文系学部廃止論?阪大学部長の言葉から考える内定獲得のための学業の"使い方"

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最終更新日:2023年11月06日

文系学部廃止論?阪大学部長の言葉から考える内定獲得のための学業の"使い方"

本選考とインターンの締め切り情報

「やべー、授業出てないしテスト勉強も全然してねー。」
「〇〇の授業とってる人いますか?」
「これまでのノート写させてくれない?」


こんにちは、18卒就活生です。
恐らくほとんどの大学で前期の試験が修了し、夏休みに突入した時期かと思います。何より試験の方お疲れさまでした。
夏選考やインターン選考に臨んでいる18卒・19卒の方も、就職活動を一休みで長期休暇を謳歌している方が多い時期かもしれません。

さて、一年で最も大学の学業に向き合うことが多いとも言える試験期間を乗り越えた皆さん、この時期一度はこのような疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。

「大学で学んでいる内容って何の役に立つの?」

年度当初もしくは入学当初は、いわゆる"意識高い"考えで大学でしっかり学ぼうとしようとしたものの、徐々に授業に行くのが面倒になり、「4月病」「5月病」といった言葉が生み出されているのだと思います。こうして意識の下がった学生がテスト前に発する言葉が冒頭で挙げたような"意識低い"言葉の数々であり、もはやこれが一般的な大学生のあり方と考えられている、という風潮すら感じられます。

この大学で学ぶ意味に関連して、先月以下のような記事がSNSで取り上げられました。

こちらは、先日話題に挙がった大阪大学文学部長の卒業セレモニーでの言葉がまとめられた記事です。
式自体は2017年3月に開催されたものですが、最近になってTwitterを始めとしたSNSで拡散されたこともあり、皆さんの中でも読んだことがあるという方は多いかもしれません。一時はTwitterのトレンドに上がるほど拡散された本件ですが、これだけの注目が集まったことは、この件について考えさせられた人が多かった証ではないかとう見方もできると思います。
この方が述べている「人文学への風当たりが一段と厳しさを増した時期」という言葉の意味について、事の発端の一つに2015年6月に文部科学省が発表した以下の通知があると考えています。

教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする。

参考:国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて

文部科学省としては、「国立大学における文系学部を廃止すべき」という意図を持って書いた言葉では無かったようですが、マスコミの伝達の仕方やそもそもこの文章の書き方が完全に適切とは言えなかったこともあり、「大学から文系学部が無くなるのではないか」という形で人々の間で情報が錯綜したことは就活生の皆さんにとっても関心のある話であったと思います。
この件が大きく話題に挙がった要因として、それだけ特に文系学部に通う学生の中に「大学で学んでいる内容は何の役に立つのか?」という思いが少なからずあるのだと考えています。学校教育法では「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」と定義づけられた"大学"において、学業にモチベーションを感じられないことは問題なのかもしれません。とは言っても、例えば応用化学専攻の学生が化学メーカーの開発職で自身の大学で学んだ内容をダイレクトに活かせるといったことはあるでしょうが、法学部に入ったから弁護士になる・商学部に入ったから会計士になるといった形で文系学生が直接専攻内容を役立てるという可能性はかなり低いというのが実情でしょう。

私自身も文系学生の一人なのですが、大学時代学業にモチベーションを感じられる機会はほとんど無く、「授業への出席=単位を獲得するための手段」「ゼミへの入会=学業について就活で話すことがなくなるのを避けるため(ネタ作り)」程度に一応留年は嫌だから真面目にこなしていたという感じの学生でした。
しかし、実際に就職活動をしていくと、「学業に関する質問」は程度こそあれほとんどの企業で一度は聞かれた点については個人的に印象に残りました。学業を重視する企業としては以下にあるようにキヤノンが特に有名でしょう。

キヤノンは、学生の本分である学業に力を入れて取り組んでいる人を評価したいと考えています。あなたが力を入れている学問領域は何ですか。具体的な取り組みとあわせて説明してください。

参考:【内定】エントリーシート

こちらとしても専攻内容を説明する程度なら一応準備はしておくのですが、「なぜそのゼミに入ったのか」「印象に残った科目について説明して」など想像していたよりもそのパターンは多く、正直そこまで真面目に取り組んでいなかった自分としては回答に困ったことも度々ありました。「なぜ企業は将来役にも立たない学業について尋ねるのか」「自身の学んだ内容をどう伝えるのが正解なのか」など、文系学生にとって学業に関する質問を難しく感じてしまうのは珍しいことではないでしょう。

以上を踏まえ、今回は就職活動の場において文理問わず避けては通れない「学業」というキーワードについて、unistyleの過去記事や筆者自身の就活体験を踏まえて考察していきたいと思います。こちらでいくつか挙げている例に関しては、ご自身の大学や専攻内容に照らし合わせながら思考を深めていただければと思います。それではまず就職活動において学業がどのような尋ねられ方をされているかについて考えていきましょう。

就職活動における学業の位置づけ

こちらは一般に、文理によって異なります。
先述の通り、理系職の場合は専攻内容がダイレクトに仕事内容に活かせることが多く、学業で功績を残した人=自社の利益に貢献できる人材という見方がなされるほど、ES・面接共に自身の専攻内容について深く尋ねられることになります。また、文系学生と比較して学生生活における学業のウエイトが高いことが一般のため、仮に直接専攻と関係がない企業を受ける場合でも、「なぜあえて専攻と関係がないウチを志望しているのか」という形で深掘りがなされることがあります。

一方、文系学生の場合は全く尋ねられないケースは少ないものの、ES・面接のメインのテーマとして挙がることはほとんどありません。以下の三菱電機の記事のような形式が一般的なウエイトの置かれ方と言えるでしょう。

こちらは事務系・技術系で問われる質が大きく異なるようです。技術職の場合は研究内容と三菱電機の事業の関連性といった内容をかなり突っ込まれることもあるようです。事務系の場合は問われる機会はあまりないですので、自身が大学で学んだことについてわかりやすく説明できるようにしておくといったの最低限の準備をしておけば十分だと思われます。

参考:三菱電機の面接過去問リスト23選

これについては、「文系の学問は直接仕事に活かされる機会が少ないから」という学術的な理由ももちろんありますが、他にもいくつか要因があると考えています。

一つ目は「学業」と「仕事」の性質の違いについてです。
以下の記事にもあるように、「学業」は主にインプットとしての性質が強い一方、ビジネスとは典型的なアウトプットの取り組みであることは理解しておく必要があるでしょう。そのため、仮に学業成績といったインプットの能力をアピールしたとしても、企業が求める人材の究極形である「企業の利益に貢献できる人材」であることを示すには至らず、的外れな自己PRで採用に繋がらないのが一つ目の要因だと考えられます。

