三井物産のES徹底解説!内定者の志望動機・ガクチカ分析
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最終更新日:2020年12月25日
総合商社のなかでも、金属・エネルギーなど資源分野のポートフォリオに圧倒的な強みをもつ三井物産。直近の決算でも金属資源分野などで大きな利益を稼ぎ出しており、「資源の三井」として復活を遂げています。
2019卒年度の三井物産の選考においては、ES提出〆切が以下のように2段階に分けて設定されています。一次〆切でエントリーを完了させておくほうが、その後の選考過程で優遇されるケースが多いと考えられ、書き上げるには時間としても精神的にも胆力がいるので早めに書き上げることをおすすめします。
本記事では、三井物産の2019卒選考ESの回答プランをレクチャーします。
三井物産の本選考ES設問
◆学生時代にあなたが行った最大の挑戦に関して、以下4つの要素を交えながら具体的に記述して下さい。(400文字以内)
1.挑戦した理由
2.何を心掛けて行動したか
3.どのような結果を出したか
4.挑戦から得た学び。
◆学生時代にあなたが下した決断の中で、いま振り返っても正しいと思える決断を一つ、またその理由を含め具体的に記述して下さい。(200文字以内)
◆三井物産を志望する理由を記述して下さい。(150文字以内)
以下では、全4問の設問を順に解説していきます。
設問1:学生時代に注力していたことを端的に記述して下さい。
「学生時代頑張ったこと」について、シンプルな箇条書き形式で問う設問です。
従来の三井物産のESでは見られなかったスタイルの設問になっています。
設問の意図
面接のときのインデックスとして利用する意図がうかがえます。
ESに学生時代の活動概要が端的に書き連ねられていれば、面接官は学生のパーソナリティをざっくりと把握しつつ、そのリストをもとに面接を進めることができます。
意図を踏まえた回答方針
前述のとおり、面接時にあなたのインデックスとして活用されることを念頭において書きましょう。
たとえば、この設問の回答内容から「ESにスポーツジムでのアルバイトを頑張ったって書いてあるけど、具体的にどういうふうに?」などの追加質問がなされるはずです。
したがって、この設問に回答する活動内容については、具体的なエピソードまであらかじめ整理・完成させておく必要があります。あなたの学生時代を箇条書き形式でまとめるイメージで、要素ごとにシンプルに書き連ねましょう。
なお、「最大4つまで」という指示がありますが、あまり注力していないことを「盛って」まで無理に4つ埋めきる必要はありません。
繰り返し述べているように、この設問で回答した活動内容については、面接のときに「これってどういうこと?」などと質問されることが想定されます。
本当はあまり取り組んでいないことを追求されてボロを出すよりは、本当に頑張ったことを2~3つ書くほうがベターでしょう。
また、2018卒までは住友商事がこれに酷似したES設問を課していた(2019年度はES自体を廃止)ため、具体的な回答イメージについては以下のESも参考になるはずです。
▼「学生時代頑張ったこと」の書き方についてはこちら
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
内定者の回答と解説
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設問2:学生時代にあなたが行った最大の挑戦に関して、以下4つの要素を交えながら具体的に記述して下さい。
1.挑戦した理由
2.何を心掛けて行動したか
3.どのような結果を出したか
4.挑戦から得た学び
三井物産・2019卒のESで、もっともヘビーな設問になっています。
こちらもいわゆる「学生時代頑張ったこと」についての設問とカテゴライズできますが、「最大の挑戦」という条件指定が付与されていることに留意しましょう。
設問の意図
「最大の挑戦」をキーワードに、あなたが学生時代にどのような困難に、どうやってチャレンジし、どんな成果を生んだかを問うています。そうしたエピソードを通じて、困難に立ち向かうマインドセットやスタンス、やり抜く力などの素養を計る意図があると思われます。
また、もっとも指定字数が多く設定されていることから、本設問で問われている「挑戦」は、三井物産がとくに重要視している評価ポイントであるとも考えられます。
意図を踏まえた回答方針
まずは列挙されている4つの要素(挑戦の理由、工夫、結果、学び)を確実に盛り込み、「最大の挑戦」という題意から逸れないように回答することを意識しましょう。
「挑戦」とは、通常では解決できないタフな事象に対して、なんらかの工夫をして立ち向かうことを指します。
最初に、あなたが取り組んだ課題がどのように・なぜ・どれだけタフだったのかを具体的に描写しておくと、それがあなたにとっていかにチャレンジングな挑戦だったかを強調できるでしょう。
たとえば、「高い山を登った」だけでは、それがどれだけ大きな挑戦だったかがイメージしにくいですが、「登山初心者であるにも関わらず、たった1人で日本最高峰・3,776mの富士山に登頂した」と書けば、その挑戦の困難さが読み手に伝わりやすくなります(もちろん、あくまで一例です)。
また、本設問に回答するうえでは、以前からunistyleがご提案している「学生時代頑張ったこと」のフレームワークがとくに大きな効果を発揮するはずです。
