IR資料から読み解く総合商社の今後投資すべき分野について

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最終更新日:2023年10月27日

IR資料から読み解く総合商社の今後投資すべき分野について

企業研究

前回は企業が抱える課題とその解決策の提案のヒントが得られることをワコールのIR資料を元に説明しました。

今回は総合商社の面接で聞かれることがある「今後総合商社が投資すべき分野」という課題を考えるヒントとなるIR資料をご紹介することで、総合商社志望の学生のお役に立てばと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

5大商社中期経営計画

上場企業の多くが2〜5年単位で中長期の詳細な経営計画を作成し、発表しています。前回ご紹介したIR資料の多くが、今年と翌年の話を中心にするのに対して、経営計画では向こう2〜5年の計画を発表します。総合商社各社も中期経営計画を下記の通り発表しています。
公表している項目は各社異なりますが、概ねどのような事業にどれだけの投資を行うのか、及び各事業の特徴、今後の世界経済の流れについて書かれているのがわかるのではないでしょうか。

抑えるべきポイント4つ

「総合商社が今後投資すべき事業は何か」という問いに答える際に重要になるのは、
・今後の投資計画
・事業ごとの特性
の二つになるでしょう。各社がどのような考えを持って投資計画を立てているのか、またそもそも投資対象となる各事業ごとにどのような特性があるのか大まかに理解しておくと、投資すべき事業を考える指針になるでしょう。
事業投資に対する基本的な考え方は「三菱商事 中期経営計画 2012」P7の「事業特性に応じた目標設定のイメージ」の項目がわかりやすいでしょう。事業のリスクが高いほど、目標となるリターンは高くなります。
また事業のリスクが低ければ、目標となるリターンも低くなるでしょう。このように総合商社の事業投資においては、各事業ごとにリスクとリターンを勘案し、全体で取れるリスクのバランスを取りながら投資を実行しています。
さてそれでは総合商社の各事業ごとの特性は何でしょうか?これも先ほどの資料から読み取れることを下記すると

①資源関連分野は収益の柱ながらもハイリスク

各社の中期経営計画を読むと、三菱商事「収益の柱として期待」、三井物産「収益基盤の強化」とあるように収益の柱としての投資が実行されています。
一方で資源関連分野の投資の多くが権益に対して投資を実行するものであり、計画通りに資源が排出されないリスク及び資源価格が下落するリスクという二つのリスクを抱えています。そのため資源投資はハイリスク・ハイリターンの投資であると言えるでしょう。
そのため、三菱商事「コスト削減等の経営努力による資産・事業の質向上」など非資源とのバランスを意識した戦略が取られています。

②生活消費材関連分野は安定的収益

同様に生活消費材関連分野に目を向けると、三菱商事「成長の牽引が期待」、住友商事「収益の柱をさらに太く」とあるように、収益を安定的に支える事業であると言えます。
ビジネスモデルとしても、トレードの収益及び投資先企業の企業価値向上による連結収益の拡大など、資源関連分野に比べると、低いリスクで確実にリターンを得ることが可能な事業特性であると言えます。

③機械・インフラ関連事業は成長産業

機械関連事業に目を向けると、三菱商事「次の柱候補」、丸紅「新たな事業を海外で戦略的に推進」とあるように、成長産業であると各社が捉えていると言えます。

④その他事業

その他事業については各社の特色が出ていると言えますが、住友商事ではテクノロジー×イノベーション分野を「次世代新規ビジネス創出のための成長分野」としており、かなりの資金を投下しています。また丸紅では「ASEANやアフリカでのビジネス強化」を経営計画の中でも大々的に押し出しています。
上記見てきた通り、中々わかりにくい総合商社の事業ごとの特性も中期経営計画を読み解くことで、各社が書く事業をどのように捉えているのかがよくわかるようになります。総合商社以外の企業においても同様にチェックしてみて下さい。

投資すべき分野の考え方

 

さて、ある程度の前提知識を入れることができたら、後は自分なりに整理して、投資すべき分野について自分の意見を考えるだけです。

 

リーマンショック、ギリシャショックと世界経済が後退していると言われ、円高が進み、日本にとっては海外への投資のチャンスだとも言われ、総合商社の資源関連収益が減少に転じているとも言われる中で、総合商社はどの事業に投資すべきでしょうか?

