第一生命のES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
26,716 views
最終更新日:2023年09月26日
第一生命は国内五大生命保険の一角を担う大手生命保険企業です。保険会社では相互会社と呼ばれる保険加入者が会社の持ち主になる形態をとる会社がある一方、第一生命は株式会社の形態をとっています。株式会社の形態をとることで、M&Aの実施や株式市場から資金調達を行うことが可能になり業績を伸ばしてきました。
また、高齢化を始めとした社会情勢の影響で国内では保険業界全体として今後衰退すると言われている昨今ですが、第一生命は今後成長の見込める海外に焦点をあてたビジネスの拡大を図っています。他にも保険料収入で資産運用を行っていることから、保険業界以外にも投資、グローバル分野に興味がある学生にも人気がある印象があります。
では様々な事業を手がけている第一生命ではありますが、どのような人材を求めているのでしょうか。事業内容とHPから考えていきましょう。
事業内容と採用HPから考える第一生命の求める人材
まずは採用HPを見ていきましょう。
新たな事業に関わるにあたっては、自発的に勉強することも大切です。さまざまなデータから疾病予測を行ったり、新たな加入診査のあり方を考えたりする中で医学知識は欠かせません。また、最新のテクノロジーやフィンテックなど日進月歩の動きも常にウォッチし、最新知識を取り入れておくことも必要です。そうした、日々の積み重ねを行いながら、新たな価値を生み出していくことを意識して仕事に取り組んでいます。こうした環境を若手にしっかり与えてくれるあたりが第一生命の魅力でもありますので、与えられたチャンスを活かして、ビジネスとともに成長していきたいと思っています。
参考:社員の声(契約医務部)
こちらは契約医務部という生命保険契約から生まれる医療データを統計・分析し、将来的に生命保険の可能性を広げる検討をしている部署の社員の声です。保険業界は現在急速にIT化が進んでおりInsTechとよばれる保険とITを組み合わせた取り組みが進んでいます。
ですから、その日々めまぐるしく変わる状況に対応していくには個人としてのキャッチアップが必要になってきます。『新たな事業に関わるにあたっては、自発的に勉強することも大切です。さまざまなデータから疾病予測を行ったり、新たな加入診査のあり方を考えたりする中で医学知識は欠かせません。また、最新のテクノロジーやフィンテックなど日進月歩の動きも常にウォッチし、最新知識を取り入れておくことも必要です。』の部分からも、知識を入社後も習得されるよう常に自発的に学習していかなければならないことがわかります。営業の成果自体も個人の評価に紐づくことが生命保険業界のビジネスの一般になります。
以上より、これを『人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み』に落とし込んで考えてみると「1.個人として努力し、成果をあげることができる能力」というのが重要になってくることがわかります。
第一生命グループの国内生命保険事業は中核事業かつ巨大な規模であり、そのリーテイル販売事業の舵取りを行うことが業務部の役割です。私たちの役割は、お客さま接点の最前線で日々活動する生涯設計デザイナーが「お客さま第一主義」を実現しながら、生命保険販売を向上させていくという同時追求の戦略立案を担うわけですが、当然ながら、一個人や一部門での仕事ではなく、あらゆる部門を巻き込んでいく必要があります。
営業職の制度、教育体系、コンサルティング手法や販促ツールの製作、商品開発、他営業チャネルとの連携など、すべてが有機的に結びつくようにコントロールすることがとても重要です。マーケットの変化、社内上の課題をいち早く把握し、それらの課題を解決しながら業績向上に向けた戦略を実行していく。難易度は高いですが、会社業績を背負うという責任感とリーテイル分野を同じベクトルに向かわせていく一体感が今の仕事の醍醐味です。
参考:社員の声(業務部)
こちらは第一生命の業務部で働く社員の声です。
『私たちの役割は、お客さま接点の最前線で日々活動する生涯設計デザイナーが「お客さま第一主義」を実現しながら、生命保険販売を向上させていくという同時追求の戦略立案を担うわけですが、当然ながら、一個人や一部門での仕事ではなく、あらゆる部門を巻き込んでいく必要があります。』の部分からもわかるように、生命保険を販売するにあたって顧客のニーズやその機能を向上させるためには、他部門との協力を得ていかなければなりません。一つの部門だけではなく保険設計の部門、現場の声を聞く営業など様々な部門の協力を得て初めてよい保険商品を創り出すことができるのです。ただ、必ずしも現場の価値観と保険設計者の立場では一致するとは限りません。それらをうまく調整して目標に向けて協力していくことが重要であると言えるのではないでしょうか。
ですから『人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み』に即して考えてみると「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」という能力が求められていることが分かるでしょう。