二つ目はアピール項目の不適切性です。
学業成績については確かにコツコツと真面目に努力することができることを伝える手段としては機能しうるでしょうが、「就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない三つの強み」にもあるように、そもそも「努力ができる」という強みは学歴や取得資格という履歴書の段階で判断できるものであり、それをわざわざESや面接でアピールするのは的確とは言えないでしょう。

三つ目は集団性の欠如です。
仕事においては確かに個人としての行動も大事ではありますが、結局は大小こそあれ組織として動いていくことになることから、「集団の中でどのような貢献の仕方ができるか」を企業としては知りたいと考えています。一方、学業での取り組みを尋ねようとした場合、どうしても個人としての取り組みについてを述べるにとどまってしまうことが多い印象があります。実際、「ゼミ・学業・その他資格試験などへの取り組みに基づいた学生時代頑張ったこと」で有名企業内定者の回答を参照しても、多くの学生が個人としての努力に+αのチームへの貢献の仕方を述べており、単なる努力自慢の内容になることを避けていることからもこの理由が伺われるでしょう。

以上のような背景から、特に文系の新卒採用活動における学業の位置づけは「多くの企業で尋ねられるが、メインの話題として上がることはほとんどない」とまとめることができるでしょう。

それでもなぜ企業は学業について尋ねるのか?

ここまでは、「文系の新卒採用活動で学業がメインテーマとしてあがりにくい理由」について考えていきましたが、では一方でなぜ企業は多くの場合仕事で直接活かされない文系の学業を多少なりとも尋ねてくるのでしょうか。これにもいくつかの理由があると考えています。

一つ目は、経団連の指針についてです。
こちらは直接企業の意図からは外れるかもしれませんが、近年の経団連の新卒スケジュール変更理由の一つとして、(実際その役割を果たしているかは別として)学生の学業への影響が挙げられています。スケジュールに限らず、経団連は以下にあるように学業優先の姿勢を所属企業に対して求めています。成績表を事前に提出させそれに基づいた質問をしていくいわゆる「リシュ面」という形式もこの影響が少なからずあると考えられています。

選考活動は、広報活動と異なり、学生が自主的に参加不参加を決定することができるものではないため、今般の開始時期の変更に伴い、学事日程に一層配慮していくことが求められる。
具体的には、面接や試験の実施に際し、対象となる学生から申し出があるケースも想定されるため、事前連絡についても余裕をもって行うほか、当該学生の事情を十分勘案しながら、例えば授業やゼミ、実験、教育実習などの時間と重ならないような設定とすることや、土日・祝日、夕方以降の時間帯の活用なども含めた工夫を行うことが考えられる。
また、大学等の履修履歴(成績証明書等)について一層の活用を検討することが望ましい。

参考:「採用選考に関する指針」の手引き

二つ目は、地頭の良さを見るためです。
以下の記事にもあるように、学業への取り組みについて尋ねる質問は、自身の専攻内容をその分野に全くの無知である採用側に対してわかりやすく伝えることができるかを通して地頭の良さを見ているという意図があると考えられます。例えば日系人気企業であるキリンでは「卒論内容を小学生にもわかるように説明して」という形で尋ねられたことがあるようです。こちらが精通している専門事項について相手方に理解させる力というのは、日々のコミュニケーションが前提となるビジネスの場においても求められるスキルと言えるのではないでしょうか。

三つ目は、今いる環境での姿勢を知るためです。
確かに履歴書の「学歴」の項目でどれだけ勉強ができるかスクリーニングの判断材料にはなるでしょうが、学歴は高校までの学習の成果に過ぎません。大学受験から大卒の就職活動時期には3年程度のブランクがあることから、その間の学業での取り組みについて尋ねたいと思うのは自然な考えではないでしょうか。大学受検への「合格」を目標とし、入学後あまりに学業に疎かになってしまっているようでは、就職活動でも「内定」をゴールと考え肝心の入社後にモチベーション高く働いてくれないのではと採用側からしても疑わしく感じてしまうかもしれません。もちろん「就職活動とは何か」の記事にあるように、就職活動=職に就くための活動であるためこの姿勢自体は間違ってはいないのですが、採用側から見れば自分が属する環境で高いパフォーマンスを発揮できるかどうかは重要な見極めポイントと言えるでしょう。以下の記事にあるような「今の大学は第一志望の大学ですか?」という質問も、本意/不本意関わらず属することになったコミュニティーで成果を上げられているかを尋ねようという意図を考えると、この3つ目の要因と関連していると考えられるでしょう。

以上の要因から、企業が文系学生に対して学業について尋ねるのにも一定の意図があるということが読み取られると思います。すなわち、学業について「将来どうせ役にたたないから意味ない」という姿勢で完全に切り捨ててしまうと就職活動の場ではやや苦しいと言うことができるでしょう。

学業の就活での"活かし方”の考えを変えてみる

さて、ここまで見ていても就職活動での学業の活かし方はまだ理解されていないかと思います。これについては”活かす”という言葉についての解釈によるものだと考えています。一般には、「大学で学んだ内容が仕事上の実務で直接的に活用される」ことが「活かされる」が表す意味とみなされているように感じています。しかし先述の通り、この意味での活かされ方はほとんどの文系学生にとって実現されません。ここでは学んだことの活かし方の考えを変えてみましょう。

◎ツールとして活かす(例:プロダクトポートフォリオ)
元々はBCG が生み出した分析手法である一方で、今では経営学やマーケティングの基本用語として知られているプロダクトポートフォリオ。経営・商学系統の学生ならば一度は学んだことがあると思います。企業の製品分析や意思決定プロセスに関わるツールではありますが、これを就職活動に当てはめてみましょう。

自分にはどんな仕事が向いているのか」の記事では複数業界に興味を持つうえでクライアント×商材の二軸でポートフォリオを組みましたが、他にもエントリーの段階で企業のレベル×志望度でポートフォリオを組むという使い方も考えられます。