 

是非、自分なりの考えをまとめ、裏付けを取りながら説得力を持って話せる準備をして欲しいと思います。

もちろんこの質問に答えることが出来れば、総合商社に内定するわけではありませんが、面接官としてはこの質問を通して、受けにくる学生の「論理的思考力」、「問題分析力」、「持論の説明力」など様々な能力を見ることができます。
このような答えのない問題に対して、自分なりに分析し、裏付けとなるデータを集め、説得力を持って持論を述べることは、面接だけでなく、学業・ビジネス、普段の生活においても重要な能力です。
是非、総合商社の面接対策として、上っ面の答えをなぞるだけではなく、生活の質を高めるスキルの習得と考えて、取り組み、実生活にも応用してもらえればと思います。

まとめ 

  • 「今後総合商社が投資すべき分野」という面接質問に答えるためには、「事業ごとの特性・各企業の今後の投資計画」を指針に、自分なりの意見を整理することが大切
  • 各社の中期経営計画を読むことで、「各事業ごとの特性・今後の投資計画」が理解できる

総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

商社 オープンチャット

unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。

実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。

下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。

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「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行 「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行 現役コンサルタントが、コンサル業界についてぶっちゃけます今回から全4回にわたって、日系コンサルティングファームである株式会社コーポレイトディレクション(CDI)の現役コンサルタントの方からご寄稿をいただきます。学生が持ってしまいがちなコンサルティング業界のイメージを丁寧にぶった切ってくれていますので、クールでスマートな「コンサルタント」という響きに憧れている方などには特に読んでいただきたいと思います。◆CDIのホームページはこちら学生のみなさんにとって、戦略コンサルタントとはどのような仕事に見えるでしょうか?フレームワークを使いこなす頭脳集団でしょうか?働く時間は長いけれど、やりがいもお給料も高い仕事でしょうか?守秘義務が厳しい業界なので情報がなかなか出てこないのは当然とはいえ、良いことも悪いことも言われ、しかもひとつひとつが抽象的なので、結局のところどういう仕事なのかよくわからない、という印象の方が多いのではないかと感じています。本連載では、わかりにくい業界だからこそ、外側から見た「イメージ」(良い物も悪い物も)を払拭した現役コンサルタントから見える姿を、多少なりともお伝えできればと思っています。最初に少しだけ自己紹介をしますと、私はコーポレイトディレクション(CDI)の佐藤沙弥と申します。2011年に京都大学経済学部を卒業し、新卒で入社しています。経営戦略を学んでいたことで戦略コンサルに興味を持つきっかけにはなったものの、当時は勉強よりもサークル活動に打ち込んでいましたし、就活生としてもいわゆる「意識が高い」タイプではありませんでした。今回の連載は学生の方向けではありますが、私自身は就活生当時にこういった内容に思い至ることなど全くありませんでした(笑)。ですが、「コンサルって結局のところ何が一番の価値なのだろう」「コンサルに限らず、仕事や会社ってどう選べばいいのだろう」といった、根本的な疑問は持っていたように記憶しています。こういった疑問にお答えできるように、「自分が学生のときにこんなことを言ってくれる人がいたらよかったな」、という思いで、書かせていただきたいと思っています。「解答例が模範解答である」という誤解さて、第一回のテーマは、コンサルで特徴的な選考のひとつであるグループディスカッション(以下、GD)についてです。コンサルのGDを受けられたことのある方の中には、何を評価しているのか/何が理由で受かったのか・落ちたのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。戦略コンサルの他社さんが同じことを考えているかはわかりませんが、少なくともCDIはGDを通してどういう人を採用したいと思っているかについて、お伝えしたいと思います。最近では、本やネットでGDの問題や解答例が広く出回るようになってきていますし、学生さん同士の練習会なども開催されています。しかし残念ながら、現役コンサルタントの目から見ると、見当はずれな議論の道筋が示されていることも多い印象です。