【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書

163,323 views

最終更新日:2025年02月04日

【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書

かつて伊藤忠商事で社長・会長を歴任した丹羽宇一郎氏も、著書『死ぬほど読書 (幻冬舎新書)』のなかで「本はいってみれば、人間力を磨くための栄養です。草木にとっての水のようなものといえます」と綴っています。

本記事では、就職活動を控えた方や、真っただ中の方に向けて、選りすぐりの必読書・4冊をご紹介します。また、記事の最後ではそれとは別に、就職活動の各フェーズで効果を発揮する5冊の選考対策本も紹介していますので、こちらも併せて参考にしてください。

本選考とインターンの締め切り情報

就活生が本を読むべき2つの理由

まずは導入として、「なぜ就活生は本を読むべきなのか」、この問いについて少しだけ検討してみましょう。

就活生の皆さんが(これまでにも増して)活字を読むべき理由は、2つあります。

① キャリアを考えるための土台になる

1つめに、あなたの幸福なキャリアを深く考えるための土台ができるためです。

就職活動とは、数ある選択肢のなかから、あなた自身の幸福を最大化するようなファーストキャリアを選び取るプロセスです。

さまざまな考え方や知識をインプットして見識を広め、改めてあなたの価値観を見つめなおすには、最適なタイミングのひとつであるといえるでしょう。

② 選考で評価されやすくなる

2つめに、思考法や伝え方の原則を学ぶことで選考で評価されやすくなるためです。

効率のよい思考法や相手が理解しやすい伝え方を心得ているだけで、就職活動の選考でのパフォーマンスは大きく改善されます。

とりわけ、ビジネスの現場で活躍している著者の書籍を読み、そこから彼らの思考法やコミュニケーションスキルを学び取ることは、企業の選考で課される面接やグループディスカッション(GD)に直接的に活きてくるはずです。

これらの理由から、読書は就職活動で納得のいく結果を手にするための最強のソリューションのひとつだと言えます。

必読書・4選


前置きが長くなりましたが、以下、unistyleから学生のみなさんに推奨したい4冊を紹介します。

必読書①:内田和成 『仮説思考』

トップファームのひとつ、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でディレクターまで上りつめた内田和成氏が、短時間で高い成果を出すための思考法を分かりやすく解説した一冊です。

「仮説」とは、「まだ証明はしていないが、最も答えに近いと思われる答え」(本書より抜粋)のことであり、これを用いた思考法のことを「仮説思考」と呼んでいます。

これは、絶対的な解が存在しないビジネスの世界において、高い成果を出すためには欠かせない思考法のひとつだといえます。

これを会得し、実践することは、面接で高く評価されるような魅力的な経験・エピソードにつながるほか、GDやケース面接での議論にも活きてくるはずです。

また、中長期的なメリットとして、入社後に実際のビジネスの現場で活躍するための素地をつくることにもつながるでしょう。

必読書②:杉野幹人『超・箇条書き』

トップティアのコンサルティングファーム、A.T.カーニーでマネジャーを務める杉野幹人氏の著書。

「短く、魅力的に伝える」ための必須スキル「Bullet Points(箇条書き)」について、実践的なテクニックまでが詳細に解説されています。

皆さんがどんなに魅力的なアピールポイントを持っていたとしても、それを正しく企業側に伝えることができなければ、残念ながら何の意味もありません。

本書が指南する「超・箇条書き」というスキルは、ESの作成はもちろん、面接でのアピールやGD・ケース面接でのディスカッションなど、就職活動のあらゆるフェーズで劇的な効果を発揮するはずです。

必読書③:伊賀泰代『採用基準』

マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用マネジャーを12年のあいだ務めた伊賀泰代氏が、社会から本当に必要とされる優秀な人材像を明らかにした一冊です。

「マッキンゼーが求める人材」は、実は「いまの日本社会が必要としている人材」とまったく同じであるとしたうえで、その条件(採用基準)となるたった1つの資質を解説しています(その資質が何であるかは、ぜひ実際に著書を手に取って確認してください)。

マッキンゼーのようなコンサルティングファームを志望する学生だけでなく、これからビジネスのフィールドで活躍したいと考えているすべての学生が読むべき内容になっています。

なお、本書については、unistyleにおいて以下の記事でも言及しています。

必読書④:橘玲『幸福の資本論』

作家・社会評論家である橘玲氏が、「これからの社会で”幸福に生きる”ためには、どのように人生を設計すべきか」という本質的な論点を検討した一冊です。

橘氏は、人間が手にすることのできる資本を「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」の3つに分けて定義したうえで、すべての人間の「幸福」な人生パターンはこれら3つの組み合わせによって説明できるとしています。

ファーストキャリアとする企業を選び、社会人生活のエントランスをくぐる前に、ぜひ本書をヒントに「自分にとって”幸福な人生”とは何か」を考えてみてください。

付録:【完全版】おすすめ選考対策本5選

ここまで紹介してきた必読書とは別に、自己分析や業界研究、面接対策など、実際の選考に向けて具体的な対策を行うための5冊のおすすめ就活本も挙げておきます。

書店の就活コーナーには大量の書籍が並べられており、どれを買えばいいか分からなくなってしまう方も多いかと思いますが、ひとまずは以下の5冊を選べば間違いはありません。

【テスト対策】『これが本当のSPI3だ!』 

SPIの主要3方式(テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング)すべてに対応したテスト対策問題集。(もちろん、個人の得手・不得手にもよりますが)これ一冊をしっかりと解き込んでおけば、一般的な水準のテスト対策としては十分でしょう。

▼テスト対策については、以下の記事もご覧ください。

【GD・ケース対策】『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』

本来は外資コンサルなどの選考で課されるケース問題対策本ですが、グループディスカッション(GD)対策としても高い効果を発揮します(なぜなら、GDとケース問題の違いは「与えられた問題を複数人で解くか、ひとりで解くか」にすぎないため)。

また、以下の記事にもあるように、最近では総合商社を始めとした日系大手企業でもケース問題が課される機会が増えています。

シンプルなフレームワークの助けを借りながら例題に取り組めば、みるみる実力がつくはずです。

コンサル志望者はもちろん、グループディスカッションに苦手意識がある日系大手志望の方も今すぐ取り組みましょう。

▼GD対策については、以下の記事もご覧ください。

【GD・ケース対策】『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

上記の『ケース問題ノート』と併用したいのが、こちらの『フェルミ推定ノート』です。

フェルミ推定とは、「日本全国にマンホールはいくつ存在するか」など、正確に求めるのが難しい数値を論理的に概算することをいいます。

ビジネスライクな数的思考力を鍛えられるほか、ケース問題やグループディスカッションのなかで売上推定を行うときなど、ケースワークに取り組むうえで大いに役立ちます。

本書は数学が苦手な文系学生でも親しみやすいよう、具体的な例題を交えながらシンプルに書かれており、効率よく学習を進めることができます。

すべての就活生におすすめしたいワークブックです。

【自己分析】『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』

あなた自身の強みを知るために一役買う、ベストセラー本です。

一冊ごとに固有のシリアルナンバーが付属しており、Web上でこれを入力して〈ストレングス・ファインダー2.0〉という診断テストを受けると、あなた自身が持つ「5つの資質」を知ることができます。

