リクルーターとは?役割や導入企業、面談時に気をつけるべきポイントを解説
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最終更新日:2025年06月19日

1.そもそもリクルーターって何?
2.リクルーター面談の対策は何をするべきか
3.リクルーター面談でするべき逆質問とは
4.リクルーター面談に臨む前に知っておくべき基本マナー
5.リクルーターへのメールの書き方と具体例
6.リクルーターへの電話の基本マナーと具体例
7.リクルーター制度実施企業一覧(全39社)
そもそもリクルーターとは
昨今、多くの企業で「リクルーター・リクルーター制度」というものが導入されています。
まずリクルーター制度とは、"自社の社員が就活生と直接コンタクトを取ることにより、優秀な人材の獲得や採用活動のサポートをすることを目的とする制度"のことを指します。
そしてこの社員のことを「リクルーター」と呼び、入社1~5年目くらいの若手社員が担当することが多いというのが特徴になります。
実際のリクルーター面談の様子(丸紅)
会社近辺のレストラン。中堅社員の方と1対1でOB訪問のような形式。
5月中旬に電話で連絡があり、「OB訪問で高評価だった学生に更に丸紅の事を知ってもらいたい」と呼び出された。
OB訪問の形式で、レストランで昼食を取りながら会話をした。
基本的に、社員の方が喋って下さり業務内容を詳しく教えて下さった。
少し志望動機を聞かれたくらいで深堀りは無かった。
【リクルーター面談2回目】
会社近辺の喫茶店。人事部の方と1対1でOB訪問のような形式。
1回目のリクルーター面談後に電話があり、「次は人事部の者と会って欲しい」と言われ面談をした。
会社近くの喫茶店で待ち合わせをして、昼食を取りながら面談した。
1回目のリクルーター面談とは様変わりし、終始社員さんに質問をされた。
引用:丸紅 本選考レポート
上記は五大総合商社の一角、丸紅内定者のレポートです。こちらの方は面談後に最終面接があり、ほかに面接がなかったことから選考の一環だと考えて良いでしょう。
レポートの通り、面接ほど堅苦しい雰囲気ではありませんが、選考の一環として評価されていると心構えしておいた方が無難でしょう。
実際のリクルーター面談の様子(三井住友銀行)
回数が増える毎に段々と年次の高い社員が出てきて、質問内容も前回の面談の深堀等もあった。(志望動機の深堀、就活の軸等が主に深堀される)時間は約1時間で雰囲気はそれぞれ違うが、年次が高い人の方が緊張した雰囲気はあった。
プライベートセッション3回目くらいから志望動機の掘り下げでなぜ?なぜ?自分の人生で行ってきた事に対しなぜ?なぜ?と深く深く掘り下げてくるので、安易な自己分析だと途中で答えに詰まってしまいます。プライベートセッションは早くて3月の中旬~下旬から始まるので自己分析だけは徹底的にするべきだと感じました。また志望動機の高さや他行と比較した内容をちゃんと喋れるかどうかも面接を通して感じたのでそちらも力を注いでほしいです。
引用:三井住友銀行 本選考レポート
こちらは三井住友銀行でのリクルーター面談の様子です。こちらの場合でも、他に面接がなく、複数回のリクルーター面談後に最終面接ということなので、選考の一環と考えて良いでしょう。
このように、リクルーター面談は名前こそ「面接」ではありませんが、実態として選考の一環であると考えて良いでしょう。名前に油断せず自己分析や業界・企業研究、またガクチカ・自己PR・志望動機を入念に準備しておく必要があると考えます。
企業がリクルーター制度を用いている意味・メリット
リクルーター制度は今や多くの企業で用いられている制度になりますが、各社によってそれぞれ意味・用いるメリットが異なります。
そしてその意味・メリットは、大まかに以下の4つに分類することができます。
- 自社理解の促進・プロモーションをすることができる
- 志望度の向上に繋がる
- 一次選考(面接)の役割を担うことができる
- 内定辞退の防止に繋がる
自社理解の促進・プロモーションをすることができる
会社説明会などは1人の社員が大多数の就活生に向けて情報を発信するため、就活生間で情報の受け取り方に齟齬が生まれてしまったり、十分に理解できずに終わってしまう場合もよくあります。
その点、リクルーターは就活生と1対1で対話を行うため、社員も自社の説明を充分に行うことができるため、広報のような役割にもなり、就活生も充分に理解できるというメリットがあります。
志望度の向上に繋がる
始めから一つの会社に絞って就活を行っている学生はほとんどおらず、多くの就活生は複数の企業に興味を持ち、エントリー・選考に臨むため、企業側も"自社の魅力や特徴をアピールする必要がある"というわけです。
リクルーターは基本的に就活生と一対一で会話をするため、その場で直接的に就活生を惹き付けることができるというのもメリットの一つとなります。
