後輩を紹介すると1名あたり@¥500のAmazonギフト券を受け取ることができます。もちろん紹介者が既に会員であることが前提です。マイページから固有の招待URLが取得できますので、そちらを後輩に送りつけて彼の友人を会員登録させることで、自分は収益をゲット・後輩は金銭を要求されることもないというWin-Winの関係を築くことができます。▼招待URLの取得はコチラ▼https://unistyleinc.com/mypage/invitation最後にー聞く側・見る側双方に有益な添削にするために結論、添削する/してもらう側がお互いに以下のチェックポイントを網羅できていれば"意味のある"添削を実現することができます。【添削のチェックポイント】フレームワークに沿い文言を項目分け▼誤字・脱字・表現の間違いを確認する▼理由付けしながら問題箇所を指摘する▼改善した文章をあくまで例として示す【添削を依頼する側のチェックポイント】・添削者への感謝を忘れない・添削の目的意識を伝えて共有する・文面・設問文は企業に送った通りに示す・迷ったら、字数は気にせず詳細に記述するエントリーシートの添削は選考突破に貢献し得りますが、その機会も活かすも殺すも両者の意識次第だと思います。書くにも見るにも、エントリーシートの作成にはそれなりに手間と時間がかかります。その取組みが内定という形で実を結ぶよう、効果が高いエントリーシート添削を実践していってください。 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マスコミ業界の時事問題対策!筆記試験の特徴や過去問、対策本を紹介 マスコミ業界の時事問題対策!筆記試験の特徴や過去問、対策本を紹介 【時事問題/一般常識完全版】1.2.3.4.5.6.7.8.マスコミ業界で全般的に言われることは、他業種の企業に比べて採用人数が少なく、倍率がとてつもなく高いということです。最難関の首都圏大手であってもテレビ局は20~30人、新聞社は60~100人、出版社は10~20人程度の採用人数でしょう。特に、超高倍率のマスコミ選考で鬼門となるのは筆記試験と1次面接です。本記事では、マスコミ業界や出版社志望の就活生に向けて、時事問題試験や筆記試験対策に特化した内容を紹介します。試験の特徴やおすすめの対策本、出題企業をまとめたので、マスコミ業界の対策をしたい方はぜひ参考にしてください。本記事の構成マスコミ業界における時事問題の特徴!筆記試験の過去問も掲載└小論文が課せられる場合が多い└選択式だけではなく、記述式の問題も出題される傾向がある└業界や企業独自の問題が出題される可能性がある└過去問の情報を入手しやすいマスコミ業界の時事問題対策・筆記試験参考書4選└マスコミ時事問題対策本(1)「マスコミ就職読本入門編」└マスコミ時事問題対策本(2)「朝日キーワード就職2023最新時事用語&一般常識」└マスコミ時事問題対策本(3)「新聞ダイジェスト」└マスコミ時事問題対策本(4)「創」時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧最後にマスコミ業界における時事問題の特徴!筆記試験の過去問も掲載はじめに、マスコミ業界における時事問題試験の特徴を解説します。以下の4点が挙げられます。小論文が課せられる場合が多い選択式だけではなく、記述式の問題も出題される傾向がある業界や企業独自の問題が出題される可能性がある過去問の情報を入手しやすい小論文が課せられる場合が多い1つめは、「小論文が課せられる場合」が多いことです。採用ホームページやunistyleで掲載している本選考レポートから、選考フローにおける小論文の情報を得ることができます。朝日出版社や日本経済新聞社では、「ワクチン接種」のような時事問題が題材になった一方で、NHKのように「漢字」をテーマにしたお題が課せられる場合もあります。過去問やunistyleの本選考レポートを参考にして、テーマの傾向を掴みましょう。参考:朝日新聞社|採用に関するQ&A日本経済新聞社|過去の試験問題NHK|本選考レポート選択式だけでなく、記述式問題も出題される傾向がある2つめは、「選択式だけでなく、記述式題も出題される傾向がある」ことです。時事通信社の過去問では、一般常識や時事問題に関する語句や漢字の読み書きの問題が記述式で出題されています。特に漢字の読み書きは対策本でも特化されやすく、出題傾向が高いので、対策を徹底しましょう。参考:時事通信社|よくある質問時事通信社|2020年度定期採用試験業界や企業独自の問題が出題される可能性がある3つめは、「業界や企業独自の問題が出題される可能性がある」ことです。例えば、フジテレビジョンの筆記試験ではエンタメや謎解き、フジテレビジョンに関する問題が出題されたことが、本選考レポートから明らかになっています。市販の対策本ではカバーしきれない問題も出題される可能性があるので、業界研究や企業研究も兼ねて知識を蓄えてみてください。テレビ局内定者のなかには、番組や出演者をすべて暗記して選考に挑んだ方もいるようです。参考:フジテレビジョン|本選考レポートフジテレビジョン|2020年新入社員アンケート企画過去問の情報を入手しやすい4つめは、「過去問の情報を入手しやすい」ことです。上記に挙げたように、マスコミ業界の筆記試験の情報は企業の採用HPに掲載されている場合が多いです。過去問や先輩社員の経験談、Q&Aページから試験情報を得られます。unistyleで掲載している本選考レポートでも試験情報を確認できるので、下記をクリックして企業名を検索してみてください。ES・本選考レポート一覧マスコミ業界の時事問題対策・筆記試験参考書4選それでは、マスコミ業界の時事問題対策・筆記試験参考書4選を紹介します。