独力での自己分析に行き詰まってしまったとき、新しい視点から自分を顧みたいときなどに活用するとよいでしょう。

ただし、こうした書籍はあくまでツールに過ぎません。

「やって満足」で終わらないよう、戦略的に自己分析を進めましょう。

▼自己分析については、以下の記事を必ずご覧ください。

【業界研究】『日経業界地図 2018年版』

日経新聞社が毎年リリースしている業界地図も、さまざまな業界を広く・浅く俯瞰するのには役立ちます。

志望業界の見当がつかない方や産業構造を広く知りたい方などは、本書を入り口にして業界研究を始めるとよいでしょう。
(もちろん、より本格的な業界研究を行う際は、また別の手段を講じる必要があります。)

▼業界研究については、以下の記事を必ずご覧ください。

最後に:就活生よ、本を読もう!

本記事では、unistyleが学生の皆さんにおすすめしたい4冊の必読書、さらに付録として5冊の選考対策本をご紹介しました。

以下、ラインナップを再掲しておきます。

【4冊の必読書】

■ 内田和成 『仮説思考』

■ 杉野幹人『超・箇条書き』

■ 伊賀泰代『採用基準』

■ 橘玲『幸福の資本論』

【付録:5冊の選考対策本】

■『これが本当のSPI3だ!』

■『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』

■『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

■『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』

■『日経業界地図 2018年版』

就職活動というタイミング、そして本記事で挙げた4冊の良著をきっかけにして、ぜひたくさんの本を読んでみてください。

読破した本たちはきっと、皆さんの人生の肥やしになるはずです。

下記には、その他各業界志望者におすすめの書籍を紹介した記事へのリンクもありますので、併せて参考にしてみてください。

おすすめコラム 4 件

就活初心者必読|タイムリーな就活事情と就活成功法 就活初心者必読|タイムリーな就活事情と就活成功法 近年の就職活動のキーワードでは、「早期化」「多様化」「積極化」の特徴が見られます。多くの企業が採用意欲を高めており、18卒の大卒内定率は2018年2月1日時点で91%と、過去10年の最高を記録しています。その為、企業同士が新卒の学生を取り合い、簡単に人材を確保しにくくなっているというのが現状です。こうした状況から、学生に早く出会わないと自社について知ってもらえないという不安が企業に広がり、会社説明会の開催、エントリーシートの受け付け、水面下による面談や選考、内定を出すタイミングなど、前年より前倒しのスケジュールで動く企業が増えています。経団連の調査によれば、3月に会社説明会解禁、6月に面接解禁のスケジュールが守られなかったと感じる企業は約9割近くで、ルールが形骸化している状況です。早くから存在を認識してもらおうと、インターンシップに注力する企業も増え、実施企業は延べ1万社を超えています。▼目次クリックで展開本記事のコンテンツ近年の就活事情とは「大手・安定思考」増加理由改善されない早期離職問題自己分析の意義自己分析のポイントと例企業選びの基準①社風企業選びの基準②待遇企業選びの基準③スキルアップ多くの企業を理解する「企業研究」最後に近年の就活事情とは最近の採用ツールは、就職サイト、合同企業説明会が主でしたが、学生と企業が出会うきっかけとなるツールが誕生または復活しています。たとえば2003年の個人情報保護法の施行以降、大学が情報を開示しないため衰退していったOB訪問は、SNSの普及により改めて利用されるようになりました。また、かつては理系学生、体育会系学生へのアプローチとして使われていたリクルーターも、近年、総合商社が活用しだし、いわゆる文系職種の採用まで拡大しています。これらのツール拡大から、新卒採用広報解禁前から学生と企業が出会えるというメリットがうまれています。このような、「早期化」、「多様化」の流れを受けて、採用に関わる社員や予算を増やす「積極化」も目につくようになりました。現在の景気予測や各社の採用予定人数の調査から見ると、有効求人倍率が下がる可能性は低いので20卒の新卒採用は、今までの特徴が継続しさらに強化されるはずでしょう。「大手・安定志向」の就活生が増加する理由企業が採用に対して危機感を強めていく中で、就活生はバブル期に採用された世代を髣髴させる傾向が見られます。その特徴は以下の2つが考えられます。1.内定を取ることに対する余裕感特に優秀でない先輩が大手企業から内定をもらったり、「就活は超余裕だった」といった話を耳にしてしまうことで、「それならば自分も大丈夫だろう」と考えてしまうのでしょう。これは有効求人倍率が高まっている際に顕著な現象です。2.大手企業が求人数と採用予算を増やし、求人プロモーションを強化大手企業が求人数と採用予算を増やし、求人プロモーションを強化することで、より多くの学生が大手企業の情報を得る機会が増えます。そのため、大手企業への憧れを持ちやすくなり、大手・安定志向が強まっていくのでしょう。以上2点が促進されることによる就活生が後々経験する可能性が高いデメリットとは何でしょうか。改善されない早期離職問題このように就職環境が良くなるほど、学生の行動量は減少します。また、会社や仕事への理解不足が進行採用ツールの多様化によって、従来の「たくさん集めて、たくさん落とす」という思考が、マッチングを重視した採用活動に移行しつつあるにも関わらず、学生が「就職」ではなく、狭い視野の「就社」志向だと、早期離職問題も改善されません。「確かに今は採用されやすいし、働きやすい世の中になりつつある。それでも学生は『なんて楽なんだ!』と短絡的に喜ばないほうがいいでしょう。同じような状況でバブル期に入社した先輩には、会社に貢献できない“残念”な人材が多い。その二の舞いにならないか、心配しています。」以上は、ある大手企業の人事の方の言葉です。では、「その二の舞」にならないためにはどうすれば良いでしょうか。自己分析の意義就活において「自分を知ること」は必須です。おそらく就活生であれば再三聞いているのではないでしょうか。「自分を知る」理由は、どの企業に就職したいのか、その企業で何をしたいのかといった自分の仕事選びを明確にするためと、分析したそれを他人にわかりやすく説明するためです。また、それにより企業側はその就活生はどんな人物か、どのように会社で活躍してくれそうかなどを知ることができます。しばしば『御社の○○という企業理念に引かれたから』『御社の○○な社風に引かれたから』などという志望動機を伝える人もいますが、“なぜ引かれたのか”までを伝えないと、企業にきちんと伝わりにくいでしょう。この“なぜ”を明確にするためには、自分が何に価値を感じているのか、何を大事にしたいと考えているのか、を理解することが大切です。自分の価値観に合った企業に出会うためにも、その企業に自分の思いを明確に伝えるためにも、自己理解は重要なのです。いつからすべき?時期としての結論は、早ければ早いほど良いです。3月には企業エントリーが始まり、3月~4月にかけて企業説明会が集中してきます。