三井物産の内定者ES解説!選考通過のエントリーシートの共通項

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最終更新日:2023年09月25日

三井物産の本選考ES一覧はこちら
三井物産については、「三井物産のES解体新書|設問から求める人物像を考察してみた」でも書いた通り、エントリーシートを読むことでどのような人材を求めているのかよくわかる例です。

P&Gも同様で、日系・外資問わずトップ企業がどのような人材を求めているのかを示していると思いますので、トップ企業の総合職志望の方はぜひお読みください。
P&Gは経営理念の中で、「私たちは、世界中で最も優秀な人材を引きつけ、採用します。」とうたっています。そのためESを始めとした選考はかなり練られたものとなっています。本記事ではそんなP&Gの求める人材をESの設問から紐解いていきます。

参考:P&GのES徹底解説|求める人物像と内定者の回答解説

なお、今回のエントリーシートはこちらの総合商社内定者のエントリーシートになります。三井物産のエントリーシートは会員登録(無料)をすることでご覧いただけます。

本選考とインターンの締め切り情報

一つ目の設問

あなたが決断を迫られた最大の場面はどのような時でしたか。また、そのとき、あなたはどのように考え、行動して決断したか、記述して下さい。  (400文字以内)

自身で家庭教師団体を設立したことです。私は、大学入学とともに、2つの塾でアルバイトを始めました。指導に当たる中で、時間の経過とともに、利益だけを追い求め、生徒に真摯に向き合わない社員や組織に疑問を感じ始めました。そこで自身が経営陣に働きかけることで、組織を変えようと試みました。具体的には、生徒面談や、これまでの教育の変遷について学ぶ等の行為を得て、「当塾がこれからすべきこと」といったレポートをまとめ提出しました。しかしそれを半年間繰り返しましたが、組織は変わりませんでした。その中でスピード感の遅さと志の低さを感じ、自身で教育団体を立ち上げました。これの狙いは次の2点です。①より良い教育の提供②外部から塾業界を変える、です。誰もがそんなことはできないと笑いました。自身にもそのようなノウハウは一切ありませんでした。その中でも自身の情熱を信じ、この団体を始めたことが、人生最大の決断です。
三井物産のES解体新書|設問から求める人物像を考察してみた」でも書いた通り、総合商社の仕事では、リスクを取り、決断することが求められています。

この総合商社内定者が書いてくれた内容は、総合商社の事業内容にあっており、また三井物産が標榜する「挑戦と創造」というテーマにも合致しているように思います。

実際に社員の方や経営者に働きかける行動をとった上で、このような決断に至っている点が評価できます。
塾や家庭教師のアルバイトをしている人も多いと思いますので、アクションの参考にしてほしいと思います。

二つ目の設問

あなたの過去の経験の中で、新しい発想、経験、機会や物事の仕方を探究して地域や組織、人びとに変化・変革を起こした事例を記述して下さい。(400文字以内)

家庭教師団体を運営する中で地域に変革をもたらしました。これまでの受験勉強重視の学習スタイルに疑問を感じていた私は、より広範囲な教育を施すべく、この組織を運営しています。現在では20世帯以上に大学生の家庭教師を派遣しています。受講して頂いている学生の影響はもちろん、地域の方々や周囲の人々の意識を変えました。団体の認知段階において、大規模な宣伝を行いたいと考えた私は、地元商店街の方への協力を依頼し続けました。具体的には、紙のビラの片面に広告を載せて頂く変わりに、資金を援助して頂くという内容です。幾度となく足を運び、自身の情熱と相手へのメリットを伝える中で、協力の許可を頂きました。現在は、商工会議に加わり、大学生と商店街が一体となって、なにかできないかといったことを協議しております。今では意見を求められることも多くなり、若者の可能性を地域の人々に伝えることができたと感じています。
まだ結果の出ていない物事をどのようにアピールしていいか悩んでいる人に取っては非常に参考になるのではないでしょうか。

