闇雲な自己PRはNG 〜企業が求める能力・人物像を理解してから〜
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最終更新日:2024年04月30日
自己PRの添削をしていると、多くのピントのズレた自己PRというものに出会います。その多くが少し視点を変えるだけで非常によくなるものであるために、もったいないと感じてしまいます。
ピントのズレた自己PRの多くは、「企業側のニーズを無視して自分の書きたいことを書いてしまっている」ためにそのような自己PRになってしまっているように感じます。
今回は自己PRの出発点として、企業がどのような能力をもった人材を求めているのか詳しく説明したいと思います。
- ・本記事の構成
・企業が求めているのは「企業の利益に貢献できる人材」
・企業が求めている能力はESに書いてある
・P&GのESは企業側の意図がよくわかるESの好例
・的外れな自己PRにならないためにも
└【参考】外資系メーカー内定者の回答(P&G)
└【参考】三井物産内定者の回答
└【参考】三井物産内定者の回答その2
└【参考】三菱商事内定者の回答
└【参考】博報堂内定者の回答
└【参考】アクセンチュア内定者の回答
企業が求めているのは「企業の利益に貢献できる人材」
面接で皆さんが話す必要のある内容は、「自分なら企業の利益に貢献できる」ということです。
自己PRでは企業の利益に貢献するための「能力」があることを伝える必要があります。過去の具体的なエピソードから自分には能力があり、企業でも活躍できる人材だということを伝える場が自己PRです。自己PRに対して採用担当者及び面接官が共感すれば、通過に一歩近づきます。
それではどのような能力を企業側は求めているのでしょうか?
企業が求めている能力はESに書いてある
どんな「能力」が企業で求められているかは、企業の課すエントリーシート(ES)に見事なまでに書かれています。中には「学生時代頑張ったことを教えて下さい」といった形で明確には聞かない企業も多いのですが、欲しい人材が明確である企業ほど、ESの設問で聞くエピソードが具体的になります。
ベンチャー企業から大手企業まで幅広く多くの業界のESの設問を見ていくと、下記三つの「能力」が特に求められている傾向にあることが読み取れます。
目標達成力(問題解決力)
自ら目標を設定し、その目標を達成する上で乗り越えるべき、困難や課題について解決する能力は幅広くどの企業においても求められています。目標を達成する上では、粘り強さ、継続的努力、諦めない精神力、問題に対する洞察力、行動力などが多角的に求められます。企業活動においても、目標を設定し、課題を解決していくことで利益をあげるため、この能力が基本中の基本になるでしょう。
【ES設問例:A.T.カーニー】
「1.問題解決の事例を簡潔に説明して下さい。(500文字)」
「2.あなたが成功することができた理由を分析し、論理的に説明して下さい。(500文字)」
【ES設問例:P&G】
「解決したい課題や問題について、重要な関連性のある情報(データや事実)を見いだし、その課題や問題の根源をつきとめ、解決策を提案した結果、望ましい成果を上げた経験(500〜700字)」
リーダーシップ
リーダーシップとは、「主体性、誠実さ、責任感などから人と信頼関係を構築し、周りの人を巻き込む力」、「自分の考えやビジョンを発信し、周りと共有する力」であると言えます。仕事はほとんどの場合が社内もしくは社外の関係者と一緒になって仕事を進めていきます。また仕事によっては例え、立場が下でも、自分自身がリーダーシップを発揮して進める必要のある仕事が多々あります。
例えば食品メーカーであれば、量販店に対して自社商品の企画提案及び実行支援を一年目のうちから行います。社内のマーケティング部署、量販店の人々などを自分の考えで指示し、実行していくことが強く求められます。
リーダーシップを全員が持っている組織は非常に強いため、企業としても一人でも多くの人がリーダー経験のある人を採用したいと考えています。
チャレンジ精神(変化に対応する力)
チャレンジ精神とは、「自ら考え、ゼロから企画し実行する力」、「既存の枠にとらわれない自由な発想力と実行力」であると言えます。時代の変化の早い現代においては企業も常に変化を求められており、企業に対して変化をもたらしてくれるチャレンジ精神の強い人材を求めています。