遅くても2月までには自己理解に十分な時間をかけるようにしておきましょう。どうやってすべき?一般的な「自分を知る」方法としては、生まれてから現在までを振り返り、頑張ったこと、自分で選択したこと(意思決定基準)、楽しかったこと、挫折したことなどいろいろな出来事やエピソードを書き出してみるといった方法があります。ただし、これだけだとエピソードをただ並べるだけになってしまう可能性もあります。「振り返り方」にはさまざまありますが、今回は、比較的簡単なやり方を説明します。自己分析のポイントと例自己分析のポイントは「なぜ?」を繰り返すこと。それに尽きます。これはこれまでの人生を振り返り、出来事やエピソードを紙に書き出したら、その一つひとつを深掘りする方法です。Step.1「頑張ったこと」「楽しかったこと」「大変だったこと」など1つのテーマを決める。Step.2決めたテーマを今までの人生の中のさまざまなシーンで振り返り、挙げてみる。(例)頑張ったこと・高校のバスケ部の練習を頑張った・志望校に合格するため受験勉強を頑張った・ゼミで発表するために論文作成を頑張った・コンビニのアルバイトを頑張ったなどStep.3その中で、一つひとつを“なぜ?”でどんどん掘り下げてみる。(例)コンビニのアルバイトを頑張った場合以上の掘り下げ例を見ると、「一緒に働く人を大事にしたい」「仲間と一致団結して大きな目標を達成したい」という価値観が見えてきます。「頑張ってきたこと」一つひとつを掘り下げていくと、自分では気づかなかった価値観や漠然とわかってはいたけれど言語化できていなかった価値観が見えてくるようになります。また、できれば1つの『頑張ったこと』に対して、10回ぐらい『なぜ』を繰り返すといいでしょう。選んだ「頑張ったこと」のエピソードの中でも、掘り下げやすいもの、掘り下げにくいものがあるはずです。掘り下げやすいものは、「自分にとって印象的だったもの」な可能性が高く、より具体的に掘り下げることができたのではないのでしょうか?自分の言葉で企業に熱意や思いを伝えることが必要になる採用選考時は、そのようなエピソードを選んでみるものオススメです。ある程度自己理解が進むと業界研究、企業研究をしなくてはなりませんが、その選び方を次は説明します。企業選びの基準①社風企業選びの基準として大切なものに、就職したいと考える会社の社風がどのようなものかという点があげられるでしょう。企業選びには多くの基準がありますが、やはり社風に合う合わないというのは、とても重要なポイントとなるでしょう。社風が合わないと長期で働くことが厳しくなる同じ職種や業界であっても、会社によって随分と社風や雰囲気が違います。ネームバリューや福利厚生を重視し、あまりに自分と合わないような社風の会社を選んでしまうと、せっかく内定を獲得でき入社が決まっても、長期に渡って働くのは難しいのが現実です。それを防ぐために必要なこととは何でしょうか。説明会参加やOB訪問を積極的に行う企業選びの際に、その会社の社風がいかなるものかという点をチェックする確実な方法としては、実際に説明会などで職場へ行ってみることがあります。また、OB訪問などを積極的におこなうようにして、社風や雰囲気というものを理解するようにしましょう。社風や雰囲気がどうかという点を考えるということで、よりその企業に対する理解が深まります。色々な情報を駆使して、さらに詳しく研究してみるということが大切といえるでしょう。選び方の基準②待遇待遇面も企業選びにあたっては非常に重要になってくるでしょう。企業選びの基準の中でも、実際に自分の生活にダイレクトにかかわってくる点となりますので、この待遇面をより詳しく調べるということは怠らないようにしましょう。給料・福利厚生・休暇の制度などのリサーチをする待遇面の基準と言っても、単に給料がいくらかということだけではもちろんありません。給料以外にも、福利厚生や、出産や介護に関する休暇の制度といった点について調べておくことも大切です。これからの時代は、育児や介護など男女関係なくかかわってくる時代です。長く働きたいと考える時には、その点においてもしっかりと自分なりの基準をもって企業選びをすることが大切です。待遇の基準をクリアしない=NGという考えは良くない但し、待遇面が自分の持つ企業選びの基準をクリアしていないからといって、必ずしもNGというわけではありません。例えば住宅手当などがあまりよくないという点が事前に分かっていれば、それに対して早めに貯金をするといった対策がとることができます。企業選びの基準として待遇面をチェックすることは大切ですが、そのうえで自分が何を望んでいるのか、それを考えることも企業選びの基準を設ける際には必要なこととなるでしょう。選び方の基準③スキルアップ企業選びの基準で必要なものとして、その会社でいかにスキルアップすることができるかというものがあります。様々な企業の中で、そこで働くことで多くのことを学ぶことができるか、または、成長することができそうかどうかという点が、企業選びの基準のひとつになるでしょう。企業研究×自己分析が重要そのためには企業研究を徹底して行い、その会社の事業内容などを深く理解することが必要です。またしっかりと自己理解を重ね、そのうえで自分はどのような仕事がやりたいか、どういったことができそうか、または適性があるかということを探ってみるのも重要なこととなります。つまり社会人人生において、どのような方向を目指していきたいか、それについても考えることになります。どう働いていきたいかを考えてみる企業選びの基準を考えるということは、自分自身をもう一度振り返ってどういう風に働いていきたいかということをチェックするための良い機会です。その会社でいかに自分が成長できるか・スキルアップできるかという点にしっかりと目を向けることで、より自分自身に適した会社を見つけるひとつのポイントとなる事でしょう。多くの企業を理解する「企業研究」業界研究や特定の企業研究をすることも、また企業を選ぶ上で大切なことです。多くの企業を知ることによって、自分に適性がある企業を見つけ出せる可能性が高まります。また、仮に見つからなかったとしても、その過程で自分が重視しているポイントが自ずと見え、より自己分析が深まることになります。そうすれば、より効率的に自分が望んでいる要素を備えた企業を見つけ出すことができ、自分にとって大きなプラスとなります。志望業界以外にも視野を広げる志望業界以外にも視野を広げることは、自分の適性を見つけだしたり自己分析をするため大いに役立ちます。就職活動を進めていくと、徐々に特定の業界ばかりに目が行ってしまうことが多いのですが、そういった時こそ他業界の企業の説明会などに足を運んでみることも効果的です。他業種の説明会などに行くことによって、なぜ自分は今メインで特定の業界を選んだのか、どうして志望したのかを深く見つめ直せます。自分の志望業界と他の業界とは、どのような点が違うのかを考えるだけでも効果があります。そして、それは志望動機や面接におけるアピールをより深く説得力があるものに変え、採用担当者を納得させることができるようになるのです。面接をしながら基準を決めることもできる面接を受けていくと、志望動機や自己PRといった一般的な質問もありますが、業界特有の質問があることもあります。