NTT東日本のイメージが変わる?OB訪問でわかった実態

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最終更新日:2025年03月18日

NTT東日本のイメージが変わる?OB訪問でわかった実態

企業研究

多くの就活生の中で、NTT東日本はホワイト企業として認知されていると思います。また、五大NTTの1つであるNTT東日本は、親世代や高齢者からの知名度も非常に高く、誰もが知ってる会社ということで人気が高いのも事実です。

しかし、今回OB訪問させていただいた方の話を聞いて、私の中でのNTT東日本の印象は大きく変わりました。以下、具体的にどのようなことを僕が知ったのかをシェアできればと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

OB訪問させていただいた方(NTT東・5年目・男性)

今回OB訪問させていただいたのは、コラボレーション事業を担当している入社5年目の社員さんです。この方は、入社した後に数年法人営業を経験し、その後に今のコラボレーション事業部の異動したとのことです。

現在NTT東日本では、光回線の市場はすでに成熟化しているので、新しいビジネスモデルを模索している最中です。そして、他業界の企業にビジネスモデルの新規提案をして、新たな価値を生み出そうとしているのがこのコラボレーション事業だそうです。

現在、直営店などの固定電話販売事業はスマホ向け通話アプリなどの市場拡大により縮小傾向にあり、それに対し様々な新たな取り組みを行っているそうです。

時には、自社のサービスをソフトバンクやドコモとコラボすることもあるとのこと。

新規ビジネスを提案する前に、自分なりに提案をしかける業界について分析、研究を行い、「NTT東だからこそ生み出せるような付加価値」を考え、本当に顧客企業に理解して貰えるようなビジネスモデルを考えることを意識しているそうです。

これまでには不動産や広告代理店、レコード会社からTSUTAYAなどのレンタル会社までと様々な業界に携わった経験があり、新しいニーズに対して柔軟に対応しているようです。

またコラボレーションを行う業界選定に関しても若手社員にある程度の自由度がしっかり与えられるようです。このように、若手にもしっかりと裁量権を持たせ、チャレンジさせる社風があることが分かりました。

就職留年の経験、そしてNTTを選んだ理由

このOBは実は就職留年を経験しています。一回目の就職活動では、所属しているバンドサークルでのライブ活動を続けており就活に本腰を入れることが出来なかったそうです。

何社からかは内定をもらっていたそうですが、「最も様々な企業を見て、もう一度真剣に就職活動がしたい」、「本当に自分が納得して働くことができる企業に入りたい」という思いのもと就職留年を決意したそうです。

二回目の就職活動では、様々な業界で働く社会人になるべく多く会って話すようにし、50以上の社員にOB訪問をしていたと言っていました。具体的に「働くこと」とは何であるか、そしてどのような働き方があるのかを知ることに重きを置いていたそうです。

また、このOBは「NTT東日本が比較的まったりしているのは知っているが、それが好きでこの会社を選んだつもりはまったくない」と強くアピールしていました。

SIerや通信会社には会社の土台となるITの知識があり、様々な業種と関わることができます。先ほども紹介したとおり、このOBはこれまで50ほどの様々な業界の企業を担当していました。

企業が抱えるニーズを実際にヒアリングし、圧倒的な技術力を誇るNTTグループだからこそ出来る安心感がありながらも革新的なソリューションを提供できることは、この企業にしかない強みであり面白さであるとも言っていました。

就活生に伝えたい、意外とチャレンジが出来る社風

学生として就活をしている時、このOBは多くの就活生が思い描くであろうイメージとほぼ同じ印象をNTT東日本に抱いていたそうです。しかし、幾度かのOB訪問や実際に働いていくうちに、そのイメージと実態は違うことが分かったとのことです。

では、具体的にOBが抱えていたイメージを就活前と就活後とで比較してみましょう。

就活前に抱いていたイメージ

・入社数年間は上司の言うことを聞くだけで、そこまで仕事にやりがいがなさそう
・役所的であり、大企業の中でも特に動きが遅そう
・提案を議論するたびに多くのミーティングを重ね、上司を通さなければならないためスピード感に欠ける

就活中のOB訪問や社員として働いて実際に分かったこと

いろいろなことを新規で立ち上げている、昔に比べて若手でも様々な挑戦が出来る環境になっている
リスクに対しては比較的身長なのはイメージどおりであり、やはりミーティングの数などは多い
上司の言うことを聞くだけの仕事などは基本的にない、意外と裁量権は大きい

