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完成車メーカー大手3社の違いとは⁈【強み・事業領域・社風比較】

完成車メーカー大手3社の違いとは⁈【強み・事業領域・社風比較】

掲載開始日:2016年09月09日
最終更新日:2018年07月17日

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近年業績が好調で就活生からの人気も非常に高い完成車メーカー。

日本では電機産業と並ぶ主力産業の1つで、全製造業の製造品出荷額等に占める自動車製造業の比率は2013年時点で17.8%でした。このように、自動車産業は、日本経済を支える重要な基幹産業としての地位を占めています。

今回は、生産台数トップ3のトヨタ・日産・ホンダの三社に着目し、各社の業績や強み、社風に至るまで、徹底的に比較していきます。是非、参考にしてみてください。

完成車メーカーの事業内容・ビジネスモデル

完成車メーカーでは、自動車の研究・開発・設計・製造と販売会社への販売を行っており、実際に店舗で販売している会社とは別の組織です。

日本のメーカーでは生産台数の約4割から5割を輸出しており、また国内の生産立地環境の悪化、新興国を中心とする海外市場の伸張に伴い海外生産シフトを進めています。

また、自動車は2万~3万点の部品より組み立てられており、資材調達や物流など、広範な関連産業を持つのが特徴で、完成車メーカーで働く従業員の仕事内容も多岐にわたります。

自動車メーカーのビジネスは、ピラミッド型と呼ばれており、完成車を作るメーカーが頂点に立ち、その下にサプライヤーと呼ばれる部品メーカーなどが位置してきました。

前述のように自動車は使われる部品が非常に多く、このことが新規参入を阻むことになりました。

インターネットの出現による産業変化の影響も少なく、このビジネスモデルが現在に至るまで長い間機能しています。

今後、部品の少ない電気自動車が普及することによりこのビジネスモデルが変化するのではないか、と考えられています。産業構造の変化は完成車メーカーにとってもキーワードとなり、今までにないクルマや仕組みづくりの必要性がこれまで以上に高まっていると言えます。

みずほ銀行の産業調査部が2013年に発表した自動車産業に関するレポートです。分量はありますが、自動車産業の今後について述べられています。

 

参考:Mizuho Industry Focus わが国の自動車産業における国内生産の行方 

事業内容から考える完成車メーカーが求める人材

完成車メーカーの仕事内容は、様々な企業と協力しながらより良い自動車を創ることをイメージすると思います。

しかし、とりわけ今回取り上げる3社では、それに加えて自動車を取り巻く環境や社会に対するアプローチも求められるようです。

トヨタ自動車の次世代車企画を例に完成車メーカーの仕事内容を理解していきましょう。

私が所属する未来プロジェクト室は、従来の延長線上にはない全く新しいモビリティやサービスを創出していくことがミッション。

 

経営層へ1年以上かけて取り組んできた成果についてプレゼンテーションするのですが、そこまでの進め方は自由度があり、プランナー個人に委ねられています。

 

2015年、東京モーターショーで発表した「KIKAI」も、その成果のひとつ。メカがむき出しになった「KIKAI」は、「機械本来の魅力で、人とクルマの関係を再構築する」というコンセプトです。

 

とはいえ、すぐにこのコンセプトが生まれてきたわけではありません。たどり着くまで何か月も、人と会って、話を聞く、そして意味を考える、の繰り返しでした。


未来プロジェクト室に異動してから、社外の社会学者や建築家、起業家から料理研究家まで、多くの方々と意見交換を重ね、企業の企画担当者等とのワークショップを自ら企画し、或いは実際に出向き、社会が変化する“兆し”を探索しました。


(中略)

 

私はひたすら関係者をまわり、コンセプトを伝えることに注力しました。

 

実際の開発は、技術部各分野のチームメンバーとGKダイナミックスさんを中心に進めてもらいましたが、とにかく、彼らのこだわりは凄かった。

 

