NTT東日本の面接過去問26選|就職活動での頻出質問と選考意図とは
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最終更新日:2023年09月26日
「ホワイトだからではなくやりがいを求めてNTT東日本に就職した方にOB訪問してきた」の記事でも述べたように、NTT=潰れない・保守的・ホワイトといったように、まったりとした典型的な日系企業として認識している人が多いでしょう。
就職活動の場においても、事業理解や仕事理解が不十分なままホワイト企業というイメージをもとに受ける学生が、一定数存在しているように感じています。
しかし、このような姿勢は以下の記事にもあるように、特に、NTT東日本のように長期雇用を前提とした企業では、ホワイト企業という待遇面のみをモチベーションに仕事をするのは、やや苦しいと思っています。
実際に面接選考の場においても、このような姿勢で選考に臨んでいないか見極めようとしている意図が感じられています。
以上を踏まえ、今回はホワイト企業として名高いNTT東日本において、過去の面接選考で出された質問についてピックアップし、解説を加えていきたいと思います。
参考:NTT東日本の企業研究
→NTT東日本の本選考ES・レポート、インターンES・レポートを掲載しています。
学生時代の経験に関する質問
- 学生時代頑張ったことを述べてください。
- ESとは別の経験を述べてください。
- その経験におけるやりがいを教えてください。
- 集団で何か成し遂げたことはありますか。
- 失敗経験を教えてください。
- 学生時代に経験した最も困難だったことを教えてください。
- それをどう乗り越えましたか。
- 学生時代の経験で社会になって活かせる力を述べてください。
学生時代頑張ったことに関しては、「内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク」の項目に沿った質問が多く 、困難とそれをどう乗り越えたか・経験を社会でどう活かすかといった形で他の企業でも尋ねられるような基本的な質問が目立っています。
「NTT東日本のESと採用HPから考えるNTT東日本が求める人材」の記事でも述べた通り、NTT東日本では多様な関係者をまとめ協力して成果をあげることが求められるため、集団での取り組みについて多く尋ねられているのだと考えられます。
私は本社を大阪に構える警備会社の東京支社にてコールセンター業務を行うアルバイトをしておりましたが、業務移管で私が行っていた業務が大阪の本社に移されることになりました。
しかし引継ぎが不十分であったのかお取引先の企業様から本社に対応の質が落ちたとの連絡が多数ありました。
アルバイトリーダー的な立場だった私に本社から出張の依頼が来ました。
慣れない本社での引継ぎ作業に加え卒業研究発表が直前に控えている状態で不安はありましたが引き受け、半月間大阪本社にて電話対応する方々に経験や仕様などの引継ぎと本社での対応書式に合わせた環境構築を行い取引先の担当者の方に納得頂ける水準まで業務内容を改善しました。
卒業研究発表の準備を行う為東京大阪を合計3往復するなどスケジュール調整に苦労しましたが業務の引継ぎと卒業研究発表の両立をこなす事が出来ました。
参考:【内定】エントリーシート(理系総合職)
内定者のESを参考にしてみましょう。こちらの内定者はコールセンターでのアルバイト経験について述べています。
当然ではありますが、コールセンターで電話を受けるのは個人としての業務であり、対応の質を高めることは自分個人の努力により達成することが可能です。
しかし、自分の業務だけでなくリーダーとしてメンバーへの引継ぎを行ったエピソードを交えることで集団での貢献の仕方について触れることができています。
「NTT東日本通過者・内定者のエントリーシート解説」で紹介した陸上競技部での経験について述べたESも、個人として簡潔しがちな経験を集団にうまく応用させた好例であると考えられます。
また、文末で述べた学業との両立の経験からフットワークの軽さを示しており、NTTグループの中でも出張・転勤が多いとされるNTT東日本での働き方に対応できるというアピールに繋がっていると推測することもできるでしょう。
あなた自身に関する質問
- 長所と短所を教えてください。
- 短所をどのようにして改善しようと考えていますか。
unistyleの本選考情報では、この項目についてはそこまで多い質問はありませんでした。
長所は、NTT東日本での仕事で活かせる内容であること・短所は仕事において致命的な内容でないこと、を前提に下の質問にあるようにそれをどう克服しようとしているかを述べることができるといいでしょう。
ESでは「『これだけは誰にも負けない』と自負できる取り組み」という形で強みと絡めた学生時代頑張ったことについて述べる設問がありますので、そこで記述した内容や面接官があなたを見て感じる印象と大きくズレがないか意識した回答を心がけましょう 。
参考:【内定】エントリーシート
志望動機に関する質問
- どのようなきっかけでNTT東日本に興味を持ちましたか。
- 就職活動の軸について教えてください。
- NTT東日本でどのような仕事をしたいですか。
- 他に携わりたい職種を挙げてください。
- 他社の選考状況について教えてください。
- 内定を出したら就職活動をやめますか。
- なぜ他社の内定を辞退してNTT東日本の内定を承諾するのですか。
- 地方勤務に問題はないですか。
- どのような社会人になりたいですか。
- 同期が100人以上いますが、その中でどんな存在でありたいですか。