「受けたいところから受ける」のはエントリー戦略の基本の一つではありますが、例えば「5大商社しか受けない」といった姿勢は無内定のリスクを高める賢明な判断とは言えず、ポートフォリオを活用してエントリーする企業を整理しておくことは有効な手段であると考えています。そもそも一般的なポートフォリオの使われ方である金融の分野においては、リスクの分散化・投資リスクの軽減という意味で用いられることからこの点と親和性が高いと言えるでしょう。

また、人事の側からしても採用基準を設けるうえでポートフォリオを活用している企業は一定数存在していると考えています。例えば「体育会の社風」と言われている企業であっても全員が全員体育会気質ということはほぼなく、ある程度多様性がある採用戦略を取っていることが特に日系企業の場合は一般です。金融業界が理系の人材を一定数採用していたり、リクルートの営業タイプ/企画タイプの方針はその典型と言えるかもしれません。

他にも、「弊社は今後市場・製品の2軸で既存/製品新規のそれぞれ計4領域のどこに注力すべきか」というテーマでGDが課されたことがあったのですが、このとき私は大学で学んだアンゾフの成長マトリックスを用いて議論を展開し高く評価されたことがありました。
このように、学業は実務上活かす機会はほとんどない一方で、使い方によっては就職活動を進めるうえで有効なツールになることは認識しておくべきでしょう。

◎説得力・再現性を高める形で活かす(例:”考え抜く”)
こちらについては以下の記事を一読していただければと思います。

この記事では「志望動機の説得力・自己PRの再現性を高めるうえでは経験・エピソードが必要だ」ということが複数述べられています。学業についても学生時代の経験である以上これの例外ではなく、説得力・再現性を高めるうえで活用すべきものであると考えています。例えば冒頭で示した阪大学部長は人文学が「直面した問題を『考え抜くきっかけ』となる」と述べていますが、これを「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記 ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が用いたらどうでしょうか?コーヒーチェーン店のアルバイト経験からだけでなく、人文学で学んだ内容が思考の抽象化に結びついたと述べることで、多くの他の学生が用いないアプローチから格段に説得力を高められていると言えるのではないでしょうか。

以上のように、学業を”活かす”とは何も実務上で直接的に活用されることだけを表すものではなく、ツールとしての活用・エピソードとしての活用という活かし方があるとまとめることができます。

学業と就職活動の繋がりについて考えを深める意義

これまでの内容で、学業が就職活動で多少なりとも活かされるものであるということは理解していただけたかと思います。
では、両者を結びつけて就職活動を進めていくことにはどのような利点があるのでしょうか。筆者は先述した学業を就職活動で活かすということだけでなく、逆にそれが普段の学業にも活かされるという双方向の働きかけができるのではと考えています。

理由1:単純に学業に関する設問に答えやすくなる

企業が学業に関する質問を尋ねる理由の一つとして、専攻内容をわかりやすく説明できるかを通して地頭の良さを見ているということを先ほど述べました。自分で考えて学業の就職活動での活用法を生み出すということは、それだけ自分の中で噛み砕いた解釈ができていることが前提となります。それができていれば、あとは実際に他の人に伝えるというアウトプットの対策をするだけで選考の場でのわかりやすい説明に繋げることができます。ただ単に専攻内容の説明用として文章を準備しておくよりも、それをうまく活用できている状態にある方がそれを「自分のもの」として身になっており、よりレベルの高い段階にあると言うことができます。このレベルを高めることで、準備した文章を述べるその先にある深掘りへの対応力も同時に高まるのではと考えています。

理由2:大学の勉強(ゼミなど)にも役立つ

こちらは逆に就職活動での活用が普段の学習に役立つという考え方です。
「わかりやすく説明する」というのは何もESや面接の場での手段ではなく、普段の学習を進めていくうえでも重要でしょう。例えば普段のゼミ(ゼミ内)やインゼミ(ゼミ外)での発表の際にも、学術的な内容を聞き手に理解できるような説明をしていくことは重要なスキルだと思います。また、「人に理解してもらうようにする」というのは自分の中でそれ以上の理解があることが前提であることから、その学問における自分の中での理解を深める良いきっかけになるとも言うことができるでしょう。

理由3:思考の一貫性をアピールできる

個人的には、これが一番の利点ではないかと考えています。
就職活動におけるエピソードとは何も大学時代の経験だけではなく、「自分の生い立ちを語ることで自己PRに説得力を持たせる方法」の記事にもあるように幼少期からの経験が全て該当します。多くの学生がエピソードとして用いるサークル・ゼミ・アルバイトといった経験の多くは大学時代に限定されたものである一方、学業は程度の差こそあれ小学校から大学まで学生生活と切っても切り離せない関係であったことから、幼少期からの一貫性を示すアプローチとして有効であると考えています。
例えば私は大学で専攻していた統計学を「集計したデータの意味を探る学問」だと簡潔に説明したうえで、「なぜこのような相関が生じるのか」「なぜこの変数が重要な意味を持つのか」といった「なぜ」の追究が学問上の特性として重要であるという解釈を述べていました。一方自分は幼少期から両親を困らせてしまうぐらい「なんでー?なんでー?」と目の前の事象の背景を追究する人間であり、その姿勢は大学生になった今でも一貫して持っていることを示していました。例えば小学校から大学まで続けているスポーツの練習においても、「走る」という単純な動作において、「この練習にどのような意味があるのか」「なぜこの時期にこの練習をするのが効果的と言えるのか」といった「なぜ」を追求しており、この姿勢が大学での専攻内容や今の自分の価値観に結びついていると一気通貫の形で示しました。そしてこの姿勢は御社でも〜〜という形で活かされると考えており...と、志望動機や自己PRを補完するうえで学業をうまく活用し高く評価されていたように感じています。また、経営・商系統の分野では(少なくとも私の大学では)マーケティングや経営学が花形とされる中で、地味で人気が低いとも言える統計学を選択したことが、そういった他者からの評価に流されることなく自分がやりたいと考えたことを追求できる根拠の一つとして挙げていました。この姿勢を、特にリーディングカンパニーでない志望度低めの企業の同業比較に繋げ、知名度や就職難易度といったミーハーな基準から企業を選んでいるのではないというアピールから内定の確保へ結びつけました。
このように、学業とは専攻内容を説明できるよう準備・暗記しておかなければというネガティブなものではなく、その使い方によっては説得力や再現性を高める良い手法になるとまとめることができるのではないでしょうか。また、学業と並行して先ほどの「ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!日常生活から就活で使える”ネタ”を類推するアプローチ」の記事のように日常生活から補完していくアプローチも活用していくとより効果的と考えられるでしょう。