たとえば、飲食業界であれば慢性的に人が不足しており激務であることが多いために、体力を備えているかどうかをほぼ確実に問われます。こうした面接で採用担当者から受けた質問について、なぜそのような質問を投げかけられたのかを考えたり、面接の最後に逆質問をすることによって、志望する企業や業界についてより深く理解することができるようになります。採用担当者が就活生に尋ねる質問には、必ず何らかの聞きたいポイントがあるために質問しているケースがほとんどです。最後に以上のことを要約すると、「学生は売り手市場の恩恵を甘受するのではなく、まずは自分の人生を最終的にどうしたいのかを考え、自分が納得できる就職活動の方が長期的に考えたら自分の為になる。納得できる就活を送るためには、自分自身が何を会社に対して求めるかという事を明確に理解しておく事が重要。」ということが言えます。就活生なら耳にタコができるほど言われていると思いますが、自己分析の濃さは就活を左右すると言っても過言ではありません。また、人間の欲求は自分が知っていることからしか生まれないため、企業を沢山見ない限り、「本当にしたい仕事」は見つかりません。以下の参考記事では、日系大手の内定獲得に特化した初心者向けの記事です。ぜひ参考にしてみてください。参考:だからこそ、企業研究にも抜かりなく取り組んでください。 6,424 views
国立研究所内定者が語る民間企業との違い 国立研究所内定者が語る民間企業との違い 所謂、企業選びの軸について仕事選びの根源的なところは「目の前の事だけでなく、中長期先を見て仕事に取り組みたい」「社会を支える仕事」「事業推進に繋がるエンジニアリング・研究開発に従事したい」「将来的にでもいいので、全体を見て調整を行う仕事をしたい」という4点のうちいくつかがあれば良いかなと思っていました。結果としては16卒、国立研究所内定者となりました。公務員試験受験について自分は公務員を目指していたのですが、勉強不足で落ちてしまいました。研究の進捗に苦しみ、勉強に身が入りませんでした。ただ、積極的に参加した、各省庁が企画している政策説明会や勉強会、夏季インターン(2週間)は、大きな社会構造を直接学ぶことができるいい機会だったと考えています。自分が社会的課題に対してどのように考えているのか、根拠を持って論理的な意見を言えるのか、自分から一次情報を取りに行くことができる人なのかを見られていたように思います。民間と非民間の違い(主に工学的な分野において)民間と非民間の大きな違いは業務上の目標におけるタイムスケールの違いだと感じました。国やそれに準ずる国のエンジニアリング、研究開発組織である国立研究開発法人・独立行政法人の役目は、①民間ではできないような、お金にならない領域を開拓すること②その分野の研究開発拠点(ハブ)となり、ブレイクスルーを生み出すこと。これらを、中長期先を見据えて実行していくことだと思います。民間と非民間を併願する際、「それは民間ではできないかな」と言われないように、注意すべきところだと思います。また、「全体を俯瞰して仕事をする」業務はマネジメントですので、民間では出世しないとできない仕事になります。業務推進も同様です。どうしても、「必ずできるとは限らないよ」と言われるところですので、注意が必要だと思います。民間と非民間の違いに少し苦しみましたが、OBOG訪問で質問を繰り返すことで解決するかと思います。「それをやるなら民間に行った方がいいんじゃないかな」と言われないように整理をしておいた方がいいかもしれません。また、一つの事だけをやるわけではないので、「~がやりたい!」と強い思いを持っているかもしれませんが、それは心の中に秘めて「~が大事だと思う。」という表現に切り替えたほうがいいと思います。反省就職活動の反省は、正直に就職活動をしすぎたことです。正直にやりたいことを述べた結果、自分のやりたいことが多くの民間企業でやれることとマッチせず、殆ど落ちました。医療インフラ企業と、鉄鋼企業の2社は認めてくださりましたが、より大きな目標を抱けることに惹かれて国立研究所の内定を受諾しました。私のように、8月後半まで内定が一つもない状態ではとても苦しみます。内定が欲しいならば、正直すぎないように、会社が求める人材になりきるべきだと思います。最後にやりたいことについて周りの報告を聞いていると、皆が皆やりたいことをできるわけではないようです。ただ、全く関係ないところへ進むと、まず最初の3年間で苦しむかもしれません。内定が決まった後、大量に課題が渡される企業もあります。大きいから、有名だから…etc良く分かりますが、モチベーションを大事にする方であれば、自分のやりたいことと合致しているか、長期で取り組めそうなものか、将来的なキャリアステップの役に立つか、などの別視点でも考えることが大切だと思います。意外と有名企業でも内情は大変だったりするようで、所謂「就職偏差値」は仕事をする上での幸せ度にはなかなかつながらないかもしれません。photobyMartinThomas 21,433 views
学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる 学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる ”学歴フィルター”という言葉なしに就職活動を語ることはできないと思われます。学歴フィルターが広く関心を寄せられているのにも関わらず、多くの記事が『学歴フィルターがあってもありのままの自分で頑張ろう!』『厳選!学歴フィルターのある企業・ない企業』といったように、学歴フィルターの本質に迫っている記事は少ないように思われます。そこで本記事では、就活を終えた20卒の学生の目線から、就活生の学歴フィルターの現状、学歴フィルターに対する本音、及び学歴フィルターに対する向き合い方について論じていきます。▼目次クリックで展開本記事の構成そもそも学歴フィルターとは学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音学歴よりも人物重視トヨタの役員は中卒学歴フィルターにどう向き合うのかさいごにそもそも学歴フィルターとはフィルター…与えられた特定成分を取り除く作用をする機能を持つもの参考:Wikipedia|フィルター辞書的定義に従うと、学歴フィルターとは”学歴”と”フィルター”を組み合わせた造語であり、特定の大学を”取り除く”作用をするものという語源通りの意味になります。就活生の間では、”早慶”以下は学歴フィルター、”MARCH”で学歴フィルターがあるのように、特定の大学群を引き合いに使われていることが多い印象です。学歴フィルターは平たく言うと、学歴によって学生を差別しているとも捉えることができるので、世間ではどこか印象の悪いものとして捉えられていることが多いようです。過去に、大手企業の説明会を自身の大学で予約しようとしたら満席と表示されてしまったが、有名大学に変更したら空席ができたという話が、学歴による差別ではないかと話題になっていました。参考:露骨な学歴差別なのかキヤノンの大学別新卒説明会そもそも学歴フィルターは存在するのかQ.学歴フィルターって本当にあるの?事実としては、あると言えるでしょう。引用:unistyleでは、学歴フィルターは存在するものとして扱っています。