商船三井のES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ

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最終更新日:2021年01月05日

志望動機例文集

商船三井の本選考ES一覧はこちらから

商船三井において、求める人材をある程度明確に定義した上で、学生に書いてもらう内容を定義しています。

川崎汽船では「架け橋となった経験」となっていますが、商船三井では「難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践できる人材」としてそのような経験についてのエントリーシートとなっています。

このようにエントリーシートの設問にこだわるのは、学生がアピールしがちな個人の努力の話ではなく、組織の中でどのような役割を担う人なのかや人とどのように関係を構築するかといった「組織の中でのあなた」に焦点を当てたいと思っているからなのでしょう。「学生時代頑張ったこと」と漠然とした問いにしてしまうと、「毎日練習を続けてサークルで成果をあげた」、「学業の努力を続けて成績優秀者として表彰された」といった個人完結型のエピソードが増えてしまうと感じているため試行錯誤しながら設問を様々な形にしていると思われます。
今回も商船三井のエントリーシートと採用HPの働き方から、どのような人材が求められているのか、それはなぜなのかといったことを説明できればと思います。
本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。
参考:商船三井ES・レポート一覧

本選考とインターンの締め切り情報

商船三井の働き方

運航管理と呼ばれる仕事をしています。何のことやら?という感じでしょうが、簡単に言うと…

①船のスケジュール管理 ②運航に関する諸手配 ③航海・貨物に関する船との打ち合わせ、この3つの業務を通して、安全で効率的な運航を追求する仕事です。

船とはもちろんですが、世界中の港湾関係者や顧客とも関わりがあり、時には船や港に行ったり等現場にも近いので、船会社ならではといった刺激があります。特に私が所属するグループでは、貨物や荷積揚国が航海毎に変わるので、一緒に仕事をする人も国や人種を超えて幅広く、日々とても勉強になります。

商船三井採用HPより一部引用)
船会社の仕事の一つが運航管理とよばれる船のスケジュール管理をメインとした仕事です。
商社やメーカーなどの顧客に荷物がスケジュール通り届くように、荷積み荷下ろしなどの手配を行います。そのため関係者は、①商社やメーカーなどの顧客、②自社の船の船長、③倉庫会社の担当者、④荷積み・荷下ろしを担う現場担当者、⑤各港の関係者など多岐にわたります。
そういった多くの関係者の人とコミュニケーションを取りながら、天候問題など様々なトラブルが起きても対処し、無事に荷物を顧客に届けるのが仕事となります。船の運航にはトラブルがつきもので、天候だけではなく、海賊や各国の政策的な問題など、様々な問題が起こります。そういったトラブルに対して、その都度その都度、考えて自ら対処できる人材が求められていると言えます。
こういった仕事内容のため、求められる人材としては下記のような人材があげられるでしょう。
 
①顧客の課題や現在起こっている問題に対して主体的に考え、提案・行動し、問題を解決することのできる人材
②様々な関係者と信頼関係を構築しながら協力し、それぞれの組織の利益になるよう行動できる人材
③様々な立場や考え方の異なる関係者と調整を行い、まとめて、成果を上げることの出来る人材
こういった人材のことを商船三井では、「難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践できる人材」として表現しているものだと考えられます。

商船三井の設問

■質問4.企業選びのポイント(150文字以内・4行以内) *

■質問5.当社で興味のある事業・分野とその理由(150文字以内・6行以内) *

■質問6.当社以外で興味のある業界と会社(100文字以内・5行以内) *

■質問7.あなたが最も誇れる成功体験を教えてください。(200文字以内・6行以内) *

■質問8.あなたが海運という仕事を通して叶えたい夢や目標を踏まえて、当社を志望する理由を具体的に述べて下さい。(【1】【2】併せて600字以内)

【1】海運という仕事を通して叶えたい夢や目標

【2】上述を踏まえた、当社への志望動機

■質問9.商船三井の求める人材像は『自律自責型の人材』です。

すなわち、「難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践できる人材」です。

あなたの学生時代(大学入学以降)を振り返って、あなたが『自律自責型』を実践することができた経験について具体的に述べて下さい。

(【1】【2】【3】併せて800字以内) *

【1】あなたが直面した難題について、いかに困難であったかを含めて具体的に述べて下さい。

【2】その難題に対して、どういった解決策を見出し、どうやって乗り越えましたか?

【3】上述の乗り越えた経験を、今、どのように活かしていますか?