確かにこじつけかもしれないが、こじつけは大切だ

このような内容を書いていくと、「学業で述べたことなんてそれが実際に企業で役立つかはわからないし、そんなのただのこじつけだ」という意見が出てくるかもしれません。私自身正直この意見は正しく、自らが取ったアプローチをこじつけと言っても間違っていないと考えています。
しかし、就職活動における理由付けは学業に限ることなくほとんどこじつけに過ぎないということは認識しておくべきでしょう。例えばテニスサークルで周囲を巻き込んだ提案をしてリーダーシップを発揮したとしても、それが実際のビジネスの場で役に立つかどうかは採用側も学生本人ですらもわかりません。でもそれで評価を得ていくのが就職活動なのです。先ほどの「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記 ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が述べていた「一般的な体験から、考えや概念を抽出して、他に応用する」ことを意味する「思考の抽象化」も言ってしまえば「こじつけ力」であり、その水準の高さから総合商社から内定を得た良い例であると考えています。そしてこのこじつけ力は、それが評価される以上、就職活動に限らずビジネスの場でも応用が効くものでは、と推測できるのではないでしょうか。

最後に

大学受験までは、「勉学に励む=志望大学への合格のため」という形で努力がダイレクトに重要な成果に繋がったことでしょう。一方、大学生活では真面目に勉強するのはナンセンスであり、サークルや飲み会で遊び呆けていた方が就職活動でも有利になるというような風潮があるように感じています。

近代の著名な心理学者アドラーは以下のような言葉を残しました。

「何が与えられたかではない、それをどう使うかだ」

どんなことでも、「意味ない」として片付けてしまえばそれまでであり、アドラーのようにそれを「どう活かすか」という点について焦点をおき思考を深めていくことも大切なのではと考えています。
「学業」は学生の本分とも言われます。その「学業」について、本記事を通して皆さんの捉え方や就職活動における活かし方について思考を深めるきっかけとなれば幸いです。

 