一例として、食品などの身近な商品について、「売上を2倍にするには」といったお題でフェルミ推定(注1)のやり方やフレームワークを当てはめた議論の進め方の解説がよく出回っていると思いますが、これは現役コンサルタントからすると非常に不思議な状況です。なぜなら、これではコンサルタントが求めるディスカッション力を測るには不充分だからです。まずフェルミ推定ですが、コンサルタントとしては当然必要な能力です。しかし、これはディスカッションの前提として定量感を把握する力であり、ディスカッション力そのものではありません。個々人がぱっとできれば良いだけのことです。ディスカッション能力に付随してフェルミ推定の能力を見るという話ならわかりますが、フェルミ推定ができること自体はディスカッションの前提にすぎません。また、フレームワークもそれ自身が悪いということでは全くありませんが、学生さんで使いこなせることははっきり言って稀です。切り分けて整理して終わりになってしまうことが多い。整理することは起点に過ぎず、そこから先のディスカッションは全く別の能力です。GDの面接をしていて学生さんがSWOT(注2)やファイブフォース(注3)などと言い出したら、それ自体が悪いことでは全くありませんが、結果的に極めて微妙な結果に終わることが多いので、私達も身構えてしまいます。フレームワークは使いどころがわかって初めて効果が出る、あくまで道具のひとつです。私達がフレームワークを使うときは、漏れている要素が無いかのチェックや、クライアントにプレゼンテーションするときにわかりやすい形で見せるときの表現手法として使うことがあります。しかし、ディスカッションの起点として機械的にフレームワークを使うことはしません。そもそも「売上2倍」系のお題自体が「いけていない」かもしれない少し話は逸れますが、上述のような「食品の売上2倍にしましょう問題」においてよくある解答例として、SWOT系のフレームワークで自社の強みを定義した上で、その強みを訴求しやすい顧客セグメントを特定していくというものがあります。顧客のセグメンテーションの方法は、年齢×性別といったものが多いでしょう。しかし、このように顧客のセグメンテーションありきでそれぞれの顧客層に対する個別戦略を考えましょう、という流れでは、顧客セグメンテーション以前の話が漏れてしまうという大きな欠陥が出てきてしまいます。例えば、広告費を集中投下しましょうとか、小売店にたくさん置いてもらうための営業を強化しましょうとか、中学生でも思いつきそうなことが出てこない(ちなみに、セグメントの特定がターゲティングの話、ここで挙げたのはマーケティングの話です)。さらに、こういった打ち手が出てきた後の評価は、当然コストと効果の見合いで行わなければなりませんが、「売上2倍」が命題である限り、コストの議論はしなくて良いことになってしまいます。ここまで考えると、お題自体がいけていないという話になってきます。解決までの道筋が確立されている課題は存在しない話を戻すと、こういった「お題」設定そのもの、そして出回っている解答例の背後には、「確立されたメソッドを勉強しそれを適用して話し合いを進めることがディスカッション力である」、という大きな誤解があるように思います。少なくともCDIが見たいと思っているのは、本で勉強して何とかなる力というよりも、問題を前にしてその場で考え議論する力です(コンサルタントにとってこの能力がいかに大切かについては、今後の連載で詳しく触れたいと思います)。その場で考え議論するための力というのは、表面的なメソッドではなく、もっと根源的な素養です。このような思想に照らし合わせると、「お題」も、一見すると考える取っ掛かりが見つけにくいものや、ノウハウ本で見たことが無いようなものを出す方が理にかなっているということになります。ここだけの話でぶっちゃけてしまうと、CDIでは単純な「売上2倍」系を出すことはありません。ネット上で「ここだけの話」と言うことの意味は無いですが(笑)。それでは実際に何をどう評価しているのか、次回はより具体的なお話をしていきたいと思います。シリーズ一覧▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎【筆者紹介】佐藤沙弥(さとうさや)京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイトディレクション(CDI)に入社。IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。◆CDIのホームページはこちら(注1)フェルミ推定:実際に調査するのが難しいような数量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること。例:「日本国内にあるサッカーボールの個数は?」など(注2)SWOT:ビジネスなどの意思決定において、外部環境や内部環境を強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つ。(注3)ファイブフォース:業界の収益性を決定する5つの競争要因から、業界の構造分析を行う手法。「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」という3つの内的要因と、「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の2つの外的要因、計5つの要因から業界全体の魅力度を測る。 53,388 views