リスク管理に対する慎重さやスピード感が欠けていることについては、以前のイメージ通りであることが分かります。

しかし、新規事業の立ち上げなど、様々な挑戦できる環境があることは入社前にはまったく想定していなかったことが分かり、そして仕事にある程度の自由度が与えられることも大きな発見だったようです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回、実際にOB訪問をして「直接社員にじっくりと話を聞く」ことの大切さを改めて痛感しました。インターネットから様々なうわさや情報が手に入る今日ですが、それらが全て正しいとは限りません。

最前線の現場で活躍する社員に話を聞くことで、その企業について初めて本当のことが分かるものです。

そして、このコラムを通じて私と同じようにNTT東日本に対するイメージが良い方向に変わってくれることを願います。みなさんもネットの根も葉もないうわさに惑わされることなく、「実際に足を運び話を聞く」癖を身につけてください。

また、NTT東日本の内定者の学歴や、ESと採用HPから考える求められる人材については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

photo by Martin Thomas

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4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡 4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡 こんにちは。今年就活を行い、日系証券会社の投資銀行部門から内々定を頂いた14卒文系大学生です。今回は就活生にとってあまり馴染みがないと思われる、日系の投資銀行への就活について書かせて頂きます。外資系投資銀行との違い、また総合商社との違いなどについても触れますので、これらの業界を志望している就活生にとって少しでも参考になれば幸いです。日系投資銀行とはまず日系投資銀行の概要をご説明させて頂きます。一般的に投資銀行というと、ゴールドマンサックスをはじめとする外資系証券会社の投資銀行部門を思い浮かべる方が多いでしょう。高給・激務・グローバル…こうしたイメージから就活生にとって大変人気の業界です。一方で日系の証券会社(野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガンスタンレー等)の中にも投資銀行部門が存在します。証券会社の業務には大きく分けて個人を顧客とするリテール部門、また事業法人や機関投資家を相手とするホールセール部門の二つがあり、ホールセール部門はさらに投資銀行業務(IBD)とマーケット業務の二つに分けることができます。一般的に投資銀行というと、これら二つの業務を行う証券会社のホールセール部門のことを指します。ちなみに外資系の証券会社は日本でリテール業務を行っていないため、そのまま外資系投資銀行と呼ばれているようです。これらの証券会社は主にコース別という形で投資銀行部門の採用を行っています。各社とも数名から数十名と、募集人数としてはかなり少ないと言えます。ただし初期配属がリテール部門となる日系証券会社のオープン採用からも、入社後の適正や本人の希望次第で投資銀行部門へ移ることも多いようです。同じ投資銀行といっても、外資系と日系の間では「働き方」という点で大きな違いが存在するようです。例えば給与。日系投資銀行が他の日系企業のように年功序列的な給与体系に近いのに対して(業績に応じてボーナスの差は大きいようですが)、外資系の投資銀行は完全な成果主義といえるようです。また、日本で新卒採用を募集している外資系投資銀行は当然ながら各々の日本法人にあたります。すなわちあくまで勤務地は日本であり、海外オフィスで働くチャンスという意味では必ずしも恵まれてはいないのではないかと思います(もちろん携わる案件や個人のパフォーマンス次第では海外で働くこともあります)。一方で日系投資銀行は各社とも現在海外拠点を拡充しており、若手のうちから海外のオフィスで働く社員も多くいらっしゃいます。ぜひ単なる業務内容だけではなくこうしたリアルな側面も比較しながら就活を進めて頂きたいと思います。良く言われるように外資は選考が早いので、日系を中心に考えている就活生も積極的に受けることをお勧めします。私自身の就活私自身日系の投資銀行という選択肢が最初からあったわけではありません。実はずっと総合商社を第一志望として就活を行ってきました。