あなたはどのタイプ?グループディスカッションにおける就活生の役割とその特徴
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最終更新日:2024年05月20日
こんにちは、18卒の政府系金融機関内定者です。
冬のインターン選考も終盤に差し掛かり、グループディスカッション(GD)の選考を経験する回数が増えたという学生も多いと思います。
他の選考フローとは異なり、グループディスカッションは周囲の学生と関わりを持ちながら実施されるため、一緒に受ける学生の存在が気になるという方も多いと思います(集団面接でも他の学生との関わりは生まれますが、グループディスカッションとはその深度は大きく異なるでしょう)。
unistyleではグループディスカッションの評価基準を以下のように4つの観点に分類しています。
グループディスカッションにおいては
①議論に臨む基本姿勢
②議論のテーマや流れへの理解力
③自身の意見の主張力
④議論を統率するリーダーシップ
と、大きくこれら4点を評価しています。
今回はこれに基いて、主張力・思考力の2軸から、グループディスカッション選考で遭遇する学生のタイプを分類していきたいと思います。
筆者が受けた業界は、日系外資金融・日系外資コンサル・日系外資メーカー・商社と比較的幅広いため、ある程度各業界に共通して今回の分類が当てはまると考えています。
主張力・思考力の2軸で見た学生の分類
このように、主張力・思考力の高低から学生のタイプを大きく分けて4つの役割(=ポジション)に分類しました。
順番にその特徴を説明していきます。
タイプA:議論の流れを正確に理解し、場を牽引するリーダー
◎思考力:高 / 主張力:高
このタイプには、GDやケース問題慣れもしており、かつ周囲に対する配慮も欠かさない "デキる" 就活生が当てはまります。ほとんどの場合問題なく選考を通過している印象があります。
このような就活生何名かに、GDの際に実践している手順を聞いたところ、大体以下の手順で戦略を立てているとのことでした。
①控え室の段階で、何気無い会話を通じて相手のタイプやGD慣れ具合を確認
②会場において、四隅等のなるべく皆の顔を見渡せる席を確保
③お題が発表されると、すぐさま頭の中で結論までの流れを組み立て、議論の各フローにかかる時間を概算
④共有
ここでまず注目したいのが、③の議論の流れの組立て方です。
特に課題解決型のテーマにおいては、ケース問題の練習といった対策をして、入口から出口までの流れを短時間で組み立てることに慣れていないと、リーダーを務めるのはおろか、グループへの貢献度も著しく下がります。
そこで後々効いてくるのが、①・②の工夫です。
①については、人間は初対面での数回の会話で「なんとなくこの人はこんな人だ」という先入観を抱きがちなため、控え室の場を活用して「できるやつ」判定をもらっておくという狙いがあるようです。
そうすると皆が自分の方を見て議論し始めるため、自然と自分が議論の中心に立つことに繋がります。
②については、真ん中の席に座ってしまうと、話している時に左右の人の顔が見られないため、表情が読み取りにくくなります。端に座ることで、地理的な面においても俯瞰的な立ち位置を得られます。
このようなタイプの就活生と遭遇した場合は、今後の就活を見据え、ぜひ友達になっておくといいと思います。
とは言え、「じゃあ僕がリーダーをやります」というような人はたいていエセリーダーなので気をつけてください。
開始前の控え室や自己紹介の時間で「自己主張の激しいうるさい人」なのか「できる人」なのかを見極められるよう、その人の選考経験や何気ないコミュニケーションの質から判断できるといいでしょう。
タイプB:俯瞰した視点から議論に貢献するアイディアマン
◎思考力:高 / 主張力:低
このタイプの就活生は、自分の意見を主張する頻度・積極性こそそれほどありませんが、適切なタイミングで、適切な疑問やアイディアを投げかけてくれます。
筆者は、この記事のタイプで言うと、以下のような理由から俯瞰したアイディアマンであることが多かったです。
①能力的に、最初から最後まで皆をまとめ、牽引する自信がなかった
②性格的に自分に適していた
①についてですが、まず限られた時間の中で、なるべくマイナス面は出さないようにしていました。GD・ケース問題の対策は行っていましたが、それでもボロが出てしまい、誰かに指摘されることを恐れていたので、なるべくタイプAの役割は担わないようにしていました。
②については、自身の性格上、ガツガツと意見を言うよりは、気になったことを適宜言う方が適していると考えたため、いつもの自分と違和感なく振る舞えると考えたからです。
この②の性格の問題は実は重要で、無理にリーダーの役割をこなそうとすると、一種の違和感を面接官は感じるようです。面接の場同様、この違和感がプラスに作用することはないので、GDの場においても、自分らしく振る舞うことが大切であると考えています。