ANAの人事担当者から学ぶ、「泥水を飲む覚悟」とは ANAの人事担当者から学ぶ、「泥水を飲む覚悟」とは 航空業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容2.【企業研究】航空業界の大手企業一覧3.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜4.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ5.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ6.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめこんにちは、16卒の航空業界内定者です。先日、日経ビジネスオンラインでANAの人財戦略室マネージャーのインタビューが取り上げられておりました。航空業界というと「unistyle就職活動意識調査結果概要」を参照してもわかるように就活生からも人気が高く、それ故にこのマネージャーの方も就活生に対して意識してほしいことを述べています。今回は航空業界内定者として自らが就職活動時に得た知見も踏まえ、記事を分析していきたいと思います。下記では「泥水を飲む覚悟」という言葉が使われていますが、これは何もANAに限った話ではないので、航空業界志望でない方も是非目を通して頂けると幸いです。まずANAの社風として、以下のように述べられています。ANAの社風や求める人物像ANAの社風を一言でいうと何ですか。「変化に強い、変化が好きな人が多い」というのが社風です。たとえば、半世紀ぶりの国産旅客機となる「MRJ」やボーイングの最新鋭中型旅客機「787」の採用を決めたのもANAは早かったですし、ビジネスクラスの座席をスタッガード(ジグザグ)型に配置するスタイルもANAが初めて採用しました。では求める人物像も同様ですか。そうですね。特に総合職だとアグレッシブな人がいいですね。分解すると、いろんなタイプはいますが、主体性があって自分から動く人。そういう人が社内でも活躍しています。昨日はシンガポール支店の社員の取材に立ち会いましたが、よくしゃべる、しゃべる(笑)。前に出たがる人が多いです。参照:「ANA、アグレッシブな人材を求む人財戦略室の松村宏二郎マネジャーに聞く」松村氏の語る「変化に強い、変化が好きな人が多い」という社風については、競合のJALと比較する上でも重要な参考材料となると考えます。上記の社風を象徴する他の例としては、キャビンアテンダント(CA)の正社員化にいち早く踏み切ったことが挙げられます。スカイマーク再建支援をANAが担当することになったというニュースも記憶に新しく、最近では、需要の拡大が見込まれるアジアでのシェア拡大を目指し、アライアンスの異なるベトナム航空にANAが出資することが発表されました。ベトナム航空はスカイチームというアライアンスに属し、一方でANAはスターアライアンスというアライアンスに属しているのですが、このように別のアライアンスの航空会社に出資する事例は今回は異例かつ初となります。人物像についても納得で、OBの就職活動時の話をそのまま引用すると「自分からいかないと受からない」とのこと。「私が私が」という姿勢がないと難しいとおっしゃっていました。ANAの求める人物像を理解した上で、以下ではトピックにも挙げた「泥水を飲む覚悟」についても言及していきます。参考:「なぜ全日空は客室乗務員を正社員化したのか」「ANA、ベトナム航空に出資し提携今秋にも共同運航」ANAの面接で評価される姿勢エントリーシート(ES)はどんなところを見ていますか。行動の事実や自分の経験をしっかり書いてあるかを見ています。<中略>事実や経験を書くといっても、単発や短期間のものよりは、「日記を18年間続けています」など、しっかり継続している方が説得力もあるし、興味は湧きます。面接はどう臨めばいいですか。話す内容をANAが好みそうだとかを考えて、無理に合わせる必要はありません。自社に合いそうかどうか、どんな部署で活躍できそうかは企業側がよく見ています。<中略>総合職の面接では地道なこともできるかどうかも見ています。本社のネットワークや海外とのアライアンスを扱う部署は花形だと言われますが、仮にそこに配属になっても一生その部署で仕事をするわけではありません。ANAにはいろんな仕事があります。言葉は厳しいですが、泥水も飲む覚悟があるか、をよく見るようにしています。