ところが結果は五大商社すべて敗退。最後の一駒だった某商社に最終面接でお祈りを頂いたときのダメージは相当なものでした…そこから総合商社のことばかり考えていた自らの就職活動を反省し、改めて金融・メーカーをはじめとして幅広い業界に挑戦してみようと考えたのです。その中で投資銀行という道に出会いました。具体的な業務と総合商社との比較就活を終えた今、総合商社を志望する就活生にとって外資・日系問わず投資銀行というのは選択肢として持っておくべき業界であると考えています。というのも、その業務内容には少なからず近い部分があるためです。上述したように、投資銀行部門は証券会社に中でも事業法人や機関投資家を顧客とするホールセール業務を行っています。投資銀行部門を細分化すると、投資銀行業務(IBD)とマーケット業務に分けることができます。投資銀行業務は発行市場を舞台に活躍しています。主な業務は株式・債権の引き受け、そしてM&Aのアドバイザリーです。一方、投資銀行部門の中でも流通市場を舞台に活躍するのがマーケット業務です。ここでは投資銀行業務に絞って総合商社との比較を行いたいと思います。投資銀行業務を一言で表すと、「顧客の企業価値を最大化すること」と言えるでしょう。顧客である事業法人が設備投資などのために資金を必要としているとします。このとき、企業が新たに有価証券を発行するサポートをするのが投資銀行の主たる業務です。顧客の事業戦略や財務戦略などに応じて最適な資金調達手段を提案し、それが採用されると実際に案件を執行します。また、顧客の成長戦略に応じてM&Aのアドバイザリーを行うのも投資銀行業務の役目です。近年は日系企業の海外進出に伴いクロスボーダーM&Aや海外での株式発行など、グローバルな案件が非常に増えているのも特徴です。一方で総合商社の業務においても投資がかなりの割合を占めるようになっています。エネルギーをはじめとする資源の権益獲得をイメージするとわかりやすいですね。一説によると今では商社の収益の約7割が投資による配当利益だそうです。「投資」・「グローバル…このあたりのキーワードは投資銀行と総合商社に共通しているものと言えそうです。ただし投資銀行が文字通り「投資」を生業としている一方、総合商社は事業投資とトレードの双方で成り立っているビジネスモデルです。「川上から川下まで」と呼ばれるバリューチェーンを構築し、その価値を最大化するために総合商社は投資を行うのです。この点は総合商社と投資銀行の大きな違いと言えると思います。私が元々総合商社を志望していた理由は、「日本経済の発展に貢献する」というものでした。あらゆる分野でバリューチェーンを構築し、その至るところで日系企業へビジネスチャンスを提供できる総合商社でこそ、上記の目標に挑戦できると考えていました。日系投資銀行に進路が決まった現在もこの目標は変わっていません。クロスボーダーM&A等を通じて日系企業が世界で活躍するサポートをすることは、手段は違いますが私が総合商社で挑戦したかったことに非常に近いと考えています。またこのように「日本」という視点を大切にしたい私にとっては、外資系ではなく日本にヘッドクォーターを置く日系投資銀行という選択は結果として正しいものだったと思っています。日系投資銀行という選択肢について個人的に投資銀行で働くことの最大のメリットはその専門性の高さにあると思います。マーケットに精通するとともに数多くの金融商品への専門性を身につけ、また自分が担当する業界に対しても深い見識を養わなければなりません。そのため、知的好奇心が強く、様々な専門性を身につけたいという学生にとっては大変魅力的な業界だと考えています。実際にはその専門性を活かして同じ会社で長く活躍される方、外資系投資銀行に転職される方、異業種へ転職される方、起業される方、様々な方がいらっしゃいます。また、MBA取得へのサポートが手厚い会社が多い業界でもあると思います。こうした特徴からか、内定者の多くは専門性指向が強く、また将来のキャリアビジョンを具体的に思い描いているタイプの学生であるように感じました。終わりに最近の株価の乱降下をご覧になればわかる通り、日々変動するマーケットと向き合い続けなければならないこの業界は決して安定した世界とは言えないと思います。ただしその一方、世界を舞台にダイナミックな仕事ができることもまた間違いありません。就活成功のためには様々な業界を見ることがとても重要だと思いますので、その中の一つにぜひ日系投資銀行という選択肢を入れて頂ければ幸いです。皆様の就職活動が実りあるものとなりますことを祈念しております。photobyrobertagovoni 55,400 views
