アーサー・D・リトルのES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
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最終更新日:2024年06月13日
アーサー・D・リトル(以下、ADL)は、1886年、世界初の経営コンサルティングファームとして、マサチューセッツ工科大学のアーサー・D・リトル博士によって設立されました。
こうしたバックグラウンドもあって、同社は「経営と技術の融合」をテーマのひとつに標榜しており、その点で他の戦略ファームとはやや毛色の異なるファームでもあります。外資系コンサルを志望する学生にとっては注目度が高い企業かもしれません。
今回は、そのようなADLが求める人材ならびにESで書くべき内容について考察していきます。
事業内容と採用HPから考えるADLの求める人材
以下ではADLではどのような人材が求められているかを考察していきたいと思います。
結局、入社して約1年間、クライアントから継続受注を頂くことになりました。最終的には自分がリーダーロールを担い、プロジェクトメンバーに仕事を振り分け、クライアントの期待に応えながら次のプロジェクトを受注するということを経験し、入社前の目標であった「個」として対価を頂くということが少しずつできるようになっていきました。
また、ケースワークを通じて感じていたことに基づいて新しいフレームワークを構築し、新規クライアント向けのセールス活動も行うようになりました。そして、自分なりのコンサルティングスタイルを確立し始めた頃、入社1年9カ月でマネジャーに昇進することができました。
参考:ADL採用情報 スタッフ紹介
コンサルタントは自らがアサインされたプロジェクト単位で働くことが多く、そのプロジェクトをクライアントと共に主導していくことが多々あります。プロジェクトを主導するにあたっては一つ目に挙げた社員のインタビューにもあるように、社内、社外問わずプロジェクトメンバーにそれぞれ仕事を振り分けリーダーシップをとっていくことが求められます。
このようなことを踏まえ、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」に即して考えるとADLは「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」人材を求めていると考えられます。
また、コンサルタントは企業の経営陣が抱える課題に対して解決策を提案するのが仕事になり、それをするにあたってはまずクライアントが抱える課題を把握することから始まります。それをするにあたってはクライアントがコンサルタントに対して自らが抱える課題を躊躇なく伝えられるほど両者間に信頼関係が築かれている必要があります。このように考えた時、先程紹介した5つの強みに基づくとADLでは「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」人材が求められていると考えられます。
一方、【経営と技術の融合】をリードできる人材を求めている点は、ADL特有のポイントと言えるでしょう。企業内部にコンサルタントとして入り込み、トップマネジメントとテクノロジーを繋ぎ合わせながら価値を最大化することが求められます。
このことは、ADLジャパンのトップ=原田裕介氏の「経営視点を持つ技術者、技術のわかる経営者を目指せ(アーサー・D・リトル HP 「トップインタビュー」より)」とのコメントにも如実に表れています。
ADLのES設問
1. 学生時代に一番力を注いで取り組んだこととそこからの学びを説明してください。(400文字)
2. 興味のある業界(経営コンサルティング以外)とその理由を説明してください。(300文字)
参考:アーサー・D・リトル エントリーシート(12) (経営コンサルタント)
設問(1)「学生時代に一番力を注いで取り組んだこととそこからの学びを説明してください。」について
所謂「学生時代頑張ったこと」、付随して「そこから得た学び」を問われています。
ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-で解説をしているフレームワークを用いてシンプルに回答したうえで、そのエピソードで語られるあなたの強み・学びが上記「企業の求める人材像」に合致していることを確認しましょう。
また、そうした強みを発揮するための方法論まで盛り込むことが出来ると、なお説得力が増すでしょう。
設問(2)「興味のある業界(経営コンサルティング以外)とその理由を説明してください。」について
この設問は「【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説」における「③企業選びのポイント」「④他に受けている業界とその業界ではダメな理由」が問われています。この設問に回答するにあたっては、自らの企業選びの軸を提示しその企業選びの軸に合致する業界を挙げていくという形になります。もちろん、その企業選びの軸に合致する業界に経営コンサルティングも含まれている必要はあるでしょう。
企業選びの軸を述べるにあたってはその軸が形成されたきっかけについて触れる必要があります。以下の記事にもあるように、たとえば「教育格差を是正できる会社に入りたい」と述べたとしても、その軸が形成されたきっかけがないと説得力に欠けてしまいます。そうならないためにも、企業選びの軸となる夢や想いが形成されたきっかけを自己分析を通じて明確にしておきましょう。
また、そもそも企業選びの軸となる夢や想いが思い浮かばないという人も多くいると思います。そのような人は内定者や実際に働いている社会人が抱いている夢や想いに触れながら、それらを参考にしながら探求していくと良いでしょう。
参考:『絶対内定』著者が語る、志望業界を決める方法ならびにその基となる自己分析への取り組み方
参考:志望動機で書く「夢・成し遂げたいこと」に出会うための方法
最後に
いかがだったでしょうか。
テクノロジーを用いた戦略策定といった部分はADL独特の特徴かもしれませんが、ADLが求める人材は他の外資系コンサルティングファームが求める人材と共通している部分も多いので、一般的なコンサル業界対策が十分に有効であると言えるでしょう。
今回紹介したESの設問もオーソドックスな設問が並んでいるので、他のコンサルティングファーム対策記事も参考にしつつ、基本的なフレームワークに沿った回答を心がけると良いと思います。
参考:マッキンゼーのESから考えるマッキンゼーが求める人材
参考:BCGのESと採用HPから考えるBCGが求める人材
参考:ベイン・アンド・カンパニーのESと採用HPから考えるベインが求める人材
photo by Justin Jensen