一つ目の設問

■質問4.企業選びのポイント(150文字以内・4行以内) *

商船三井では、志望動機についても企業選びのポイントから、商船三井において成し遂げたいことまで丁寧に聞いてくれます。

下記の志望動機の基本的な考え方を読んでおくとどのように整理すればよいのかよく理解できると思います。

志望動機を書く際のフレームワークを紹介しています。こちらの考えにそって書くことで、端的かつ論理的に述べることが出来ると思います。
参考:【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説
企業選びのポイントの一つは、「動詞」に注目した企業選びのポイントを入れることでしょう。

どうしても船会社や商社というと「海外で大きいビジネスがしたい」ぐらいしか志望動機として思いつかない人が多いと思いますが、動詞に注目するともっと多様な志望動機が考えられるでしょう。
「動詞」に注目した企業選びのポイントというのは例えば、「自ら考え、周囲の人に提案して解決を図ることにやりがいを感じる」とか、「様々な立場や考え方の人が一つとなって共通の目標を求めることにやりがいを感じる」など、行動の内容に対する興味や関心のことです。他にも「新しいものや仕組みを考えて提案し、実行することにやる気がでる」などが当てはまるでしょう。
商船三井であれば、「難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践できる人材」につながる「動詞」を考えてみると自ずと書くべきことが見えてくると思います。

二つ目の設問

■質問5.当社で興味のある事業・分野とその理由(150文字以内・6行以内) *

これは企業選びのポイントに則って、志望企業で具体的にどのような事業や分野に興味があるのか示すことが必要です。
「どこまでの具体性を求められるのか」というのが悩みどころですが、そこまで具体的なものは働いてみないとわからないというのは面接する側も理解しています。

ここでは、仕事内容について理解しており、社員が話すやりがいや達成感に共感できるということを自分の過去の経験から話ができれば十分でしょう。
「船会社の仕事そのものに興味があるため、事業や分野についてこだわりはないが、強いてあげるならエネルギー関連事業に興味がある」といったレベルで話ができれば十分です。
もちろん具体的に「LNG事業部に興味がある⇒学生時代にエネルギーや産業関連の研究をしていた⇒OB訪問で出会ったLNG事業部の○○さんの話に惹かれた」などより深くまで語ることができればより熱意は伝えることができるかもしれません。
こういった質問では具体的に話しすぎるデメリットもあります。「もうこの会社でこの分野でこの事業を成功させるんだ!」と熱意をもってプレゼンをしてしまう就活生も少なからずいますが、自分自身の経験に基づいていなかったり、プレゼンしている内容が的外れだったりすると、熱意は伝わるものの、少々融通がきかず、柔軟性のなさそうな人物であると捉えられる可能性もあります。
まじめな学生ほど具体的に具体的にと調べていくうちに上記のような罠にはまりがちなので注意してほしいと思います。あくまで仕事内容に対する理解を伝えれば最低ラインとしては十分だということを忘れずに。

三つ目の設問

■質問6.当社以外で興味のある業界と会社(100文字以内・5行以内) *
これも重要な質問です。詳しくは下記のコラムを参照してください。
消去法というアプローチから志望動機の書き方を考えていきます。納得感のある志望動機を記載できると思います。
参考:【業界別】志望動機(志望理由)の書き方とアプローチ方法|ES例文付

業界比較がしっかり出来ている学生はあまり多くないように感じます。そのため業界比較がしっかりできているとアドバンテージになるでしょう。
参考:「なぜうちの業界?」|業界研究の重要性

動詞に注目した企業選びのポイントが、「商品のない業界で自らの提案の価値が高い仕事」となっている場合、船会社だけでなく総合商社や銀行、コンサルなど様々な業界が当てはまります。様々な業界が当てはまる中でもなぜ船会社なのかという点が説明できると、仕事内容の理解および志望度の高さが伝えられます。

回答の仕方の一つとしては、「銀行ではグローバルな視点に欠ける、総合商社はどうしても一つの部門に配属されたらその部門をずっと歩むことが多く多様な業界との関わりというのが船会社に比べると弱い」などそれぞれの業界の弱点をもとに話をするといった形です。

四つ目の設問

■質問7.あなたが最も誇れる成功体験を教えてください。(200文字以内・6行以内) *

いわゆる学生時代頑張ったことにあたります。基本としては、商船三井が求める人材とはどのような人材か考えてアピールする内容を考えるべきですが、下記の六つ目の設問にて、商船三井が求める人材に則した内容の学生時代頑張ったことは聞かれているので、ここでは別の側面のアピールしたい内容を書いてもよいかもしれません。

