三菱商事の志望動機/事業内容から考える【内定ES有】
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最終更新日:2024年05月23日
三菱商事は上位校生が多く志望し、「Unistyle就職活動意識調査結果概要」において人気企業ランキングで一位になるほどの人気があります。
今回はそのような三菱商事の志望動機について、三菱商事の事業内容を掘り下げた上で考えていきたいと思います。
三菱商事に関してはunistyle内に他にも記事がありますので、是非参考にして下さい。
参考:
・【三菱商事】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで
・三菱商事のES徹底解説!選考通過者の志望動機・ガクチカ分析
→上の記事では三菱商事の企業研究から面接対策まで幅広く解説しています。また下の記事ではESに特化してより詳しく解説しています。
三菱商事のビジネスモデル
商社はかつてはメーカーなどの日系企業の製品の輸出入代行や貿易事務を行う仲介役を担う、いわゆる「トレーディング」というビジネスモデルを展開していました。
商社は海外に商品を販売したいという日系企業の課題を解決する形で輸出入代行を行うので、日本の企業の海外展開を支えるという意味で商社は日本のプレゼンスを高めているといえるでしょう。
一方、商社は何か物や資源が不足して困っている所に対してトレーディングで培ってきた物流網やノウハウを駆使してそれらを供給するといった側面を持っています。
このようなことを考えると商社が行う仕事は相手が抱える課題やニーズを自らの力で解決する仕事といえるでしょう。
三菱商事株式会社(以下、当社)は、株式会社ジェイ・パワーシステムズ(以下、JPS;住友電気工業(株)の100%子会社)、及びスリランカのCeylex Engineering (Pvt.) Ltd.(以下、Ceylex)との3社コンソーシアムにて、セイロン電力庁Ceylon Electricity Board(以下、CEB)向けの円借款を利用したハバラナ・ヴェヤンゴダ架空送電線*1敷設工事を受注しました。
当社がJPSと共に架空送電線の供給を担い、その他機器供給並びに据付・工事をCeylexが担います。
受注金額は約60億円で、完工は2019年10月を予定しています。
スリランカでは基幹送電網の老朽化が進んでおります。
また、送配電損失率*2は他のアジア諸国と比較しても高く、エネルギー供給の効率化が課題となっております。
本工事により、首都圏への電力供給の重要拠点であるハバラナ・ヴェヤンゴダ間の送配電に、同国初となる低損失大容量電線を導入する予定です。
同電線の使用により、従来型と比較し年間約20-25パーセントの送配電損失率が低減され、CO2排出量の削減にも貢献します。今回の受注はCEBに日本の高い技術力が評価されたものです。
当社は本プロジェクトを通じて、スリランカにおける電力の安定供給、及び同国の経済発展に貢献するとともに、日本政府の主導する質の高いインフラ輸出推進に積極的に取り組んで参ります。
*1 架空送電線:鉄塔を使用して敷設する送電線
*2 送配電損失率:発電所で発生した電力が送電線を通じて配電される際に、送電線の抵抗によって失われる電力量の割合
参考:三菱商事プレスルーム 「スリランカ ハバラナ・ヴェヤンゴダ間における送電線敷設工事を受注」
また、上記の案件では三菱商事は3社コンソーシアムを率い、スリランカにおける送電線の敷設プロジェクトを推進しています。
このように三菱商事をはじめとして商社はあるプロジェクトを様々な関係者を取りまとめながら遂行するといったコーディネーター役としての機能を有しています。
発電所やインフラ設備の設計といった一大プロジェクトは様々な企業が協力して遂行する必要がありますが、商社は今まで培ってきた知見やステークホルダーとの関係を活かして各企業を結びつけプロジェクトを主導します。
このようなことを踏まえると、商社の仕事は様々な価値観やスキルを持った人たちと協力しつつ、新たな設備や仕組みを生み出していく仕事といえます。
更に、商社が行うプロジェクトはインフラが未発達な発展途上国において発電所やプラントを建設するものも多いため、途上国の発展に貢献する側面も持っています。
上記のプロジェクトも、スリランカにおける経済発展に貢献しています。
以上のことを踏まえ、三菱商事の志望動機を考えると、
・途上国の発展に貢献したい
・日本のプレゼンスを高める仕事がしたい
・相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい
・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
といった志望動機が適当だと考えられるでしょう。
三菱商事のES通過者の志望動機解説
以下では、実際に三菱商事のエントリーシート選考を通過した人の志望動機について見ていきましょう。
【世界でインフラを整備する】
アフリカでの課外活動の中で、UNEP(国連環境計画)の方とお話させて頂いた際に聞いた「今後も経済成長を見据える新興国にも環境への配慮が求められており、対応したインフラシステムが必要である」という言葉。
さらに日本政府としても日本再興戦略の中で重点分野としていることから、挑戦したいと思った。
貴社における資源・エネルギー、基礎産業、水、交通などの総合力、そして全世界に広がる営業拠点と築き上げてきたネットワーク、国際情報力を活かして国造りに貢献したい。
参考:【内定】三菱商事の通過ES
このESでは、新興国におけるインフラシステムの整備を志望動機として挙げており、先に紹介した「途上国の発展に貢献したい」という志望動機にあたります。
三菱商事で成し遂げたいことが三菱商事のビジネスモデルで達成可能であり、整合性の取れた志望動機であると考えられます。
また、新興国におけるインフラ整備をしたいと思うようになったきっかけとしてアフリカでの課外活動を挙げており、納得感があります。
ESでは字数の関係上、そのきっかけについて軽くしか書かれていませんが、面接ではその部分の深掘りも想定されるため、自己分析を通じて予め深く掘り下げておく必要があるでしょう。
もう一つ、実際の志望動機について見てみましょう。
自らが渦の中心となり、世界中の様々な価値観を持った人々と一つのことを成し遂げること。
上記(※)のフットサルチームのキャプテンとして練習内容・戦略を提案し、その提案が結果に結びつくことにやりがいを感じてきた。
また、一人では手に届かない目標をチーム全員が同じ志で目指す。
そして達成したときの達成感をチームで共有することはこの上ない喜びであり、このやりがいを仕事でも継続させていきたい。貴社ではこのやりがいを世界規模で行うことができると感じている。
様々なスキル・価値観を持った人々を世界規模で巻き込んでいきたい。
※「実績・経験① (50文字以下) 大学時代、フットサルでサークルながら他大学の体育会を破り、滋賀県大会優勝・関西大会ベスト4」
参考:三菱商事の通過ES
こちらは志望動機として「世界中の様々な価値観を持った人々と一つのことを成し遂げること」を挙げており、前述した「価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい」という志望動機にあたります。
このような夢を抱くようになったきっかけとして大学時代、フットサルでサークルながら他大学の体育会を破った経験が述べられており、非常に納得感のある良い志望動機に仕上がっています。
さらにもう一つ、志望動機を見てみましょう。
「日本を日本人が誇りに思える国にする」という私の夢を是非貴社で実現させたい。
私は、スポーツや学業を通じ、日本人でも努力次第で十分に世界で通用することを実感し、「日本人であること」に強い誇りを持つようになった。
それと同時に、他国からの留学生が日本人と比べ自国に対して遥かに強い希望と誇りを持っていることを痛感した。
仲介者という枠を超えた機能を以て、世界中の課題解決をリードする貢献度の高い事業を手がけることで、「誇り」を日本人の心に取り戻す。
三菱商事という日本最高の舞台で、私のこの夢を叶えていきたい。
参考:【内定】三菱商事の通過ES
この志望動機は「日本を日本人が誇りに思える国にする」とあり、前述した「日本のプレゼンスを高める仕事がしたい」という志望動機に類似したものになります。
その夢が形成されたきっかけは自らの留学経験に根ざしており、説得力があります。
最後に
いかがだったでしょうか。
志望動機を考える事は一見難しいことに見えるかもしれませんが、「【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説」に沿って論理的に組み立てていくことでスッキリとした志望動機を書くことができます。今回はそのフレームワークの中で核となる
「①成し遂げたいこと」
「②きっかけとなる経験」
「③企業選びのポイント」
について触れていきました。
志望動機は今回紹介したもの以外にも様々あると思いますが、いずれにせよそれが自身の経験に結びつけることで説得力をもたせることが必要になってきますので、入念な自己分析を行いましょう。
photo by Martin Thomas