photo by World Literature Today

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就職活動の結果に納得できない学生がやるべきこと 就職活動の結果に納得できない学生がやるべきこと はじめに初めまして。私は19卒で就活をし、現在は社会人として働いています。私は就活当時、複数の企業から内定は頂けたものの、第一志望の業界の内定を獲得することはできませんでした。現在の就職先に就職しても本当に良いのか、いつまで就職活動を続けるべきなのか、今後の自分自身のキャリアについて非常に悩んでいました。この記事では内定は獲得したものの、自分自身の就職活動にまだ納得のできていない学生が、①今すぐ考えるべきこと、②これから取りうる選択肢について整理しようと思います。あくまでも私の個人的な考えを述べたものなので、1つの意見としてご覧ください。自分と同じような悩みを抱える学生の方の参考となれば幸いです。なお、納得のいく就職先を見つけたいという就活生は、就職エージェントneoの利用も検討してみると良いと思います。アドバイザーが要望に合わせた企業の提案や自己分析、企業研究などをサポートしてくれ、客観的にアドバイスがもらえるため、希望に合った就職先に出会えるかもしれません。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。1.まずは「譲れない軸」を明確にすることまずは、企業に入社するにあたっての「譲れない軸」を明確化する必要があると思います。選考の場面で、最初から最後まで自分の本音を話すことができた就活生の方は少ないと思います。私自身の就職活動を振り返ってみても、「ありのままの姿」で面接に臨もうと意識しながらも、選考の通過率を上げるために、どうしても志望動機を企業に寄せてしまう場面が何度もありました。こうした経験を繰り返すうちに、就職活動において自分が「本当に大切にしたいもの」を見失いそうになることも多々ありました。そこで私は、自分自身の企業選択における条件を明確化することを目的に、自己分析のやり直しを始めました。企業から評価されることを意識せずに、「自分はどのような存在になりたいのか」「そのために必要なものは何か」といったことについて、自分の思ったことをまとめています。私の場合は、「変化する環境の中でも安定したキャリアを歩みたい」との思いから、「汎用性の高いスキルを身につけられること」「ある程度の年収が保証されていること」を軸としていました。第一志望であった総合商社の内定を頂くことはできませんでしたが、内定を頂いたコンサルティング企業やIT企業でもこの条件は満たしているかもしれないと思うようになりました。私の場合は、先ほどの企業選びの軸をより細分化させて、以下のような表を作成しました。このような表を埋めながら、本命だった企業・内定を獲得した企業が、1つ1つの条件をどれだけ満たしていたのかについて整理していきました。実際に自分で作成する場合には、「何歳までに企業の経営に携わりたいのか」「初任給はいくら欲しいのか」といったより詳細な条件を設定していくことをオススメします。また、この表における「成長機会の多さ」は個人の適性・仕事に対する態度によっても変化するものであることは念頭に置かなければなりません。加えて、上記の表の◎・○・△の評価は、あくまでも私の主観に基づいたものに過ぎません。捉え方は人によって異なるでしょう。上記の表を踏まえて、とりあえず内定先の企業から自分にとっての最善な選択肢がどこであるかを考えてみました。この選択の難しい部分は、個人によってそれぞれの条件の重みが異なることです。単純に◎・○・△の記号の数を点数化して最も点数の高い企業を選べば良いというものではありません。どの内定先にも一長一短があることが難しいところです。私の場合は「経営に関わる機会」を最重要視する一方で、「もしもの場合に備えて一定の給与も欲しい」と思っていたため、この中であればコンサルティング企業A社に入社しようと考えていました。以下の記事にもある通り、自己分析は企業から内定を獲得するための手段として活用されることが多いです。それ自体は間違いではないのですが、自己分析の本質は「納得の行くキャリア選択のために自分自身の傾向を把握すること」にあり、内定獲得後も継続して行うべきものであると考えています。就職活動が落ち着いてきた段階で改めて自己分析を行なうことで、自分の考え方の変化に気が付くことがあるかもしれません。参考:2.これから取りうる選択肢について考える自己分析を行った結果、現在の内定先の企業では「譲れない軸」を満たせないことを確信した方もいると思います。また、現在の内定先でも条件はある程度満たしているものの、条件をより満たした他の企業に惹かれている方もいると思います。そんな時に私たちが取りうる選択肢としては、以下の3つがあると考えられます。A:現在の内定先に入社してみるB:就職活動を継続するC:既卒として就職活動を仕切り直す現在の内定先に入社してみる1つ目の選択肢は、現在の内定先に入社することです。就業経験のない学生の立場と、実際に企業で働く社員の方の立場では、仕事に対する捉え方は多かれ少なかれ異なってくるでしょう。そのため、内定先の企業に入社して、実際に働いてみることで、今の仕事の楽しさを見つけられる可能性があります。現在の内定先の業務に対して面白みを感じる部分があるのであれば、入社してみるのも選択肢の1つでしょう。また近年では終身雇用・年功序列を前提とした従来の雇用制度が限界を迎えたことにより、転職が以前よりも一般的なものになっています。厚生労働省が実施した労働力調査によると、2013年度には287万人だった転職者数が2017年度には311万人にまで増加しています。内定先の企業でスキルや経験を身につけてから、転職によるキャリアアップを目指すという選択肢も考えてみても良いかもしれません。しかしながら、業界・業種によって転職の求人数や難易度が大きく異なることには注意する必要があります。もしも転職を見据えて企業に入社するのであれば、自分が本当に行きたかった業界には内定先の企業から転職することができるのか、自分の入社する企業からはどのような業界に転職する人が多いのか、事前に調べる必要があるでしょう。参照:労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果就職活動を継続する2つ目は、就職活動を継続することです。経団連に所属している多くの企業では、3月から採用活動を始め、6月から内定を出し始めます。しかし、中には6月の選考を受けることの出来なかった学生を対象に夏季選考を実施する企業や、IT企業・外資系企業を中心に通年採用を実施する企業も多数存在しています。6月の本選考に比べると求人数は減っており、狭き門であることに間違いはありません。とはいえ、就活スケジュールには個人差があるため、早く終えることが必ずしも良いことは限りません。少しでも興味のある企業があるのであれば、積極的に受けるべきでしょう。既卒として就職活動を仕切り直す3つ目は、既卒生として就職活動を仕切り直すことです。大学を留年して就職活動に再挑戦する方法(就職留年)と、大学を卒業してから就職活動に再挑戦する方法(就職浪人)が存在しています。また学業に真剣に取り組んできた方であれば、大学院に進学して2年後に就職活動に再挑戦する方法もあります。その人の就職活動に対する打ち込み具合にもよりますが、今年の経験を来年度の就職活動に生かすことができます。また、残された時間を実績作りのために活用することが可能です。その一方で、金銭面での負担が大きいというデメリットがあります。就職留年をするためには、大学の1年分の学費と生活費を合わせた費用が必要になります。また、就職活動をやり直したからといって、必ずしも本命企業の内定を獲得できるとは限りません。志望していた企業の内定を獲得できなかった理由をしっかりと洗い出し、しかるべき対策を立てなければ、昨年に内定を獲得した企業の選考にも落ちる可能性があります。また、現段階で卒業を伸ばすことに迷っている場合でも、本選考の解禁が早い企業であれば今年度内に内定を獲得することが可能なので、とりあえず受けてみても良いでしょう。