ここまで事業内容とHPから「1.個人として努力し、成果をあげることができる」「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」という能力が求められている事がわかりました。ではESからはどのようなことが読み取れるでしょうか。みていきましょう。
第一生命のES設問
(1)これまでの取組みの中で、自分らしさを表したと思える取組みについて2つ挙げ、それぞれの概要を記載してください。 (50文字以内)
(2)上記2つの取組みの中で、最も自分らしさを表したと思える取組みを1つ選び、具体的な行動について記載してください。 (300文字以内)
(3)自分らしさを表すキャッチフレーズを記載してください。 (20文字以内)
(4)上記のキャッチフレーズである理由を記載してください。 (50文字以内)
(5)生保業界を選んだ理由と、その中で当社を選んだ理由を記載してください。(300文字以内)
参考:第一生命の企業情報
設問(1)「これまでの取組みの中で、自分らしさを表したと思える取組みについて2つ挙げ、それぞれの概要を記載してください。 」について
学生時代に頑張ったことを聞かれている設問です。『内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク』の①結論を示すことになります。文字数が少ないため、取組みの内容にインパクトを残せるような一言が用意できると採用担当者の目に止まりやすいと考えます。
設問(2)「上記2つの取組みの中で、最も自分らしさを表したと思える取組みを1つ選び、具体的な行動について記載してください。 」について
先ほどの設問の内容を詳しく説明していく形になります。
今回は「自分らしさ」という言葉をどう捉えるかが焦点となります。「自分らしさ」を「あなたなりの解決策」として捉えると、フレームワークの④取組みと結果で自分らしさが発揮できているかどうかが重要となるでしょう。
例えば、「サークルでメンバーの理解を深めるため飲み会を開催し対話に努めた」といったありきたりな内容では評価されないことが考えられます。また、「自分らしさ」を「人柄」であると考えると⑤人柄を重点的に問われているという見方もできるでしょう。
いずれにせよ、ある程度オリジナリティのある内容を書くことが要求されていると推測できますので、あなたなりの「自分らしさ」について一度考えてみるべき設問であると言えるでしょう。
設問(3)「自分らしさを表すキャッチフレーズを記載してください。」・設問(4)「上記のキャッチフレーズである理由を記載してください。 」について
「キャッチフレーズ」といいますとなにやらセンスのある一言を書かなければいけないと思い戸惑ってしまう方も多い印象がありますが、結局は「あなたがどのような性格や資質・強みを持った人物なのか」を述べる設問であると考えます。自己PRに分類される質問であると言えるでしょう。
自身がそのキャッチフレーズが表す素質を持っていることが、第一生命にとってどのようなメリットがあるのか。先ほどの求める人材も意識しながら書いていけるといいでしょう。文字数が少ないですが、面接対策を含めて、それを裏付ける具体的なエピソードもセットで語れると説得力のある内容になります。
参考:「あなたを象徴する漢字1文字/あなた自身を表すキーワードについて教えてください」という設問に対する内定者の回答事例集
設問(5)「生保業界を選んだ理由と、その中で当社を選んだ理由を記載してください。」について
志望動機についての設問です。
【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説で紹介しているフレームワークの内、④業界比較・⑥同業比較が直接問われています。
業界比較については「なぜ金融か→なぜ保険か→なぜ生保か」というように段階ごとに複数の視点があると考えます。同時に「金融でも銀行・証券などではダメな理由」「保険でも損害保険ではダメな理由」が特に面接では問われることが想定されますので、前者では【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説・後者では【ES例文付】保険業界(生保・損保)の志望動機の書き方を解説|求める人材像も紹介といった記事を参考にしっかりと差別化しておくことが重要となります。
同業比較については、生保業界では基本的にビジネスモデルに大きな違いはないため難しい点もあるかと思いますが、以下の記事も参考にしながら、【例文付】なぜその会社なの?志望動機の伝え方・企業選びの軸の定め方を解説にもあるように業界内の特別なポジションや強み・社風や企業理念・働く人の3つの観点から述べるのが有効であると考えます。
最後に
生保業界では前設問にもあるよう段階的に業界比較をする必要があり、「なんとなく金融だから」というあいまいな志望動機では評価されないことが考えられます。
しかし、一方ではそういった考えで選考を受ける方は多いに存在しており、「他ではダメな理由」を的確に述べることができれば志望度の高さを効果的に伝えることができるでしょう。
photo by Presidencia de la República Mexicana