清水建設の志望動機対策|事業内容の理解なくしてES通過なし
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最終更新日:2024年05月17日
清水建設は文系の方にはあまりイメージが湧かないかもしれません。いわゆるゼネコンと呼ばれる企業群であり、その中でもスーパーゼネコンと呼ばれる大企業です。
大規模の土木工事から住宅の建築まで手がけ、不動産の売買やコンサル業務など幅広く手がけています。有名な建築物としては東急プラザ銀座やサンシャイン60等を手がけました。
また、出雲大社の保全修理等も行っています。就活生のあいだでトップ級の人気を誇る、三菱地所や三井不動産と言ったデベロッパーからの発注を受けて建設工事を請け負う形となります。
今回は、そんな清水建設について事業内容を参考にしながら見ていきたいと思います。また、清水建設に関してはunistyle内に他にも記事がございますので、こちらも併せて御覧ください。
参考:清水建設のESと採用HPから考える清水建設の求める人材
→文系に敬遠されがちで理系には人気の高い建設業界。しかし、実際は求める人物などの点で銀行などとかなり近しい業界です。参考記事では清水建設のESと採用HPから求める人材を提示します。
→清水建設の内定者のESもあわせて参考にすると良いと思います。
清水建設のビジネスモデル
ゼネコンは主に、デベロッパーから業務を委託され建物を建築します。中には企画、開発から建設まで一手に引き受けるような案件も存在します。
しかし現場でクレーン車を操縦するなどの作業をする人は下請けの専門工事業者の作業員が一般です。
下請け業者とゼネコンとの契約は請負制となっているので、下請け業者は契約された条件のもとで仕事が捗れば、それだけ儲かる仕組みになっています。ゼネコンは見積もりをして施工主と全体請負契約を締結します。
ゼネコンはその全体契約金額内で実行予算を組み直し、利益を確保した上で下請けに発注する価格を決定します。
下請け企業と契約する価格が予定よりも低いほど、ゼネコンに入る利益は大きくなることになります。
~インフラ技術の情報提供、セミナー開催を推進~
清水建設(株)<社長 井上和幸>とウズベキスタン共和国の首都・タシケント市はこのほど、インフラ分野を中心にしつつ、広くさまざまなビジネス領域において技術協力することを約す覚書を締結しました。本覚書は、国土交通省が10月3日にタシケント市で開催した「官民インフラ会議」の場で締結したものです。
具体的には、両者はビジネス機会の創出に関する情報交換、上下水道や交通、通信等のインフラ整備に関する技術情報の交換、外国からの投資を呼び込むビジネスセミナーの共催、そして当社はタシケント市における将来プロジェクトに役立つ技術開発、技術情報の提供、技術セミナー「シミズ・オープンアカデミー」の同市での開催等に努めます。
当社はウズベキスタンにおいて、国営鉄道の橋梁建設等の施工実績を有するほか、タシケント市内に営業拠点も設けています。本覚書の締結により、同国との関係を深化させ、質の高いインフラの提供、同国の発展に寄与していく考えです。
参考:ウズベキスタン・タシケント市と覚書を締結
この記事は清水建設がウズベキスタンにインフラ設備を整備することの覚書を締結したことに関するものです。
工事をするのは現地の労働者であり、日本国内で行うときよりも様々な価値観をもった人との関係構築がなければ建設は困難になります。
また、インフラの整備は規模が大きく、周辺に住む人々の生活の質に直接的に関わってくる重大な事業です。そのインフラを日本の高い建築技術でもって整備することは日本のプレゼンスを高めているといえます。
また、直接的に途上国の発展に貢献しています。
以上のことを踏まえ、清水建設の志望動機を考えると
・途上国の発展に貢献したい
・日本のプレゼンスを高める仕事がしたい
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
といった志望動機が適当だと考えられるでしょう。
清水建設のES通過者の志望動機解説
実際に清水建設のエントリーシート選考を通過した人の志望動機について見ていきましょう。
私が貴社を志望する理由は二つある。まず一点目は、貴社でなら仕事を通じて多くの人々を幸せにするという自分の夢を叶えることができると感じたからだ。