「エモい」騒動から思いついた就活生の「脱ボキャ貧!」術 「エモい」騒動から思いついた就活生の「脱ボキャ貧!」術 エモい。2018年の流行語にもノミネートされましたね。ただみなさん、「エモい」がSNS上で議論を巻き起こしているのをご存知でしょうか。【書きました】エモいという言葉が流行っていることが心配なのです。嬉しいも、楽しいも、悲しいも、寂しいも、侘しいも、恥ずかしいも、感動したも、安心しているも、驚いているも、怒ってるも全部大事な感情表現。感性の襞が減っちゃう。もったいないよ。https://t.co/yG3QlhkEao@BIJapan—寺口浩大[KodaiTeraguchi](@telinekd)2018年11月28日賛否両論ありましたが、これは就活にも関連性があるのでは?ということで「就活生よ、脱ボキャ貧!」をテーマに、ESや面接でボキャブラリーの貧しさに絶望している方の助けになるES例を集めました。エモい。に巻き起こった議論「最近の子は『エモい』でなんでも表現しちゃう。語彙力低下だ!」つーのは「大型商業施設のせいで商店街ガー」「Amazonのせいで街の書店ガー」とか言ってるのと大差なくて、新しい価値観や現実を受け入れようとしない老害への第一歩だと思うんだよな。結構危険。—久保ゆうすけ(@shabuface)2018年11月29日この「エモい」騒動では若者の語彙力低下について議論されていました。「エモいを使う=感性と語彙力の低下」となるかどうかは意見が分かれるところですが、語彙力低下と言えば、就活をしていてESや面接で「自分、ボキャ貧だな・・」と感じたことはありませんでしたか?例えば、文末がやたらと「取り組んだ」や「考えた」になってしまうなど。目指せ脱ボキャ貧ここからは、脱ボキャ貧!ということで、ES記入のコツと共にESで使える言い回しをまとめていきます。「取り組んだ」は一つの設問に一つまで就活を始めたばかりの頃のESに散見される「取り組んだ」という言葉ですが、使うのは始めの一文くらいにしましょう。【例】あなたが他者を巻き込んで、共通の目的に向かって取り組んだ経験について、あなた自身が果たした役割や取り組みの成果も含め、具体的に記してください。(設問(6)で回答した経験の中から説明してください)(400文字以内)項目の1つ目、これが他者を巻き込んで、東北リーグ1部昇格という共通の目的に向かって取り組んだ経験です。監督が不在だったので、代々主将が選抜決定の役割を担っていたのですが、就任当時は練習試合が少なく、部員50人全員が試合でアピールできる機会が整っていませんでした。そのため、ある部員から選抜に不満がありモチベーションを維持できないという相談を受けました。そこで私は、社会人リーグへの参加を提案することで、部員全員が出場機会を得られるような環境づくりをしました。また、パス成功率等のデータを毎試合とることで客観的に部員を判断できる指針を構築しました。その結果、士気の向上に悩んでいた部員たちも積極的に個別練習をするなど情熱を取り戻したように感じました。さらに、この意識改革によって部員同士が切磋琢磨するようになり、最終学年次には目標であった東北リーグ優勝を達成することができました。【参考】「取り組んだ」という言葉はある程度抽象度の高い言葉のため、冒頭の「がんばった事」のまとめとして使います。それ以降は具体的な状況説明に入るので、様々な言い回しができます。以下に代替できる言い回しをまとめましたのでESを書く際は適当な言葉を当てはめて同じ言い回しばかりのESにならないようにしましょう。「取り組んだ」の言い換え・力を入れた・努めた・努力した・注力した・心掛けた・行動した・図った・奮闘した・奮起した行動と思考の言語化のススメ難しいのは、自分の行動や思考を伝えるときです。なぜこれらの言語化が難しいかというと、言葉にすることを前提に取り組んできた事ばかりではないからです。バイトでなにかトラブルが起きたとき、サークルで仲間割れをした時、がむしゃらに考えて解決しようと行動しているでしょう。ただ、そこから時間が経ってから「学生時代での最も大きな困難は何か」と聞かれると当時自分が考えていたことをすぐには思い出せないのではないでしょうか。そのため、以下のステップを踏んで言語化を進めていきましょう。①具体的な事象と自分や周りの人の行動をまずは言語化する②「どのような意図で」これらの行動を起こしたのかを想起する③行動の行間を、行動した理由やそのときの思考で埋める以下のESを例にご説明します。太字部分が③にあたる部分です。自分の行動の背景が盛り込まれていると、中身が濃く、共感度の高い文章になります。