野村総合研究所の事業内容から考える志望動機の考え方

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最終更新日:2023年09月25日

企業研究

野村総合研究所(以下野村総研)はシンクタンク・システムインテグレーター・コンサルティングファームと様々な業界区分がなされる企業であり、就活市場においても文理問わず多数の志望者が存在する人気企業となっています。

野村ホールディングスとは子会社と云う関係ではなく、野村ホールディングスとその他グループ企業が最大の株主という関係になっています。また、売上の2割は野村ホールディングスとその他グループ企業が占めています。

野村総研の強みとしてはトータルソリューションができるという点で、クライアントの問題を先取りして解決策を導いていく「ナビゲーション」から、具体的に生じた解決策を実施・運用していく「ソリューション」を行うことを挙げられています。

今回は野村総研の志望動機を事業内容から掘り下げて考えていきましょう。また、unistyle内には他にも野村総研の記事がありますので是非参考にしてみてください。

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野村総合研究所のビジネスモデル

野村総研はクライアントの抱える課題を分析し、高度な知見をもとに解決をはかりその結果として収入を得るというビジネスモデルになっています。その事業領域は金融、公共部門、ITなど多岐にわたっています。では実際、どのような問題を解決していったのでしょうか。見ていきましょう。

日本航空株式会社と株式会社野村総合研究所は、両社が共同開発したJALマイレージバンク日本地区会員向けの新サービス「どこかにマイル」の提供を開始します。
また、通常の特典航空券の半分以下のマイル数により、これまで特典航空券の必要マイル数に満たなかったお客さまの旅行機会を拡大し、地域活性化へのお手伝いをさせていただきます。
(中略)
JALとNRIの共創によるイノベーション
「どこかにマイル」は、NRIが保有する特許を元に、ビジネス構想からシステム構築に至るあらゆるプロセスをJALとNRIが共創する形で開発されました。
JALは、今後も新しい価値の創造にチャレンジし、地域活性化へのお手伝いをさせていただきます。
NRIは、今後もこうした顧客企業と併走して新しいビジネス価値を生み出す「コンソリューション」の手法により、真に意味あるイノベーションの実現に取り組んでまいります。

参考:野村総合研究所ニュースリリース

これはJALと野村総研が共同で事業を行った「どこかにマイル」の記事です。JALが新しい価値の創造に向けて行動しているなか、それを野村総研の特許や知見を用いていくことで新たなサービスを生み出す事ができました。ただ、JALと野村総研とは知見が異なっていることは容易に想像できると思います。そのなか協力して新たなことを生み出していくというのが野村総研の仕事だということが読み取れました。

ベトナム政府と、資本市場育成に向けた助言業務に関する覚書を締結
株式会社野村総合研究所は、ベトナムの政府機関であるベトナム国家証券委員会「ベトナム資本市場の育成に資する助言・コンサルティング業務における協力に関する覚書」を2015年10月7日に締結しました。
NRIは2000年代初頭から10年以上にわたり、ベトナム資本市場の現状に関する実態調査やアジア債券市場育成イニシアティブの一環としての助言活動など、同国の金融・資本市場育成に関わる様々な助言・コンサルティング活動を行ってきました。
ベトナム政府は「2011年~2020年の間におけるベトナムの証券市場発展戦略を認める決定」を発表し、2020年に向け証券取引所など市場インフラの改革、会計・ディスクロージャー制度の近代化、機関投資家の育成政策などを進めており、証券市場の監督、検査権限をもつSSCは行政機関としてこれら改革を担当しています。(中略)
NRIグループはこれからも、ベトナムのみならず、新興国の資本市場インフラの整備や人材育成を推進していきます。

参考:野村総合研究所ニュースリリース

こちらのニュースリリースではベトナムの政府と協同で資本市場育成に向けた事業に取り組んだ案件が書かれています。ベトナムは現在でも堅実な経済発展を続けている途上国です。そこで、今回は市場育成をはかるために市場に関して高度な知見をもつ野村総研と協同で事業を行っていくことを発表しました。
野村総研ではこの事業のようにただ日本の企業にコンサルティング事業を行っていくだけでなく他国とも事業を行っていくことも出来ます。

