【業界研究】海運業界の展望とは?現在の動向と今後の将来性を併せて紹介

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最終更新日:2024年11月15日

本記事では、海運業界の現状と将来の展望を最新ニュースと併せて解説していきます。海運業界に興味のある就活生のみなさんはこの記事を読み、海運業界の現状分析に役立ててください。

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海運業界の現在

海運業界の現在

さて、海運株が海外投資家の買い越しによって好調に推移してきたことがわかった。海外投資家は新型コロナのワクチン接種による世界的な経済回復による海上貿易の復活などを先回りして買ったことになる。具体的には、商品市況の急騰による運賃急上昇や、好調な欧米や米中の運賃などが上昇した。海運各社の株価上昇は、このような業績回復によるバリュエーション面での魅力回復や、財務体質の改善による増配が予想されていることも株価上昇の要因になってきたとみるべきだろう。

引用記事:ぶっちぎりで上昇した海運株の今後はどうなるか

海運業は、「2021年の上半期(1~6月)に東京証券取引所の33分類のなかでもっとも上昇した業種」だったことをご存じでしたでしょうか?

新型コロナウイルスのワクチン接種による世界的な経済回復による海上貿易の復活などを先回りして海外投資家が株を購入したため、株価が最も上昇しました。

このように現在好調に見える海運業界ですが、実は様々な課題と直面しています。以下では、海運業界の課題について詳しく紹介していきます。

海運業界の課題とは─ニュースも併せて紹介

海運業界の課題

海運業界が抱えている課題は大きく分類すると①環境課題②人手不足の二つに分けられます。

本項目ではこの二点の問題について、実際のニュースと併せて解説していきます。

課題1. 環境問題

海運にとって、GHG排出実質ゼロの燃料を探し出すことは非常に重要だ。船配備の太陽光や風力発電システムでは大型船舶を動かすのに十分なエネルギーを生み出せない。国連の専門機関である国際海事機関(IMO)は18年、今世紀中のできる限り早期に国際海運分野のGHG排出量をゼロとする目標を策定した。国土交通省の目標は28年までに排出量ゼロの船舶を航行させることだ。

引用記事:東洋経済オンライン・商船三井の温室効果ガス排出ゼロ支える技術とは

海運業界では、従来よりエネルギーを大量使用する業界であるとして低エネルギー化が進められていました。

海運業界が抱えている課題の1つが、環境問題、脱炭素化です。船舶の燃料は長年、重油や石油由来を使用しています。そのため、地球温暖化や大気汚染の原因とされる物質が排出されており、環境負担への配慮が義務づけられています。

さらに、2020年1月より国際海事機関(IMO)による、船舶燃料の「硫黄化合物(SOx)」の規制強化が実施されています。

課題2. 人手不足

海運業界の二つ目の課題として、海上職の人手不足と船員の高年齢化が挙げられます。なかでも若手の船員が不足し、現役船員の高齢化が指摘されています。

一般的な職業に比べ平均年収は高めですが、業務形態が特殊な業種であることから特に海上職の離職率が高いと言われています。

特殊な勤務形態や労働環境が影響している。勤務は3カ月連続して働き、1カ月休むというパターンが多く、船舶という空間のなかで限られた人と長時間過ごすことになる。国土交通省が行ったアンケート(2016年)によると退職理由として最も多いのが、この「人間関係」。月収では37.1万円と、30.7万円の陸上労働者平均を上回っている(17年)が、長時間の重労働に対して割に合わないという声が少なくないという。

参考:深刻化する「船員不足」 島国ニッポンの大動脈をどう守る?

船員が不足することで労働者への負担増加、さらに安全性の低下や物流の停滞など様々な影響を及ぼす可能性があるため、海運業界では船員の不足に危機感を募らせています。

海運業界とSDGs

海運業界とSDGs

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海運業界の将来性

海運業界の将来性

ここまで、海運業界の現在の動向と課題について見てきました。ここからは、海運業界の将来性や今後について紹介していきます。

海運業界では、大手三社におけるコンテナ船事業統合が行われるなど、将来性に不安があるというイメージのある就活生も多いかもしれません。

関連記事:海運三社のコンテナ船経営統合に見る海運業界の苦境と今後の展開
→海運三社によるコンテナ船経営統合の意図や、今後の展望について詳細に解説されています。

このような状況を打破すべく、海運業界では積極的な事業の多角化が推進されています。以下では、川崎汽船を例に海運業界の新規事業展開を紹介します。 

  • 液化ガス新事業:当社の長年に亘る液化ガス(LNG、LPG)輸送事業で蓄えたハンドリングの知見を活かして、お客様のニーズにお応えすべく新たな事業の立ち上げを目指して積極的に検討を行っています。
  • エネルギー資源開発:川崎汽船は、新中期経営計画「“K” LINE  Value for the Next Century」にて、「オフショア/海洋エネルギー資源開発事業」を戦略的分野と位置付け、既存事業で培った自社ノウハウとネットワークを生かしつつ、当社グループの新たな安定収益源を育むべく、新規ビジネスの開拓へも積極的に取り組んでいます。

    引用:川崎汽船・事業紹介

このように海運会社は運送に関わることに限らず、自社のノウハウを生かした新規事業を幅広く行うことで、将来の経営の可能性を広げているのです。

まとめ

本記事では、海運業界の現在と課題、SDGsへの取り組み、将来性について解説しました。

環境面では現在、厳しい状況に置かれているといわれる海運業界。その一方で、世界の人口が増え続け貿易量や荷動きも増え続けるとも言われているので、成長産業であるという捉え方もできます。

本記事を参考に海運業界の業界研究を行うことで、選考突破や志望業界選定に役立ててください。

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