ESの全体の構成については、その他の記事でも解説していますので参考にしてください。【例】あなたがプロジェクトの方向を変え、その結果、時間やコストが削減された例を説明してください。(全角半角問わず500字から700字程度)フィンランドへ留学していた際に、地元企業と連携しフィンランドウォッカを日本へ輸出するための貿易プロジェクトを行った。プロジェクトメンバ−は平均年齢30歳の経験や知識豊富なフィンランド人大学院生で、プロジェクト初期は自分の無能さから意見を言うのが恥ずかしく、他メンバーの意見に従っていた。しかし、日本へ輸出プロジェクトなのにも関わらず、他メンバーが「フィンランド市場の場合はこの様になる」「日本と中国は近くて似ているから中国市場がこの様なら日本市場も同じだろう」という勝手な見解を始め、地元企業への中間報告プレゼンテーションでもはっきりとした調査を報告できないがために、なかなかプロジェクトが進まなかった。これをきっかけに、無知をさらけ出す恥ずかしい状況にくじけずにプロジェクト内唯一の日本人として自分にしかできない役割を果たそうと奮起した。寝る間も惜しまず日本のアルコール市場について調査をし、また日本に住む知り合いの社会人の方々にコンタクトを取り、日本の市場調査、ターゲット絞り、ディストリビューター探しを行った。メンバーにただの見解ではなく、政府の調査や研究所のデータを発表したため、彼らからの信頼を受け、またデータが集まったことでプロジェクトの内容も着々と決まった。その結果、地元企業からは豊富な情報を得ることができたとお礼を受け、また教授からはプロジェクト内で一番成長した生徒とお褒めの言葉をいただいた。【参考】【参考記事】ESで使える言い回し(性格編)Unistyleでは性格のアピールポイントごとの自己PRの書き方を解説していますので、そちらも参考にしてください。【参考記事】最後に就活において、語彙力が乏しいことで印象が下がってしまってはもったいありません。何度も使うことで語彙は身についていきます。一緒に「脱ボキャ貧!」していきましょう。 18,821 views
就活は情報戦!有名企業内定者が実践していた効率的な選考対策とは? 就活は情報戦!有名企業内定者が実践していた効率的な選考対策とは? コラムを読んでくださっているみなさん、こんにちは。総合商社・金融内定のTです。非帰国子女・非体育会・非留学で、学生時代はサークル・アルバイトが生活の中心だった、低スペックの普通の大学生でした。そんな私は、12月から焦って就活をはじめ、また大した経験もしていなかったことから、効率的に、かつ最大限に効果的な就活を送ることを目標としていました。その中で得た、就活での情報の獲得方法をみなさんにいくつかご紹介していきたいと思います。就職活動を迎えるにあたって、みなさん就活生は自ら、能動的に情報を勝ち取りにいかなければ、情報は手に入りませんし就職活動を有利に進めることはできません。<あなたが、エントリーしたからこそ届く企業の採用情報><あなたが、説明会に参加したからこそできたOB訪問><あなたが、Twitterを駆使したからこそ知りえた限定情報>就職活動は、自分から能動的に情報を取りにいかないと始まりません!知らない間に、企業の新卒募集が終わっていた。なんてこともあり得ます。笑えません。情報弱者だったために「面接を受ける権利」すら得られないまま舞台から退場していく。そんな就活を送っている人が、就活を成功させられるでしょうか?さらには、短い就活期間で、効率性は命!!サクっと大事な情報をドバっと集めましょう!そこで今回のコラムでは、就職活動という枠組みの中で「情報強者」になるための手段をご紹介していきます。▼目次クリックで展開本記事のコンテンツ・1.就活に詳しい友達・高学歴の友達と話す・2.内定者を利用する・3.就職活動に関するブログ・4.サークル就職掲示板・5.2ちゃんねる・6.学生団体、内定者等がおこなっている就活セミナー・最後に1.就活に詳しい友達・高学歴の友達と話す就活に詳しい人にはもちろん、高学歴の友達のところにはより多くの人気企業に関する情報が舞い込んでいる可能性が高いものです。企業がほしい人材である高学歴の人のところには、公にはされていない「裏」情報であったり、先輩がその企業で働いていることで入る情報などがある可能性が高いのです。そのように、聞けたら儲けものといった情報だけでなく、企業の募集締め切りやセミナー情報などを友達から聞いて焦って登録、参加することも実際非常に多くあります。普段から仲のいい友達だったら気にしないかもしれませんが、そこまで親しくない…、就活の情報もらいたさに会うのは…といった場合もあるはずです。