unistyle

MENU

更新情報2020/08/06(木)内容を更新しました!

上場企業の何がいいの?企業選びに役立つ上場企業の基本知識

5510 views

上場企業の何がいいの?企業選びに役立つ上場企業の基本知識

最終更新日:2020年08月06日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「東証一部上場企業なら安心だね」

そんな言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

「とりあえず東証一部上場企業に行ければ安心でしょ」という考えで、上場企業を軸に企業を選ぶ就活生も少なくないかと思います。

そこで今回は、企業選びに役立つ「上場企業」の基本知識について掘り下げていきます。

上場とは

上場とは、日本取引所グループの定める審査基準を通過し、証券取引所で自社の株式を売買できるようにすることです。

株式とは
株式会社が事業を興すための資金集めとして発行するものが株式です。株主は資金を提供することで、会社が利益を上げたときに、その一部を配当金として受け取ることができます。こうした株式の売買を行っている場所を証券取引所といいます。

企業が上場するためには、株式の取引をしても良い信頼のおける会社であると証券会社に認めてもらう必要があり、厳しい審査基準をクリアしなければなりません。

東京にある証券取引所に上場するための基準は以下の通りです。

審査基準

審査基準には流通株式数、過去2年間の利益、有価証券報告書に虚偽記載のない健全な経営などの様々な基準がありますが、ここでは株主数と時価総額の2つを抜粋して説明します。

東京証券取引所一部
株主数:2,200人以上
時価総額:250億円以上

東京証券取引所二部
株主数:800人以上
時価総額:20億円以上

マザーズ
株主数:200人以上
時価総額:10億円以上

JASDAQ
株主数:200人以上
時価総額:5億円以上

(参考:日本取引所グループHP上場審査基準)

それぞれの取引所に所属する企業は、東京証券取引所一部は2,153社、東京証券取引所二部は487社、マザーズは302社、JASDAQは712社となっています(2019年11月7日現在)。

現在日本の総企業数は約359万社と言われており、東京証券取引所一部上場企業は日本全体の約0.06%とほんの一握りであることがわかります。(参考:2018年度版中小企業白書/中小企業庁)

時価総額

審査基準の1つである時価総額とは、発行している株式数と現在の株価を掛け合わせた数値のことで、株式市場での企業価値を評価するために利用されています。

また、企業規模を測る指標としても利用されるため、上位に位置する企業は日本を代表する企業と言って差し支えないでしょう。

現在の時価総額上位企業は以下の通りです。参考:日本経済新HP時価総額ランキング上位 (2019年10月31日現在)

東証一部を理由に地銀は危険?審査基準の変更により地銀が東証一部降格の可能性

日本取引所グループは東証一部上場の審査基準の厳格化を検討しています。

約30年間で2倍近くの2126社(外国会社2社を除く)までふくらんだ1部上場企業の絞り込みが真剣に検討されている。

1部上場は文字どおり「信用のブランド」である。会社の格付けや銀行の融資条件、新卒採用で有利に働く。そればかりではない。社員の住宅ローン借り入れなどでも1部上場企業の社員であるかどうかは融資審査で重要項目だ。

1部上場企業でなくなるということは、今まで得ていた信用を多かれ少なかれ失うことになりかねない。1部上場企業にとっても、1部上場企業で働く社員にとっても、これは一大事に違いない。



検討当初は1500億円、1000億円、500億円の3案のどれも有力とされた。どの案でも社数ベースでは半分以上が1部から脱落する一方、時価総額ベースでは約9割を維持できるが、現在では500億円の案に収れんしつつある。

1月末の時価総額で見ると、時価総額で最大なのはトヨタ自動車の約22兆円。以下、NTTドコモ、ソフトバンクグループ、NTTが9兆円台で続く。一方、最小は家庭用LPガス容器最大手・中国工業の19億円。ディー・エル・イー、ボルテージなどのベンチャー企業も約30億円台と小粒だ。

東証1部上場企業の時価総額は平均2817億円である一方、中央値は457億円。この平均値と中央値の乖離は、時価総額の大きな企業が存在する一方、時価総額の小さな企業がひしめいていることの証拠だ。

時価総額500億円近辺で目立つのは地銀である。琉球銀行、宮崎銀行、東京きらぼしフィナンシャルグループ、中京銀行、四国銀行が400億円台後半。三十三フィナンシャルグループ、愛媛銀行が400億円台前半に位置する。

「地銀は地方経済の金融インフラとしてなくてはならない存在である一方で成長性に乏しく、東証1部全体の成長性に悪影響を与えている。とはいえ無理に成長しようとすればスルガ銀行のような不祥事を起こしかねない。新1部を成長企業の上場市場に作りかえるのならば、東証にとっても地銀にとっても、地銀は新1部に残らないほうが双方ハッピーではないか」(市場関係者)との声も上がる。)(以下略)

引用:東証1部「上場基準の厳格化」が与える巨大衝撃(週刊東洋経済)