学生時代は、子どもと遊ぶボランティアサークルの長として楽しい活動を提供することによって、100人程の子ども達が笑顔になってくれることにやりがいを感じていた。社会人になってからは、より大きな規模で人々を幸せに出来る仕事に携わりたい。この自分の夢を、「子どもたちに誇れるしごとを」をモットーに多くの人々の暮らしを支える仕事を誠実にかつ環境に配慮しながらしている貴社なら叶えることが出来ると感じている。
次に二点目は、貴社でなら自分が成長できると感じたからだ。オリンピックの先の事も見据えて、若い内から海外経験ができる環境が整っていて挑戦できる土台が整っている貴社では、自分がチャレンジして成長することが出来ると感じている。
参考:【内定】エントリーシート
このESではまず自身の経験から得たことがしっかりと会社に入ってからやりたい事と関連付られています。
このことは、「内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク」の①成し遂げたいこと②きっかけとなる経験③企業選びのポイントを意識した内容となっています。2つ目の理由を述べている後半部分が③企業選びのポイントの言及になっています。
また、海外経験を積めることに意欲的な姿勢を示しており、の「日本のプレゼンスを高める仕事がしたい」ということへの言及になっっています。
軸やフレームワークを意識して書けている点は評価できますが、自身の「成長」に関しての記述が曖昧です。「成長」に関して書くときは「成長」して何が変わり、その結果どのように会社に貢献できるかを明記する必要があります。
「成長」という言葉を使う時に気をつけなければいけないことについてはunistyle内に他にも記事がありますので併せて御覧ください。
参考:「成長したい」という志望動機が通用しない企業
→就職活動をしていると耳にすることが多い「成長」というワードは企業によっては敬遠されることもあり、しっかりと自分の中で定義付けをすることが重要です。本記事では「成長」というワードが通用しない理由と評価されるための対策方法を提示します。
→就職活動において頻出の設問である志望動機でありがちな企業に嫌われる実例を紹介したこちらの記事も参考にすると良いと思います。
もう一つ実際のESを見てみましょう。
建設業を志望する理由は、①ゼロから新しい価値を生み出す作業の最前線にいることができる②異なる立場の関係者と協力して規模感のあるビジネスができる③他業界に比べ仕事に対して『手触り感』を実感できることの三つがある。
中でも貴社は民間建設の雄として世の中に新しい価値空間を提供し海外市場にも積極的に挑戦している会社であると認識している。その貴社で営業を担当して国内・国外問わずプロジェクトをリードし多くの人達と幅広い仕事がしたい。
理由は、学生団体の立ち上げや広告代理店で法人営業をする中で多くの人達と協力してゼロから新しい事に取り組むことのやりがいを実感してきたからだ。その活動を通じて、将来はより大きな規模で立場の異なる人達と協力して世の中に実態が伴った価値を提供していきたいと強く思うようになった。
また、建設業は企画の具現化から竣工までの一部始終を見届けられことが仕事の手触り感を最も実感できると考える。
参考:【内定】エントリーシート
このESでは述べている3つの理由がはっきりしていて、企業の姿勢に一致しています。
特に「③他業界に比べ仕事に対して『手触り感』を実感できること」は「内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク」の④他に受けている業界とその業界ではダメな理由についての記述です。
業界比較を書ける学生は少ないので評価できるポイントです。これだけでなく、自身の経験を示し、しっかりと根拠となっており、全体として非常に良いESといえるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は建設会社の代表格の清水建設について見てきました。
清水建設は海外のインフラ整備などグローバルに大きな事業も行っています。直接的に人々に貢献できるやりがいのある仕事です。
文系で建設会社を避けていた人でもこのような視点で見てみることによって魅力的に見えてくるかもしれません。
photo by Martin Thomas