「ここは構造力学的にまっすぐにしたい」「いや、視覚的に曲線を入れたい」といった類のぶつかり合いがひとつひとつのパーツで起こり、喧々諤々議論を交わし、お互いここまでなら譲れるというギリギリのところで着地点を見つけていくという毎日でした。

引用:トヨタ自動車 新卒サイト

ここからは、完成車メーカーが求める人材について、ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは? を参照しながら見ていきます。

今回の事例は、様々な関係者との意見交換や、技術部など立場の異なるメンバーとの議論を通して、次世代車企画を進めていくプロジェクトでした。

水素自動車や自動運転など、自動車業界を取り巻く環境は急速に変化していっているため、今までにない取り組みをリーダーシップを執って進めていける人材が重宝されているようです。

以上のことから完成車メーカーでは、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることが出来る」「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することが出来る」能力を持つ人材を求めていると考えられます。

各社の事業の特徴

  トヨタ自動車 日産自動車 本田技研工業
売上高(億円) 272,350 121,895 146,011
営業利益(億円) 27,500 7,933 5,034
グローバル販売台数(千台) 8,972 5,423 4,743

※各社IR資料よりunistyleが独自に作成

各自動車メーカーの財務情報がまとめられています。
 

参考:トヨタ自動車投資家情報日産自動車財務・業績ハイライト本田技研工業決算報告書

トヨタ自動車

上の表からも分かる通り、トヨタ自動車が各項目とも他社を大きく引き離しています。

利益率は10%を超えており、販売台数では2015年度の世界第一位となっています。設備投資と研究開発費も右肩上がりで、業績は絶好調といえるでしょう。

日本での販売台数は23%ほどで、北米(32.7%)、アジア(15.5%)での販売が目立って高いです。

日産自動車

国内2番手規模の日産ですが、1999年からフランスの自動車メーカーであるルノーの傘下となっており、日産・ルノー合算では世界4位の販売台数となっています。

北米の販売台数が前年比8.4%増、欧州で前年比9.4%増であり、欧米で人気なSUV車が好調だったことなどが要因となったようです。

本田技研工業

日産と同じく国内2番手規模のホンダですが、利益率では他の2社と比べ目立って低くなっています。

他の自動車会社と比べても最低レベルであり、対策として今後はグローバル生産補完体制を強化して、生産効率をアップし、営業利益率を上げていくようです。

一方、ホンダのもう一つの主力事業である二輪車販売台数は世界一位で、特にアセアンおよび南西アジア諸国での需要が旺盛なことによる世界の二輪マーケットの緩やかな拡大は今後もホンダにとって追い風となりそうです。

各社の社風・組織風土について

トヨタ自動車:より良いクルマづくりに一丸で取り組む

人々を安全・安心に運び、心までも動かす。
そして、世界中の生活を、社会を、豊かにしていく。
それが、未来のモビリティ社会をリードする、私たちの想いです。

引用:トヨタ グローバルビジョンより抜粋

私は社長就任以来、「もっといいクルマをつくろうよ」とだけずっと言い続けてきました。まるでひとつ覚えのようですが、グローバルで働く約30万人のトヨタ社員の意識や企業風土を変えたかった。

 

つまり、誰のために、何のために、トヨタという会社が存在し、クルマをつくっているのか。

 

社内で少し忘れかけていた本来の使命を思い起こしてほしかったからです。

 

引用:社長インタビュー 

1933年の豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)における自動車部設置以来、数多くの挑戦を経て世界一の自動車メーカーとなってトヨタ自動車。

今までに手にした栄光に奢ることなく、より良いクルマづくり、モビリティによるより豊かな社会の実現の使命に向けて責任を果たしていくという姿勢が、グローバルビジョンや社長の言葉からも伝わります。

グローバルで約30万人が働く巨大組織となったトヨタ自動車ですが、こうした姿勢が社内の隅々にまで行き渡り、「社長が『この指止まれ!』といえば、即座に集まれるまとまりの良さを持っています。

