国際協力機構(JICA)のES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・自己PR・ガクチカへ

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最終更新日:2024年06月20日

JICAの本選考ES一覧はこちら

JICAは日本のODAを扱う実施期間として開発途上国への支援を行っています。JICAは国際派の学生に人気の高い企業であり、総合商社と併願する人も多い人気企業の一つです。

「海外」や「途上国」といったキーワードで総合商社に近いと感じてしまいがちですが、実際に行っているプロジェクトや働き方から考えると総合商社と求めている人材や能力は近いように感じます。

今回はJICAの採用HPとJICAのエントリーシートから求められる人材について説明したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

JICAの働き方

「近年では、IPPによるインドネシア地熱発電事業参入に対する日本企業の関心も大きく、我々も日本企業とのやりとりは多いですが、インドネシア政府に対しては、あくまでインドネシアの地熱開発促進を第一義とする立場で信頼を得ながら協力を進めています。これに日本企業の技術力の高さなどがかみ合って、結果として日本企業の参入が促進されていると言えます」

インドネシアと日本の両国政府、そして日本企業をJICAが結びつけたことで、官民挙げてインドネシアの地熱発電開発を後押しするという、理想的な形態がここにはある。

(JICA採用HPから一部引用)
JICAは国のODAを執行する機関であり、上記のようにプロジェクトを立ち上げ、政府関係者、日本企業と協力しながらプロジェクトを進めていくことが仕事になります。
仕事においては関わるプレーヤーが多く、また政府関係者、複数の民間企業とそれぞれ思惑が異なり、価値観や立場が異なるメンバーをまとめてプロジェクトを成功に導くことが求められます。総合商社も同様に多様な関係者をまとめてプロジェクトをまとめる必要があり、働き方・仕事内容においてもJICAとは親和性があるように思います。
そのためJICAで求められる人材は下記のような人材であると考えられます。
①政府関係者、民間企業関係者など立場や価値観の異なるメンバーをまとめてプロジェクトを進めることのできる人材

②リーダーシップを発揮して、プロジェクトを進めることができる人材

③多様な関係者と協力して、新たな仕組みやルールを主体的に生み出していくことのできる人材

総合商社における途上国開発とJICAによる途上国開発の違いは、「ビジネスとして採算を考えているか」にあります。
総合商社はあくまでビジネスとして途上国開発を行っており、どんなに貧困率が高く現状に困っている途上国があったとしても、ビジネスとして利益が出ないのであれば手を出しません。事実、総合商社の多くはアフリカ進出にはそこまで積極的ではありません。
一方でJICAは日本の政府開発援助(ODA)を執行する機関のため、ビジネスを考える必要はありません。その意味では純粋に途上国を支援することができると言え、この点から総合商社ではなくJICAで働きたいと考える人もいます。

JICA設問内容

①JICAへの志望動機を記述してください。

②これまでに、あなたが一番力を入れて取り組んだことを記述してください。

③自己PRを書いてください。

一つ目の設問

①JICAへの志望動機を記述してください。
JICAの仕事をまとめると「途上国の支援」、「多様なメンバーの関わるプロジェクトの運営」、「今までにない仕組みやルールを生み出す仕事」といった側面があります。こういったことに興味があり、自分自身に適正があることを伝えるのが志望動機です。
「途上国の支援」については、途上国でのボランティア経験や海外インターンシップの経験を伝える人が多いように感じます。実際にJICAの内定者の多くがこういった途上国経験が豊富であるように感じます。
「多様なメンバーの関わるプロジェクトの運営」については、上記の通り、価値観や立場の異なるメンバーをまとめて来た経験を伝えて志望動機を伝えるものです。学生時代の経験で言えば、ゼミにて教授、メンバー、院生をまとめて何か企画して実行した経験など、多様な価値観や立場の人をまとめた経験が当てはまるでしょう。
「今までにない仕組みやルールを生み出す仕事」も、学生時代の経験で言えば伝統的な部活動において、伝統とはまったく別の練習方法や、今後の伝統になるような行事を企画した経験などがあればそういった経験が当てはまるでしょう。アルバイトにおいて新たな取り組みを提案して改善した経験も含まれると言えます。
JICAや総合商社というと海外経験がないと志望動機が書けないと思いがちですが、こういった経験から志望動機を語ることもできます。下記の総合商社の記事で解説しているので参考にしてください。
参考:三井物産の内定者ES解説!選考通過のエントリーシートの共通項
→総合商社のESの解説をしています。求める人材からどのように回答していくべきかまとめています。