最後に参考になりましたでしょうか。私の場合は、現在の就職先でも「当初の自分がやりたかったこと」はある程度実現できるため、当時、就職留年は考えてませんでした。また、社会人になってから自分の「やりたいこと」が変化する可能性もあるので、現在働いている企業に入社することに対しても前向きでした。その一方で、もっと自分の条件に適う企業があるのではないかと思うところもあり、その後も少し就職活動を続けました。私はこれまでに何度も「就職活動に正解はない」という言葉を聞いてきましたが、これは本当に間違っていないと考えています。慎重な性格の私の場合は、例えどの業界の内定を獲得していたとしても、何かしらの後悔が残っていたのだろうと考えています。だからこそ、自分の選んだ選択に対して「これが正解だ」と胸を張って言えるようになる必要があるのでしょう。つまり、「自分自身で納得のできる選択をすること」が大切だと考えています。そのためにも、どんな決断を下すとしても、「周囲の声に左右されずに自分で判断を下すこと」「悩んでいる時間があればとにかく行動すること」を大切にしたいものです。この記事が、自分と同じように就職活動の結果にしっくりこない学生の役に立てば幸いです。参考:就職留年を考える人に贈る5つのアドバイス本記事では、就職の結果に満足できず、就職留年をしようかと考えている人向けにアドバイスをまとめています。就職留年はもちろんデメリットもありますが、伸びしろがあればそのデメリットを取り除き、良い結果を得ることができます。参考:最初の勤め先で人生は決まらない〜納得のいく就職活動を行うために〜本記事では、最初の勤め先が人生を決めるわけではなく、その後の行動が重要だということを解説しています。自身が希望している企業に入れなくても、決して就活は失敗ではありません。参考:【締切日時順】6月からでもエントリー出来る大手企業一覧本記事では、6月からでもエントリー可能な大手企業を締め切り順にまとめています。まだ就活を続けようと考えている方は、こちらの記事に載っている企業にエントリーしてみるといいでしょう。 25,074 views
あなたはどのタイプ?グループディスカッションにおける就活生の役割とその特徴 あなたはどのタイプ?グループディスカッションにおける就活生の役割とその特徴 こんにちは、18卒の政府系金融機関内定者です。冬のインターン選考も終盤に差し掛かり、グループディスカッション(GD)の選考を経験する回数が増えたという学生も多いと思います。他の選考フローとは異なり、グループディスカッションは周囲の学生と関わりを持ちながら実施されるため、一緒に受ける学生の存在が気になるという方も多いと思います(集団面接でも他の学生との関わりは生まれますが、グループディスカッションとはその深度は大きく異なるでしょう)。unistyleではグループディスカッションの評価基準を以下のように4つの観点に分類しています。グループディスカッションにおいては①議論に臨む基本姿勢②議論のテーマや流れへの理解力③自身の意見の主張力④議論を統率するリーダーシップと、大きくこれら4点を評価しています。参考:今回はこれに基いて、主張力・思考力の2軸から、グループディスカッション選考で遭遇する学生のタイプを分類していきたいと思います。筆者が受けた業界は、日系外資金融・日系外資コンサル・日系外資メーカー・商社と比較的幅広いため、ある程度各業界に共通して今回の分類が当てはまると考えています。主張力・思考力の2軸で見た学生の分類このように、主張力・思考力の高低から学生のタイプを大きく分けて4つの役割(=ポジション)に分類しました。順番にその特徴を説明していきます。タイプA:議論の流れを正確に理解し、場を牽引するリーダー◎思考力:高/主張力:高このタイプには、GDやケース問題慣れもしており、かつ周囲に対する配慮も欠かさない"デキる"就活生が当てはまります。ほとんどの場合問題なく選考を通過している印象があります。このような就活生何名かに、GDの際に実践している手順を聞いたところ、大体以下の手順で戦略を立てているとのことでした。①控え室の段階で、何気無い会話を通じて相手のタイプやGD慣れ具合を確認②会場において、四隅等のなるべく皆の顔を見渡せる席を確保③お題が発表されると、すぐさま頭の中で結論までの流れを組み立て、議論の各フローにかかる時間を概算④共有ここでまず注目したいのが、③の議論の流れの組立て方です。特に課題解決型のテーマにおいては、ケース問題の練習といった対策をして、入口から出口までの流れを短時間で組み立てることに慣れていないと、リーダーを務めるのはおろか、グループへの貢献度も著しく下がります。そこで後々効いてくるのが、①・②の工夫です。①については、人間は初対面での数回の会話で「なんとなくこの人はこんな人だ」という先入観を抱きがちなため、控え室の場を活用して「できるやつ」判定をもらっておくという狙いがあるようです。そうすると皆が自分の方を見て議論し始めるため、自然と自分が議論の中心に立つことに繋がります。②については、真ん中の席に座ってしまうと、話している時に左右の人の顔が見られないため、表情が読み取りにくくなります。端に座ることで、地理的な面においても俯瞰的な立ち位置を得られます。このようなタイプの就活生と遭遇した場合は、今後の就活を見据え、ぜひ友達になっておくといいと思います。とは言え、「じゃあ僕がリーダーをやります」というような人はたいていエセリーダーなので気をつけてください。開始前の控え室や自己紹介の時間で「自己主張の激しいうるさい人」なのか「できる人」なのかを見極められるよう、その人の選考経験や何気ないコミュニケーションの質から判断できるといいでしょう。参考:タイプB:俯瞰した視点から議論に貢献するアイディアマン◎思考力:高/主張力:低このタイプの就活生は、自分の意見を主張する頻度・積極性こそそれほどありませんが、適切なタイミングで、適切な疑問やアイディアを投げかけてくれます。筆者は、この記事のタイプで言うと、以下のような理由から俯瞰したアイディアマンであることが多かったです。①能力的に、最初から最後まで皆をまとめ、牽引する自信がなかった②性格的に自分に適していた①についてですが、まず限られた時間の中で、なるべくマイナス面は出さないようにしていました。GD・ケース問題の対策は行っていましたが、それでもボロが出てしまい、誰かに指摘されることを恐れていたので、なるべくタイプAの役割は担わないようにしていました。②については、自身の性格上、ガツガツと意見を言うよりは、気になったことを適宜言う方が適していると考えたため、いつもの自分と違和感なく振る舞えると考えたからです。この②の性格の問題は実は重要で、無理にリーダーの役割をこなそうとすると、一種の違和感を面接官は感じるようです。面接の場同様、この違和感がプラスに作用することはないので、GDの場においても、自分らしく振る舞うことが大切であると考えています。とは言え、議論の中心になるか・修正役に徹するかといった立ち位置は、他のメンバーとの関係によるあくまで相対的なものだと思っているため、まとめ役として引っ張ってきそうな人がいないときはタイプAとして主張力を高めに設定するなど、その辺りは臨機応変に対応していました。自分がメンバーで最も統率力があると感じればメインで議論を引っ張ればいいし、自分よりも統率力に優れた人がいると感じれば議論が脱線しないように方向性の舵取りをすればいいし、意見を構造化して記述するのが得意なのであれば全体共有用のメモに思考をまとめて書けばいいのです。参考:タイプC:議論の障害となるやっかいなクラッシャー◎思考力:低/主張力:高このタイプでは、思考力は極めて低いにも関わらず、主張力は極めて高いという正直やっかいな就活生が当てはります。この”クラッシャー”と呼ばれる就活生の傾向と対策については、以下の記事が参考になると思います。クラッシャーは、・クラッシャーであることを認識すること・論理的な穴をつけるよう意識を向けること・「チームとして結果を出すこと」を呼びかけることが基本的な対策となります(もちろん何を言っても聞かない究極のクラッシャーも存在しますが、、)。