unistyleとしては、学歴フィルターは良いものでも悪いものでもなく、導入によって企業に一定のメリットをもたらすものであるため、導入されているという立場を取っています。学歴フィルター導入による企業側のメリットについては、本記事の主眼ではないので多くは触れませんが、下記に簡潔にまとめましたので参考にしていただけたらと思います。企業が学歴フィルターを設置する理由①高学歴による安心感②採用活動にもコストがかかる参考:高学歴=優秀な人と結びつけるのには無理がありますが、学歴が高い人=一定の努力(ある程度の能力の保証)をすることができる人と同義であると言えます。そのため、学歴フィルターを設けて高学歴を中心とした母集団を形成することで、無作為に学生を抽出する際よりも、より高確率で優秀な人材を採用することが可能となります。限られた時間と費用で優秀な学生をできるだけ多く獲得したい企業側からすれば、まごうことなく、”学歴フィルター”は有効な手段だと考えることができます。学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音先程、学歴フィルターはネガティブなものとして捉えられていることが多いと記述させていただきました。しかし、ここで一度考えていただきたいのは、”学歴フィルター”をマイナスに捉えている・反対している学生はどのような層の学生なのでしょうか。言われてみれば当たり前かもしれませんが、東大生や京大生などの学生層が声高々に『学齢フィルター撤廃!』と訴えている姿は想像できません。誤解を恐れずに言わせていただくと、『学歴フィルター』にマイナスのイメージ・撤廃して欲しいという思いを抱いているのは所謂上位企業に就職したい中堅大学の学生がほとんどでしょう。学歴フィルターの何が不満なのか『学歴フィルター|就活』と検索すると、学歴フィルターを理由に行きたい企業に行けなかった・学歴フィルターがなかったら挑戦したのにという声を多く目にします。行きたい企業が本当はあるのに...学歴だけで諦めないといけない現実。就活キャリアセンターに相談しても「厳しいよ!」と言われたり友達や親にもバカにされてしまう...そんなに「学歴は大切ですか??」#就活#学歴#学歴フィルター—Fラン大学生のお手軽スピード内定プロデューサー(@Frankspeedoffer)2019年10月24日要約すると、『やりたい仕事があるけど学歴フィルターで応募ができない…』といったところでしょうか。行きたい企業・やりたい仕事が学歴が理由でなれなかったり・できなかったりするのは不本意であるというのが学歴フィルターに対する不満の一般論だと考えられます。仕事は学歴でするものではないですし、人の優劣が学歴で決まるとも思いません。そのため、学歴よりも人柄・やる気を見て欲しいという訴えにも納得がいきます。学歴フィルターによる評価は努力の結果得られるものであるどうしても不満や不平が中心に取り上げられがちですが、学歴フィルターに対する上位大学の学生の声を目にすることはあまりないと思われます。上位大学の学生の声に耳を傾けてみると違った意見を拾うことができます。【学歴フィルターっておかしいですよね】って良く就活生から聞くけど私はおかしくないと思うなぁ高学歴の方は、大学受験死ぬ気で頑張って結果を出したのですから優遇されて当たり前学歴がないなら学歴がない事を受け止めて(私もそうでしたが)高学歴の方の何十倍も動けばいいのでは?—Fラン卒サラリーマン(@f_shukatsu25)2019年8月13日学生の本分が”学業”であることは間違いないでしょう。もちろん大前提として、就職をするために大学に進学するわけではありません。それでもより学業を重んじ努力してきた学生が、より多くのチャンスに恵まれるべきであるという点に反対する人はいないでしょう。そのため、上位大学の学生からすると、”学歴フィルター”は努力の正当性をきちんと評価してくれるものとして寧ろ好意的に映っているのではないでしょうか。誤解を恐れずに言うならば、学生の本分である学業(=”義務”)を疎かにした結果の大学に進学したにも関わらず、就職活動の時にだけ全ての学生が同じスタートラインに立つべきであるという”権利”を主張するのはどこか矛盾を感じずにはいられません。学歴よりも人物重視学歴フィルターの設置は企業の側からは一定の有用性があるということ、学生の目線だと上位・中堅大学の学生で学歴フィルターへの見方の違いがあることに納得していただけたと思います。しかし最近では、学歴フィルターは変わらず必要であるという事実と世間の学歴フィルターへのマイナスイメージとのジレンマへの解決策としてか、学歴よりも能力を重視した、『人物重視』の採用という言葉をより耳にすることが増えました(あくまで”学歴よりも”という点が重要です)。そこで、企業が何故学歴よりも人物重視の採用へと変化しつつあるのか、その切り口として、諺とスポーツを例に説明していきます。船頭多くして船山に登る学歴中心の就活から人物本位に変化しつつある理由の説明として、『船頭多くして船山に登る』という諺を引き合いに出します。「船頭多くして船山に登る」とは、「指図する人が多くて物事がまとまらず、目的とは違う方向に進んでしまう」と言う意味を表しています。参考:TRANS.Biz企業は、社長や役員といった会社の方針を決めるブレイン、実際に顧客のもとへと向かう営業、企業の財務を管理する経理、コンプラ案件を扱う法務など多様な組織で構成されています。当たり前ですが、それぞれの部署で担っている仕事は異なるため、求められるスキル・ノウハウはそれぞれ異なります(もちろん共通するものもありますが)。高学歴が画一的な人たちで構成されているとは言いませんが、仕事のできる・できないは学歴や学力で決まるものではありません。より、何ができるかといった点を重視した場合、学力に加え、今持っているスキル・人柄など学力以外の要素を重視するのにも頷けます。船が船頭者だけでなくオールを漕ぐ人がいないと始まらないように、企業も船頭だけでなく企業を動かすための様々な能力を求めていると言えます。スポーツで例えてみるもう一つ、スポーツの例で考えてみます。2019年ラグビーワールドカップでは日本代表がベスト8という快挙を成し遂げました。日本代表が体格が一回りも二回りも違う南アフリカ代表に果敢に挑んでいく姿に心を打たれた人も多かったと思います。体格が重要になるスポーツの為、日本代表の前評判は決して高くはありませんでしたが、相手チームのパワーを上回るスピードや正確さ、戦術で怒涛のベスト8進出を決めることに成功しました。タックルやスクラムなどのプレーからラグビーは一見パワースポーツと誤解されがちですが、相手陣地に切り込むスピードスターや正確なキックで突破口を開くキッカーなど様々なスペシャリスト達で構成されているスポーツです。日本代表の強さは、各々がそれぞれの持ち場で長所を存分に発揮した点だと考えられます。話が少し逸れてしまいましたが、このラグビーの例からも人物本位の採用に変化しつつある理由を読み取ることができます。体格で負けている日本代表が、力不足を補うためにパワーのある選手だけを集めていたら本来の実力を発揮できずに、ベスト8を達成することはできなかったでしょう。企業も学力に強い人材だけを集めていたら勝てる勝負にも勝つことができないと思われます。