日本取引所グループは、東証一部上場企業の増加に対し、審査基準の一つである時価総額基準を現在の250億円から500億円に引き上げる方針です。

また、審査基準の厳格化により、現在の時価総額500億円未満の琉球銀行や宮崎銀行などの地方銀行などは、東証一部からの降格の可能性が大きいです。

企業選びの際に、「地銀でも東証一部だから安心!」と思っていた就活生にとっては、一大事なニュースではないでしょうか。

上場してると何がいいの?メリット・デメリットを解説

「上場」と聞くと、企業にとってメリットばかりと思う方も多いかと思いますが、メリットだけでなくデメリットもあることを知っておきましょう。

メリット

・資金調達が容易になる
株式の流通が増えるため、資金調達が容易になります。

・ネームバリュー、社会的信用が高まる
東証一部に上場することで、時価総額250億円を超える企業だと証明できるため、企業としての社会的信用が高めることができます。

・健全な経営体制になる
東証一部に上場するためのプロセスの中で、法令順守や内部統制、コーポレート・ガバナンスといった、リスク面を考慮して不正を防ぐ仕組みのある健全な経営体制が築かれていきます。

デメリット

・上場の審査に時間と金がかかる
上場にかかる費用は、上場審査手数料の他、引受手数料、監査報酬など多岐にわたります。企業規模や上場による調達資金の額が大きい程コストも増大します。

・上場継続のために費用が掛かる
上場後も、年間上場料や監査報酬、株主名簿管理料などの支払いは続き、更に内部管理体制強化・株主総会運営コストも発生します。

・不都合なことでも情報開示
自社の業績や経営に関わる情報を、有価証券報告書や事業報告書等により、投資家や株主に適時開示しなければなりません。会社にとって不都合な事実も公にする必要が出てきます。

・経営の自由度が低下する
短期的な収益を求める株主たちに対し、安定して収益を得られる事業を進めることになります。中長期的な新規事業を展開していくことが難しくなります。

・買収リスクが高まる
自社株式が市場で自由に売買されるため、会社にとって不利な株主に買われることもあり得ます。

企業選びに上場企業ってあり?

企業が上場するメリット・デメリットは前述した通りですが、就活生が企業を選ぶ際に上場企業を軸にしてもいいのでしょうか。

ここでは、就活生から見た上場企業と非上場企業のメリットとデメリットをまとめました。

非上場の有名企業

上場することのデメリットを嫌い、あえて上場しない有名企業もあります。ここでは、あえて上場していない有名企業3社を、その理由と併せて紹介します。

・サントリーホールディングス
サントリーは、ビール、清涼飲料水の製造・販売などを行う大手飲料メーカーです。サントリーには創業者である鳥居信治郎のモットーである「やってみなはれ」を企業理念に掲げ、株主の意見に左右されないチャレンジ精神を大切にしています。

参考:サントリー新浪社長「今後3年は上場しない」(東洋経済新聞)

・読売新聞
読売新聞は日本の新聞社です。読売新聞などの新聞社や小学館などの出版社の多くが非上場企業です。報道の独立性を保つ、情報にブレが生じないようにする、という理由で上場していません。また、新聞社に関しては、日刊新聞法という法律で他社に株式を譲渡することを制限しています。

参考:日刊新聞法(e-Gov)

・竹中工務店

竹中工務店は、大手総合建設会社です。ゼネコン大手5社の中で唯一上場していない企業です。特定の利害関係者だけでなく、社会を構成するあらゆる人にとっての「最良」となる作品を追求する姿勢を貫くために、上場していません。

参考:竹中工務店の特徴(竹中工務店 新卒採用情報サイト)

また、近年のアメリカでは、「非上場のままで企業の成長をめざす」というのが、シリコンバレーの新しい流儀になりつつあります。

なぜ上場しないのかというと、金融緩和により投資家から直接資金調達ができるようになったことや、全米ベンチャーキャピタル協会(VC)のベンチャー支援により、上場して資金を調達する必要がなくなったからです。

そのため、ウーバーテクノロジーズ(UBER)やエアビーアンドビー(Airbnb)など非上場の巨大ベンチャー企業が多く誕生しています。アメリカの市場環境は日本と異なるのは勿論ですが、上場に囚われない風潮は興味深いものがあります。

上場企業・非上場企業どっちがいいの?

上場企業・非上場企業のメリット・デメリットを踏まえると、以下のような人に向いていると言えます。

上場企業

自分の影響力・自由度が低くとも、ネームバリューがあり福利厚生が充実した企業で働きたい人

非上場企業

ネームバリューがなく福利厚生が充実していなくとも、主体的に仕事に取り組み新規事業に挑戦できるような環境で働きたい人

まとめ

東証一部上場は、時価総額などの条件をクリアしている企業ということである意味ステータスとなっていますが、上場というのはあくまで1つの指標にすぎません。

上場企業だけを企業選びの軸にするのではなく、自分がやりたいことどういう環境で仕事をしたいのか、を考えることが重要です。

企業選びの際には、「上場企業だから選んだ」ではなく、「これがやりたいからこの企業を選んだ」と言えるようになりましょう。

企業選びの軸の決め方を知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。

 

unistyle編集部では、就活生に納得のいく就職活動をしてもらうための情報発信を行っています。
・公式Twitterアカウント
・公式Facebookアカウント

unistyle
新規会員登録
unistyle
unistyle
44,529枚以上の企業ES・選考情報が見放題
unistyleに無料会員登録