二つ目の設問

②これまでに、あなたが一番力を入れて取り組んだことを記述してください。
いわゆる学生時代頑張ったことになりますが、企業が求める人材について理解した上で、その求める人材を伝えることができるエピソードを書くようにしましょう。JICAで言えば下記のような経験がよいと言えます。
①政府関係者、民間企業関係者など立場や価値観の異なるメンバーをまとめてプロジェクトを進めることのできる人材
サークル、アルバイトやゼミなどにおいて、考え方が異なる人をまとめて何か成果をあげた経験など。具体的にはアルバイトにおける課題について、社員や店長、アルバイトの仲間を含めて改善策を提案し、周囲の協力を得ながら問題解決に至った経験など。

もちろん国際的なメンバーの中でこれができることを、海外留学経験などで伝えられるとなおよいでしょう。
②リーダーシップを発揮して、プロジェクトを進めることができる人材
リーダーシップ経験というと、部長や代表の「肩書き」を全面に押し出しがちですが、「肩書き」以上にどのように考えて組織に貢献しているのかを示すようにしましょう。

「組織に貢献する上で重要なことは何だと思う?」、「周囲の人の協力を得る上で心がけていることは?」といった質問に対して答えられるようにしておくと回答からリーダーシップの有無を感じさせることができるでしょう。
③多様な関係者と協力して、新たな仕組みやルールを主体的に生み出していくことのできる人材
JICAでは先進国であれば当たり前に存在するものもなかったりする途上国にて、ゼロからルールや仕組みを生み出すプロジェクトを担っています。

そのため、学生時代の経験においても、何か新しい仕組みや企画を主体的に協力者に提案し実現した経験が評価される可能性は高いです。イベントを企画し、集客を行い成果をあげた経験などはこれに当てはまるといえるでしょう。

三つ目の設問

③自己PRを書いてください。
自己PRについても、上記の通り、企業が求める人材を理解した上でアピールすることが求められています。
学生時代頑張ったことと自己PRの違いは、学生時代頑張ったことが一つの経験から企業が求める人材であることを伝えるものであるのに対して、自己PRは自分の過去全てを使って企業が求める人材であることを伝えるものです。

自己PRの基本的な書き方については下記の記事を参考にしてください。
参考:【例文35選】新卒就活で高評価を得る自己PRの書き方・伝え方を徹底解説
→自己PRの目的や評価方法などを考察します。そのうえでどうすれば評価されやすい自己PRを書くことが出来るのか解説します。

最後に

JICAと総合商社のように業界は全く異なっていても働き方や求める人材がよく似ている業界というのは結構あります。総合商社、広告代理店、不動産ディベロッパーも似ている部分があると思っています。

「業界研究」というと一つの業界について深く知ることと思いがちですが、このように似ている働き方や業界を自分なりの企業選びのポイントに基づいて考えることができると志望動機はより深くなるでしょう。
JICAの選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから
下記のコラムも参考に考えてみてください。
参考:【業界別】志望動機(志望理由)の書き方とアプローチ方法|ES例文付
→消去法というアプローチから志望動機の書き方を考えていきます。こちらを参考にすれば納得感のある回答になると思います。

また、以下に 内定者のESを掲載しておきます。ぜひ参考にしてください。

【参考】国際協力機構(JICA)内定者の回答

「国際協力機構(JICA)の志望理由は?」

途上国の人々の発展の土台を創る一助となるためには、貴機構が最適であると考え、志望します。


最下層階級の子どもへの教育ボランティア参加のためにインドを訪れた際、想像していた貧困とは異なる様態を見て、その国の人々自身で国の未来を創っていくべきだということ、そして人々が生き方を決める基礎を築くためには人々の潜在能力を高める必要性を痛感しました。

またコソボや大学院での学びを通じて、国際社会の援助を受け戦後復興を急速に遂げた日本の知見と高い技術力を用いた国際貢献の意義を認識しました。日本の技術や経験を用いて、将来国を創る担い手となる人々に包括的なアプローチをするためには、貴機構が最適であると考えます。


またインターンシップの際、自分の仕事に誇りを持ち日本としてできることを最大限に考え、取り組まれている職員の皆さんの姿を拝見し、一緒に働きたいと感じたことも貴機構を志望する理由です。

こちらの回答ではJICAに入社したい理由が述べられていると感じます。

志望動機を「入社したい理由」だと考えるから噛み合わない面接になる」にもあると通り、企業が志望動機で知りたいのは「仕事理解」と「仕事への適正」です。

原体験がしっかりと述べられており、回答から情熱を感じることができる回答である一方、仕事内容に対する理解ができているかは判別しづらいものになっています。

成し遂げたいことも明確に記述されているので、それを仕事内容に落とし込めばより評価去るようになるでしょう。

【参考】国際協力機構(JICA)内定者の回答

「これまでに、あなたが一番力を入れて取り組んだことを記述してください。」 

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【参考】国際協力機構(JICA)内定者の回答

「自己PRを書いてください。」 

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photo by Martin Thomas

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