参考:筆者の体験談としてはまず、「社会人に必要な3要素」などといった定性的な問題に対しても、ホワイトボードを占拠し、ひたすらに数式を列挙していく人がいました。自分が数字に強いことをアピールしたかったのでしょう。数年前に放送されていたドラマ『ガリレオ』の湯川先生を気取っていたのでしょうか、以下の名言が皮肉に聞こえます。『君ならよく知っていると思うが、根拠もなく無責任な仮説を口にするのは好きじゃない』参考:実に面白い。ドラマ・ガリレオの名言議論を円滑に進めるべきGDの場ではなく、ぜひWebテストかテストセンターでその数学の実力を発揮して欲しかったところです。また、孫正義の言葉を引用し、反対意見があると、「孫さんに反対なの?」と突っかかるような人もいました。議論の文脈を無視して孫さんの言葉を盲目的に支持するスタンスは、たとえソフトバンクの選考だとしても採用側は好ましく感じないでしょう。孫さんは以下のような名言を残しているらしいのですが、それを履き違えて何でもかんでも主張すると、的を外したトンチンカンな人になってしまいかねないと思います。「新入社員の発言でも、それが正しいことならば会議を通るという体質にしておかないと、会社は成長していきません。」参考:名言DB孫正義の名言・格言このようなクラッシャーの存在は、他の学生だけでなく選考官もダメな学生として明白に認識しています。そのためその存在をやっかいに感じるのは自然ですが、むしろクラッシャーを適切にコントロールすれば逆に評価を高めるチャンスにもなると思います。「クラッシャーがいるからもう無理だ」ではなく、むしろその存在を利用して評価を高めようぐらいの気概で選考に臨んでもらえればと思います。タイプD:何も生み出さない無益・無害の地蔵◎思考力:低/主張力:低このタイプの就活生は、大抵の場合、席に座っているのみで、発言をすることは滅多にありません。特に何かグループに対して働きかけるわけでもなく、ただ座って相槌を打つ傾向が強いです。このタイプには、当然緊張や選考への不慣れから「発言したくても発言できない」という人もいるでしょうが、逆に「タイムキーパーあたりをやりつつ笑顔で頷いてれば評価されるだろう」とあえてその姿勢を取っている人もいると思っています。本人には悪気はなくとも、頭を使わないで姿勢のアピールで通過しようとするフリーライダー的な考えは正直好ましく思いません。また、この手の就活生はその座っているだけの姿勢から、「地蔵」や「赤べこ」と呼ばれることですらあります。地蔵・赤べこは特にグループの秩序を乱すわけでもなく、目覚ましい貢献をするわけでもないので、特段の対策は不要です。タイミングをみて、「〇〇さん(←地蔵・赤べこ)はどう思いますか?」と意見を求めると、周囲への配慮ができる・全員の合意を得ようとしているといった基本姿勢でのプラスの評価に繋がると考えられます。「目を見て頷く」「笑顔が大事」などの枝葉末節を信じて、そこに自分の評価の拠り所を求める人に地蔵・赤べこは多いかもしれません。ディスカッション="議論"の場で態度や振る舞いだけを強化しても、内定獲得という願いを叶えたり就活生の縁起物としての役割を果たしたりは出来ないでしょう。その後も、この赤べこは、会津地方で伝染病が流行した時、赤べこを持っていた人が、病気にかからなかったということで、災難をよけたり、願いを叶えたりと縁起物のお守りとして有名になりました。参考:赤べこ伝説-赤べこちゃん最後にグループディスカッション選考は基本的に初対面の就活生と行うため、相手の性格や選考に対する姿勢が掴みにくく、お題以外の要素で不安や緊張感があると思います。このコラム等を通して、いかなる学生に遭遇しても、「ああ、タイプAか。」「はいはい、クラッシャーね。」というように、冷静に相手のタイプを把握し、議論に集中できるようなきっかけとしていただければ幸いです。こちらの動画ではグループディスカッションについてわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。 26,341 views
【20卒上智理工学部】デニナギくんの就活体験記vol.4|2018.10 interview 【20卒上智理工学部】デニナギくんの就活体験記vol.4|2018.10 interview 毎月行っているデニナギくんへのインタービューも今回で4回目になります。今回デニナギくんは初めての面接を受けたとのことでした。結果や反省などについて詳しく追っていきたいと思います。↓↓↓デニナギくんのこれまでのインタビュー記事はこちら↓↓↓7月分インタビュー8月分インタビュー9月分インタビュー上智大学デニナギくんの履歴書デニナギくんの履歴書◆性別└男性◆大学└上智大学理工学部に現役入学。◆趣味└サッカー(小学4年から現在まで)。ポジションはボランチ。プレーするだけでなく観戦するのも好き。◆サークル└サッカーサークル。週3回の活動や大会合宿にも積極的に参加している。◆アルバイト└飲食チェーン店で大学1年生から働いている。主にホールを担当、たまに調理も行う。2018年2月からベンチャー企業のインターンをしている。◆留学└なし。海外経験もないが、海外で働くことに対して漠然とした憧れはある。◆資格└特になし。TOEICも受けたことがないが、今後受けようと考えている。◆就活をはじめた時期└2018年6月頃◆志望業界└現段階では定まっていない状況。何に興味があるかも分からないため、インターンを通して探そうと考えている。◆希望職種└こちらも明確に定まっていない。ただ、自身の適性を鑑みて、営業は向いていないと感じている。本インタビューはunistyle編集部のむたか(@mutaka_unistyle)とくらもん(@esquestion)にて行っております。9月の活動を振り返ってインターンへの参加「前回のインタビュー以降はインターンの参加や選考などはあった?」「インターンの参加はありませんでしたが、選考は2社だけありました。」「会社名や選考の方法などは?」「一つはNHKの技術職のインターンです。選考はESと面接1回のみで、先日合格の連絡をいただき参加が決まりました。もう一つは日本総研のインターンで、ESが通過し、GDを先日受けてその結果待ちという状況です。」「面接は初めてだったと思うけど、通過できたのはとても良かったね。面接の形式や質問などはどんな感じだった?」「社員さんと1対1の面接で、雰囲気としては雑談ベースという形でとても話しやすかった印象です。質問の内容としては学生時代頑張ったことなど、ESを元に質問されていました。」「結果として通過できてたけど、何か意識していたこととか、ここが評価されたな、というポイントはある?」「意識していたこととしては、初めての面接で少し緊張していたので、できるだけ平常心を保って質問にちゃんと答えるようにしていました。特に評価されたなと感じるポイントはあまりわかりませんでしたが、サッカーについての話をかなり深掘りされていたので、その辺の経験を評価していただいたのかなと思います。技術職ということもあり、インターンやプログラミングの経験の方が聞かれると思っていたので少し意外でした。」「サッカーの経験を上手く話せたんだね。では、答えに困った質問はあった?」「『困難を乗り越えた経験を教えてください』というものと、『自分はリーダーとサブリーダーどちらが向いていると思う?』というものでした。どちらも事前に考えていなかったので少し返答に困りました。どのような質問が来るかをある程度予想して考えておいた方がいいなと思いました。」まとめ・初めての面接を受け見事通過・良かった点、改善すべき点をしっかり反省しているインターン以外の活動「インターンの選考は2社だけだったけど、他に就活で何かやっていたことはある?」「初めて合説に参加しました。前回話していた四谷会で紹介されたので行ってみました。」「合説で説明を聞いた企業とそこで受けた印象などあれば教えてください。」「説明を聞いた企業は、レバレジーズ、アチーブメント、日産、IBM、マイクロソフトです。特にレバレジーズが面白いなと思いました。社員の方の話を聞く限り、楽しく働いている会社だなと思い興味が湧きました。他の企業も説明は一応聞きましたが、正直そこまで惹かれませんでした。」