総合職向けの在宅勤務制度を大幅に拡充するなど、労働環境満足度向上への取り組みも目立ちます。

日産自動車 :多様性を重視し社内公用語は英語

「すべては一人ひとりの意欲から始まる」

 

日産社員に馴染みのあるこのシンプルな一文は、力強い真実を語っています。

 

どんな企業も、社員の生き生きとした活動なくしては強くなりません。

 

商品をつくり、サービスを提供し、問題を解決するのは、会社ではなく社員一人ひとりなのです。

 

引用:社長メッセージ

人にはさまざまな個性があります。性別、国籍、文化、地域、年齢、学歴、キャリア歴、ライフスタイルなどさまざまな背景からなる個々人の考え方や価値観は、まさに多様です。

 

日産はこうした『多様性』が会社の強みになると信じています。

 

なぜなら、いろいろな考え方を持つ人たちが、多様な意見を出し合い、ぶつかりながら模索するほうが、はるかに発展的・創造的なアイデアが生まれるからです。

 

引用:従業員の多様性を活かす(ダイバーシティ)

1933年に自動車部を創設し、翌年社名を現在使われている日産自動車に変えた同社ですが、1999年にルノー傘下になってからは大きくカルチャーが変わったようです。

特に人材の多様性については、ダイバーシティ推進部署を設立するなどし、日産自動車では女性管理職比率が2004年1.6%から2016年9.1%(女性管理職数242人)に上昇しており、2017年に女性管理職比率10%(国内)という目標値を定めています。

また、社員の国籍も様々です。

実際に、経営層の約半分・執行役の3割強くらいが外国人で、社内にも多くの日本語を母国語としない社員が働いています。

部長や役員など、上司が日本人ではない部署では資料も英語なため、社内では英語教育に力を入れており、社内での英語研修、e-learning、外部の英会話学校に通う場合のサポートがあるようです。

本田技研工業:モビリティを通して社会貢献、フラットな組織

Hondaは、自動車メーカーでも、ロボット開発メーカーでもなく、「モビリティメーカー」だと考えています。つまり、人の「移動」を可能にするものはすべて、私たちの取り組むべき対象だ、ということ。

 

自らそのチャレンジの範囲を制限しないこと。

 

クルマやバイクの他にも、耕うん機や船外機、ヒューマノイドロボットや歩行アシスト、小型ビジネスジェット機まで、チャレンジの幅は無限に広がっています。

「ワイガヤ」とは、「夢」や「仕事のあるべき姿」などについて、年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論するHonda独自の文化です。

 

合意形成を図るための妥協・調整の場ではなく、新しい価値やコンセプトを創りだす場として、本気で本音で徹底的に意見をぶつけ合う。

 

業界初、世界初といった、Hondaがこれまで世に送り出してきた数々のイノベーションも、ワイガヤで本質的な議論を深めるところから生まれています。

本田技研工業株式会社は、1948年に創設されました。

元々はオートバイなどの二輪車を手がけており、四輪車事業は1963年に参入しました。

創業者の本田宗一郎氏の「世のため人のため、自分達が何かできることはないか」という志は、ホンダイズムとして社内に受け継がれています。

上下関係なくフラットな組織で、夢の実現に向けて本気で取り組む社員が多く在籍しているようです。

また、現状を変えるための熱意やチャレンジ精神がホンダでは重要であり、自分自身が感じた問題意識を基に行動する主体性が求められるようです。

最後に

いかがだったでしょうか。

今回は完成車メーカーの中でも高い人気を誇るトヨタ・日産・ホンダについて紹介させていただきました。

現在は業績が好調な自動車業界ですが、かつてはリーマンショックによる販売台数の激減など、不況と好況の波を繰り返してきた産業でもあります。好調な業績を支えてきた円安傾向が終りを迎えてきていることや、電気自動車など産業構造変化をもたらしうる要素の出現などから、今後の完成車メーカーの展望を不安視する声も出てきております。

選考に臨む就活生には、企業や業界の良い部分も悪い部分も理解し、その上で志望業界を決定していただきたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

photo by Toshihiro Gamo

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