上記の家庭教師団体の設立後の話がメインになっています。一つのエピソードを時間軸を変えて複数のエピソードとして語ることも問題ないので、学生時代取り組んだことがそこまで多くない人の参考になるとも思っています。
取組内容も評価できるでしょう。
地元商店街、大学生と異なる立場の人と協力しながら、その地域に変化をもたらすというのは常に取引先や進出先の地域に変化をもたらそうとする総合商社に必須の行動であるといえます。
20世帯以上の家庭に家庭教師を提供しているという途中経過ながらも結果を出せている点も評価が高いです。

三つ目の設問

あなたが目標に対してリーダーシップを強く発揮し、主体的に周囲の人と共に成果をあげた事例を記述して下さい。(400文字以内)

アルバイト先のスターバックスで店舗内組織を立ち上げ、豆の売上を15%アップさせた。これは現在、他店舗でも成功事例として紹介されている。私は今まで「新しい価値を届ける」ことに喜びを感じてきた。今回は、豆という商品が魅力的であるのに、世に広くひろまっていなかったことが取り組んだきっかけである。私はこの組織で、立ち上げ責任者としてプロジェクトを進めた。目標は10%。具体的には、データ分析・現状把握・戦略立案を全て行った。そして施行という部分は一人では難しかったため、全体を指揮する立場にあたった。具体的な一例としては、テイスティングパーティー等イベントがある。お客様の立場に立ち、何が求められているのかを常に考え続けた。またこの計画の意義や目標をメンバーに共有し続けることで、完成度の高いイベントを行うことができた。 
この内容もスターバックスなどのカフェでアルバイトをしている多くの学生の参考になるのではないでしょうか。
新規に組織を立ち上げて、成果を上げていることも評価できますが、「「新しい価値を届ける」ことに喜びを感じてきた」という部分にあるように、自分の価値観を示しており、それが行動にわかりやすくあらわれている点も高く評価できます。
内容としては、リーダーとしてどのようなことを心がけてきたのか、チームを運営する上で重要なことは何かといったことに言及できるともっとよい内容になると感じました。
もちろんそういった面接で聞かれそうな内容については明言せずに、面接で聞かれたときにしっかりと答えられるようにするというのもテクニックの一つでしょう。

四つ目の設問

あなたが自分と異なる価値観=外国人、年齢、生い立ちの違い、を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。(400文字以内)

アルバイト先のスターバックスで時間帯責任者として、老若男女をまとめ、目標を達成しました。目標というのは、店舗の大幅改築に必要な売上を出すといった目標です。現在店舗は全国でも優れた外観を持つ店舗として紹介されています。自身の具体的な行いとしては、「従業員の管理」と「売上向上のための計画の立案・施行」です。特に、従業員の管理では、アルバイトから社員まで、18歳から60歳までをまとめあげ、目標達成へと繋げました。自身が徹底したことは「自身の基準で考えず、対話を繰り返すことで、相手の立場に立つ」「論理的かつ情熱ある言動」をすることです。自らの意見を押し付けることなく、相手に行動してもらうこと。そして、1人1人に対し、目標を設定し、個人の能力をあげることを徹底しました。結果として、半年後には目標を達成しました。ここでの学びは、チームのメンバーをまとめることや、経営という点で生きると考えています。
ここも上記のスターバックスでのアルバイト経験のことを書いています。

少しもったいないように感じたのは、学びの部分がもう一歩深堀して、総合商社の仕事に寄り添えるとよい内容になると思います。

例えば、出向先において国籍も会社も違うメンバーをまとめる上でも、〜〜を大事に行動したいなど、少し具体的にするだけで総合商社で働く人にもイメージがわきやすくなるでしょう。

最後に

総合商社の内定者と言っても、皆がみんな、体育会出身や、留学経験者、帰国子女なわけではありません。

総合商社というビジネスの中で活躍するのに必要な要素を持った人材であれば採用されます。

わかりやすいTOEICの点数や留学経験、体育会といったスクリーニング基準にばかり目をとられずに、採用の決め手となる採用基準に目を向けてほしいと思います。
三井物産の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

credit: flazingo_photos via FindCC

 

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