参照:「ANA、アグレッシブな人材を求む人財戦略室の松村宏二郎マネジャーに聞く」私自身も就職活動を始めた当時は「会社が好みそうな経験を話そう」と躍起になりましたが、松村氏も示唆する通り、大事なのは自らが何に対して継続して情熱を注いできたのかを等身大で伝えることだと思います。また、「泥水も飲む覚悟があるか」と述べていますが、やはり就活生の思い描く会社の姿と入社してからのイメージには多かれ少なかれ誤差が生じると思います。例え自分の望まない仕事を務めるとしても、それを責任をもってやり遂げられるかということの言い換えとして「泥水を飲む覚悟」とおっしゃっているのだと思います。その覚悟を測る一つの指標として、「継続力」が見られているのだと感じます。その他評価される姿勢は会社によって様々かと思いますが、基本的には以下の記事にまとめられるとおりだと思いますので、参考にしてみてください。参考:「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」会社や業界をフラットに眺める重要性航空業界の総合職というと、海外に商談で旅立つビジネスマンを支援したり、フライトスケジュールを組んだりといった花形の仕事を私達就活生は想定しがちだと感じるのですが、一方で飛行機が遅れた場合のクレーム処理も仕事の一環です。キャビンアテンダントであれば、搭乗者に対するおもてなしで日本の良さを伝えられる・海外との架け橋になれるといった憧れが先行しがちですが、飛行機で酔ってしまった方の対応といった飛行機内の不測の事態・リスクは低いですが飛行機事故と隣りあわせといった側面もあります。ANAや航空業界にかかわらず、私達就活生は「自分のやりたいこと」を押し出して内定を獲得していきますが、同時に「自分のやりたくないこと」に対する覚悟も必要でしょう。説明会では良い面ばかりがフォーカスされがちですが、OB訪問等を活用して会社や仕事をフラットに見る姿勢も忘れないようにすべきだと思います。終わりに華やかなイメージが先行しがちの航空業界ですが、憧れだからとりあえず受けるといった安易な姿勢で選考に臨むと入社後にギャップに苦しむことになるのではないかと思います。自分の成し遂げたいことを達成するフィールドの一つの選択肢として航空業界が存在し、メリット・デメリットを踏まえた上で航空業界を志望すべきなのではないかと思います。強い意志と覚悟を持って選考に参加し、そのような方々と一緒に働けることを楽しみにしています。航空業界の中での比較としては、以下の記事を参考にしてください。参考:「OB訪問とES設問から見るJAL・ANAの違い」photobyMartinThomas航空業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容2.【企業研究】航空業界の大手企業一覧3.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜4.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ5.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ6.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめ 44,754 views
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外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!マッキンゼーおよびBCGを筆頭とする戦略コンサルと言えばエリートの職業の一つとして知られていますが、知り合いの転職エージェントや転職経験者の間で、外資系の戦略コンサルの求人がかなり増えていると話題になっています。過去ではちょっと内定は厳しいかもしれないと言われていたレベルの応募者が内定をもらっており、かなりの数を採用しているようです。今回は外資系戦略コンサルが採用を拡大している背景とそれによる影響について簡単に紹介したいと思います。本記事のコンテンツ・外資系戦略コンサルが採用数を増やしている背景・BCGが口火を切って採用を拡大している模様・今後の戦略コンサルの行方はいかに?!・コンサルだけでなく投資と経営まで担うコンサルが主流になるかも?!・外資系コンサルタントの肩書きを手に入れるなら今がチャンス・最後に┗コンサル業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介┗企業別対策外資系戦略コンサルが採用数を増やしている背景採用数を増やしている主な要因は、従来の戦略の策定だけでは案件を受注することができず、戦略の実行まで担うハンズオン型のコンサルティングが顧客から求められるようになったためのようです。従来の戦略コンサルでは、数ヶ月単位のプロジェクトでその企業の経営課題に対して今後の方向性や戦略を策定する部分を担っていましたが、最近では「そんな綺麗なパワポを作ってプレゼンするだけじゃなくて実際に描いた戦略を実現して売上なりコスト削減に貢献してよ」というクライアントからの要望が強くなっていると聞きます。