適材適所に必要なスキルを持った人材を配置することが企業の勝利(成長?)の鍵へとなります。繰り返しになりますが、企業は学力と学歴だけで回っている世界ではありません。企業が勝ち残っていくためにも、”学力だけでは測れない力=人物重視”へとシフトしていっていると言えます。トヨタの役員は中卒企業の多くはトップダウンであり、企業が人物重視の多様なスキルを持った人材を欲しがるということは、裏を返せば、企業のトップもまた多様な人材で構成する必要に直面しているとも言えます。企業のトップが変化しつつある例として、トヨタ自動車の役員の1人に河合満さんという方がいます。トヨタの4月1日付人事の目玉の一つが工場統括の専務役員である河合満氏の副社長就任だ。有名大学卒の経営幹部が多いトヨタにおいて異色の人事であり、河合氏への関心が高まっている。(中略)河合氏は中学卒業後にトヨタの企業内訓練校であるトヨタ技能者養成所(現トヨタ工業学園)で学び、「カローラ」が発売された1966年にトヨタ(当時はトヨタ自動車工業)に入社。引用:日経ビジネス現場叩き上げからトヨタ副社長に就任企業の執行役員ともなると、やはりトヨタだけに限らずどの企業でも錚々たる経歴・出身大学の人が多いです。実際に、上場企業の社長クラスともなると、慶應や早稲田、東京大学だけで700社近くの企業の社長を務めていることになります。(参考:東洋経済オンライン)つまり、俗に言うノンキャリア出身である河合さんの役員就任は異例の人事異動であったということになります。そのため、世界のトヨタの役員に中卒の河合さんが抜擢されたのは、世間の広い関心を集めました。なぜトヨタの役員に中卒が?トヨタが河合さんを役員に任命した理由は要約すると次の2点であると考えらます。河合さんが役員任命の理由・メーカーとしてものづくりの最前線を知っている・トヨタの黎明期から幾度もの倒産の危機を乗り越えてきた経験CMや東京モーターショーなどの影響もあり、トヨタはグローバルでスタイリッシュな企業イメージを持ちます。ですが、そのスタイリッシュなトヨタの製品・イメージを作っているのは、現場である”工場”です。どれだけハイコンセプトでスタイリッシュで画期的な商品を企画しようと、実現できるのは、現場である工場だけです。ものづくりは工場をはじめとした現場から始まります。現場を知らない人間に現場を指示することはできません。河合さんの役員への任命は、現場を知った人物ならではの経営ができるという期待を込めての抜擢なのではないでしょうか。私自身、そう、物知りではございません。あまり色々なことを知らないと思います。情報の出発点として大切にしておりますのは、情報は現場にあるということです。〜豊田章男〜引用:トヨタイムズ理由を並べてみると、確かに河合さんの役員への就任は的を得ているものとなります。しかし、繰り返しになりますが、本来ノンキャリアである河合さんが役員に就任することは考えられない人事になります。世界のトヨタのトップが変化しつつあるのですから、他の日系企業も多様な人材を中心とした経営にシフトする波が押し寄せているのにも頷きます。トヨタの例から何が言えるのか河合さんを紹介したからといって、『頑張り次第では皆さんも学歴関係なく就職・出世ができる!』という荒唐無稽なことを伝えたいのではありません。大切なのは、新卒採用を含めた採用全般は企業からのメッセージだということです。企業の経営方針が変化すると場合によっては、求める人物像も変化します。トヨタのトップが学歴などのキャリア重視から、何を生み出すことができるのか、何ができる人なのかなどその人の能力重視に変化していることは、我々就活生に対しても同じことを求めていると言えるでしょう。トップが変化すれば下も変化をしていきます。ひょっとしたらトヨタの今後の採用は学歴などに加え、より当人の能力を重視した採用に変化すると予想することもできます。今後、日本の全ての企業がトヨタのようになっていくと簡単には断言はできませんが、変化しつつあるという点は認識していくべきことだと思われます。上記にも記載されている通り、学歴だけで就活がうまくいく時代は徐々に終わりつつあります。学歴フィルターにどう向き合うのかここまで、学歴フィルターに対する学生の目線となぜ学歴から人物重視に変わりつつあるのかという話を進めてきました。確かに学歴重視から変わりつつありますが、冒頭で申し上げた通り、企業の採用コストなどの観点から学歴フィルターがなくなることはないとunistyleは考えています。では、学歴フィルターに悩む学生に対しての答えは何でしょうか。私たちunistyleからの回答はシンプルで『悩むな』です。コントロールできないものは諦める何も答えになっていないじゃないかと怒られてしまいそうですが、シンプルかつ明確な回答だとunistyleは考えています。当たり前ですが、企業は学歴フィルターのラインを発表することはありません。学歴フィルターがあるかないかを悩むことは、答えのない回答を探すことと同じくらい不毛なことですし、学歴フィルターが気になるからといって、学歴を変えるために大学に入り直すのは非生産的であり、学歴詐称をすることは更にご法度です。学歴というものは一度決まってしまったのならば変えることはできないものですし、変えることができないものに悩んで時間を費やすよりも、サークル活動やアルバイトでの経験、定量的なものではTOEICの点数など自分でコントロールできるものにより時間をかけたほうがいいかと思われます。自分にコントロールできないことは、いっさい考えない。考えても仕方がないことだから。自分にできることだけに集中するだけです。ー松井秀喜ー元プロ野球選手の松井秀喜選手の言葉を引用しました。松井秀喜選手は日米通算で2643本のヒットを達成し、名球会入りも果たしている名バッターです。そんな松井秀喜選手が米国ヤンキース時代、自身の成績不振をマスコミに取り上げられるのは気にならないのかと質問された回答が上記の言葉になります。天候やメディアの言動などはコントロールしたくてもコントロールできない、自分ではどうしようもできないことで悩むのは非生産的であるとして、上の言葉を残しています。学歴フィルターがあるか否かを悩むよりも、自身の経験や考えを企業に上手に伝える練習をしたほうがよっぽど効率的であり、人物重視の就活で勝ち残っていくことができるでしょう。高学歴であるというプライドが許さないのであれば学歴フィルターで悩む学生がいる裏で、学歴フィルターとは無縁の学生も悩みを抱えています。彼らは、東大や京大などを始めとした高学歴集団が集まる企業に誇りを感じる人(=エリート意識?)も中にはいます。筆者の友人にもいましたが、そうした人たちは自分よりも学歴の低い学生が少なく、より自分と同じかそれ以上の学歴を持つ人が集まる企業を好んで選択していました。人の価値観は人それぞれですので否定はしませんが、一度立ち止まって再考するべきでしょう。就職活動による内定というのはあくまでゴールまでの「通過点」に過ぎません。納得の行く内定が得られただけで幸せが保証されるものではありません。参考:仕事は学歴でするものではないですし、学歴が高い人が全員優秀であるとも限りません。大学入学時にどの高校の出身なのかで花を咲かせたのが1年後にはどうでもよくなっているのと同様に、どの大学から来たのかという話題は話題にも登らなくなっているでしょう。