三井不動産の志望動機対策|事業内容の理解なくしてES通過なし
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最終更新日:2024年11月07日
ひとくちに不動産といっても、その中にはさまざまな種類の仕事(総合ディベロッパー・仲介・賃貸・管理など)がありますが、そんな不動産業界の中でも特に志望者が多いのは、総合ディベロッパーと呼ばれる職種です。一言でいえば日本の「街づくり」を担うこの仕事は、そのダイナミックさや、やりがいなどを理由に毎年上位層からの応募が集中しています。
そして今回ご紹介するのは、ディベロッパーの中でも国内最大級である三井不動産です。
日本初の高層ビルとなった霞が関ビルをはじめ、他社では実現が難しいような規模の大きなプロジェクトも多く扱ってきました。また、他にも現在では様々な事業を手がけています。例えば、ららぽーと、三井アウトレットパークなどの商業施設です。一度は皆さんも行ったことがあるのではないでしょうか。また、他にもグループ会社には三井のリハウスを手がけている三井不動産リアルティ、三井の賃貸を手がけているレジデントファーストなど子会社があります。
ただ、このように魅力的で志望したいと思える三井不動産ではありますが、採用実績はあまり多くなく日本でもトップクラスに倍率の高い企業だと言えます。
では、そのような人気企業である三井不動産の志望動機は事業内容に照らしてみると、どのようなものが適当といえるでしょうか。見ていきましょう。
また、下の記事は以前書かれた三井不動産の記事です。是非参考にしてください。
参考
三井不動産のESと採用HPから考える三井不動産の求める人材
三井不動産の面接過去問リスト17選
三井不動産の事業・選考・社風・内定者の自己PRと志望動機解説【unistyle企業研究】
三井不動産内定者の学歴と企業人気ランキング
三井不動産のビジネスモデル
不動産業界の企業のビジネスモデルとしてあげられるのは、まず開発事業ではないでしょうか。
例えば、工場の土地が撤退した空き地を開発する、街の再開発を手がけるなどをしています。街を開発することで魅力を高める。また、魅力を高めて人を呼び寄せています。そうすることで「住みたい」「訪れたい」「仕事環境を置きたい」と思う人々を増やしていきます。そうして開発した街の価値を高め、賃貸料収入やそこで商業施設を手がけているなら、それはそこで得た利益等で収益をあげていくというビジネスモデルです。
こういう事業を手がけていることから「街の総合プロデューサー」ともいえますね。
このような事を考えてみるとデベロッパーが行う仕事は、「新たな価値を創造する」「街を活性化させる」という仕事といえるでしょう。
三井不動産株式会社(所在:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)が事業推進者の一員として進める日本橋再生計画の具体プロジェクトである「日本橋室町東地区開発計画」および「日本橋本町二丁目特定街区開発計画」が、一般財団法人都市みらい推進機構が主催し、国土交通省が後援する平成28年度土地活用モデル大賞において最高賞である国土交通大臣賞を受賞しました。
「土地活用モデル大賞」は、土地の有効活用や適切な維持管理に取り組む、土地活用の「成功モデル」となる模範的事例を募集し、優れた事例について表彰を行い、全国的に紹介しその普及を図るもので、本年度で13回目を迎えます。審査委員会においては、「プロジェクトの具体化に当たっての工夫」および「プロジェクトによる周辺地区活性化や社会的な貢献」の二つのテーマに基づき審査が行われました。「日本橋室町東地区開発計画」および「日本橋本町二丁目特定街区開発計画」は、複数の大規模街区の建替え・再開発において「残しながら、蘇らせながら、創っていく」という「日本橋再生計画」のコンセプトを共有して、街の固有の歴史などアイデンティティを生かしつつ環境と共生した持続可能な都市として再生を行うことにより、日本橋地区に新しい価値を創造することに成功しました。
また、これらの開発は当社が主体となって複数の建替え事業等を総合的にマネジメントして、個々の地権者ニーズを踏まえつつエリア全体のコンセプトを明確に打ち出し、日本橋エリア全体の付加価値を高める開発として、街づくり型の地区整備・再開発としての優れた事例として評価されました。
参考:三井不動産ニュースリリース(日本橋室町における共同事業者と共に作り上げた「日本橋室町東地区開発計画」「日本橋本町二丁目特定街区開発計画」が平成28年度土地活用モデル大賞国土交通大臣賞を受賞)
また、上記の記事は三井不動産による日本橋の再開発計画が国土交通大臣賞を受賞したというものです。日本橋の再開発が進み、新たに魅力的な街に生まれ変わっているというのは、みなさんもご存知のことと思います。
このようにデベロッパーは、元ある街を残しつつ、さらに魅力的な地区に変えていくというのを基本的に仕事としてやっています。
ただ、再開発を計画するのは良いものの、実行に移すには、建設会社や地権者などの様々な価値観を持った人達と、仕事をしていくことが必要となります。そこでは、自分たちの計画を強引に推し進めるのではなく、関係者と対話を積み重ね相手の求めることをヒアリングし調整していくでしょう。
上記のプロジェクトも日本橋の歴史、アイデンティティーを活かしつつ、様々な関係者と「日本橋再生計画」のコンセプトを共有して成功へと導きました。
以上のことを踏まえて三井不動産の志望動機を考えると、
