志望動機に福利厚生はNG⁉企業の評価やESの書き方を例文付きで解説
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最終更新日:2024年09月12日
雇用保険や労災保険、家賃補助制度など、仕事をする上での安心や働きやすさを支えるのが福利厚生です。
福利厚生に魅力を感じ、企業に対する関心が高まった就活生もいるかと思いますが、福利厚生を加えた志望動機はNGとされる傾向があり、採用側から高評価を得ることは難しいと言われています。
しかし、各社の選考通過者の中には福利厚生を挙げた志望動機を書いている就活生がいるのも事実です。
本記事では、福利厚生を挙げた志望動機がNGとされる理由や書き方のコツをエントリーシート(ES)例文付きで紹介します。
採用側の感じ方や志望動機でアピールすべきポイントを理解し、志望動機を作成しましょう。
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- 本記事の構成
- 福利厚生とは
- 福利厚生を挙げた志望動機は基本NG!?採用側の感じ方とは
└働く意欲がないと感じる
└就活生の強みや特徴が伝わってこない
└採用側が志望動機を聞く意図に沿っていない - 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文
└福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(1):伊藤ハム
└福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(2):クレディセゾン
└福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(3):伊藤園
└福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(4):りそなグループ
└福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(5):富士通ゼネラル - 志望動機に福利厚生を加える際のポイント
└福利厚生以外の志望理由も用意する
└どの制度を重視したいと思ったのか、理由とともに述べる - 最後に
福利厚生とは
はじめに、福利厚生の定義を確認してみましょう。
「福利厚生」とは、給与や賞与といった基本的な労働対価に加えて、従業員とその家族に提供する報酬を指す。従業員向けの福利厚生としては、雇用保険、労災保険など、従業員が安心して働けるように用意しているもののほかに、業務用PCの貸与といった従業員が日々働きやすい環境を作るという目的で用意しているものがある。
上記の通り、福利厚生とは仕事をする上での安心と働きやすさを支えるために企業が用意しているものを示しています。
社員のスキルを磨くための資格支援制度や、女性の働きやすさを支える産休・育休制度や時短勤務制度などがあります。
福利厚生は社員の意欲向上につながる一方で、企業側にとってコストがかかるというデメリットもあります。
福利厚生を挙げた志望動機は基本NG!?採用側の感じ方とは
志望動機に「福利厚生に魅力を感じた」と書きたいと思っている就活生もいると思います。しかし、そうした志望動機は熱意が伝わりにくく、せっかく書いたにも関わらず、採用側がマイナスに感じてしまう恐れがあります。
こうした事態を避けるためにも福利厚生を挙げた志望動機はなぜNGとされるのか、採用側の感じ方を理解しましょう。以下の3つが挙げられます。
・働く意欲がないと感じる
・就活生の強みや特徴が伝わってこない
・採用側が志望動機を聞く意図に沿っていない
働く意欲がないと感じる
1つ目は、「働く意欲がないと感じる」ことです。
福利厚生は、企業の事業や業務と直接な関わりがない部分です。そのため、福利厚生に対する思いだけを述べた志望動機の内容では、企業で働くこと自体に関心が少ないと思われてしまいます。
また、福利厚生は仕事をする上での安心と働きやすさを支えるものであるため、自分自身の利益を優先する利己的な就活生という印象も抱かれるかもしれません。
さらに、福利厚生は似たような制度が多いため、他社と差別化しにくい側面があります。そのため、採用側に「その志望動機だと他社にも当てはまると思いますが、なぜ弊社を志望しているのですか?」と深堀りされます。
すなわち、志望度が低いと感じてしまい、働く意欲がない就活生だと思われてしまう恐れがあると言えるでしょう。
就活生の特徴や強みが伝わってこない
2つ目は、「就活生の強みや特徴が伝わってこない」ことです。
志望動機では、働く上で将来の目標をどのように叶えたいかを伝える必要があります。そのためには、業界を希望する理由や自身の強みを伝えることが欠かせません。
福利厚生の役割は社員の働きやすさを支えるものであるため、企業や就活生の目標を直接的に成し遂げるものではありません。
そのため、福利厚生を挙げた志望動機から就活生の特徴や強みを判断することは難しく、ほかの就活生と比べて差別化しにくいと判断されるかもしれません。
採用側が志望動機を聞く意図に沿っていない
3つ目は、「採用側が志望動機を聞く意図に沿っていない」ことです。
【新卒】就活の志望動機とは?書く時の注意点やテンプレも紹介-例文5選付-の記事で紹介しているように、企業が志望動機を聞く意図として、以下の2つが挙げられます。
- 志望度の高さを知りたいから。
- 社風やビジョンとマッチするかを知りたいから。
この2点を伝えることで、採用側は「入社後も仕事に前向きに取り組み、活躍してくれるか」、「自身の強みを活かし、長く働いてくれるか」を判断できます。
上記の通り、福利厚生を挙げた志望動機では仕事に対する意欲や就活生の特徴や強みを伝えることは難しいです。働きやすさに対する希望ばかりが伝わってしまい、企業と就活生がマッチする部分を見つけにくいためです。
そのため、採用側が志望動機を聞く意図に反した志望動機になってしまいます。
以上が、福利厚生を挙げた志望動機がNGとされる3つの理由でした。志望動機に福利厚生を挙げる場合は、メインではなく、あくまでサブとして伝えるほうがいいでしょう。
福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文
ここまで、福利厚生を挙げた志望動機がNGとされる理由を紹介しました。しかし、選考通過者の中には、福利厚生に関する内容を挙げた志望動機を書いている方もいます。