高学歴集団で構成される企業に就職することによる満足感は入社するまでの間の一過性のものと予想されます。そのため、どの学歴の人と一緒に入社するのかという短期的な目線よりも、どんな人と何をしていきたいのかという長期的な目線のほうが、後々より納得のいく社会人生活を送ることができるのではないでしょうか。10年社会人やって感じたのは、仕事の充実度は人生の充実度に直結してる感じで、学歴は必ずしも人生の充実度との関連性は低い。学歴はすぐに過去のものになるけど仕事は40年間続くから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月6日さいごに学歴フィルターに関する話題はどこかタブーな話とされている傾向が強いですが、なるべく学生の本音に近いところで話を進めさせていただきました。人物重視に変わりつつあるといえども、学歴フィルターがなくなることはないでしょう。自分の大学が学歴フィルターの対象であるかどうかは気になるところではありますが、自分が何故その業界を志望するのか、何が強みなのかを理解し伝えることができれば、学歴に関係なく、内定を獲得することも難しくはないでしょう。【参考】・・・・・【関連】・・・資格・スクール情報外部検索サービスのご紹介あなたにとって失敗しない資格・講座が見つかる講座・スクールベスト進学ネット 14,186 views
銀行員の「転職」に見る、日系大企業の栄枯盛衰 ―ブラック・スワンを忘れるな― 銀行員の「転職」に見る、日系大企業の栄枯盛衰 ―ブラック・スワンを忘れるな― 新卒就活中の皆さんは、どれだけ【入社後の転職】を視野に入れているでしょうか?日本的な終身雇用原則が崩れつつあるなか、同一企業に40年勤め上げることを過度に信奉せず、将来的な転職までを見越して新卒入社先を検討するべきでしょう。unistyleでも「勝ち組企業に内定したと思っている学生は『ブラック・スワン』を読んでおこう」、「10年前、東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」等の記事で、入社時のブランドや給与水準が永劫保証されているわけではないことを強調しています。また、入社してから転職活動のための業界研究を行う時間は限られていることから、新卒就活の段階でベンチャー企業も含めて幅広い業界を受けることが重要になります。参考:優秀な就活生は3年後の転職を見据えて、ベンチャー企業まで幅広く受けている「転職」シリーズ・第3回のテーマは「銀行」。実際の転職者データをもとに【大手銀行に新卒入行した方の転職キャリア】を分析し、そこから【人材獲得競争に見る、企業価値の栄枯盛衰】を考えます。0.転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、◆プライベート・エクイティ・ファンド(PE)◆ベンチャー・キャピタル(VC)◆戦略コンサル◆ベンチャー企業の創業者、役員(未上場も含む)以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1231名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。(なお、全ての情報は各社有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)1.新卒就活市場における銀行の「今」と「昔」大手銀行員の転職を考えるにあたって、まず【大手銀行に新卒入行するのはどんな層の学生か】という点を理解するため、大手都市銀行に対する学生の意識が時代の移り変わりとともにどう変遷してきたかを追いましょう。a.「今」:総合商社・広告代理店の滑り止め?今まさに就活に取り組まれている上位校学生の皆さんは、この見出しが腑に落ちる方が多いのではないでしょうか。現在、メガバンク3行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)はいずれも新卒大量採用を推し進めており、その大半が「総合職オープンコース」枠での採用です。この採用枠の大きさから、早稲田・慶應以上の大学では「とりあえずメガバンクから内定を貰い、本命企業の選考に落ちた際の滑り止めにする」といった戦略を取る学生が多いようです(実際のところメガバンクから内定を貰うことも決して簡単ではなく、この点では意識と現実との間に乖離があると言えるでしょう)。この意識構造を如実に反映したのが、先日発表されたダイヤモンド社『就職人気企業ランキング2017【文系男子】』です。上位のほとんどは総合商社が独占しており、メガバンクはじめ金融業界はそれを追随する格好となっています。​現在の新卒就活において【メガバンクが総合商社の滑り止めになる】という市場構造は確かに存在するようです。以下の記事にあるように、とりわけ早稲田・慶應以上の層ではこの傾向が顕著なようです。参考:メガバンクは滑り止め!?慶應生が語る、慶應生の就職活動の実態参考:メガバンクから日系コンサルへ、早慶レベルの学生にとっての滑り止めの変化の兆候b.「昔」:エリートキャリアの代名詞しかし、上記のような市場が発現したのは、実は比較的最近のことのようです。​各年のランキングから、それぞれ当時の銀行勢の強さが分かります。都市銀行再編が行われる以前、現在のメガバンクの母体となった各行はそれぞれ高い就職人気を誇っており、総合商社と同等、ときにはそれより高い人材獲得力を有していたようです。2.銀行員の「転職」に見る、企業の栄枯盛衰上に挙げたランキング、そして今回unistyleが収集した転職者データを合わせて考察すると、以下のような一連の仮説が浮かび上がってきます。a.仮説①:80〜90年代初頭、優秀層は商社よりも銀行を選んだ前掲の調査結果にも現れているように、かつては少なからず【総合商社<銀行】というキャリア感覚が存在していたようです。1980年代当時、日本の産業構造が変化するなかで自社内に輸出入機能を持つメーカーが増加、「商社不要論」が語られるようになりました。これがオイルショック後の不況に重なって商社の業績は悪化し、「商社冬の時代」の訪れが叫ばれました。さらに1985年のプラザ合意によって商社は輸出不振のリスクに直面し、その後のバブル崩壊でも多額の不良債権を抱えることになりました。こうした趨勢によって総合商社の人気が落ちていたことで、1980〜90年代初頭には大手銀行の人気が相対的に上昇し、優秀な人材が集まるようになったと考えられます。また、今回unistyleが調査したエリート転職データも、この仮説をサポートします。各銀行の行員数が多いことを差し引いても、なお【各行とも相当数のエリート転職者を輩出している】と言えるでしょう。とりわけ、今回の調査対象としたエリートキャリアのなかでもファンドでの投資業務やベンチャーのCFOポスト等を選択し、銀行での経験を活かして活躍する方が多いようです。​​ところが、現存のメガバンク単位ではなく、銀行再編の際に消滅した旧銀行を区別して出身者をカウントすると、別の重要な示唆に気づきます。​​現行の3大メガバンクよりも、統合前の旧銀行の方が多くのエリート転職者を輩出していることが分かります。