例えば下記にて、「立場の異なる多様な価値観を持った人と信頼関係が構築できる」としたのであれば、ここでは「信頼関係の根っこにあるのは個人としての努力と成果に対するコミット」といった形で個人として徹底的に努力した経験を伝えるのはありでしょう。
もちろん六つ目の設問と同じように、「立場の異なる多様な価値観を持った人と信頼関係が構築できる」というのを別のコミュニティにおけるエピソードとして書いてもよいでしょう。
どちらが正解ということはないので、自分自身のエピソードという手持ちのカードを見ながらどうすれば自分が最も映えるのか考えてください。

五つ目の設問

■質問8.あなたが海運という仕事を通して叶えたい夢や目標を踏まえて、当社を志望する理由を具体的に述べて下さい。(【1】【2】併せて600字以内)*

【1】海運という仕事を通して叶えたい夢や目標

【2】上述を踏まえた、当社への志望動機

上記の企業選びのポイントを踏まえて、海運としてどのような夢や目標を持っているのか、業界の中でもなぜ商船三井なのかという二つの設問が聞かれています。

一つ目の夢や目標は自分の過去の経験に基づいて書く必要があり、必ずしも「海外」というキーワードが必要なわけではありません。下記のような夢で内定している人もいます。
立場や考え方の違う多くのメンバーから信頼されるリーダーになりたい
⇒学生時代は初心者や経験者がいるサークルの代表として一つのチームになることに腐心した
⇒船会社においては、世界中の人、商社やメーカーの人、船長など運航の現場担当の人など様々な立場の人と協力して仕事をしてあらゆる人から信頼されるリーダーになりたい
こういった形の志望動機、夢、目標の語り方の方が経験に基づいていないのに「日本のよさを海外に」というよりはよっぽどよいと思われます。
業界の中でもなぜ商船三井なのか、日本郵船でなくてよいのかという質問の答え方については下記のコラムを参考にしてほしいと思います。
「なぜうちの会社を志望するのか」という質問に困ってしまう就活生は多数いると思います。その質問に対して簡単に答えるアプローチ方法をご紹介します。

参考:【例文付】なぜその会社なの?志望動機の伝え方・企業選びの軸の定め方を解説

六つ目の設問

■質問9.商船三井の求める人材像は『自律自責型の人材』です。

すなわち、「難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践できる人材」です。

あなたの学生時代(大学入学以降)を振り返って、あなたが『自律自責型』を実践することができた経験について具体的に述べて下さい。

(【1】【2】【3】併せて800字以内) *

【1】あなたが直面した難題について、いかに困難であったかを含めて具体的に述べて下さい。

【2】その難題に対して、どういった解決策を見出し、どうやって乗り越えましたか?

【3】上述の乗り越えた経験を、今、どのように活かしていますか

一番最初に商船三井での働き方のケースを紹介したとおり、船会社の仕事においては関係者と協力しながら、トラブルや問題がおきても常に当事者意識をもち、解決策を提案し、実施できる人が求められています。
 

学生時代の経験で言えば、ゼミで出席率が低く共同論文が進まないなどの問題が発生したときに、当事者意識を持って問題解決のために、教授やメンバーなど関係者とコミュニケーションを取りながら問題解決まで実行するなどの経験があてはまるでしょう。

自分自身が当事者意識を持って問題解決まで導いた経験を伝えることが求められています。

 

最後に

商船三井は丁寧に求める人材を定義して聞いてくれており、志望動機についても企業選びのポイント、他に受けている業界から船会社での夢や目標、その中でもなぜ商船三井かと丁寧に聞いてくれています。

非常に良問が揃ったエントリーシートだと思いますので他業界を志望している方もぜひ参考にしてください。
参考:商船三井の企業研究
こちらのページから、商船三井のESや選考レポートをご覧になれます。

【参考】商船三井の内定者の回答(学業)「学業について 」

私は当初、理系で大学に入学したため、教養課程では理系科目、特に構造化学、物性化学という科目に力を注ぎました。

高校時から化学という科目が好きだったことと、化学品が非常に生活に身近であるということがその理由でした。その後将来、研究者になるよりも、より多くの人々と協働できる仕事をしたいという思いから経済学部への文転進学を選択しました。経済学部に所属している現在は、経済史学に特に関心を持っており、日本経営史という科目に最も力を注ぎました。

今後その専攻のゼミに入り知的探求を深めていきたいと考えています。    

【参考】商船三井の内定者の回答(学業以外)「学業以外について 」

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【参考】商船三井の内定者の回答(企業選びの軸)「企業選びのポイント(150文字)」

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photo by Martin Thomas

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