一次選考(面接)の役割を担うことができる
インフラ業界などによく用いられるパターンになりますが、リクルーター面談が「実質の一次選考」の役割を担う企業もあります。
「明確に一次選考と伝える・選考とは伝えずとも合否判断をしている・面談時の評価次第によって一部の選考ステップが免除される」など、いくつかのパターンがありますが、"リクルーター面談が一次選考の役割を担っている"ということには変わりありません。
内定辞退の防止に繋がる
現在の就活生を取り巻く状況は売り手市場であり、複数の企業から内定をもらう学生も少なくありません。
リクルーターは「その学生専属の採用担当」という見方もできるため、その学生が入社してくれるよう内定後のアフターフォローをすることも重要な役割となるということです。
【業界別】リクルーター制度を採用している企業
以下、21卒の時点までで判明している、リクルーター制度を採用している企業を列挙します。
なお、ここに挙がっていない企業でもリクルーター制度を採用していることはありますし、また、将来的に同様にリクルーター採用を行うかどうかはわからないということはご承知おきください。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、三井住友信託銀行
野村證券、大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
東京海上日動火災保険、日本生命、あいおいニッセイ同和損保、第一生命、明治安田生命、住友生命
商工組合中央金庫(商工中金)、日本政策投資銀行(DBJ)、農林中央金庫、日本政策金融金庫、国際協力銀行(JBIC)
NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ
電源開発(J-POWER)、JXTGエネルギー、東京電力、関西電力、大阪ガス
JR東日本(東日本旅客鉄道)、JR東海(東海旅客鉄道)、JR西日本(西日本旅客鉄道)
旭化成、キヤノン(canon)、トヨタ自動車、川崎重工業、日立製作所、マツダ
鹿島建設、清水建設、大成建設、大林組
(※unistyle上に掲載している選考レポートおよび就活生からのアンケートに基づく)
詳しい内容を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
就活生にリクルーターが付くまで
ここでは就活生にリクルーターがつく際の対象・時期・接触方法を説明します。
リクルーターの接触対象
東大京大レベルの学歴上位層はエントリーをするだけでリクルーターがつくことがありますが、その他の学歴の学生でも、セミナーの参加やセミナーでの質問の質などによってリクルーターの接触対象となり得ます。自分...
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
リクルーターの接触時期
リクルーターの接触時期は、大きく2つの時期に分かれます。接触時期(1):その企業のインターン終了後
インターンでの評価に応じて、リクルーターから連絡が来る場合があります。
接触時期(2):日系大手企...
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
リクルーターの接触方法
接触方法は大きく分けて3つあります。接触方法(1):企業HPへのエントリー後に接触
学生がエントリーしたら、その情報に基づいて接触してくるという方法です。同じ大学のOBの社員がリクルーターとなる場合...
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
リクルーターをつけてもらうための3つの心構え
何人もの学生と個別で何回も会うというリクルーターの性質上、リクルーターが付く学生数は必然的に限られてきます。この段落では、リクルーターが付く機会を逃さないための注意点を説明します。
インターンへの参加、およびマイナス評価を回避する
リクルーター制度を採用している企業において最もリクルーターがつく可能性の高いのは、インターンで高評価を得た場合です。
インターンに参加した際に何より大切なのは、そこでマイナス評価を貰わないことです。じっくり見極められるインターン本番で「あ、この学生は完全に見込み違いだった」と思われると、リクルーターが付かないだけでなく本選考時にノールックで落とされます。
セミナーへの複数回参加、およびアンケートや質問で筋のよい内容を伝える
いくつかの金融機関は、一定以上の学歴があると、セミナーへの複数回参加のみでリクルーターがつくようになっています。それ以外のセミナーに参加するのみではつかない企業や、上位校以外の学生は、セミナーの場での質問や配布されるアンケートが重要になってきます。
ここでは「意図の明確な質問」をすることが重要です。調べればわかる内容や、「それ聞いてどうするの?」な内容の質問は評価されません。