- 逆質問
志望動機についてもイレギュラーな質問は少なく「内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク」を参考に各項目について深掘りをすることで対応可能なものが多い印象があります。
興味を持ったきっかけについては、グループでは例えば、NTTコムウェアではESで尋ねられており、単なる「ホワイトそうだから」といった、なんとなくの結びつきではなく、強い関心から志望したかどうかを見極めようとしている意図が感じられます。
他社の選考状況については、「なぜ他社を辞退するのか」など聞き方を変えて厳しく見られているようです。業界の性質や企業の立ち位置上、NTTグループ内や通信キャリア他社を始めとして併願先となる企業が多いことから、内定辞退リスクを強く意識しているためだと考えられます。
「通信」という言葉の括りは広く、例えば移動通信を軸とするKDDIが最近では固定通信に参入するなど、同業での差別化は難しくなっているのが現状かと思います。
以下の記事にあるように、NTT東日本に限らずグループ他社の社員へOB訪問して、グループでの位置づけや繋がりを理解するのも有効な手段であると言えるでしょう。
参考:KDDIの事業内容から考える志望動機の考え方
→商品についてはイメージがわきやすいKDDIではありますが、志望理由としてはどのような内容が適切と言えるのでしょうか?事業内容から考察し、実際のESを見てどのような内容が書かれているか見ていきましょう。
参考:ホワイト企業?まったり高給?NTTグループから考えるグループ他社へのOB訪問のススメ
→今や世間では業界本やネット上の掲示板などで就職活動に関する情報がありふれていますが、そんな時代だからこそOB訪問を通してリアルな声を集めていくことが他の就活生との差別化に繋がるのではないかと考えています。
逆質問を除いた下2つの質問については、やや抽象度が高い内容ではありますが、自分のどのような強みを活かして活躍していきたいか、自己PRを絡めた質問であると考えられます。
特に、典型的なNTT東日本のような日系大手企業の場合は、古い体質から画一的な行動を取りがちであると一般には言われますが、そうではなく自分から意見や考えを積極的に発信できる学生を求めているためこのような質問がなされているのだと考えられます。
参考:マイナビ×NTTグループ「攻めろ」
→NTTグループは参考記事のグループ合同説明会のページにあるように、「攻め」という言葉を採用のキーワードとして掲げていることから、この方針はある程度グループ他社でも共通した内容であると考えられるでしょう。
学業に関する質問
- あなたの研究内容を当社でどう活かすことができますか。
こちらは、理系推薦の選考で尋ねられた質問であるため、特に技術職の場合に想定しておくべきだと推測されます。
通信と直接関係のある専攻の方ばかりではないと思いますが、実務上の活かし方だけでなく、その研究において培われた考え方や学業への姿勢を述べる、というアプローチも考えられます。
「学業をどう活かすか」という質問については、一般に文系学生や基礎系の分野を専攻する場合に回答に困ってしまう方も多いかと思いますが、就職活動の場における「活かし方」とは、以下の記事にあるように「実務上で直接活かされる」ことのみを指すわけではありません。
是非一読して、自分なりの「活かし方」について思考を深めていただければと思います。
参考:文系学部廃止論?阪大学部長の言葉から考える内定獲得のための学業の"使い方"
→学業に対しての捉え方や就職活動における活かし方についての見解を述べています。
その他の質問
- 営業としてあるべき姿とは何だとお考えですか。
- 営業で初めて会ったお客様にはどう接しますか。
- 相手に気に入られるために必要なことは何ですか。
- 今後アルバイトで新しい試みをするとしたら何をしますか。
上3つは、営業としての素質があるかどうか学生の考え方を見ているものであると考えられます。
営業職を志望していないという方もいるでしょうが、志望動機の項目でも希望職種を複数挙げるよう尋ねる質問があったことから、仕事の基本である営業における考え方は意識しておくべきでしょう。
また、「興味のある部門と職種内容から仕事理解を示す」の記事にあるように、ひとくちに「営業」といってもクライアントや商材によってその求められる素質は変わってきますので、NTT東日本における「営業」がどれに該当するのか企業研究を通して考えておくべきでしょう。
一番下の質問に関しては、新たな価値を生み出すうえで柔軟な発想やアイデア力があるか見ようとしている意図が感じられます。
先述した「攻め」の提案をしていくうえでは、このような素質を持った学生が必要だという考えが推測されます。アイデアの斬新さという面についてもある程度評価対象になるでしょうが、それを提案しようとした経緯や関係者の利害関係など、高い分析力から導かれた内容であるかどうかも重要になってくるでしょう。
最後に
以上をまとめると、特に志望動機やその他に関する質問から、NTT東日本の一般的なイメージである「保守的」という考えを変えようとしている意図が感じられるのではないでしょうか。
特に携わりたい職種を複数挙げさせたり、選考状況の深掘りが目立ったことから、冒頭のコラムのように「ホワイトだから」ではなく、「やりがい」を求めてモチベーション高く働ける人材かどうか重視していると考えられます
「自分が満足している状態」に至るための一つの策として、「ホワイトだから」ではない「やりたいこと」ベースの志望動機を述べられるよう意識していただければと思います。