これら2つの事業を基に『「軸」に基づく業界比較』を考えていくと

・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい
・相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい
・途上国の発展に貢献したい

という志望動機を持った学生に合致する企業だと考えられます。では実際内定者はどのような軸を基に志望動機を書いていたのでしょうか。見ていきましょう。

野村総合研究所のES通過者の志望動機解説

これらが野村総研の内定者のESです。見ていきましょう。

貴社の経営コンサルタントになって実現したいことは、様々な企業の経営の支援を通じて、希望ある社会作りに貢献することです。私はこれまで、日本の過疎地帯や、海外の社会問題を抱える地域を多く訪れてきました。それらの地域の人々が抱く閉塞感を目の当たりにし、多くの地域を幸せにできるよう、社会に大きな影響を与える仕事をしたいと考えるようになりました。経営コンサルタントは若いうちから企業の経営に関わることができます。貴社はコンサルティング領域が広く、顧客も官民共に社会の根幹を支える企業・機関が大半であるとセミナーでお聞きしました。社会の根幹を担う多くの企業・機関の経営に携わることを通じて、社会に貢献したいと思い、貴社の経営コンサルタントを志望しました。 
私が経営コンサルタントというアプローチで社会に貢献することに適していることは、テニスコーチのアルバイトを通じて実感しております。お客様のテニスの悩みを解決したとき、「ありがとう」と言われることに非常にやりがいを感じます。従って、経営コンサルタントとして、スケールの大きい案件でソリューションを提供して顧客に貢献すること自体にも、非常に魅力を感じます。

参考:【内定】エントリーシート (経営コンサルティング部門)

この方が志望動機としてあげられているのは「様々な企業の経営の支援を通じて、希望ある社会作りに貢献すること」ということでした。実際の経験としてテニスコーチとしてお客様の課題を解決した際にやりがいを感じたということを挙げられています。なので、先程とりあげた「相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい」という軸に合致していると言えるでしょう。

そしてこのESの中でテニススクールの経験を挙げられていて、志望動機とやりがいを感じた瞬間、経験が一致しているので整合性がとれている良いESだと思います。

もう一人のESを見ていきましょう。

私がSI業界を志望する理由は、1.相手のニーズを叶えるために努力することにやりがいを感じるため2.チームで働きたいため、の2点です。1.は塾講師のアルバイトを通じて、生徒の成績向上に繋げる事で、保護者や生徒から感謝されることにやりがいを感じたためです。2.は研究活動やアルバイトをしていく中で、一人で行うことには限界があり、視野も狭くなりがちであるため、複数人で共に向上し合える点に魅力を感じました。その中で貴社を志望する理由は以下の3点です。 ①規模が大きく幅広い事業領域があり、様々な分野に関わるチャンスがあるため②超上流からのアプローチによって、お客様が本当に求めているシステムを提案できるトータルソリューションをはじめとした、顧客の目線に立った最適なソリューションを提案できる技術やノウハウがあるため③多彩な人材が集まっており、セミナーやキャリアカフェの場でお会いした社員の皆様の雰囲気に魅力を感じたため長所である分析力と、貴社の豊富なノウハウを活かして、AEとしてのプロフェッショナルとなれるよう仕事に取り組みたいと思っています。

【内定】エントリーシート (アプリケーションエンジニア)

この方は、「相手のニーズを叶えるために努力することにやりがいを感じるため、チームで働きたいため」ということを挙げられています。これを先ほど紹介した軸に照らし合わせると、「価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい」・「相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい」あたりに該当すると考えられます。この方は塾講師の経験・研究の経験をもとにかかれており、どうしてその志望軸を挙げているのかが論理的で伝わりやすいものとなっています。

最後に

今回のESのように、野村総研のにおける業界への志望理由については、SIer業界の志望理由から考える・コンサルティング業界の志望理由から考えるという形で複数のアプローチがあると考えられます。国内シンクタンク最大手であることもあり、同業比較についてはそこまで神経質になる必要はないでしょう。業界軸のアプローチが多いぶん、野村総研の志望動機は他の関連企業へ応用が効きやすい内容であると言うこともできます。SIer・コンサル・総研の他社選考の際も、本記事を参考にしていただければと思います。

photo by Martin Thomas

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