そのため、戦略策定だけでなく中長期でクライアントと関わり、ハンズオンで施策を実現する人材が求められているため積極的に採用を拡大しているようです。戦略コンサルは「絵に描いた餅を作るだけで実際に実行フェーズまで担うことがない」という批判に常にさらされてきましたが、その批判に押されるような形で、人材を増やしハンズオン型に舵を切り始めたために採用数が増えているようです。参考:戦略系のみならず、コンサルを目指す理由を論理的に説明する必要があります。様々な情報を参考にしつつ、自分なりの言葉で説明できるようにしておくことが大切でしょう。BCGが口火を切って採用を拡大している模様「戦略策定だけでなく実行まで担えるハンズオン型のコンサルへの変貌」はBCGがいち早く取り組んでおり、人材も積極的に採用しているようです。噂では現在の体制の数倍の規模に増やして、増えつつある実行まで担うコンサル案件の受注を目指しているようです。マッキンゼーについても以前からハンズオン型になるべきか、純粋な戦略コンサルを続けるべきかは議論していたらしく、直近では戦略を策定する部隊と実行フェーズを担う部隊とに分けて採用しようとしているようです。現在では特にITやシステム構築できる人材が少ないために、大手のSIerから戦略コンサルへの転職が増えているようです。今後の戦略コンサルの行方はいかに?!いずれにせよ純粋な戦略だけを描くだけでは顧客であるクライアントに選ばれないようになってしまっており、需要に押される形で企業のビジネスモデルが変化しているのが今の戦略コンサルと言えます。純粋な戦略を描くだけよりも、実際に実行フェーズまで担う方がどうしても人員が必要になります。また戦略策定に比べるとハンズオン型の方が単価が低くなりがちで、ハンズオン型の案件が増えると戦略コンサル全体の給与は下がる可能性が高いと言えます。コンサルだけでなく投資と経営まで担うコンサルが主流になるかも?!このように戦略コンサルは今、変化の時期を迎えていると言えます。このままでは上記の通り、引き受ける多くの案件が単価が低くなりがちなハンズオン型の案件が主流になり、業界全体の生産性が下がってしまうことになります。更に業態変化をするとしたら今後は、ドリームインキュベータや経営共創基盤のような戦略の策定と実行のコンサル業務だけでなく、そこで培ったノウハウを基に実際に企業に投資し、成長させ売却やIPOを狙うコンサルティングファームがメインになる可能性はあります。総合商社も、メーカーの物流仲介を行うだけでは収益的に苦しくなってしまった結果として、川上の資源や川下の小売りの分野に対して投資を行い、商圏を拡大することで利益を拡大してきました。同じような道を戦略コンサルティングファームの各社が歩む可能性は十分にあり得ると言えるでしょう。参考:ドリームインキュベータや経営共創基盤などが行なっている投資はベンチャーキャピタルと似ているものがあります。ベンチャーキャピタルやファンドに興味のある方はチェックしておくといいでしょう。外資系コンサルタントの肩書きを手に入れるなら今がチャンス長期的な業界動向としては前述のように厳しい傾向にあると言えますが、そうはいっても外資系コンサルのブランドはまだまだあるのでその肩書きを手に入れたいのなら新卒も中途も今がチャンスであると言えます。ビジネスの基本的なマインドセットや考え方、スキルを身につける上ではかなりいい職場であると聞くので無理かもと思わずに積極的に挑戦するのもありだと言えます。もちろんUporOutで、一生勤める人は少ない職場であるため、ファーストキャリアとして外資系コンサルに勤めた後にどのようなキャリアを歩んでいくのか漠然とでもいいので考える必要はあります。参考:外資系戦略コンサルだけでなく、総合コンサルや日系コンサルも選択肢に含んだ上で検討するのがベストだと言えます。最後に世の中のビジネスは常に変化しており、諸行無常の世界であり、常に変化せずに勝ち組であり続けることは難しい世界です。10年前であればシャープや東京電力に入社すればかなり勝ち組として扱われました。90年代では総合商社は都市銀行に入ることが出来ない人が滑り止めで入社した時代だったと言われています。2000年代には総合商社よりも人気を誇った外資系コンサルも今まさに変化を求められていると言えます。会社に骨をうずめるのではなく、どういった仕事や生き方をしていきたいのか、どういったキャリアパスを歩みたいのか常に考えながら生きていくのが業界の大きな変化にさらされても生き残る上では大事なことなのかもしれません。コンサル業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にコンサル業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。