そうしたエントリーシート(ES)には、以下の共通点があります。
・魅力に感じている福利厚生の制度が、明確である。
・就活生が掲げる将来の目標に、福利厚生の制度がどのように影響するかを述べている。
上記に挙げた2点を踏まえて、選考通過者のエントリーシート(ES)を見てみましょう。
- 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(1):伊藤ハム
- 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(2):クレディセゾン
- 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(3):伊藤園
- 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(4):りそなグループ
- 福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(5):富士通ゼネラル
福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(1):伊藤ハム
実現したいこと
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このエントリーシート(ES)では、女性管理職として働きたいという目標の達成を志望理由の1つにしています。その上で、女性管理職の増加を狙う自主行動計画を公言していることや、育児休業取得率や時間外労働の基準を満たしたくるみん認定企業であることを挙げ、女性が活躍できる環境だと述べています。
しかし、このエントリーシート(ES)には、事業や業務面に触れておらず、女性管理職としてどのように活躍したいのか、イメージが掴みにくくなっています。
福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(2):クレディセゾン
Web説明会で印象に残った点と理由。①「経営理念と事業領域」について。②「クレディセゾンのビジネス」について。③「成長と挑戦を支える仕組み(人事制度および福利厚生)」について。④もっと知りたい点について具体的に。(①②③各300字、④80字)
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このエントリーシート(ES)では、福利厚生制度の項目について社員の挑戦を支える仕組み、風土があるという印象を持ったと述べています。
部活に所属した経験から、幅広い業務にあたり、知識を増やすことで会社に貢献したいという思いがあり、それを実現するための自己研鑽を支援する制度や新しい部署に挑戦できる制度が整っていることを挙げています。
福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(3):伊藤園
伊藤園の志望理由を簡潔に記述してください。(200文字以下)
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このエントリーシート(ES)では、挑戦やモチベーション向上につながる制度として、社内検定の制度を取り上げています。
資格取得支援等の教育支援も福利厚生に含まれる場合もあります。
福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(4):りそなグループ
りそなグループへの志望理由を入力してください。(300文字以内)
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福利厚生を挙げた志望動機のエントリーシート(ES)例文(5):富士通ゼネラル
就職活動の企業選択における軸を踏まえた上で、当社への志望動機をご記入ください。 (400文字以下)
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志望動機に福利厚生を加える際のポイント
志望動機の書き方を理解することはできたでしょうか。
本項目では、志望動機に福利厚生を加える際のポイントを紹介します。以下の2つが挙げられます。
・福利厚生以外の志望理由も用意する
・どの制度を重視したいと思ったのか、理由とともに述べる
福利厚生以外の志望理由も用意する
1つめは、「福利厚生以外の志望理由も用意する」ことです。
先ほどの項目で紹介したように、志望動機を作成する上で「成し遂げたいこと」や「自分の適性」を伝えることが不可欠です。これらを伝えることで、採用側が志望動機を聞く意図である「志望度の高さを知りたい」、「社風やビジョンとマッチするか知りたい」の2点を判断できるからです。
しかし、福利厚生だけを挙げた志望動機では、「成し遂げたいこと」や「自分の適性」を伝えることが難しくなります。
そのため、「成し遂げたいこと」や「自分の適性」に基づいた企業や事業面や業務面の特徴を挙げること、その上で福利厚生がどのように影響するかを考えてみましょう。
どの制度を重視したいと思ったのか、理由とともに述べる
2つめは、「どの制度を重視したいと思ったのか、理由とともに述べる」ことである。
福利厚生に含まれる制度は1つではありません。保険や住宅、娯楽、子育て、教育など企業によって様々な制度で構成されています。「福利厚生に惹かれた。」と一括りにするのではなく、どの制度に魅力を感じたのか明確にしましょう。
さらに、その制度に魅力を感じた理由も考えてみましょう。その制度がどんな影響を与えるか、どんな環境で働きたいのかを考えることが役立ちます。
例えば、「産後・育児休暇制度が充実しており、女性が活躍できる環境で働くことができる。」や「社員食堂制度があり、社内での意思疎通が行いやすい職場である。」、「資格支援制度に挑戦する社員が多く、高めあう仲間とともに働けると感じた。」などがあります。
最後に
福利厚生だけを述べた志望動機では、アピールすべき就活生の夢や強みが伝わりにくい場合が多いです。
せっかく書いた志望動機が採用側に響かないという事態を避けるためにも、福利厚生の役割や志望動機で伝えるべき点を理解しましょう。
以下の記事ではこれらを踏まえた上で、選考に通過するためのESの志望動機の書き方を紹介していますので、本記事と併せてご確認ください。