OB訪問でのコミュニケーションの質を最大限に高める
そもそもリクルーターに限らず、OB訪問でも学生を評価していることは多いため、ここで評価されるようコミュニケーションの質を高めるのは当然に必要なことだと言えます。時間を割いてご飯も奢ってくれるOB社員に失礼のないようにしましょう。
OB訪問については以下の記事にひと通りの情報をまとめています。
リクルーター面談対策・頻出質問
「リクルーター面談の対策って必要なの?」と疑問に感じている就活生もいるかと思いますが、結論、リクルーター面談に向けた対策は必要です。
その理由としては以下の2点が挙げられます。
- 企業によって差はあれど、選考の評価に少なからず影響している場合がほとんどだから
- 社員と直接的に話をすることができる貴重な機会であるから
この段落では、リクルーター面談で評価されるために必要な対策を、服装などの「外見やビジネスマナー面」「自己PRなどの内容面」「逆質問」の3つの切り口で説明します。
外見・ビジネスマナー
リクルーター面談に臨む際には、見られているという意識を持つべきです。
服装も特段の指定のない限りスーツを着用し、挨拶や話し方も基本的なマナーを押さえ、フランクになりすぎず明確に選考の場であるということは認識して話してください。
また、企業側から「私服指定」があった場合は直前に他社の選考などがない限り私服で行くのがよいと思いますが、その際にもTPOや企業のカラーを勘案して違和感のない服装を心がけてください。
自己PR・志望動機
前提として、一般的な面接と同様に準備して臨んでください。
まずはリクルーター面談での頻出質問を列挙します。最低限この辺りの話は振られても問題ないようにしておきましょう。
【自己PR・経験について】
・学生時代に主にどんな活動をしているのか
・大学では何を勉強しているのか
【志望動機について】
・なぜ自社に関心をもっているのか
・就活の軸は何か
・他社、他業界はどこを見ているのか
・将来なりたい像はあるか
・自社のなかでもどんな仕事に興味があるのか
その上で、「落とす理由」を極力排除し次に推薦されるために以下のことを実践するとよいと考えています。
(実際に6社計35人のリクルーター面談を通過してきた、ある就活生の意見を参考にしました)
- 「もっと会社のことを知りたい!」という熱意・意欲を見せる
- 適度にプライベートの話を織りまぜる
- 前のリクルーターの話を次の面談で生かす
(1)「もっと会社のことを知りたい!」という熱意・意欲を見せる
志望動機を聞かれた際に筋の通った内容を伝えることと合わせて、プラスアルファの熱意を見せられるとリクルーターも次に推薦しやすくなるでしょう。
(2)適度にプライベートの話を織りまぜる
礼儀をわきまえた上で、ある程度腹を割って自分自身のプライベートをさらけ出すのは、その社員と仲良くなるためにも有効です。
(3)前のリクルーターの話を次の面談で生かす
採用のフローはすべて繋がっています。前の段階を踏まえて改善した・新たに興味が湧いて聞きたいことができた、などの繋がりが見えるとリクルーターとしてもより安心して次に推薦しやすくなるでしょう。
逆質問
企業によっては、最初の数回のリクルーター面談はすべて逆質問という場合もあります。社員に呼ばれて指定の場所にいくと「そしたら何か質問はありますか」と急に聞かれ、1時間ずっと逆質問だったという話も多くの学生から聞いています。
与えられた質問への応答よりも、逆質問にこそ、その人の優秀さや熱意が如実に表れます。以下に逆質問の例を記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 会社基盤に関する逆質問
→例)財務基盤 - 事業内容に関する逆質問
→例)業界内での立ち位置、今後の方針 - 仕事内容に関する逆質問
→例)仕事のやりがい、業務の一連の流れ - 人的魅力に関する逆質問
→例)会社の雰囲気、社員に対する印象
逆質問に関する基本的な考え方は以下の記事を参考にしてください。
最後に
以上、就活生にとって実態が不透明なリクルーター面談について見てきました。
明確に「本選考」や「1次面接」などと言われてなくとも、社員との対談の場を設けられたら実質的には本選考と同等です。この記事をベースに、適切に自身をアピールできるようになっていただければ幸いです。
最後に"リクルーターに関するunistyleの他の記事"も掲載しておきますので、こちらも併せてご覧ください。
1.そもそもリクルーターって何?
2.リクルーター面談の対策は何をするべきか
3.リクルーター面談でするべき逆質問とは
4.リクルーター面談に臨む前に知っておくべき基本マナー
5.リクルーターへのメールの書き方と具体例
6.リクルーターへの電話の基本マナーと具体例
7.リクルーター制度実施企業一覧(全39社)