▼関連コンテンツ(選考対策記事・内定者ES・選考レポートなど)はこちらからマッキンゼー・アンド・カンパニーの企業研究ボストンコンサルティンググループの企業研究ベイン・アンド・カンパニーの企業研究A.T.カーニーの企業研究アーサー・D・リトルの企業研究ローランド・ベルガーの企業研究Strategy&の企業研究外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!こちらの動画ではコンサル業界の全体像について解説しています。また、以下に外資系戦略コンサル内定者のESをいくつか掲載しておきます。内定者のESを参考に、自分なりのESを作成してみてください。【参考】マッキンゼー・アンド・カンパニー内定者のES「クラブ活動などでのリーダーシップ経験上記の活動の中で、特にリーダーシップを発揮した経験と、その際のあなたの役割をご記入ください。(全角100文字以内)」「海外帰国子女振興財団」にて、海外へ渡航する人を対象に海外生活の送り方講座を社員の方と共に立ち上げました。その際私は講座内容を考案し、講座の講師となる帰国子女を集め運営し、受講者を支援してきました。【参考】マッキンゼー・アンド・カンパニー内定者のES「マッキンゼーに入社後5年間のキャリア目標についてご記入ください。(100字)」問題解決力、プレゼン能力等の「スキル」だけでなく、成果に対する貪欲な姿勢等といった「マインドセット」をしっかり身に着け、チーム及び顧客に技術、意識の両方から価値を提供するコンサルタントを目指します。【参考】ベイン・アンド・カンパニー内定者のES「あなたが目標として思い描く10年後のご自身の姿、及びそれを実現する過程で、戦略コンサルティング、特にベインに興味を持ち志望した理由を教えてください(400字)」10年後、コンサルタントとしてはマネージャーとして特に日系メーカーのビジネスリーダーとなりたい。日本の経済発展、日本の強みであるモノづくりに貢献する事は私の人生のテーマの一つだ。インターンシップや研究等で培った基礎的な問題把握能力や実行力に磨きをかけると同時に、これまで殆ど触れる事が無く必要能力として欠如しているコストとスピードを主軸においた問題可決を行えるビジネスセンスを最も効率よく鍛えられるのが戦略コンサルティングだと考えた。コンサルタントはクライアントからすれば事業会社でない外部の人間であるが故に当然クライアントから要求される戦略の質は高く、期限も数カ月単位からと限られている。また、研究であろうとビジネスであろうと、結果が伴って初めて価値を創造しうるものである。他のファームと違い、戦略立案に留まらず、クライアントの後の株価追跡分析まで行い結果に拘る御社の姿勢に惹かれ、志望した。【参考】A.T.カーニー内定者のES「あなたを象徴する漢字1文字と、その理由を教えてください」私を最も良く表す漢字は「粘」だと考える。この課題を考えるにあたり、私自身の強みが何であるか考えた。私の一番の強みは、「結果にこだわり抜き、粘り強く前進する」ことである。自分が立てた目標に対して、結果を出すために必要なことを徹底的に考え、時に必ずしもスマートではない方法でも、粘り強く実行して結果を出す経験をこれまで多くしてきたと自負している。以下、私の人生に影響を与えた特徴的かつ具体的なエピソードを二つ述べる。第一に、医療系人材斡旋事業で起業した際の話だ。学生にありがちな時給ベースのアルバイトではなく、自分で「稼ぐ」を実感したいと思い起業を考え、市場規模の大きさと参入障壁の低さの観点から「医療系人材斡旋」に着目した。当初、私一人がアイデアを抱えただけで、クライアントはおろかチームメンバーすらいない状態で始動したため、学内でのリクルーティングから、顧客への営業、登録者の獲得に至るまで一人で担当した。営業の際には、医療人材のプロである病院担当者に対して、業界未経験の私が営業するだけに苦労の連続だったが、試験的に与えられた小規模の案件を粘り強くこなす中で、次第に担当者の方との信頼関係も生まれ、受注案件の規模も大きくなり始めた。その後、立ち上げ一ヶ月後にはチームも構築され、より効率的かつ大規模に事業展開することに成功するなど、私一人の「ゼロ状態」から粘り強く挑戦した結果、成果を伴って前進することができた。第二に、大学受験生向けの学習コンサルティング事業を立ち上げた際の話だ。私は地方の限界集落で生まれ育ち、塾や予備校はもちろん、学校教員も不足した環境で受験を余儀なくされたため、独自の学習計画と勉強法をもって大学に進学した。その経験から、学習環境に恵まれない地方の高校生の進路の選択肢を増やしたいという思いで、学習支援を行なう事業を立ち上げた。授業ではなくあくまで学習コンサルティングに重点を置いているため、当初は生徒側も不安な様子を見せていたが、個々人の成績など現状分析を踏まえて適切な学習計画の作成および定着度の管理を行なうことで、結果として指導生徒のうち5人が都心の難関国立大への進学という目標を達成するなど、共に粘り強く前進することができた。 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