【バブル崩壊後の銀行再編までは、エリート転職を成し遂げるような優秀層は(総合商社よりも)大手銀行に入行していた】という仮説を裏付ける事実のひとつだと言えるでしょう。b.仮説②:現在、キャリアとしての銀行の価値は低下しているところが、1991年のバブル崩壊後、多額の不良債権を抱えた都市銀行は軒並み経営難に陥り、大規模な合併や経営破綻を含む業界再編が進むことになりました。その結果、いわゆる3大メガバンクを核とする大規模フィナンシャル・グループが形成され、現在に至ります。この過渡期の間に、バブル以前に各銀行に入行していたエリートの一部はファンドや事業会社へ転職して各々のキャリアを形成していると考えられます(事実、今回のunistyleの調査対象企業にも多数が在籍しています)。そしてメガバンク形成後、ファーストキャリアとしての銀行の価値は以前と比較して低下してしまったと言わざるを得ません。現在は3行とも「総合職オープンコース」という枠を用いて大量新卒採用を行っていることで、冒頭で述べたように、「総合商社の滑り止め」という認識を持たれてしまっているのが実情です。「転職市場での価値」という側面に限定しても、今回の調査対象としたエリート転職者集団のうち、現在のメガバンク誕生後に新卒入行している方は少なくなっています(3行とも合併設立から既に15年前後は経過していること、一貫して新卒を大量採用していること、離職率が高止まりしていることに留意すれば、以下の数値は決して多くないと言えるでしょう)。​​上記の表からは、旧・日本興業銀行、三菱商事が多数のPE・VCファンドメンバーを輩出しているのに対し、メガバンク3行の出身者はいずれも数名にとどまっていることが読み取れます。メガバンク統合後の就職人気低下に伴って、転職市場における行員の価値も低下傾向にあると考えられます。また、近年のメガバンクの業務内容がリテール営業に偏りつつあることから、自ずと転職先も営業色の強い企業・ポジションになるケースも多いようです。この点もまた、メガバンク行員の転職事情が上記のような数字に収束した一因として指摘できるでしょう。c.転職の実例以上を踏まえた上で、実例として大手都市銀行出身の方のキャリアを見てみましょう。投資ファンドに転身する方や決済サービスの起業に踏み切る方、既存企業のマネジメントとして引き抜かれる方など、銀行でのキャリアを活かして転職する方が多くいらっしゃるようです。【例1】伊佐山元氏(現WiL社CEO/日本興業銀行出身)東京大学/法学部卒スタンフォード大学/大学院/MBA1997年日本興業銀行入行2003年DCM(在シリコンバレー大手VC)入社/パートナー2013年WiL創業参考:WiLTeamVCファンド・WiLの創業者である伊佐山氏は、楽天・三木谷浩史氏なども在籍したエリート銀行・日本興業銀行(現・みずほFG)のご出身です。興銀在籍中にスタンフォードMBAを取得した同氏は、その留学期間中にシリコンバレーにてVCの魅力に出会い、ファンドメンバーへ転身されたようです。【例2】百合本安彦氏(現グローバル・ブレイン代表取締役社長/富士銀行出身)京都大学/法学部卒1980年富士銀行入行1987年シティバンク・エヌ・エイ入行1998年グローバル・ブレイン創業/代表取締役社長参考:グローバル・ブレインTeam幅広い業界において実績を挙げている独立系VC、グローバル・ブレインを立ち上げたのは、富士銀行(現・みずほ銀行)出身の百合本氏です。同社はレアジョブのIPO等の豊富なエグジット実績を持ち、現在はメルカリ、ラクスル等のスタートアップをポートフォリオに組み込んでいます。【例3】岩田林平氏(現クックパッドCEO/三和銀行出身)慶應義塾大学/経済学部卒ノースウェスタン大学/大学院/MBA1996年三和銀行入行2005年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社/パートナー2016年クックパッド入社参考:クックパッド株式会社有価証券報告書2016年3月にクックパッド新CEOに就任した岩田氏も、新卒では旧・三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行されました。9年間の銀行業務経験ののちにMcKinseyにてパートナーまで上り詰め、現在はクックパッド社の経営に従事しています。【例4】江田敏彦氏(現ビリングシステム代表取締役/三井銀行出身)早稲田大学/理工学部卒1977年三井銀行入行2000年ビリングシステム創業/代表取締役参考:ビリングシステム企業HP参考:ビジョナリー旧・三井銀行(現・三井住友銀行)にて23年のキャリアを積んだのちに独立し、ビリングシステム社を創業された方です。同社は決済の一元化/効率化サービスを提供しており、同氏が銀行時代、コンシューマ向け決済サービスの開発に携わったことが起業のきっかけになったようです。3.最後に以下、本記事のサマリーです。◆就活市場における銀行の「今」「昔」「今」:優秀層の学生は、総合商社等の滑り止めとしてメガバンクを選ぶ。「昔」:バブル崩壊前、学生はエリートキャリアとして大手都市銀行を選んだ。◆仮説①:80〜90年代初頭、優秀層は商社よりも銀行を選んだ総合商社の不振もあって、銀行に新卒入行することの価値が相対的に高まっていた。◆仮説②:現在、キャリアとしての銀行の価値は低下しているバブル崩壊後のメガバンク合併を経て、銀行員キャリアの価値が低下した。◎重要な示唆:ブラック・スワンを忘れるな現在「一流」と持て囃されている企業が、数十年後にも同様の給与水準・ブランド力を維持しているとは限りません。ここ20〜30年で都市銀行キャリアへの認識が変化したように(さらに明瞭な例を出すならば、東芝・シャープ・東京電力のように)、各社の企業価値は常に変遷し続けます。就活中の皆さんは、ナシーム・ニコラス・タレブ著『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』(ダイヤモンド社、2009年)からも学べるように、「現在の企業価値が不変ではないこと」を忘れずに進路を選択していただきたいと思います。参考:「勝ち組企業に内定したと思っている学生は『ブラック・スワン』を読んでおこう」参考:「10年前、東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」【unistyle転職シリーズ】【#1】「転職」で総合商社を比較する―投資側への転職なら三菱商事を選べ―【#2】「転職」で見る電通/博報堂―「電博」発スタートアップを目指せ―【メガバンク選考対策】参考:三菱東京UFJ銀行のエントリーシート・選考情報参考:三井住友銀行のエントリーシート・選考情報参考:みずほFGのエントリーシート・選考情報参考:銀行員が考える、3メガバンクの志望動機参考:就活生もおさえておきたい、メガバンク3社におけるFinTechの動き参考:オープンorGCF・GFI・GM?みずほFGでどのコースを受けるべきかphotobyChrisBrown 24,797 views

現在ES掲載数

82,875

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録