とは言え、議論の中心になるか・修正役に徹するかといった立ち位置は、他のメンバーとの関係によるあくまで相対的なものだと思っているため、まとめ役として引っ張ってきそうな人がいないときはタイプAとして主張力を高めに設定するなど、その辺りは臨機応変に対応していました。
自分がメンバーで最も統率力があると感じればメインで議論を引っ張ればいいし、自分よりも統率力に優れた人がいると感じれば議論が脱線しないように方向性の舵取りをすればいいし、意見を構造化して記述するのが得意なのであれば全体共有用のメモに思考をまとめて書けばいいのです。
タイプC:議論の障害となるやっかいなクラッシャー
◎思考力:低 / 主張力:高
このタイプでは、思考力は極めて低いにも関わらず、主張力は極めて高いという正直やっかいな就活生が当てはります。
この ”クラッシャー” と呼ばれる就活生の傾向と対策については、以下の記事が参考になると思います。
クラッシャーは、
・クラッシャーであることを認識すること
・論理的な穴をつけるよう意識を向けること
・「チームとして結果を出すこと」を呼びかけること
が基本的な対策となります(もちろん何を言っても聞かない究極のクラッシャーも存在しますが、、)。
筆者の体験談としてはまず、「社会人に必要な3要素」などといった定性的な問題に対しても、ホワイトボードを占拠し、ひたすらに数式を列挙していく人がいました。自分が数字に強いことをアピールしたかったのでしょう。
数年前に放送されていたドラマ『ガリレオ』の湯川先生を気取っていたのでしょうか、以下の名言が皮肉に聞こえます。
議論を円滑に進めるべきGDの場ではなく、ぜひWebテストかテストセンターでその数学の実力を発揮して欲しかったところです。
また、孫正義の言葉を引用し、反対意見があると、「孫さんに反対なの?」と突っかかるような人もいました。
議論の文脈を無視して孫さんの言葉を盲目的に支持するスタンスは、たとえソフトバンクの選考だとしても採用側は好ましく感じないでしょう。
孫さんは以下のような名言を残しているらしいのですが、それを履き違えて何でもかんでも主張すると、的を外したトンチンカンな人になってしまいかねないと思います。
このようなクラッシャーの存在は、他の学生だけでなく選考官もダメな学生として明白に認識しています。そのためその存在をやっかいに感じるのは自然ですが、むしろクラッシャーを適切にコントロールすれば逆に評価を高めるチャンスにもなると思います。
「クラッシャーがいるからもう無理だ」ではなく、むしろその存在を利用して評価を高めようぐらいの気概で選考に臨んでもらえればと思います。
タイプD:何も生み出さない無益・無害の地蔵
◎思考力:低 / 主張力:低
このタイプの就活生は、大抵の場合、席に座っているのみで、発言をすることは滅多にありません。
特に何かグループに対して働きかけるわけでもなく、ただ座って相槌を打つ傾向が強いです。
このタイプには、当然緊張や選考への不慣れから「発言したくても発言できない」という人もいるでしょうが、逆に「タイムキーパーあたりをやりつつ笑顔で頷いてれば評価されるだろう」とあえてその姿勢を取っている人もいると思っています。本人には悪気はなくとも、頭を使わないで姿勢のアピールで通過しようとするフリーライダー的な考えは正直好ましく思いません。
また、この手の就活生はその座っているだけの姿勢から、「地蔵」や「赤べこ」と呼ばれることですらあります。
地蔵・赤べこは特にグループの秩序を乱すわけでもなく、目覚ましい貢献をするわけでもないので、特段の対策は不要です。
タイミングをみて、「〇〇さん(←地蔵・赤べこ)はどう思いますか?」と意見を求めると、周囲への配慮ができる・全員の合意を得ようとしているといった基本姿勢でのプラスの評価に繋がると考えられます。
「目を見て頷く」「笑顔が大事」などの枝葉末節を信じて、そこに自分の評価の拠り所を求める人に地蔵・赤べこは多いかもしれません。
ディスカッション= "議論" の場で態度や振る舞いだけを強化しても、内定獲得という願いを叶えたり就活生の縁起物としての役割を果たしたりは出来ないでしょう。
その後も、この赤べこは、会津地方で伝染病が流行した時、赤べこを持っていた人が、病気にかからなかったということで、災難をよけたり、願いを叶えたりと縁起物のお守りとして有名になりました。
最後に
グループディスカッション選考は基本的に初対面の就活生と行うため、相手の性格や選考に対する姿勢が掴みにくく、お題以外の要素で不安や緊張感があると思います。
このコラム等を通して、いかなる学生に遭遇しても、
「ああ、タイプAか。」「はいはい、クラッシャーね。」
というように、冷静に相手のタイプを把握し、議論に集中できるようなきっかけとしていただければ幸いです。