設問にある4つの要素(挑戦の理由、工夫、結果、学び)と、unistyleのフレームワークの6つの要素とを照らし合わせながら、「最大の挑戦」のエッセンスをうまく盛り込みましょう。
フレームワークは下記の記事を参考にしてください。
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
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設問3:学生時代にあなたが下した決断の中で、いま振り返っても正しいと思える決断を一つ、またその理由を含め具体的に記述して下さい。
「いま振り返っても正しいと思える決断」と、かなり具体的に回答内容が指定されており、ややトリッキーな設問に感じる方も多いかもしれません。過去に下した「決断」をふり返り、エピソードをピックアップする必要があります。
設問の意図
過去に下した「決断」の内容、およびそれを今でも正しいと思っている理由から、あなたがこれまでの人生で何を大切にしてきたか、どんな価値観を持っているかを知ろうとする設問です。
意図を踏まえた回答方針
「決断」をキーワードに過去の経験を洗い出し、以下の3つのポイントを中心に、端的にまとめましょう。
・どのように決断したか
・なぜ今でも正しいと思っているか
これといったエピソードが思い浮かばない方は、
・進学先や留学先など進路の決定
・部活動やサークルなど所属団体の決定
など、これまでの学生時代で経験してきた「岐路」を整理し、そこにどのような決断があったのかをふり返ってみましょう。
なお、三井物産では過去の本選考ES(2017卒)にも本設問に類似した設問「過去にあなたが下した最大の決断について、決断までの過程や、その決断に至った理由を具体的に記述してください(200字)」があります。
以下の内定者の回答などは回答の参考になると思います。
奨学金情報の綿密な収集、多くの経験者に留学の価値を聞くことで判断。環境に適応した頃終わってしまう短期海外経験ではなく、長期留学なら海外で活躍できる人材になるという目標を達成できると考えた。
その上で留学機会を逃すと絶対後悔すると思い、決断した。
参考:三井物産・内定ES(2017卒)
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設問4:三井物産を志望する理由を記述して下さい。
とてもシンプルに志望動機を問う設問です。
150字と指定字数が短いため、多くの字数を要する細かい部分(志望動機をもつに至った過去のエピソードの詳細など)はカットし、面接のときに口頭で追加説明をしてカバーすることになるでしょう。
設問の意図
シンプルな志望動機を通じて、以下のポイントを見極めるねらいがあると考えられます。
・三井物産への志望度は高いか(本当に入社するのか)
・説得力のあるロジックを組み立てられるか(論理的思考力)
意図を踏まえた回答方針
志望動機については、以下の2つの層に分けて構成すべきです。
(1)なぜ総合商社か?(業界への志望動機)
(2)なぜそのなかでも三井物産か?(企業への志望動機)
この設問では「三井物産を志望する理由」が問われているため、「(2)なぜ総合商社のなかでも三井物産か?」を答えておくほうがベターでしょう。
なお、このES設問で回答するのは(2)三井物産への志望動機だけであっても、面接では(1)総合商社への志望動機についても当然詰められるはずです。ES作成の段階で、両方のロジックを完成させておく必要があるでしょう。
▼志望動機は以下の記事に沿って完成させてください。
→多くの学生を悩ませる志望動機の作り方について解説していきます。志望動機を作成する際に役立つ、フレームワークの紹介もしているので、ぜひご活用ください。
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最後に
三井物産のESを魅力的に書き上げるためには、以下の2つがポイントになります。
設問ごとにどんな情報を書くべきか(≒どんな情報は不必要か)を確実に見極め、わかりやすくシンプルに記述する。
② 就活の基本となる「3つの論点」をブラッシュアップする
学生時代頑張ったこと・自己PR・志望動機の3つのポイントについて、精度の高い回答をつくりあげる。
ESの完成度は、就職活動の成否のカギを握る、極めて重要なファクターです。なぜなら、選考のメインパートである面接は、提出したESをもとに進められるからです。
三井物産など総合商社をはじめ、学生からの人気の高い企業から内々定を勝ち取るためには、魅力的なESを早い段階で書き上げておく必要があります。
本記事を参考に、1分1秒でも早くES執筆に着手しましょう。
▼三井物産の選考の全体像および対策プランは、以下の記事から把握してください。
→ビジネスモデルの分析、求める人材像の考察、選考フローなど、三井物産の選考を突破するために最低限必要な情報を網羅した記事です。本選考向けの記事ですが、インターン対策にも活用できるので、ぜひご活用ください。
▼なお、過去の三井物産内定者のESは以下から参照してください。
▼ 総合商社の選考対策はこちらから
【伊藤忠商事】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで
【三井物産】選考フロー別対策|ES・テストセンター・面接まで
【住友商事】選考フロー別対策|ES・テストセンター・面接まで
【丸紅】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで
photo by David Becker