例えば、広告代理店などの仕事で言えば、twitter、facebookなどメディアが変化するたびに常に新しい手法を考え、企画し、実行する必要があります。また化粧品や食品などの生活用品メーカーであれば、常に小売店に対して新規の企画を提案し、売上アップに繋げていく必要があります。
「あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか?その困難をどのように乗り越えたのか、またその経験があなたの人生や価値観にどのような影響を与えたのかについて記述してください。」
ゼロからの企画経験から総合商社内定した方のES
「ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療業界の中で「新たな価値の創造」や「変革」をリードしてきました。あなたがこれまでに主体的に「変化」を起こした経験について教えて下さい。」
ジョンソン・エンド・ジョンソン通過ES
的外れな自己PRにならないためにも
上記でみてきた通り、企業が求める「能力」は
目標達成力(問題解決力)
リーダーシップ
チャレンジ精神(変化に対応する力)
の三つに集約されると言えます。
より競争力の高い自己PRを目指すためにも三つ全ての要素を含んだエピソードが準備できるとよいでしょう。
一方で、TOEIC800点を目指して勉強した、学校の授業で「優」を取るために努力した、国家資格を取るために努力したといったエピソードはどうでしょうか?
かなり多くの学生がこのような自己PRをしがちですが、基本的にこれらのエピソードでは1.目標達成力(問題解決力)はアピールできても、2.リーダーシップも3.チャレンジ精神(変化に対応する力)のどちらも示すことができません。
また多くの場合、TOEIC800点を取る力、学校のテストで「優」を取る力、国家資格を取る力というインプットに重点が置かれた能力では仕事で必要な能力に直結はしません。「【大学の勉強ばかりしても就活で評価されにくい理由】インプット重視の学生とアウトプット重視のビジネス」でも話をした通り、仕事で評価できる力はアウトプットとその過程です。インプットはアウトプットのための手段でしかないことを理解しておきましょう。
上記の企業が求める能力は何なのかを十分に理解した上で、人のESを参考にし、自分のエピソードを語る上でも忘れないようにして下さい。
P&GのESは企業側の意図がよくわかるESの好例
14卒夏採用のP&GのESは全員が取り組んでもいいと言えるほど、上記の1~3の能力に当てはまる設問と言えます。
外資系メーカーに興味はないという人も是非とも取り組んでみて下さい。
1.あなたが、解決したい課題や問題について、重要な関連性のある情報(データや事実など)を見いだし、その課題や問題の根源をつきとめ、解決策を提案した結果、望ましい成果を挙げた経験について述べて下さい。(500文字〜700文字)
⇒目標達成能力(問題解決力)
2.あなたがグループの中でリーダーシップをとって、方向性を示し、グループメンバーの協力を得て優れた結果を出した経験について説明して下さい。(500文字〜700文字)
⇒リーダーシップ
3.あなたが、これまでに著しい結果(学校、コミュニティー、仕事などを含む)を出したときのことを教えて下さい。(500〜700文字)
⇒目標達成能力(問題解決力)
4.あなたの周りで起こった変化によって、いつもより柔軟になる事が必要になった時のことを述べてください。その時の状況を説明し、あなたがどのように対処したのか教えて下さい。(500〜700文字)
⇒チャレンジ精神(変化に対応する力)
5.あなたが、異なる背景、経歴または考えを持っている人々と、建設的な関係を築き上げ、よりよい結果を得た例をあげてください。(500〜700文字)
⇒リーダーシップ
【参考】外資系メーカー内定者の回答(P&G)
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【参考】三井物産内定者の回答
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【参考】三井物産内定者の回答その2
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まとめ
自己PRをアピールするときには、上述したように企業の求めている能力を満たすエピソードで話すことが大切です。
同じ経験でも伝え方ひとつでアピールできる部分も変わってきてしまうので、企業にとって何が必要かしっかりと考えた上で答えるようにしましょう。
また、以下に参考になる内定者の回答例を載せておきます。ぜひご覧になってください。