マスコミ就職読本入門編朝日キーワード就職2023最新時事用語&一般常識新聞ダイジェスト創マスコミ時事問題対策本(1)「マスコミ就職読本入門編」マスコミ就職読本2023第1巻入門編同じマスコミ業界と言っても、テレビ、新聞、出版によって試験の詳細は異なります。さらに、同じ業界であっても企業によって試験の内容は異なります。企業ごとの細かい試験内容などを確認できる一冊が「マスコミ就職読本入門編」です。マスコミ志望者のバイブルであり、マスコミ全般に関する初歩的な基礎知識も掲載されています。どんな種類の問題がどの時期に課されるのかを本書から知ることが、筆記試験対策の第一歩でしょう。入門編以外にも「放送編」、「新聞・出版編」、「広告・エンタテイメント編」があり、自分の志望業種に合わせて読んでおく必要があります。マスコミ時事問題対策本(2)「朝日キーワード就職2023最新時事用語&一般常識」朝日キーワード就職2023最新時事用語&一般常識筆記試験は大きく分けて(1)一般教養・時事問題(2)漢字(3)英語(4)作文・クリエイティブテストの4つの領域に分かれます。その中でも「朝日キーワード」は一般教養・時事問題に該当します。漢字や英語も巻末に掲載されており、非常に重宝します。そして何よりこの「朝日キーワード」が優れている点は、「持ち運びのしやすさ」です。他参考書に比べて小さく、電車の中やアルバイトの休憩時間などでパッと出して、勉強できます。内容もシンプルに時事問題が解説されており、とてもわかりやすいです。最初に購入する筆記対策本としてはベストだと思います。マスコミ時事問題対策本(3)「新聞ダイジェスト」月刊新聞ダイジェスト2021年12月号マスコミ志望者には超有名な「新聞ダイジェスト」。毎月発売され、その月の新聞の内容がまとめられています。巻末には問題集がついており、復習もしやすく、漢字の学習もできます。就職活動に向けて早い時期から毎月購入し、勉強することが理想的ですが、なかなか難しい人もいるでしょう。その場合は、就活前の時期に発売される1年間のまとめバージョン「新聞ダイジェスト時事用語&問題」を購入し、勉強しましょう。就職活動前の大学1~3年であっても、マスコミ志望者であれば「新聞ダイジェスト」を定期購読しておくことは大切です。「朝日キーワード」と「新聞ダイジェスト」の2冊で、時事問題は相当な力が付くことでしょう。マスコミ時事問題対策本(4)「創」創(つくる)2022年1月号(2021-12-07)時事問題&一般教養、作文対策、そして業界研究などにさらに深みをもたせるために「創」はオススメです。マスメディア批評の雑誌であり、本自体が薄いので抵抗なく読むことができます。「新聞ダイジェスト」同様に月刊のため定期購読することが大切ですが、準備時間が少なく、特定のマスコミだけを志望するのであれば、「○○の徹底研究」が掲載されている号のみ購入するのもいいかもしれません(テレビ局のみ志望→テレビ局の徹底研究)。また、時事問題試験対策はマスコミ業界に限らず、他業界の選考対策にも役立ちます。一般常識/時事問題試験の対策本についてさらに知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。【参考記事】時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧最後に、時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧を紹介します。unistyleに掲載されている本選考レポートを基に、出題企業一覧を作成しました。時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧フジテレビジョンNHK毎日放送(MBS)ニッポン放送読売広告社上記の情報は20卒以降の選考時のものです。23卒以降の選考では変更している可能性もありますので、参考程度にご確認ください。上記の企業から一部抜粋して、内定者のレポートを紹介します。【読売広告社内定者】筆記試験の形式、難易度、試験時間東京本社で受験形式は、企業オリジナルだと思われる。内容は、言語、非言語、時事問題の計55問を65分間で行う。【引用】内定者本選考レポート:21卒読売広告社(総合職)【ニッポン放送内定者】筆記試験の形式、難易度、試験時間2時間程度の筆記試験時事問題、非言語、言語、英語の科目内容でした。やはり、大変難しかったので日頃からの勉強を必要とすると思います。おススメテキストは朝日新聞キーワードというものです。【引用】内定者本選考レポート:20卒ニッポン放送(営業職)最後に本記事では、マスコミ業界の時事問題試験の特徴、おすすめの対策本、出題企業を紹介しました。本記事ではあまり触れませんでしたが、マスコミ志望者の選考においては英語能力が試される場合もあります。英語に対して苦手意識がある人は余裕を持ってしっかりと勉強しましょう。また、作文・クリエイティブテストについては直前の対策で対応できるものではありません。早い段階からテレビや新聞、上記の参考書でネタを集め、実際に書いてみてください。そして、テレビも新聞も出版もその業種や企業が出している媒体に必ず触れることを心掛けましょう。テレビ局の対策で言えば「テレビを見ること」であり、新聞社であれば「新聞を読むこと」、出版社であれば「雑誌を読む」ことです。本記事や下記の関連記事で紹介している内容を参考にし、選考対策を進めましょう。関連記事【時事問題/一般常識完全版】1.2.3.4.5.6.7.8. 126,439 views

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