・相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい
・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
といった志望動機が適当だと考えられるでしょう。
三井不動産のES通過者の志望動機解説
貴社を志望する理由は二つあります。1つ目は貴社であれば「多くの人を豊かにするプロジェクトを成功させる」という私の夢を実現させることができると思うからです。
私はこれまで野球をやってきた中で、野球推薦ではない私が日本屈指の環境の中でも活躍することで「多くの人の希望になれる」ことが何事にも代えられない大きな原動力となりました。開発に関わる中で、様々なステークホルダーの想いを汲み取り、街づくりを行うことで私の夢を実現できると考えております。
2つ目は、貴社の挑戦し続ける精神は、今まで私が大切にしてきたことでもあり、魅力を感じたからです。私はこれまで挑戦し続けることを目標に生きてきました。夢や憧れを現実にするための挑戦や、度重なる挫折や困難を乗り越えるための挑戦を続けることで成長してきました。より良い街づくりを行うために挑戦するDNAが根付いている貴社でこそ私の夢を実現させたいと考えております。
参考:【内定】エントリーシート
このESでは、2つ理由としてあげられていています。
「多くの人を豊かにするプロジェクトを成功させるという私の夢を実現させることができると思うから」という理由は、「新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい」という軸に合致していると言えます。
「貴社の挑戦し続ける精神は、今まで私が大切にしてきたことでもあり、魅力を感じたから」というのも会社の理念に合致しており、評価できます。
この方は、自身の野球の経験に基いて書いていますが、やはり、そのようにかかれていると説得力がある、という印象を受けます。
私が不動産会社を志望する理由は、人々の暮らしに密着した職業であることから多くの人に大きな幸福をもたらすことができると考えたからです。
私は、人生を歩む上で何か形に残り、人々を幸せにしたいという想いを抱くようになり、最も直接的にかつより多くの人を巻き込むことができる不動産会社に入社したいと考えました。さらに私はデベロッパーになりたいと考え、社会貢献度が高い一方で、難しく、正解の無い仕事だからこそやりがいを感じることができると考えました。
その中でも貴社を志望する理由は、人々の暮らしに密着した開発(住まいやショッピングモールなど)を中心に行っていることから、私の夢を実現しうると考えたからです。また、海外に事業を展開している貴社だからこそ、私が幼少時代に過ごしたマレーシアをはじめとするアジア各国の人々の暮らしを豊かにすることができると考え、貴社へ入社し活躍したいと強く感じます。
参考:【内定】エントリーシート
この方の志望理由は、「人々の暮らしに密着した職業であることから多くの人に大きな幸福をもたらすことができると考えたから」でした。また、この方は、人々の暮らしに密着した開発がしたいと言っていますが、実際に三井不動産はららぽーとやマンションなどの開発を行っており、整合性が取れています。
貴社にて私の夢である「ビジネスを通じて、世間・世界の人々に喜びや驚きを与えること」に挑戦できると感じ、かつ社員様の熱意を受け一緒に働きたいと思ったから。演劇部やバンド活動での経験の中で、自分がチームを動かし、皆で必死に一つのものを作り上げた。
それが不特定多数の人々に感動や驚きを与えられたことに、私はとてつもない高揚感を感じ、上記の夢に至った。また、幼少時代に地元周辺で再開発が進み、そこから派生する人の流れやその影響力の大きさも実感していた。就職活動中に「街づくりを主導出来る」ことを知り、デベロッパー業界に興味を持った。
私の「熱意と行動力による信頼関係構築能力」を活かし、異なる立場の人々を束ねあげ街づくりを主導していきたい。そして同業界内でも貴社の社員様は、最も目を輝かせて御自身のお仕事を語っていたのが大変印象的であった。その熱量に感化され、貴社の社員様と一緒に働きたく、貴社を志望する。
参考:【不動産業界内定】エントリーシート
この方は志望理由として、「ビジネスを通じて、世間・世界の人々に喜びや驚きを与えることに挑戦できると感じ、かつ社員様の熱意を受け一緒に働きたいと思ったから。」ということを挙げられています。
この理由は、「新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい」という軸に合致しているといえます。そのうえ、この方は幼少時代も含めた自身の経験に基づいて書いているので、説得力のある内容に仕上げられています。
最後に
ディベロッパーは総合商社・広告業界あたりと並んで、いわば上位学生の就活のパターンと言ってもいいほど受験者が多い企業と言えます。にもかかわらず、「まちづくりに携わりたい」といった志望動機が並び、「まちづくりのビジネスとか何か」「そう感じるようになった経験となるきっかけは何か」といったES・面接共に、問われるだろう事項が抜けている人も多いという印象があります。
上記で述べたような軸は、他業界でも広く当てはまることが多いと思いますので、リスクヘッジの意味も含めて、効率良く選考に臨んでいただければと思います。
最後に、動画を通じて選考対策をしたい方は下記も参考にしてもらえればと思います。