そんな時には、遠回しに会話してみたりするより、はっきり自分の狙いを伝えたほうが相手もすっきりするはず。自分からも情報を積極的に提供していくことも伝えるとなお相手の態度もそこまで難しくはならないはず。またこれは、個人的な偏見ではありますが、期末テストのとき多くの情報・ノートを持っている人って、就活にも詳しかったりする傾向がありました。2.内定者を利用するこの時期、たいていは暇をしている内定者に会うことで、就活全般について情報から、スケジューリング、その人のテクニックまで様々なことを聞けるはずです。さらに、社会人に会う以上は評価されてもおかしくはありませんし、時間も限られています。一方、内定者にはそんな権限もありませんし、上でも書いていますが圧倒的に暇です。つまり、まったく就活について知らないまっさらな状態でもリスクなしに話を聞いてもらえ、ESを何度も添削してもらうなど多少のわがままなお願いもできます。これも、自分の知り合いにいれば楽な作業ですが、知り合いの知り合いくらいのレベルで行きたい企業の人がいれば、是非紹介をお願いして会ってみましょう。成功体験をしている内定者であれば、内定者本人も成功体験は他人に偉そうに喜んでしゃべりたいものですから、会って話すのもそこまで難しいことではないと思います。3.就職活動に関するブログこれに関しては、量が膨大にあることから現在の自分にとって大事な情報を探し出すのは大変ですが、様々な検索ワード(ex,自己分析方法・総合商社年収・・・)を駆使していろいろな人が書かれている就活に関する記事を読んでみましょう。なんだかうさんくさいブログもありますが、ア○ブロ・ラ○ブドアブログ・ハテ○ダイアリーといったブログサイトには個人の考え・方法論・就活日記がしっかり書かれているブログが多くありました。そこから、自己分析の方法・業界分析の方法・就職活動のスケジュール・面接のフローといった戦略的な情報も集めることができます。4.みん就(みんなの就職活動日記)様々な業界・企業についての情報が載っている、大手就活情報サイトです。多くの就活生が利用するサイトで、業界・企業研究からES・選考対策まで、実際の就活生や内定者の声で多くの情報が載っております。企業の口コミや、選考・面接体験記、その他就活生向けのイベント告知といった幅広い情報が載っており、各社のインターン情報も載っていることから、これから就活を始める人にもおススメの情報サイトです。5.ワンキャリア「ワンランク上のキャリアを目指す、就職活動サイト」という謳い文句に違いなく、国内・外資系問わず多くの大手・有名企業に関する情報が載っております。企業情報も簡潔にまとめられ、その他クチコミ、ES・体験談、詳細な選考対策、イベント情報などが掲載され、一社に対して非常に情報が豊富なことが特徴に挙げられると思います。他にも、広く就活にまつわる記事も掲載されており、業界研究や選考対策だけでなく、最新の就活トレンドにも触れることができます。6.学生団体、内定者等がおこなっている就活セミナー内容が団体によってばらばらで、何よりうさんくさいというのが、正直なところです。しかし、こういったセミナーでは、②であったり③で獲得できる情報などが、一挙に2時間ほど凝縮された形で、就活生に還元されていくといった特徴があります。それこそ、内定者との交流会やそのセミナーに参加している就活生と知り合うことで「周りが就活に対して意識が低く、情報が少ない」「行きたい企業に内定している先輩が周りにいない。」といった部分も解決できるのです。さらに、企業の人事がその場にいるわけでもないので、リラックスして聞きたい質問をできることや、身近な存在としてアドバイスを求めることも可能です。…と以上6つの手段を、紹介させていただきました!!最後に最後に…就職活動は、情報戦です。それは、単に限定セミナーがあるといった直接的な情報から、自己分析の方法などのテクニック的な情報まで、さまざまな種類の情報すべてを指しています。情報をたくさん効率的に集めてください。しかし、同時にその大量の情報の中で溺れないでください!自分にとって必要・不必要なのか、有益・無益なのか、しっかり自分の頭で考えて情報を取捨選択することを心掛けてください!そうすることで、効率的かつ効果的な情報活用ができるはずです!みなさんの就職活動が上手くいくことを願っています!photobyPRONewtowngrafitti 35,558 views

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