「なるほどね。レバレジーズのどんなところが特に魅力的に感じた?」「まず1つは、社員の方の印象から良いなと思いました。説明会が始まる前に話しかけてくれて、気さくに色んな話をさせていいただけたのですが、業界に関わらずこういう人のいる会社は良いなと思いました。説明会の内容でも、社員さんの働き方などが紹介されていましたが、若い人が多く仕事が楽しそうだなという印象があり、その点も魅力的に感じました。」「会社の雰囲気や人も企業を選ぶ上で重要視したいのかな?」「そうですね。合説で見た他の企業についてはその点であまり惹かれなかったこともあるので、会社の雰囲気や人はこれから会社を選ぶ上での1つの基準にすると思います。」まとめ・こちらも初めての合説に参加・志望業界が定まったわけではないが、興味のある会社、そうでない会社が見つかった9月と10月を比較した変化志望業界「面接や合説などに行ってみて、志望業界とかに変化はあった?」「いえ、特に以前と変わらずという感じです。合説ではレバレジーズなども良いなと思ったのですが、受けるかどうかはまだわからないですね。ただ合説では様々な業界の説明を聞いた分、業界ごとの特徴などは知る事ができたので今後業界を選ぶ上で参考になりました。」自己PR・学チカ「学チカは面接でも話していたと思うけど、何か進展はあった?」「特に進展があったわけではないですが、サッカーの話をもっと内容を詰めておけば使えるなと思いました。面接ではサッカーの話がほとんどで、結果としても通過していたので。」「確かに学チカは話のネタそのもの以外でも評価される点はあるからね。プログラミングに関してはどう?」「引き続き前回も話した独学を進めています。実際にコーディングを体験できるサイトを使ったり、本を読むなどして勉強しています。」まとめ・志望業界が絞れたわけではないが、業界研究としては進んだ模様・プログラミングやインターンの話だけでなくサッカーの話も学チカとして内容を詰めていく11月にやろうと思っていること選考対策「今後やっていきたいと考えていることはある?」「引き続きインターンへの応募をしていきたいと思います。しかしこれからサークルのリーグ戦があることもあり、11月まではまだそこまで焦らずやっていこうと考えています。後は、面接をできるだけ受けていきたいなと思っています。前回受けた面接で答えに困った質問などに答えられるように準備しておきたいです。また、前回は社員さんがとても話しやすかった事もあったので、他の場合の面接も経験しておきたいとも思います。」まとめ・11月も10月と同様のペースで活動する予定・特に面接の対策には力を入れていきたいunistyle編集部より初めての面接を経験し、見事通過できたことは良かったと思います。通過したから大丈夫、と安心せず、面接でよく話せた点や改善すべき点などを反省できていることも素晴らしいと思います。デニナギくんの経験でもあったように、面接官との相性によって話しやすい場合とそうでない場合があります。今回の面接では話しやすかったとのことでしたが、社員によっては厳かな雰囲気であったり質問を問い詰められたりすることもあります。何回か面接を経験して、どんな面接官に対しても対応できるようになれると良いと思います。また合説に参加し、興味のある企業とそうでない企業が見つかりました。以前までは「どの会社も面白そう」と話していたためあまり業界を絞れていない印象でしたが、今回の合説で企業選びの軸が少しずつ定まってきたのではないかと思います。デニナギくんのようにあまり企業選びの軸が定まっていない方は多くの業界を見ることから始めると良いと思います。合説などに積極的に参加し、できるだけ多くの業界の説明を聞いてみましょう。行きたい企業・行きたくない企業の共通点を考えることから自分なりの企業選びの軸ができてくると思います。デニナギくんへのオススメ記事・→学チカに関して面接でよく聞かれる質問をまとめています。どのような質問がよくされるのかを把握できると共に、どのように答えていけば良いかを考える上でとても参考になると思います。・→デニナギくんのようにまだ具体的に志望業界が定まっていない方はこの記事を読んでみて欲しいと思います。なぜ就職活動をするのかというところから考えることで志望業界を絞っていくことができると思います。 4,642 views
就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない3つの強み 就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない3つの強み 就職活動を始める前にさきがけて、多くの人が学生時代頑張ったことや自己PRを書き始めているのではないでしょうか。今回は多くの就活生が強みとして伝えようとするものの、企業側にはあまり響かない三つの強みについてお伝えしたいと思います。もしあなたが今回ご紹介する強みを自己PRで使おうと考えているのであれば、このコラムを参考にもう一度考えるきっかけにしてもらいたいと思います。響かない強みの例(1):努力ができるあなたがどれほど努力ができる人かは、「学歴」、「資格」、「部活・勉強での成績」など履歴書に書いてある事項である程度評価されてしまっています。また特に総合職においては努力できることが、成果を上げる上で必要だという前提条件だと考えているため、わざわざアピールする必要のない強みと言えます。【関連記事】響かない強みの例(2):論理的思考力これも就職活動になると急に、企業が求めている能力は「論理的思考力」であると言われて勘違いしてしまうのか、エントリーシートや面接でも、「論理的思考力があります!」と話し始める学生が結構多くいます。但し、あなたが論理的思考力を有しているかどうかは、エントリーシートや面接で話をすればすぐにわかってしまうことです。「論理的に考えれば、論理的思考力があるって面接で伝えても意味ないってわかるよね?」ってのが採用担当者の本音です。口で伝えるのではなく、話している内容で論理的思考力の有無を伝えるようにしましょう。響かない強みの例(3):コミュニケーション能力先ほどの論理的思考力と同じように、あなたにコミュニケーション能力があるかどうかはエントリーシートや面接で話をすればすぐにわかります。これも論理的思考力同様に、口答で伝えるのではなく、話の内容で伝えるべきことでしょう。【関連記事】伝えるべきなのは「上位互換の能力」企業が求めている強みは「努力ができる」、「論理的思考力がある」、「コミュニケーション能力が高い」の先にあるものです。例えば、リーダーシップを発揮する上では、自分が誰よりも努力をしてその姿をチームのメンバーに見せる必要があります。また論理的思考力・コミュニケーション能力は、メンバーに自分のビジョンを共有し、何を協力してもらいたいのかわかりやすく伝える上で重要になります。またゼロから企画を立ち上げ、実現していくチャレンジ精神を発揮する上でも、努力・論理的思考力・コミュニケーション能力の三つが高いレベルで必要とされるでしょう。目標達成や課題解決する上でも、まずは目標を定め、そこから計画を論理的に立て、その上で地道に努力を続ける必要があります。このように単発の強みを伝えるのではなく、リーダーシップ、チャレンジ精神といったより上位概念の強みを伝えることで、努力ができる・論理的思考力・コミュニケーション能力といった強みを同時に伝えることが可能です。最後に自己PRや学生時代頑張ったことをまとめていると、どうしても自分が書きたいことを書くのに精一杯になってしまい、自己PRの本来の目的である「企業が求めている人材であることを伝える」ということを忘れてしまいがちです。企業がどんな人材を求めているのかについては常に意識した上で、自分自身の経験をどう伝えれば最も魅力的なのかという視点で考えて欲しいと思います。また、以下の動画では、企業がどんな人材を求めているかという意識を持ったうえで、どのように自己PRを書いていけばよいか、フレームワークをもとに解説しているので、確認してみてください。 115,933 views

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